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交州
兄と祖父
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「私の荷物で間違いありません。お祖父様の名前が入った物もいくつかの見受けられますし」
陳祗は兵の詰め所で並べられた物品を一つ一つ確認してから、そう断言した。
どれも祖父の看病中に盗まれた物だ。貴重品など一部の荷物は欠けているが、少しでも帰ってきたこと自体は嬉しかった。
しかし、陳祗の表情からは晴れやかなものは一切感じられない。むしろ表情を消すことで暗い気持ちを隠しているようだった。
許靖の見る瞳の奥の「天地」でも、太陽が雲に隠れている。
並べられた盗品の向こうには、治安を担当する兵が立っている。その兵が念を押すように陳祗へ問いかけた。
「では、この女が君とお祖父様の荷物を盗んだということで間違いないね?全部この女が持っていた物なのだから」
兵は少し離れた柱を指さした。
そこには縄で縛られた女が繋がれている。
二十歳そこそこという年齢だろうか。なかなか整った顔立ちをしているが、縛られる時に暴れでもしたのだろう、今は髪も衣服も乱れて憐れな様子になっていた。
「宿屋のご主人が君たちの荷物を覚えていてね。それを持っていた女を見かけて通報してくれたんだ。後で改めてお礼を言っておきなさい」
その話は宿屋の主人からも聞いている。
思えば祖父が亡くなった時にもあれこれと世話を焼いてくれた。宿泊者が体調を崩し、あまつさえ亡くなるなど宿にとっては厄介事でしかなかろうに、随分と人の好い主人だった。
「……お久しぶりです」
陳祗は兵ではなく、女へ向かって頭を下げた。
この女には見覚えがある。祖父が体調を崩した直前に、食事を馳走した女だ。
あの時は盗難にあって困っているという話だったが、今は逆に盗人として捕縛されている。
女は陳祗の方を見ようとせず、床の一点へ視線を固定させていた。
体の筋肉を固め、まるで岩にでもなったかのように身動き一つしない。実際、岩になれるならそうしたかっただろう。
陳祗は女の暗い顔をしばらく無言で見つめていた。
なんの感情も読み取れないその視線は、むしろどこか遠くを見ているようでさえあった。
それからやがて意を決したようにうなずくと、兵の方へと向き直った。
「これらは全てこの女性に差し上げたものです。盗まれたわけではないので、開放してあげてください」
兵だけでなく、同席していた許靖も花琳も驚いて陳祗を見た。表情を消したその顔からは何も読み取れなかったが、どう考えても明らかな嘘だと分かる。
女の顔はまだ床の方を向いてはいたが、驚きに目が見開かれていた。
兵は冗談だとでも思ったのか、半ば笑いながら確認した。
「何を言ってるんだ。君は一度、荷物を盗まれたと言って我々に相談してきたはずだ。記録が残っている」
「私の思い違いでした。全て祖父がこの方に差し上げたものです」
「……この中にはどう考えても人にあげるようなものではない貴重品や、身分を示すような物品まである。適当な嘘をつくのはやめなさい」
「祖父にはおっちょこちょいなところがありますので。一部は間違えて渡してしまったのだと思います」
陳祗は兵の目を真っ直ぐに見返して答えた。目に力を込め、全くそらそうとしない。
それで兵の方も陳祗の意図と意志をよく理解できた。
「……陳祗君、といったね。我々は公の任務に就いているのだから、私情でもって人を裁くわけにはいかない。あくまで被害者がいるから加害者を捕縛できるわけだ。君が『被害は無かった』と言ってしまうと、我々は何もできないんだよ」
「何もしていただく必要はありません。私の勘違いでお手間をかけてしまい、申し訳ございませんでした」
陳祗は深々と頭を下げた。
兵はその下げられたまま上がらない頭を困ったように見下ろしていたが、やがてゆっくりとため息をついた。
それから気だるそうに口を開く。
「……少なくとも、間違えてあげてしまった物はきちんと回収しておきなさい。この女も銭に変えられなさそうな物はもらっても仕方ないはずだ」
女の顔はまだ床を向いていたが、予想だにしなかった展開に呆然としている。
それから陳祗は重ねて兵に詫びと礼とを伝え、必要な荷物を回収して兵の詰め所から出て行った。
その後ろには許靖と花琳だけではなく、縄をかけられていた女も一緒にいる。
詰め所から出た女は呆然とした顔に少しずつ表情を取り戻し、頬を段々と紅潮させていった。
そして、眉を釣り上げて陳祗を睨みつけた。
「……どういうつもり?あたしはあんたみたいなガキに同情されたわけ?」
女の声は周囲の目を気にしてか、静かなものだった。しかし明らかに怒りに満ちている。
許靖が女の瞳の奥の「天地」を見ると、そこにはアザミの花が咲いていた。
アザミは美しく、景色の良い花だが棘が多い。触れようとすれば傷つけられる。
(少し攻撃的なところがある女性だな。扱いに気をつけないと、刺されそうだ)
許靖はそう感じた。
女の質問には陳祗ではなく、花琳が答えた。
「同情を引いて食事をご馳走になるのは構わないけども、同情で罪を庇ってもらうのは嫌なんですか?」
女は怒りの眼差しを花琳の方へと向けた。花琳は冷ややかな目でそれを見返す。
許靖は女二人の視線の間に立っていたので、体中に火花を浴びたような気持ちになった。
ただ、許靖には女の感情の出どころが分かる気がした。
(相手を騙してかすめ取る分には自分の立場が上だが、同情で助けてもらうのは自分の方が下になってしまう。そういう事だろう)
それが人として正しい事かどうかはさておき、許靖はそういった人間を今まで多く見てきた。
不毛な自己顕示欲だが、人によっては大切だと思う者もいるのだろう。
陳祗は許靖と並んで立ち、女二人の間に立って諍いを止めようとした。
「やめてください。私はただ、お祖父様ならどうしただろうかと考えて行動しただけです。お祖父様は女性に対してはとにかく優しい方でしたから」
その言葉で、許靖は先ほどの陳祗の言動に納得ができた。
(確かに兄上ならそうするだろうな。女性というだけで、理屈抜きに守ろうとする人だったからな)
しかし、女の方は陳祗の言葉により自尊心を傷つけられたらしい。
「あんたの爺さんはよほど女を見下しているのね。それとも馬鹿にしてるのかしら」
陳祗は女を不思議な生き物を見るような目で見た。
「女を見下す?馬鹿にする?……その感覚は私によく分かりませんが、お祖父様は決してそのような事を思う人ではありませんよ」
「はっ!女に優しい男なんてもんは皆そうなんだよ。女が下だと思ってるから、自分の気分を良くするために優しくしようとする。あたしにはそれが我慢できないんだよ!だからそんな男はみんな騙して奪ってやるんだ!」
女は語調を激しくし、明らかな敵意を陳祗へ向けた。
しかし、陳祗は女の言っていることがいよいよ理解できないといった風に眉根を寄せた。
「お祖父様が女性に優しくするのはそんな理由ではありません」
「じゃあ、何でそうするっていうのよ?」
女はそう尋ねたが、どんなに難しく哲学的な答えを返されてもすぐに言い返せる自信があった。
(どんな男も同じだ。結局は男が上で女が下だっていう勘違いを心の底に敷いて生きている)
そう考えている女へ、陳祗は言葉に実感を込めて放った。
「何でって……それは私のお祖父様が、女性のことが大大大大大大大大大大大大大大大大大っ好きだからです」
「……えーっと」
女はすぐに言い返そうと思ったが、あまりに馬鹿らしい回答を返されてすぐに言葉が浮かばなかった。
困惑する女に構わず、陳祗は祖父の話を続けた。
「お祖父様の女好きは並大抵のものではありません。女性であれば、老いも美醜も性格も関係ないのです。女性が女性であるというだけで、お祖父様には全て最上の価値がある。だから女性には優しくするのです」
女はやはり返答に困った。馬鹿もそこまで振り切られると、逆に何を言っていいか分からない。
「お祖父様にとって女性は見下すどころか、むしろ雲の上、天と同等に位置するような存在です。馬鹿になどするわけがありせん。それだけ女性が大好きなのです」
「そ、そう……」
女は陳祗へかろうじてそれだけを言えた。
(アザミの棘が、空振ったな)
許靖は女の様子を見てそんな感想を持った。
しかし、女も少年相手にこのまま引き下がるのは癪だった。
やはり何か言い返してやろうと思って思考を巡らせている所へ、陳祗が太陽のような笑顔を向けてきた。
「そして、女性が好きだという感情は私にも遺伝されています。だから、私はあなたのことが好きです。大好きです。あなたが幸せになってくれればいいと思っています。だからそんなに怒らず、笑っていてください」
面と向かい、曇りのない眩しい笑顔で好きだと言われた女は心臓を強く拍動させた。十をいくつか過ぎた程度の少年を相手に、心を狼狽えさせてしまっている。
怒りで紅潮していた女の頬は、相変わらず赤いままだった。しかし、今は別の感情で赤くなっているように思える。
花琳はそのやり取りを見ながら片頬を引きつらせていた。
許靖も末恐ろしいほどに魅力的な少年の笑顔に、もはや苦笑するしかない。
ただそれでも、もう会うことのできない兄の残影がここにいる気がして嬉しくも感じるのだった。
陳祗は兵の詰め所で並べられた物品を一つ一つ確認してから、そう断言した。
どれも祖父の看病中に盗まれた物だ。貴重品など一部の荷物は欠けているが、少しでも帰ってきたこと自体は嬉しかった。
しかし、陳祗の表情からは晴れやかなものは一切感じられない。むしろ表情を消すことで暗い気持ちを隠しているようだった。
許靖の見る瞳の奥の「天地」でも、太陽が雲に隠れている。
並べられた盗品の向こうには、治安を担当する兵が立っている。その兵が念を押すように陳祗へ問いかけた。
「では、この女が君とお祖父様の荷物を盗んだということで間違いないね?全部この女が持っていた物なのだから」
兵は少し離れた柱を指さした。
そこには縄で縛られた女が繋がれている。
二十歳そこそこという年齢だろうか。なかなか整った顔立ちをしているが、縛られる時に暴れでもしたのだろう、今は髪も衣服も乱れて憐れな様子になっていた。
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「……お久しぶりです」
陳祗は兵ではなく、女へ向かって頭を下げた。
この女には見覚えがある。祖父が体調を崩した直前に、食事を馳走した女だ。
あの時は盗難にあって困っているという話だったが、今は逆に盗人として捕縛されている。
女は陳祗の方を見ようとせず、床の一点へ視線を固定させていた。
体の筋肉を固め、まるで岩にでもなったかのように身動き一つしない。実際、岩になれるならそうしたかっただろう。
陳祗は女の暗い顔をしばらく無言で見つめていた。
なんの感情も読み取れないその視線は、むしろどこか遠くを見ているようでさえあった。
それからやがて意を決したようにうなずくと、兵の方へと向き直った。
「これらは全てこの女性に差し上げたものです。盗まれたわけではないので、開放してあげてください」
兵だけでなく、同席していた許靖も花琳も驚いて陳祗を見た。表情を消したその顔からは何も読み取れなかったが、どう考えても明らかな嘘だと分かる。
女の顔はまだ床の方を向いてはいたが、驚きに目が見開かれていた。
兵は冗談だとでも思ったのか、半ば笑いながら確認した。
「何を言ってるんだ。君は一度、荷物を盗まれたと言って我々に相談してきたはずだ。記録が残っている」
「私の思い違いでした。全て祖父がこの方に差し上げたものです」
「……この中にはどう考えても人にあげるようなものではない貴重品や、身分を示すような物品まである。適当な嘘をつくのはやめなさい」
「祖父にはおっちょこちょいなところがありますので。一部は間違えて渡してしまったのだと思います」
陳祗は兵の目を真っ直ぐに見返して答えた。目に力を込め、全くそらそうとしない。
それで兵の方も陳祗の意図と意志をよく理解できた。
「……陳祗君、といったね。我々は公の任務に就いているのだから、私情でもって人を裁くわけにはいかない。あくまで被害者がいるから加害者を捕縛できるわけだ。君が『被害は無かった』と言ってしまうと、我々は何もできないんだよ」
「何もしていただく必要はありません。私の勘違いでお手間をかけてしまい、申し訳ございませんでした」
陳祗は深々と頭を下げた。
兵はその下げられたまま上がらない頭を困ったように見下ろしていたが、やがてゆっくりとため息をついた。
それから気だるそうに口を開く。
「……少なくとも、間違えてあげてしまった物はきちんと回収しておきなさい。この女も銭に変えられなさそうな物はもらっても仕方ないはずだ」
女の顔はまだ床を向いていたが、予想だにしなかった展開に呆然としている。
それから陳祗は重ねて兵に詫びと礼とを伝え、必要な荷物を回収して兵の詰め所から出て行った。
その後ろには許靖と花琳だけではなく、縄をかけられていた女も一緒にいる。
詰め所から出た女は呆然とした顔に少しずつ表情を取り戻し、頬を段々と紅潮させていった。
そして、眉を釣り上げて陳祗を睨みつけた。
「……どういうつもり?あたしはあんたみたいなガキに同情されたわけ?」
女の声は周囲の目を気にしてか、静かなものだった。しかし明らかに怒りに満ちている。
許靖が女の瞳の奥の「天地」を見ると、そこにはアザミの花が咲いていた。
アザミは美しく、景色の良い花だが棘が多い。触れようとすれば傷つけられる。
(少し攻撃的なところがある女性だな。扱いに気をつけないと、刺されそうだ)
許靖はそう感じた。
女の質問には陳祗ではなく、花琳が答えた。
「同情を引いて食事をご馳走になるのは構わないけども、同情で罪を庇ってもらうのは嫌なんですか?」
女は怒りの眼差しを花琳の方へと向けた。花琳は冷ややかな目でそれを見返す。
許靖は女二人の視線の間に立っていたので、体中に火花を浴びたような気持ちになった。
ただ、許靖には女の感情の出どころが分かる気がした。
(相手を騙してかすめ取る分には自分の立場が上だが、同情で助けてもらうのは自分の方が下になってしまう。そういう事だろう)
それが人として正しい事かどうかはさておき、許靖はそういった人間を今まで多く見てきた。
不毛な自己顕示欲だが、人によっては大切だと思う者もいるのだろう。
陳祗は許靖と並んで立ち、女二人の間に立って諍いを止めようとした。
「やめてください。私はただ、お祖父様ならどうしただろうかと考えて行動しただけです。お祖父様は女性に対してはとにかく優しい方でしたから」
その言葉で、許靖は先ほどの陳祗の言動に納得ができた。
(確かに兄上ならそうするだろうな。女性というだけで、理屈抜きに守ろうとする人だったからな)
しかし、女の方は陳祗の言葉により自尊心を傷つけられたらしい。
「あんたの爺さんはよほど女を見下しているのね。それとも馬鹿にしてるのかしら」
陳祗は女を不思議な生き物を見るような目で見た。
「女を見下す?馬鹿にする?……その感覚は私によく分かりませんが、お祖父様は決してそのような事を思う人ではありませんよ」
「はっ!女に優しい男なんてもんは皆そうなんだよ。女が下だと思ってるから、自分の気分を良くするために優しくしようとする。あたしにはそれが我慢できないんだよ!だからそんな男はみんな騙して奪ってやるんだ!」
女は語調を激しくし、明らかな敵意を陳祗へ向けた。
しかし、陳祗は女の言っていることがいよいよ理解できないといった風に眉根を寄せた。
「お祖父様が女性に優しくするのはそんな理由ではありません」
「じゃあ、何でそうするっていうのよ?」
女はそう尋ねたが、どんなに難しく哲学的な答えを返されてもすぐに言い返せる自信があった。
(どんな男も同じだ。結局は男が上で女が下だっていう勘違いを心の底に敷いて生きている)
そう考えている女へ、陳祗は言葉に実感を込めて放った。
「何でって……それは私のお祖父様が、女性のことが大大大大大大大大大大大大大大大大大っ好きだからです」
「……えーっと」
女はすぐに言い返そうと思ったが、あまりに馬鹿らしい回答を返されてすぐに言葉が浮かばなかった。
困惑する女に構わず、陳祗は祖父の話を続けた。
「お祖父様の女好きは並大抵のものではありません。女性であれば、老いも美醜も性格も関係ないのです。女性が女性であるというだけで、お祖父様には全て最上の価値がある。だから女性には優しくするのです」
女はやはり返答に困った。馬鹿もそこまで振り切られると、逆に何を言っていいか分からない。
「お祖父様にとって女性は見下すどころか、むしろ雲の上、天と同等に位置するような存在です。馬鹿になどするわけがありせん。それだけ女性が大好きなのです」
「そ、そう……」
女は陳祗へかろうじてそれだけを言えた。
(アザミの棘が、空振ったな)
許靖は女の様子を見てそんな感想を持った。
しかし、女も少年相手にこのまま引き下がるのは癪だった。
やはり何か言い返してやろうと思って思考を巡らせている所へ、陳祗が太陽のような笑顔を向けてきた。
「そして、女性が好きだという感情は私にも遺伝されています。だから、私はあなたのことが好きです。大好きです。あなたが幸せになってくれればいいと思っています。だからそんなに怒らず、笑っていてください」
面と向かい、曇りのない眩しい笑顔で好きだと言われた女は心臓を強く拍動させた。十をいくつか過ぎた程度の少年を相手に、心を狼狽えさせてしまっている。
怒りで紅潮していた女の頬は、相変わらず赤いままだった。しかし、今は別の感情で赤くなっているように思える。
花琳はそのやり取りを見ながら片頬を引きつらせていた。
許靖も末恐ろしいほどに魅力的な少年の笑顔に、もはや苦笑するしかない。
ただそれでも、もう会うことのできない兄の残影がここにいる気がして嬉しくも感じるのだった。
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