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掴めない雲
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しおりを挟む―それからは夢中だった
「っ、ルイっ!やめ、…ん!!」
好きなんだ、止められないんだ
暴れる両手を頭上で纏めて、首筋に吸い付けばややおとなしくなる。
「はぁ、はぁ、好き、なんです…愁弥さんが…好き…」
うわ言のように繰り返して
愁弥さんの非難の言葉が聞こえないように
あれほど壊したくなかったこの関係も今日で終わりだと開き直ればもう何も恐いものはないと思った。
「ぅあっ!!…やめ、ろ…!」
何処までも抵抗する愁弥さんをどうにか気持ちよくさせたくて股間へと手を伸ばす
極度の緊張と、――嫌悪からだろうか、興奮していないソレを優しく握った。
そしてゆっくりと出来る限りの優しさで愛撫してやった
「、っ…はぁ、や…っ」
段々と硬くなるソレを認めたくないのだろうか。
愁弥さんから出てくるのは否定する言葉ばかり。
顔を覗き込むもその瞳は固く閉じられていて、私が映る事はなかった
すごく、痛くて
すごく、切なくて
無理に口付けをして舌を滑り込ませた。
初めて間近で見る事の出来た愁弥さんの顔は苦痛に歪んでいて
そして綺麗だった
「愁弥、さん――、私を見て…」
どうしたら届くのだろう
「い、やだ…っ!――綾、っ…」
私はこんなにもあなたを見ているというのに
こんなにも
こんなにも
あなたを愛しているというのに――
「ほら、もう楽になりたくはないですか?」
口に咥えたソレを放すと厭らしく液が粘ついた。
「っ、…くっ…あぁ、」
必死に唇を噛み締めてまであの男を想うのですか
私ではだめですか
「もうこんなになっているのに――」
嘲るように笑えば羞恥に顔を真っ赤にする
体はもう解放したくて仕方ないはずなのに
理性を繋ぎとめて、そこまで彼を愛しているのか。
「―、早くっ…終わらせ、ろ…っ!」
どうしたって愁弥さんの心は手に入らない
優しくしたって
無理矢理犯したって
あなたが笑いかけるのは―
「…なら―、あげますよ」
ならば
もっと酷い事をしよう
そして私を忘れられなくなればいい
「っ!!うあぁぁぁっ!!」
慣らさずに入れたのがきつかったのだろうか。
目を見開いて縮こまる。
そう、これでいい――。
「―好き、です」
無理に動く私にしがみ付くその様はまるで私を求めているようなのに。
ああ、掴めない
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