70 / 88
番外編パート1 甘い誘惑にベッタベタに負けました
(3)甘い誘惑にベッタベタに負けました その1-3
しおりを挟む
その晩、克也がいつも通り帰宅して、一緒に食事を取っていたときから、愛子の顔は緩んでいた。
「愛子? 今日いいことでもあった?」
克也は愛子の様子が若干おかしいので聞いてみる。
「え、そんなふうに見える?」
「うん。何かさっきからずっと笑ってるようにしか見えないんだけど」
克也は苦笑いして愛子に答える。
「いいことは、これから起こるかも……、ふふっ」
「変な愛子。あ、そうか。今日、バレンタインデーだ」
「うん。会社でもらったの?」
「まぁね。女性多いからそこそこは。毎年恒例だったの覚えてない?」
「あ、そういえば……」
愛子は以前、克也と同じ会社に勤めていた。バレンタインの日になると、女性陣が用意した義理チョコが食堂で一斉に配られるというイベントが毎年行われていた。因みに結婚をする直前まで、義理とは言いながらも、克也は食堂で貰う愛子の手渡しチョコを楽しみにしていた。
「食堂のは営業に出てたから貰わなかったけど、あとでユウ姉と和歌子ちゃんからもらったよ。お腹すいてて、その場で食べてきちゃったけど」
「そっかそっかー」
愛子は楽しそうに克也の話を聞いている。そして頬の緩みが止まる気配がない。克也は若干困ったような顔をしながら一応聞いてみる。
「えっと……、愛子も、くれるんだよね?」
「うふふっ、あとでね。とっておきのをあげるよ」
愛子は満面の笑みで頬を緩ませながら克也に答える。
「もしかして……」
克也は冗談とも妄想とも付かないことを愛子にそのまま言ってみる。
「ベッドで裸になって、赤いリボンを全身に巻いて……、『プレゼントは、わ・た・し』とか……」
「やだ克也さんっ、そこまでベタじゃないよぉ……。やろうかなとは思ったけど」
「やろうとは思ったんだ」
「うん……。ちょっと」
愛子は下を向いて赤くなる。そして、上目遣いで克也を見る。
「でも、ベッドは、ちょっと関係ある……」
そんな意地らしく、かわいい妻の様子を見て、克也は今夜も頑張ろうと思うのであった。
「愛子? 今日いいことでもあった?」
克也は愛子の様子が若干おかしいので聞いてみる。
「え、そんなふうに見える?」
「うん。何かさっきからずっと笑ってるようにしか見えないんだけど」
克也は苦笑いして愛子に答える。
「いいことは、これから起こるかも……、ふふっ」
「変な愛子。あ、そうか。今日、バレンタインデーだ」
「うん。会社でもらったの?」
「まぁね。女性多いからそこそこは。毎年恒例だったの覚えてない?」
「あ、そういえば……」
愛子は以前、克也と同じ会社に勤めていた。バレンタインの日になると、女性陣が用意した義理チョコが食堂で一斉に配られるというイベントが毎年行われていた。因みに結婚をする直前まで、義理とは言いながらも、克也は食堂で貰う愛子の手渡しチョコを楽しみにしていた。
「食堂のは営業に出てたから貰わなかったけど、あとでユウ姉と和歌子ちゃんからもらったよ。お腹すいてて、その場で食べてきちゃったけど」
「そっかそっかー」
愛子は楽しそうに克也の話を聞いている。そして頬の緩みが止まる気配がない。克也は若干困ったような顔をしながら一応聞いてみる。
「えっと……、愛子も、くれるんだよね?」
「うふふっ、あとでね。とっておきのをあげるよ」
愛子は満面の笑みで頬を緩ませながら克也に答える。
「もしかして……」
克也は冗談とも妄想とも付かないことを愛子にそのまま言ってみる。
「ベッドで裸になって、赤いリボンを全身に巻いて……、『プレゼントは、わ・た・し』とか……」
「やだ克也さんっ、そこまでベタじゃないよぉ……。やろうかなとは思ったけど」
「やろうとは思ったんだ」
「うん……。ちょっと」
愛子は下を向いて赤くなる。そして、上目遣いで克也を見る。
「でも、ベッドは、ちょっと関係ある……」
そんな意地らしく、かわいい妻の様子を見て、克也は今夜も頑張ろうと思うのであった。
0
お気に入りに追加
112
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
久しぶりに帰省したら私のことが大好きな従妹と姫はじめしちゃった件
楠富 つかさ
恋愛
久しぶりに帰省したら私のことが大好きな従妹と姫はじめしちゃうし、なんなら恋人にもなるし、果てには彼女のために職場まで変える。まぁ、愛の力って偉大だよね。
※この物語はフィクションであり実在の地名は登場しますが、人物・団体とは関係ありません。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる