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第五章 愛のカタチ
(42)愛のカタチ その3-2
しおりを挟む愛子が一番待ち望んでいた時がやってきた。
克也は結婚してからこれまで、一度として愛子に挿入することがなかった。愛子の密壺はすっかり潤いを帯び、克也の赤く充血した猛々しい肉竿を今か今かと欲しがって、ピンク色に染まった肉襞を妖しく蠢かせている。
「いくよ」
「うん……。来て……」
仰向けに寝て膝を曲げ腰を少し浮かせ、克也に秘部を見せるように両脚を大きく開く。克也も大きく足を開き、両膝をついて愛子の開いた脚に密着させると、愛子の腰が自分の太腿に乗っかるように腰を前へと滑らせる。愛子の上体がふわっと起き上がると、愛子の腰を両腕で支える。
「どっちが好き?」
克也は腰をゆっくり上下に動かし、愛子の陰部に肉竿を密着させて擦り上げる。
「んっ……、んっ……、この、かたちでは……、あまり……経験ないかも」
愛子は克也の上で揺れながら擦り上げられる花芯の快感に酔う。
「このまま……、挿れてみようか」
克也は愛子の腰を船を漕ぐようにゆっくり動かしながら肉竿の裏側に凝縮されていく滾りの塊を愛子の紅く染まった蜜肉に擦り合わせ、その奥にある秘園への侵入を求める。
「いいよ……。このまま……、お願い。早く……」
愛子は左手の中指と人差し指で陰唇を広げると、中からとろとろと膣口から淫蜜が溢れ出る。克也は頷いて淫棒の根元を握り、赤黒く腫れあがった亀頭を膣口にあてがうと、思いの滾りを噛みしめるように、力強く、ゆっくりと挿入を始める。
「あああっ……、熱いの……、入ってきた……」
ゆっくり、ゆっくり、克也のすべての想いが愛子のなかにに流れるように……、深く、深く……。さらに深く……。
全て愛子の膣内に収まりきると、克也は両腕を愛子の背中へと回して愛子の上体を引き寄せる。
「愛してるよ。愛子。これからもずっと……」
「克也さん……。私も、愛してるよ。ずっと……」
愛子の瞳から涙が零れ落ちる。ふたりは唇を求め合い、長く、長く絡ませあう。
(克也さんの想いが流れてくる……。こんなにいっぱい……。大好き。私も大好きだよっ!)
愛子も想いを伝えようと克也の唇を積極的に求め、豊胸をぎゅっと克也に押し当てる。
(愛子……。ドキドキしてる……。こんなにまで俺のこと……。そうか。いっしょだったんだ。ずっと、ずっと…………)
そして、唇を離すと、下半身に満たされた快感がふたりを襲っていく。
「ううっ」
「あああああん!」
堪らなくなった克也は腰の動きをゆっくりと早めていく。襲ってくる快楽の波をふたりは堪えていた。そのとき思っていたことをふたりは同時に口にしていた。
「一緒にいこう。愛子」
「一緒にイキたいのっ。克也さん!」
心臓の鼓動と呼吸を確かめ合うように、快楽の波のリズムを合わせるように、克也は腰の動きを一定に保つ。愛子はその波に打ち付けられながら小さな絶頂を何度か繰り返していた。
「か……、克也さん……、わ、わたし……、もう……!」
「分かってる。大丈夫。次でイケる」
克也は愛子の唇を塞ぎ、そして腰の動きをどんどん早めていく。
「んん! んっ! んっ! ん! んんんんんん!!」
(いくよっ! 愛子っ!)
どぷっ! どぷっ! どぷどぷっ!!…………どくっ……どくっ……
唇を塞いだまま、蜜泉の奥深くに熱情のたぎり全てを放出する。
小刻みに震えながら愛子は克也の胸の中で痙攣を繰り返す。全てを注ぎ終えると克也は腰をゆっくりと引き、愛子を抱いたまま痙攣が収まるのを待つ。
「ぷはぁ……。はぁ、はぁ。はぁ……。」
愛子の呼吸が整え始めると、克也は愛子の額に手のひらを乗せる。
「ん……。熱は出てないよ」
「うん……。」
愛子はにっこりと克也に微笑みかける。しばらく肩で息をしながら克也の目を見つめる。
「はぁ、はぁ……、はぁ……。かつやさん。だいすきぃ……」
「僕も大好きだよ。愛子」
愛子はその声を聞いて、安心しきったようにゆっくりと目をつむると、そのまま静かに寝息を立て始める。
克也は愛子に腕枕をしながら耳元で囁く。
「おやすみ。愛子。」
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