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結婚前提のお付き合いを認めて貰えました!
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副支配人にマンションで出会ってから、数日後の出来事。一颯さんと副支配人が一緒に行動しているのを見かけた。ホテル内のツートップだから、一緒に行動してもおかしくはないけれど、よっぽどではない限りは二人きりと言う事はない。その二人の姿は実に楽しそうに見えた。
あれから一颯さんちにはお邪魔してないし、ゆっくり話す時間もなかったので事情は分からない。
それから一週間位が過ぎ、従業員食堂で吉沢さんと一緒に夕飯を取っている時、他の部署の女子社員が噂話をしていた。フロントに居た時に一緒だった方も混ざっている。
「支配人と副支配人って付き合ってるんだって!」
「住んでるマンションも一緒なんだよね?」
「そうみたい、お互いに行き来してるのかな?支配人も副支配人も仕事は厳しいけど、美男美女だしお似合いっちゃお似合いだよね!」
「分かる~!でもさ、篠宮さんにヤケに肩入れしてたから、そっちの噂もあったみたいだけど、相変わらずの冷たい態度だからないよね~」
「そうだよ、ある訳ないじゃん!あはははっ。だいたい支配人と駄目社員じゃ釣り合わないって!」
全て聞こえてますけれども!私の事、今だに全力で嫌いなんだな。近くに居るの分かってて、わざと話している。私はナポリタンフォークでクルクルし過ぎて、口に入らない大きさになっていた。そんな私を見て、吉沢さんはニコニコしていた。
「楽しそうだね、私も混ぜてくれる?」
吉沢さんはいきなり席を立ち、彼女達の前に仁王立ちした。
「エグゼクティブフロアで働いてるけど、篠宮ちゃんが駄目社員だなんて誰一人言ってないし、悪質なわざとらしい虐めなんかも誰一人しない。毎日、和気あいあいと仕事してるの!よっぽど下の階の人って、心が貧しいのね!」
「な、何なのこの人…」
「エグゼクティブフロアのラウンジの吉沢さんでしょ?何、そんなムキになってんの!」
「御存知の通り、吉沢よ。ついでに言うけど、貴方達が狙ってる高見沢君の彼女だから、よーく覚えておいてね」
吉沢さんは私を庇って、真っ直ぐな気持ちをぶつけると、気まづくなったのか、彼女達はそそくさと退散した。私は反論も出来ずに情けない位に、ただ座っていただけだった。
「あーゆー陰でしか言えない人達、嫌いなの!」
ガタリ、と椅子を引いて座る吉沢さん。
「有難う御座います……、私、悔しくても反論出来なくて…。あの人達にも支配人にも御迷惑おかけしてたのは事実で…」
「ん?篠宮ちゃんが思ってる程、迷惑なんてかけてないと思うよ。助け合うのが仲間でしょ!」
「はい、すみません…」
「ほらほら、そう卑屈にならないで!ナポリタン冷めちゃったね。早く食べよー、食べよー!」
吉沢さんは頼りになるお姉さん的な存在だ。甘えてはいけないのだけれど、様々な場面で助けて貰っている。
「そうそう、正式に拓斗と付き合う事にしたの。さっきの人達、拓斗の事を狙ってて、見かける度に付きまとっていたのを知ってたから、ついでだから報告しちゃった!」
口いっぱいにナポリタンを頬張りながら、吉沢さんは私に伝えた。
「おめでとうございます!高見沢さんも大喜びでしょうね」
「そうかな?拓斗はいつも傍に居たから、付き合っても私的には変わらない感じかな?」
吉沢さんはお人形さんみたいに小さくて可愛いのに、見た目とは違い、行動派で好き嫌いもハッキリしている。前彼とは色々あったみたいだけど、高見沢さんとは友達の延長からの恋人だから気を遣わないらしい。
「あ、あの…さっきの人達の話なんですけど…支配人がどうこうっていう…」
「んー?」
私達は食事を済ませ、従業員食堂を出た。二人きりのエレベーターで秘密を打ち明ける。
「知ってるかもしれないですけど、実は私…」
「大丈夫だよ、何となく知ってるから、言わなくて。私に教えてくれて有難う。秘密の恋バナは同じ休みの日にカフェ行ったりして話そ。中里ちゃんも誘おっ!」
「は、はい、楽しみにしてます」
高見沢さんだけ知っていて、こんなにも親身になってくれている吉沢さんに隠しているのは心苦しくなった。一颯さんと付き合って居るのに気付いているのか、私が好きな気持ちに気付いているのか、はたまた高見沢さんから聞いたのかは分からない。ただ、誰かに聞かれては困るので、吉沢さんは気を利かせてくれた。
「あ、」
エレベーターから降りた時に高見沢さんを発見した。私達の視線は高見沢さんに集中していたので、吉沢さんを見ると照れくさそうに「何だよ」と言った。
「従食で拓斗と付き合ってるの、バラして来たからね」
吉沢さんは真面目な顔をして高見沢さんに伝えた後、真っ赤な顔をした彼を確認して大笑いしていた。高見沢さんは吉沢さんに踊らされている。一生、叶わない相手だと確信した。
職場に戻り、仕事の最中も手につかない様子の高見沢さん。アイスペールに入れた氷を倒して、ばらまいたりしている。
「あのオタク女が変な事を言うからだ!」
オタク女とは吉沢さんの事で、普段はゲームや漫画が大好きらしい。ゲームにのめり込むと構って貰えないらしいが、前彼の前ではそんな素振りもなく、ゲームや漫画を封印していたらしい。それだけ、高見沢さんには気を許していると言う事だと思う。高見沢さんはどんな吉沢さんも大好きで、手に入れてからは尚更、大好きな存在になっている。付き合っているのを公表されたからって、仕事が手につかないなんて女子みたいだ。
あれから一颯さんちにはお邪魔してないし、ゆっくり話す時間もなかったので事情は分からない。
それから一週間位が過ぎ、従業員食堂で吉沢さんと一緒に夕飯を取っている時、他の部署の女子社員が噂話をしていた。フロントに居た時に一緒だった方も混ざっている。
「支配人と副支配人って付き合ってるんだって!」
「住んでるマンションも一緒なんだよね?」
「そうみたい、お互いに行き来してるのかな?支配人も副支配人も仕事は厳しいけど、美男美女だしお似合いっちゃお似合いだよね!」
「分かる~!でもさ、篠宮さんにヤケに肩入れしてたから、そっちの噂もあったみたいだけど、相変わらずの冷たい態度だからないよね~」
「そうだよ、ある訳ないじゃん!あはははっ。だいたい支配人と駄目社員じゃ釣り合わないって!」
全て聞こえてますけれども!私の事、今だに全力で嫌いなんだな。近くに居るの分かってて、わざと話している。私はナポリタンフォークでクルクルし過ぎて、口に入らない大きさになっていた。そんな私を見て、吉沢さんはニコニコしていた。
「楽しそうだね、私も混ぜてくれる?」
吉沢さんはいきなり席を立ち、彼女達の前に仁王立ちした。
「エグゼクティブフロアで働いてるけど、篠宮ちゃんが駄目社員だなんて誰一人言ってないし、悪質なわざとらしい虐めなんかも誰一人しない。毎日、和気あいあいと仕事してるの!よっぽど下の階の人って、心が貧しいのね!」
「な、何なのこの人…」
「エグゼクティブフロアのラウンジの吉沢さんでしょ?何、そんなムキになってんの!」
「御存知の通り、吉沢よ。ついでに言うけど、貴方達が狙ってる高見沢君の彼女だから、よーく覚えておいてね」
吉沢さんは私を庇って、真っ直ぐな気持ちをぶつけると、気まづくなったのか、彼女達はそそくさと退散した。私は反論も出来ずに情けない位に、ただ座っていただけだった。
「あーゆー陰でしか言えない人達、嫌いなの!」
ガタリ、と椅子を引いて座る吉沢さん。
「有難う御座います……、私、悔しくても反論出来なくて…。あの人達にも支配人にも御迷惑おかけしてたのは事実で…」
「ん?篠宮ちゃんが思ってる程、迷惑なんてかけてないと思うよ。助け合うのが仲間でしょ!」
「はい、すみません…」
「ほらほら、そう卑屈にならないで!ナポリタン冷めちゃったね。早く食べよー、食べよー!」
吉沢さんは頼りになるお姉さん的な存在だ。甘えてはいけないのだけれど、様々な場面で助けて貰っている。
「そうそう、正式に拓斗と付き合う事にしたの。さっきの人達、拓斗の事を狙ってて、見かける度に付きまとっていたのを知ってたから、ついでだから報告しちゃった!」
口いっぱいにナポリタンを頬張りながら、吉沢さんは私に伝えた。
「おめでとうございます!高見沢さんも大喜びでしょうね」
「そうかな?拓斗はいつも傍に居たから、付き合っても私的には変わらない感じかな?」
吉沢さんはお人形さんみたいに小さくて可愛いのに、見た目とは違い、行動派で好き嫌いもハッキリしている。前彼とは色々あったみたいだけど、高見沢さんとは友達の延長からの恋人だから気を遣わないらしい。
「あ、あの…さっきの人達の話なんですけど…支配人がどうこうっていう…」
「んー?」
私達は食事を済ませ、従業員食堂を出た。二人きりのエレベーターで秘密を打ち明ける。
「知ってるかもしれないですけど、実は私…」
「大丈夫だよ、何となく知ってるから、言わなくて。私に教えてくれて有難う。秘密の恋バナは同じ休みの日にカフェ行ったりして話そ。中里ちゃんも誘おっ!」
「は、はい、楽しみにしてます」
高見沢さんだけ知っていて、こんなにも親身になってくれている吉沢さんに隠しているのは心苦しくなった。一颯さんと付き合って居るのに気付いているのか、私が好きな気持ちに気付いているのか、はたまた高見沢さんから聞いたのかは分からない。ただ、誰かに聞かれては困るので、吉沢さんは気を利かせてくれた。
「あ、」
エレベーターから降りた時に高見沢さんを発見した。私達の視線は高見沢さんに集中していたので、吉沢さんを見ると照れくさそうに「何だよ」と言った。
「従食で拓斗と付き合ってるの、バラして来たからね」
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職場に戻り、仕事の最中も手につかない様子の高見沢さん。アイスペールに入れた氷を倒して、ばらまいたりしている。
「あのオタク女が変な事を言うからだ!」
オタク女とは吉沢さんの事で、普段はゲームや漫画が大好きらしい。ゲームにのめり込むと構って貰えないらしいが、前彼の前ではそんな素振りもなく、ゲームや漫画を封印していたらしい。それだけ、高見沢さんには気を許していると言う事だと思う。高見沢さんはどんな吉沢さんも大好きで、手に入れてからは尚更、大好きな存在になっている。付き合っているのを公表されたからって、仕事が手につかないなんて女子みたいだ。
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