異世界孤独記～憂鬱な歩み～

1章･連続する不幸

第二話･受注

｢これをお願いします。｣
｢薬草の採取ですね。ギルドカードを見せてください。｣
｢分かりました。｣

薬草の採取はクエストの中では比較的、
難易度が低く、僕でも受けることができるのだ。
薬草というのは町の外にまとまって生えているため簡単に集められる。
そのため報酬は安い。
しかし、
治療のときや回復ポーションの製造で一度にたくさん使うらしいので
いつもギルドのクエストボードに貼ってあるのだ。
前に僕でもできるクエストがないか聞いてみたら教えてくれたのだ。

｢手続きが完了しましたよ。
あなたまだ小さいから町の近くで取るようにしてくださいね。｣
｢分かりました。気をつけます。｣

病気と闘う妹のためにも
たくさんの薬草を見つけて帰らないと。
そうだ、今日は、
薬草がよく取れると噂の
【いやしの森】に行ってみよう。
安全って聞いたけど一応手前までにしておこう。



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｢あの子、大丈夫かしら｣

急いでる様子だったからあんまり話しかけられなかったけど……。
このギルドカードに書かれている名前……。
たしか、この前うちのギルド職員の誰かが引き取った子供の名前じゃなかったかしら。

なんだか、胸騒ぎがするわ。