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第二章
〜不穏な動き〜
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俺はミケラルドの城に入り浸るようになった。
何故かというと楽器を教える為だ。
ミケラルドが選んだ人材が続々と城に訪れた。俺はその人達に楽器の弾き方,演奏の仕方をレクチャーしていた。
それと共に基本的な音楽の知識も同時に教えていた。ララも毎日何故か参加して俺の話を真剣に聞いていた。
俺がこうしているのは、演奏する為にはちゃんとした基本的な知識が必要だと思っているからだ。ある意味では先生として師匠としての役目を俺が担っていかないといけない。
気付くと滞在して三ヶ月位が経過していた。
毎日教えても、まだまだ教えることは山積みだった。
それでもいつかはどこかで区切りを付けないといけない。
とそんな事を考えている頃だった。
「カナデ,ミーナから魔法でメッセージが来たのじゃ」
「ん? なんてきたの?」
「エルフが戦争するみたいじゃ」
「はぁ!? どういう事!?!?」
「さあ,詳しい事は分からないのじゃ」
どういう事なんだ? ミーナは? エルフは大丈夫なんだろうか?
俺はミケラルドの所に向かった。
「ミケラルド様,最近何か危ない話とかあるんですか?」
「危ない話とは?」
「争いが起きようとしてるとか? ないですよね?」
「……」
「その反応はなんです? あるんですか?」
「まだ決定ではないが,そういった動きがあるのは確かだ」
「そうなんですか……」
「出来れば戦争などしたくはないのだが,とにかく今は準備しているのは確かだ」
「分かりました。ありがとうございます」
俺はミケラルドの部屋を出て,旅の支度を始めた。
「なんだ? なんだ? オイラ達どっか行くのか?」
「ああ,皆でエルフの里に向かうぞ」
「急だわね」
「しょうがない。クロエの背中に乗って超特急で向かうぞ」
「大丈夫なのか!? いつも余の背中に乗るとカナデ死にそうになるじゃろ?」
「……しょうがない,我慢するしかない」
「それじゃあ行こうかの」
城の中庭でクロエはドラゴンになり,背中に乗ってエルフの里に向かった。
どの位で到着したのか俺は分からないが,やっと到着したみたいだった。
森の中に降り立ち,里へと向かう。
「誰だ???」
エルフの戦士に見つかった。
「怪しい者じゃない。族長に会いたいんだ」
「カナデさん達じゃないですか? どうしたんですか?」
「ミーナからメッセージをもらって飛んできたんだ」
「そうだったんですか……とりあえず案内します」
戦士の後を付いていき,里へと入り,族長の家に到着した。
コンコンコンッ。
「族長お客さんです」
「誰ですか?」
「久しぶりです。フーゴ」
「カナデさん達じゃないですか!」
「え!? カナデだって!?」
奥から大声でミーナが飛び出してきた。
「本当にカナデ達じゃない!」
「クロエがミーナの魔法のメッセージを受け取って,俺達は来たんだよ」
「来てくれたんだありがとう」
「とりあえず中へ入って下さい」
中へと通されテーブルに俺達は座る。
「それで,エルフが戦争をするというのは本当なのですか?」
「ええ……まあ」
詳しい話を俺達は聞いた。
エルフを帝国から助けて以降,コソコソせずに堂々と帝国がエルフを襲撃するようになっていったという。フーゴは平和的な解決を模索していたのだが,若い連中をまとめているゲイル一派が帝国と戦うという動きをしていくようになったのだそうだ。
そして知らないうちに魔国と繋がっていたらしく,魔国に味方する事をゲイルは勝手に約束したらしい。エルフを味方に付けた魔国は帝国に戦いを仕掛けるつもりだという。
現在の状況として魔国は帝国に,帝国は王国に宣戦布告している状態で,三国がまとめて戦いになってもおかしくない状態だという。
「というような状況に今はなっているんです」
「そんな大変な状況になっているのか……」
「ミーナは何で余達を呼んだのじゃ!?」
「カナデ達なら,クロエならどうにか出来るんじゃないかと思って……」
「それは無理じゃろ。人間共の戦争を止めるなんて」
「なあ,なあ,そもそも帝国が悪いんだろ? 帝国をぶっ潰せばそれで終わりじゃないのか? クロエがドラゴンになって帝国をドッカーンって倒したら駄目なのか?」
「……」
子供ながらの意見で単純明快だ。
だけれど,そうも簡単ではないのが戦争と人の心ってやつなんだ。
帝国が仮に凄い嫌な国だったとしても住んでいる人達には,愛国心ってのがある。
他の国に乗っ取られて生活が改善されたとしても自分達の国を取り戻すんだというレジスタンスとかが現れたりして,国内で内戦が起こったりするものなんだ。
「まあそのうち勝手に収まるじゃろ?」
「ってことはあちきの妖精達も参戦するってことよね? 大丈夫かしら」
ミミは自分達の種族が戦争に参加する事を心配しているようだった。
「フーゴや他のエルフはどうするんです?」
「ゲイル達を止めようとしていますが,きっと止まる事はないでしょう。勝手にした事とはいえゲイル達も大切な仲間です。だから戦争になったら力貸していく事になるだろうと思います」
「そうですか……」
俺はどうしたいのか? 自分自身で分かっていなかった。
クロエに俺が命令したら黒龍の全力を以ってすれば制圧して一時的に戦争を止める事は出来るかもしれない。だが,根本的な解決にはならない。
いや! そもそも戦争が無くならないのはどの世界でも同じか。
「クロエ行くぞ!」
「何処へじゃ?」
「とにかく行くぞ」
エルフの里から出て再び違う場所へと向かう事にした。
「一体何処へ行くのじゃ?」
「オイラもう疲れたぜ! せっかくエルフ飯食べられると思ったのによ」
「クロエ,今度は王国に向かってくれ」
「今度は王国とな」
早速クロエの背中に乗って飛び立った。
「今日はカナデ,意識ちゃんと保ってるね」
「そう言えば……そうだな」
もしかしたら慣れてきたのか? そんな事を考えてはいたが,下を見たらやっぱり俺の意識は遠のいた。
王国から少し離れた場所に降りて,馬車で俺達は王国へと向かう。
国の中に入るための門で侯爵からもらったバッジを見せたらすぐに中へ入れてもらえた。
ついでにサラン侯爵の屋敷の場所を聞き,屋敷へ赴いた。
この世界に訪れて一番大きな屋敷が目の前に広がる。
屋敷を守っている騎士にバッジを見せると,サラン侯爵の元にすぐに案内してもらえた
大きなドアの前に案内された。
「サラン侯爵様。侯爵家のバッジを持った人を連れてまいりました」
「分かりました。部屋に入れて下さい」
中に入るとテーブルの上に大量の書類に囲まれたサラン侯爵が見える。
「お久しぶりですサラン侯爵」
サラン侯爵はこちらを見て立ち上がった。
「おおお! お久しぶりカナデ様。よくぞ来てくれました。どうぞ座って下さい」
椅子に座るとメイド達がお茶と菓子を持って来てくれ,一息つく。
「急に訪れるなんてどうしたんですか??」
「率直に聞きますが,戦争が起きるんですか??」
「……どこでそれを?」
「まあ色々な所と俺達は繋がっていますから」
俺はサラン侯爵なら何かしらの戦争を止めるアイディアがあるのではないかと,思っていた。
「戦争は,開戦する事で決まりなんですか?」
「ええ,帝国が王国に宣戦布告してきて,国王を交えた貴族の話し合いの結果,戦う事が決まり,今は開戦に向けて色々と準備に追われている所です」
「どうなってしまうんですか?
「正直分かりません。魔国まで参戦してきて尚且,エルフも魔国に助力するとか……我々も妖精の力を貸してもらいますが,ここまで大規模の戦争した前例がなく,どんな事になるのか想像すらつきません」
「いつ,どこで開戦するんですか?」
「二週間後,ゴルゴタ平原で開戦します」
「……もう止まらないんですか?」
「ええ,国王も動くことに決めましたから,止めることはもう出来ないですね」
「分かりました」
俺はそのまま部屋を出て,サラン侯爵の屋敷を後にした。
「……」
「カナデこれからどうするのじゃ? 取り敢えず王国にいるんだからライデンに行って久々に美味しい食事を余は食べたいのじゃ」
「何ッ!? 美味い店があるのか?」
「今まで食べてきた中で一番美味しい店じゃな!」
「そんな事は早く言ってくれよぉ~。行こうぜ行こうぜ」
「それはそれは! あちきも楽しみだわ」
「カナデどうしたのじゃ!? ライデン行かないのか?」
戦争か始まる……俺はこの世界とこいつらとの音楽の旅が,いつの間にか好きになっていたらしい。地球に居たときも戦争があった。しかしそれは全く身近に感じることはなく,ニュースで映像が流れていたとしてもどこか映画を見ているような感覚だった。
だけど今は,現実的に自分達の身近で戦争が起きようとしている。
自分が出会ってきた種族や人,村や街が破壊されるかもしれない。
冒険者さすけが苦労して平和にした世の中が,また混沌とした世界に戻ってしまうと,彼が求めた音楽を広めるという事が出来なくなってしまうだろう。また戦争と奪い合いの時代が始まってしまうのかもしれない。それは何としても止めたいとそう思ってしまった。
「なぁ!? 俺が……戦争を止められるとは思ってないけど,悪あがきをしてもいいか? 無理かもしれないけどそれでも皆は付いてきてくれる?」
「カナデまた何やら考えておるのか?」
「何だよカナデまだ諦めてなかったのか?」
「え~,一体何するつもりなのよ!?」
「俺にしか,いや! 俺達にしか出来ない事をしようと」
俺は自分に出来る事をする為に皆で行動に移した。
何故かというと楽器を教える為だ。
ミケラルドが選んだ人材が続々と城に訪れた。俺はその人達に楽器の弾き方,演奏の仕方をレクチャーしていた。
それと共に基本的な音楽の知識も同時に教えていた。ララも毎日何故か参加して俺の話を真剣に聞いていた。
俺がこうしているのは、演奏する為にはちゃんとした基本的な知識が必要だと思っているからだ。ある意味では先生として師匠としての役目を俺が担っていかないといけない。
気付くと滞在して三ヶ月位が経過していた。
毎日教えても、まだまだ教えることは山積みだった。
それでもいつかはどこかで区切りを付けないといけない。
とそんな事を考えている頃だった。
「カナデ,ミーナから魔法でメッセージが来たのじゃ」
「ん? なんてきたの?」
「エルフが戦争するみたいじゃ」
「はぁ!? どういう事!?!?」
「さあ,詳しい事は分からないのじゃ」
どういう事なんだ? ミーナは? エルフは大丈夫なんだろうか?
俺はミケラルドの所に向かった。
「ミケラルド様,最近何か危ない話とかあるんですか?」
「危ない話とは?」
「争いが起きようとしてるとか? ないですよね?」
「……」
「その反応はなんです? あるんですか?」
「まだ決定ではないが,そういった動きがあるのは確かだ」
「そうなんですか……」
「出来れば戦争などしたくはないのだが,とにかく今は準備しているのは確かだ」
「分かりました。ありがとうございます」
俺はミケラルドの部屋を出て,旅の支度を始めた。
「なんだ? なんだ? オイラ達どっか行くのか?」
「ああ,皆でエルフの里に向かうぞ」
「急だわね」
「しょうがない。クロエの背中に乗って超特急で向かうぞ」
「大丈夫なのか!? いつも余の背中に乗るとカナデ死にそうになるじゃろ?」
「……しょうがない,我慢するしかない」
「それじゃあ行こうかの」
城の中庭でクロエはドラゴンになり,背中に乗ってエルフの里に向かった。
どの位で到着したのか俺は分からないが,やっと到着したみたいだった。
森の中に降り立ち,里へと向かう。
「誰だ???」
エルフの戦士に見つかった。
「怪しい者じゃない。族長に会いたいんだ」
「カナデさん達じゃないですか? どうしたんですか?」
「ミーナからメッセージをもらって飛んできたんだ」
「そうだったんですか……とりあえず案内します」
戦士の後を付いていき,里へと入り,族長の家に到着した。
コンコンコンッ。
「族長お客さんです」
「誰ですか?」
「久しぶりです。フーゴ」
「カナデさん達じゃないですか!」
「え!? カナデだって!?」
奥から大声でミーナが飛び出してきた。
「本当にカナデ達じゃない!」
「クロエがミーナの魔法のメッセージを受け取って,俺達は来たんだよ」
「来てくれたんだありがとう」
「とりあえず中へ入って下さい」
中へと通されテーブルに俺達は座る。
「それで,エルフが戦争をするというのは本当なのですか?」
「ええ……まあ」
詳しい話を俺達は聞いた。
エルフを帝国から助けて以降,コソコソせずに堂々と帝国がエルフを襲撃するようになっていったという。フーゴは平和的な解決を模索していたのだが,若い連中をまとめているゲイル一派が帝国と戦うという動きをしていくようになったのだそうだ。
そして知らないうちに魔国と繋がっていたらしく,魔国に味方する事をゲイルは勝手に約束したらしい。エルフを味方に付けた魔国は帝国に戦いを仕掛けるつもりだという。
現在の状況として魔国は帝国に,帝国は王国に宣戦布告している状態で,三国がまとめて戦いになってもおかしくない状態だという。
「というような状況に今はなっているんです」
「そんな大変な状況になっているのか……」
「ミーナは何で余達を呼んだのじゃ!?」
「カナデ達なら,クロエならどうにか出来るんじゃないかと思って……」
「それは無理じゃろ。人間共の戦争を止めるなんて」
「なあ,なあ,そもそも帝国が悪いんだろ? 帝国をぶっ潰せばそれで終わりじゃないのか? クロエがドラゴンになって帝国をドッカーンって倒したら駄目なのか?」
「……」
子供ながらの意見で単純明快だ。
だけれど,そうも簡単ではないのが戦争と人の心ってやつなんだ。
帝国が仮に凄い嫌な国だったとしても住んでいる人達には,愛国心ってのがある。
他の国に乗っ取られて生活が改善されたとしても自分達の国を取り戻すんだというレジスタンスとかが現れたりして,国内で内戦が起こったりするものなんだ。
「まあそのうち勝手に収まるじゃろ?」
「ってことはあちきの妖精達も参戦するってことよね? 大丈夫かしら」
ミミは自分達の種族が戦争に参加する事を心配しているようだった。
「フーゴや他のエルフはどうするんです?」
「ゲイル達を止めようとしていますが,きっと止まる事はないでしょう。勝手にした事とはいえゲイル達も大切な仲間です。だから戦争になったら力貸していく事になるだろうと思います」
「そうですか……」
俺はどうしたいのか? 自分自身で分かっていなかった。
クロエに俺が命令したら黒龍の全力を以ってすれば制圧して一時的に戦争を止める事は出来るかもしれない。だが,根本的な解決にはならない。
いや! そもそも戦争が無くならないのはどの世界でも同じか。
「クロエ行くぞ!」
「何処へじゃ?」
「とにかく行くぞ」
エルフの里から出て再び違う場所へと向かう事にした。
「一体何処へ行くのじゃ?」
「オイラもう疲れたぜ! せっかくエルフ飯食べられると思ったのによ」
「クロエ,今度は王国に向かってくれ」
「今度は王国とな」
早速クロエの背中に乗って飛び立った。
「今日はカナデ,意識ちゃんと保ってるね」
「そう言えば……そうだな」
もしかしたら慣れてきたのか? そんな事を考えてはいたが,下を見たらやっぱり俺の意識は遠のいた。
王国から少し離れた場所に降りて,馬車で俺達は王国へと向かう。
国の中に入るための門で侯爵からもらったバッジを見せたらすぐに中へ入れてもらえた。
ついでにサラン侯爵の屋敷の場所を聞き,屋敷へ赴いた。
この世界に訪れて一番大きな屋敷が目の前に広がる。
屋敷を守っている騎士にバッジを見せると,サラン侯爵の元にすぐに案内してもらえた
大きなドアの前に案内された。
「サラン侯爵様。侯爵家のバッジを持った人を連れてまいりました」
「分かりました。部屋に入れて下さい」
中に入るとテーブルの上に大量の書類に囲まれたサラン侯爵が見える。
「お久しぶりですサラン侯爵」
サラン侯爵はこちらを見て立ち上がった。
「おおお! お久しぶりカナデ様。よくぞ来てくれました。どうぞ座って下さい」
椅子に座るとメイド達がお茶と菓子を持って来てくれ,一息つく。
「急に訪れるなんてどうしたんですか??」
「率直に聞きますが,戦争が起きるんですか??」
「……どこでそれを?」
「まあ色々な所と俺達は繋がっていますから」
俺はサラン侯爵なら何かしらの戦争を止めるアイディアがあるのではないかと,思っていた。
「戦争は,開戦する事で決まりなんですか?」
「ええ,帝国が王国に宣戦布告してきて,国王を交えた貴族の話し合いの結果,戦う事が決まり,今は開戦に向けて色々と準備に追われている所です」
「どうなってしまうんですか?
「正直分かりません。魔国まで参戦してきて尚且,エルフも魔国に助力するとか……我々も妖精の力を貸してもらいますが,ここまで大規模の戦争した前例がなく,どんな事になるのか想像すらつきません」
「いつ,どこで開戦するんですか?」
「二週間後,ゴルゴタ平原で開戦します」
「……もう止まらないんですか?」
「ええ,国王も動くことに決めましたから,止めることはもう出来ないですね」
「分かりました」
俺はそのまま部屋を出て,サラン侯爵の屋敷を後にした。
「……」
「カナデこれからどうするのじゃ? 取り敢えず王国にいるんだからライデンに行って久々に美味しい食事を余は食べたいのじゃ」
「何ッ!? 美味い店があるのか?」
「今まで食べてきた中で一番美味しい店じゃな!」
「そんな事は早く言ってくれよぉ~。行こうぜ行こうぜ」
「それはそれは! あちきも楽しみだわ」
「カナデどうしたのじゃ!? ライデン行かないのか?」
戦争か始まる……俺はこの世界とこいつらとの音楽の旅が,いつの間にか好きになっていたらしい。地球に居たときも戦争があった。しかしそれは全く身近に感じることはなく,ニュースで映像が流れていたとしてもどこか映画を見ているような感覚だった。
だけど今は,現実的に自分達の身近で戦争が起きようとしている。
自分が出会ってきた種族や人,村や街が破壊されるかもしれない。
冒険者さすけが苦労して平和にした世の中が,また混沌とした世界に戻ってしまうと,彼が求めた音楽を広めるという事が出来なくなってしまうだろう。また戦争と奪い合いの時代が始まってしまうのかもしれない。それは何としても止めたいとそう思ってしまった。
「なぁ!? 俺が……戦争を止められるとは思ってないけど,悪あがきをしてもいいか? 無理かもしれないけどそれでも皆は付いてきてくれる?」
「カナデまた何やら考えておるのか?」
「何だよカナデまだ諦めてなかったのか?」
「え~,一体何するつもりなのよ!?」
「俺にしか,いや! 俺達にしか出来ない事をしようと」
俺は自分に出来る事をする為に皆で行動に移した。
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