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半夏瀉心湯、六君子湯、四君子湯、二陳湯4

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「世界征服のためですって」

 どこか投げやりな后土の回答に、瑤姫はポカンと大口を開けてしまった。

 いや、瑤姫だけでなく景も、そして設楽夫婦もほとんど同じような顔をした。

「いや……世界征服って……」

 瑤姫の頬が苦笑につり上がる。

 一方の后土は深々とため息を吐いた。

「私もさすがに呆れたわよ。まるで人間の子供みたいなことを言うんだもの」

 この言い草の根本にある感情、これは神でなければ少し理解しづらい。

 世界征服と言ったところで、その世界とは所詮は下界のことなのだ。上位存在である神々にとっては、神農に逆らってまでやる行いとしてやや滑稽にすら思える。

 とはいえ、景たち人間にとっても滑稽と言って差し支えないような話ではあった。世界征服という四字からは、ある種の幼稚な雰囲気が漂っている。

「蚩尤はどうしてそんな安っぽいことをしたいと思ったのかしら?」

「ほら、あの子は戦の神だから」

 瑤姫の疑問に、后土が思い出させるように答えをくれた。

 そしてその答えは瑤姫にとって、簡単に納得できる話だった。

「ああ……そういうこと」

「分かるでしょ?実際に部下を率いて私の医聖たちと戦う蚩尤は、それはそれは楽しそうだったわよ。ニコニコしながら私の医聖たちを全滅させてたし」

「ぜっ、全滅!?」

 と、それまで二人の会話を傍観していた景が思わず口を挟んだ。

「全滅って、全員やられたんですか!?」

 人の身で断りもなく神同士の会話に割って入るのは、無礼と叱責されてもおかしくはない行為だろう。

 しかし后土は不快感など毛の先ほども見せず、むしろ景へ親愛のこもった目を向けた。

「あなたが張中景ね。お父様から話は聞いているわ。張仲景ちょうちゅうけいの再来かと思うほど闘薬術の素質があるという話だったけど……」

 そう言って后土は景の頭から爪先まで視線を流し、優しげな瞳に小さな寂寞の色を浮かべた。

 寂しい。

 あたかも顔にそんな感情が書かれているかのようだった。

「……雰囲気はあの人と随分違うのね……」

 ほとんど聞き取れるかどうかという小声でつぶやいた。

 景はそれを聞き、張仲景と后土が歴史上初めての医聖とそのパートナーだという話を思い出した。

 それは西暦二百年頃のことなので、はるか昔に張仲景は亡くなっているはずだ。

 にも関わらず、目の前の后土は未だにこんな目をしている。それが神の時間感覚によるものなのか、それとも思いの強さによるものなのか、景には分からなかった。

 しかし今はそのことを構っている場合ではない。先ほどの問いを重ねた。

「えっと、その……全滅って……」

「全滅って言っても、全員が死んだわけじゃないわ」

 后土は景の心情を慮ってか、今度はすぐに回答をくれた。

「というか、恐らくだけど一人も死んでいない可能性が高いでしょうね。蚩尤から殺さないよう指示が出ていたみたいだから。明らかに手加減されていたもの」 

「そう……ですか……じゃあ向こうも本気でこっちを潰そうとしてるわけじゃないんですね」

 要は、神々の兄弟姉妹喧嘩のようなものなのか。

 そんな風に感じられた景は、安堵して表情を緩めた。

 しかしその顔は、后土の言葉によってすぐに引き締められることになる。

「他の医聖を潰そうとしていないのはその通りだけど、それはまるで安心材料にならないわよ。蚩尤はこの世界を征服しようとしているのだから」

「そ、そうですよね……」

 確かにそうだ。

 世界征服という言葉が滑稽なのは実現する可能性がゼロだからであって、もしその可能性が低くないのなら少しも笑えない。

 景は気を取り直して蚩尤の目的を掘り下げることにした。

「さっき瑤姫も聞いてましたけど、どうして蚩尤は世界を征服したいんですか?俺らにも分かるように教えてもらえると助かるんですけど」

「あの子は戦の神だから戦いが大好きなの。つまり、世界征服に至るまでの戦争を楽しみたいのよ」

「えぇ……」

 景は心底嫌そうな顔をした。

 その後ろで設楽夫婦もやはり同じような表情になっている。蚩尤もまた神農の息子として信奉すべき神ではあるが、どうにも信仰心は湧いてこなかった。

 神職の夫婦でそうなのだから、いわんや一般人の景をして好印象を抱きようがない。

「自分が戦いたいから戦争を起こすって、はた迷惑にも程があるでしょう」

「本当にその通りね。ほとんどの人間たちにとってはいい迷惑でしかないわ」

「ほとんどっていうか、全人類に迷惑です」

「それがそうでもないのよ。少なくともあなたたち医聖にとっては、悪い話ではないわ」

 后土の言うことに、景は一瞬だけ怪訝な顔をした。

 しかしすぐに気づいて、あぁ、とうなずいた。

「……そうか、蚩尤の戦力は医聖だから」

「その通りよ。お父様から能力制限を受けている以上、蚩尤の主戦力はどうしても医聖になるわ。つまり蚩尤に征服された後の世界では、医聖が優遇されるのがほぼ決定事項になるわね」

「なるほど……だから自分の管轄ではない医聖も殺さないよう指示しているわけですね」

「理解が早くて助かるわ。医聖の因子を持つ人間は非常に稀で、敵対している医聖でも先々で取り込める可能性があるなら殺しはしないでしょうね」

 設楽夫婦はこの話を聞き、張り詰めていた肩の力を抜いた。

 蚩尤は月子と由紀を味方にしたいはずだから、ひどい扱いはしないだろう。神農の話の根拠を理解して、二人は安堵した。

 景も似たような気持ちではあったが、それとは関係なくまだ納得しきれていない顔をしている。

「でも……いくら闘薬術がすごいって言っても、蚩尤の麾下は今のところ三百人かそこらですよね?その数の医聖で世界征服って、ちょっと無理がないですか?戦の神様にしてはやることがずさん過ぎるように思うんですけど」

「確かにそうね」

 后土はいったん同意してから、すぐにそれを否定した。

「でもそれは普通の医聖、普通の闘薬術なら、という条件付きの話よ」

「……ってことは、蚩尤の医聖は普通じゃないんですか?」

「邪気まとい、あなたも見たのでしょう?」

 后土に言われ、景はその様子を思い返した。

 額に黒い角が生えた医聖たちが、邪気の込められた攻撃を放っていた。

 あの攻撃なら処方が適切でなくとも病邪に一定のダメージを与えられるらしい。ただし、発生させた邪気を邪気にぶつけて散らしているだけなので、邪気の総量としては増えてしまう。

 つまり病邪の発生総数は増えるのだ。これに関して瑤姫も新農も小さくない問題があると言っていたし、病邪の発生で父母を亡くしたと思われる由紀は顔を真っ赤にして怒っていた。

「邪気をまとった状態の医聖は病邪と同じように、通常の物理攻撃が効かないのよ」

「えっ!」

 景は后土の明かしたこの事実に、事態の深刻さを否応なく理解した。

「そ、それって……」

「普通の人間には医聖を倒す手段がないということになるわね。少なくとも直接的には、ということではあるけど」

 直接的には、という部分を受けて景は少し考えた。

(間接的にってなると……例えば分厚いコンクリ部屋に閉じ込めて飢えさせるとかか?でもそれってかなり難しいよな……ってか、そうなっても内側から延々と桂枝茯苓GUNとかを撃ちまくればその内出られるか。弾は念じればいくらでも創れるんだし)

 ほんの短い時間考えたところで、闘薬術の無茶苦茶さを再認識するだけの結果になった。

 質量保存の法則も、エネルギー保存の法則も丸無視なのだ。理系の人間全てを馬鹿にしているようにすら思える。

「核兵器とかでも効かないんですか?」

「効かないらしいわ。蚩尤が原子力発電所で試験したと言っていたのだけど、病邪に放射線が効かないことはすでに確認済みだし、嘘ではないでしょうね」

 蚩尤は邪気まといのことを深く研究していたようだ。

 神農が先日保護した松原はじめについて、人体実験の被検者なのではないかと言っていたが、どうやらその推測は正しかったらしい。

「しかも攻撃が邪気を帯びることによって、人体にも有効になるというおまけ付きよ」

 闘薬術で現れた武器を人体に使うと、薬を飲んだのと同じ効果が得られる。実際に景も麻黄刀を由紀に刺してインフルエンザを治したことがあった。

 そのように本来なら人間に対して武器にならない闘薬術だが、邪気まといならば人を殺めることも可能ということだ。

「敵の攻撃は通らないのに自分の攻撃は通るって、それもう無敵でしょう……」

 これは本当に世界征服できてしまうな、と景が思ったところで后土が情報を付け加えた。

「決して無敵というわけではないわ。邪気をまとうことで病邪と同じように、闘薬術でのダメージを受けるようになるのよ。しかも病邪と違って、処方の適切さにはあまり左右されずに効くみたいだったわね」

 后土が『みたいだった』と言ったのは、それが后土の医聖と蚩尤の医聖が戦った際に得られた知見だからだろう。

 全滅させられたという話だったが、さすがに一方的にやられたわけではないようだ。

「蚩尤の医聖はどのくらい削れているんです?」

「どのくらいと言うか……向こうの医聖は全員が無事よ」

「全員?一人も倒せなかったんですか?」

「そうではないわ。邪気まといの医聖は病邪が闘薬術で倒された時と同じように、依代の人間が傷つかないのよ。邪気まといが解除されると傷が塞がるの」

「……もう滅茶苦茶だ」

 さすがに景は頭を抱えた。

 物理攻撃無効な上に、闘薬術での有効打も致命打にはなりえない。チートにも程があるだろう。

 ただし、と后土はさらに情報を付け加える。

「ただし闘薬術での討伐後は、しばらくまともに動けないほど消耗していたわね。それに臨死体験をするみたいだから、トラウマで戦えなくなる人間も出てくるでしょう。そういったことを考えると、数は分からないけれど少しは削れてるかもしれないわね」

 消耗と聞き、景は抱えた頭に再び松原一の姿を思い浮かべた。

 初めて会った一はかなり消耗していたが、あれは邪気まとい後に闘薬術で討伐された影響なのかもしれない。

 ただそんなことが分かったところで、邪気まといの優越性にとっては大した綻びにならない。

「これ……もうどうやっても勝てない気がするんですけど……」

 呻くような景に対し、それまで后土に話を任せていた新農が口を開いた。

「そうは言うが張中景よ、そこを何とかするのが汝の仕事だぞ」

 もはや無茶振りとしか思えない言葉に、景は苦笑すら浮かべられない。

 ただ眉根を寄せて視線を返した。

「いや、新農様の命令でも無理なもんは無理っていうか……そもそも俺が戦いたくないってのはご存知でしょう?」

 戦いたくない。しかも勝ち目がないのなら尚更だ。

 これはもしかしたら新農の機嫌を損ねるのではないかと心配しながらの発言だったのだが、当の神農は当たり前のようにうなずいた。

「もちろん知っているとも。しかし我から見れば、汝が戦わないという選択肢は無いように思えるのだがな」

「え?どうしてですか?」

「我が医聖たちに蚩尤と戦うよう望むからだ」

 いかにも神らしい傲慢な物言いに、景は腹を立てた。

「……神様だからって誰でも言うことを聞くと……いや、その前に新農様自身は神術で何かしてくれるんですか?」

 口を出すだけで何もしないのであれば、たとえ神であっても傲慢が過ぎるというものだろう。

 そんな当たり前の考えのもと発せられた質問に対し、神農は事もなげに答えた。

「しない、というか出来ないな。今の状況を打破するほどの神術となると、世界のバランスに与える影響が大き過ぎる。下界を崩壊させかねない」

 チッ、と景はわざと聞こえるように舌打ちした。

 無礼だとは承知しているが、あえてそうしてしまうほどに苛立っている。

「それで医聖には戦えって言うんですか」

「言うぞ。だから汝は戦うことになるのだ」

「なんでそんなこと決められなきゃならないんですか!」

 憤然として声を荒げる景の袖を瑤姫が引っ張った。

「ちょっと景!お父様にはもう少し礼儀正しくしなさいよ!一応は私が景を管理教育する立場なんだから!」

「ソファに寝っ転がってせんべい食うようなやつに礼儀とか教育されたくないわ!ってか、礼儀がどうとかいう話か!?世界が蚩尤に征服される線が濃厚で、それに対立しろって言われてんだぞ!?」

 それはつまり、会社で言えば次期社長を相手に上等こくような真似である。

 景はその愚を主張したのだが、瑤姫にはそれがまるで信じられなかった。

「な……何言ってるの?もしかして、景は蚩尤の側に付くつもり?」

「……情報がまだ不十分だけど、それだってアリだろ」

 景の回答に、瑤姫はいよいよ信じられないと頭を振ってみせる。

「正気なの!?自分の弟にこんなこと言うのもなんだけど、世界征服を目論むようなやつよ!?」

「別に征服された後の世界が悪くなるって決まったわけじゃないだろ。例えばだけど、誰も敵わない武力があれば世界中の紛争とか無くなるかもしれないし」

「世界の紛争はそんなに単純なものじゃないわよ!っていうか、今の状況をよく考えて!?月子と由紀ちゃんが誘拐されてるのよ!?」

「医聖の因子を持つ人間はむしろ好待遇を受けられるって話をしたばかりじゃないか。今頃、歓待を受けてるんじゃないか?」

「確かに歓待を受けているかもしれんな」

 と、神農が二人の応酬に割って入る。

「しかし張中景よ、汝は山脇由紀という娘を知っているだろう?」

「……?ええ、まぁ知ってますけど……」

 景は神農の言う意味を掴みきれず、一応といった風にうなずいた。

「そして設楽月子という娘も、その立場も知っているな」

「立場?」

「そして我の方針は先ほど述べた通りだ。それで汝に戦わないという選択肢は、果たしてあるのかな?」

「…………?」

 やはり神農の言う意味が分からない。

 眉をひそめる景へ、神農は言葉を加えた。

「もう少し教えておいてやると、蚩尤は戦の神だ。戦とは信賞必罰が何よりも重要で、己に利する者には報い、不利益をもたらす者は徹底的に痛めつける。それが適切な対応だ」

 神農は景に何かを気づかせようとしているようだ。

 その言わんとすることを掴もうと頭を捻らせるが、漠然とした答えすら浮かばない。

 困ったように横を見ると、瑤姫も似たような顔をしているので、神ならば分かるような話でもないようだ。

 そこで景のポケットの中でスマホがヴーン、ヴーンと震えた。着信だ。

 神々と話している状況から今出るべきか迷ったが、とりあえず発信主の確認だけはすることにした。

 そしてディスプレイをチラと見た景の目が大きく見開かれる。

「……月子からだ!」

 そこには着信の文字とともに、設楽月子の名前が表示されていた。
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