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当帰建中湯、桂枝茯苓丸8
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「……嫌な感じ!また嫌な感じがする!」
由紀がそう叫んだ直後、果樹の間から黒いモヤが立ち昇るのを全員の目が捉えた。邪気だ。
邪気は旋回する杏香に近づくと急に速度を上げ、ものの数秒でその全身を包みこんだ。
そして直後、鈍感だと言われた景でも分かるほど爆発的に邪気が増大した。邪気の嵐でも巻き起こったのではないかと思うほどの大きさだ。
それと同時に杏香の身体に変化が起こる。身体の大きさが元の三倍ほどに膨らみ、全身に黒い紋様が浮かび上がった。
炎の揺らめくような紋様で、そこからは禍々しいオーラが漏れ出ていた。あれもやはり邪気なのだろう。
「な、何だあれ!?」
景の叫びに応えるように、巨大化した杏香は大きく翼をはためかせた。すると何かキラキラしたものが空に広がる。
無数のそれらは景たち目掛けて降り注いできた。
「……!全員俺のそばに来てくれ!」
景は飛んでくるものを見極めると、すぐにそう叫んだ。
しかし瑤姫以外は動かない。由紀も月子も病邪の変化に驚いたのか立ち尽くしており、由紀の祖父母はそもそも動ける状態にない。
「くそっ!」
景は由紀と月子を両脇に抱え、祖父母のところへ駆けた。瑤姫も急いでついてくる。
そしてすぐさま桂枝茯苓GUNを連射した。
(なんだあの羽根!ヤバい!)
降り注ぐキラキラしたものは無数の羽根だった。しかしただの羽根ではないと景は感じている。
邪気をまとっているし、何より半端ないプレッシャーを発している。
だから自分たちに当たりそうな羽根を片っ端から撃ち落としていった。
連射し、弾倉を換え、また連射する。
その間に景たちから外れて落ちた羽根が東屋を完全に破壊していた。跡形もないほど粉々だ。
そして地面に落ちた羽根によって周囲には土煙が舞っている。まるで小型砲弾の雨だった。
なんとか向かってくる全てを撃ち落とした景は、瑤姫に向って怒鳴るように尋ねた。
「な、何だよこのヤバいのは!?」
それに対して瑤姫も怒鳴るように答える。
「分かんないわよ!」
「神様だろうが!分かれ!」
「私達は全知全能タイプの神じゃないの!でもパワーアップしたところで依代になってる人間の症状や体質は変わらないわ!景の火力ならきっと倒せるからとにかく撃ちまくりなさい!」
(きっと倒せるとか適当なこと言ってくれる!)
景は心中で毒づきながらも、言われた通り桂枝茯苓GUNを撃ちまくった。実際にそれ以外できることがないのだからしょうがない。
まず十発、全弾を残らず頭部に撃ち込んでやった。
それからリロードしてさらに十発、今度は心臓と肝臓、両手両足、そしてまた頭部へと四発撃ち込む。
リロードも先ほどの羽根の処理で上達したようで、随分と手早く行えた。
その見事な手さばきでさらにリロードしたところで瑤姫に止められた。
「ストップ!ストップ!もういいわよ!またオーバーキルしてる!」
え?、と思い改めて病邪を見やると、すでに杏香の体は力を失って落下し始めていた。
全身から邪気と思しき黒いモヤが噴出し、そのサイズはみるみる小さくなっていく。
(……なんだ、意外とあっけなかったな)
そう思う景の耳が、かすかな声を拾い上げた。
「覚醒させた病邪をああまであっけなく倒すとは……駄女神のくせに、いい医聖を見つけてるじゃないか」
それは桂枝茯苓GUNで強化された知覚でなければ絶対に聞き取れない小さな、というよりも遠くで発せられた声だった。
そしてその声がした方向と邪気が立ち昇った場所の方向は完全に一致していた。
それを理解した景は早口で生薬をつぶやく。
「葛根、大棗、麻黄、甘草、桂皮、芍薬、生姜!……いでよ、魔剣 葛根刀!」
すぐさま武器を葛根刀に変えたのは、こちらの方がずっと速度が出るからだ。
そして瑤姫たちに声のことも告げずにいきなり走り出した。
説明している時間すら惜しい。絶対に逃がしてはならないと思った。
(不自然な邪気が発生してからの今のセリフ……病邪をわざと作り出してるやつがいる!)
景は探した。強化された身体能力をフルに使って探しまくった。
しかし何も見つからない。あれほど急いで来たにも関わらず、誰かがいた痕跡すら見つけられなかった。
仕方ないのでいったん瑤姫たちの所へ帰り、聞こえた声のことを話してから全員で探した。
しかし、それでも見つからない。
四人は暗くなるまで探し回ったが、結局何の手がかりも得られなかった。
そして帰り道、景は月子を後ろに乗せたバイクを走らせながら、今日あったことを思い返した。
(今日は色々ありすぎた。月子が遠出を成功させて、瑤姫と由紀ちゃんが仲良くなってて、果物狩りが楽しくて……病邪が発生して、新しい闘薬術が銃で、二人が医聖の因子を芽生えさせて……おまけに病邪異常発生の黒幕っぽいやつか)
頭がパンクしそうだ。軽いクラッチ操作すら億劫に感じる。
しかし思い返してみて、ふと気づくことがあった。
(あいつ、瑤姫のこと駄女神って呼んでたな)
駄女神。ポンコツな瑤姫にこの上なく似合う呼称だと思う。
「話してみたら意外と気が合ったりして……」
その小さなつぶやきはバイクのエンジン音にかき消され、すぐそばの月子にも届かなかった。
↓おまけ、月子のイラストです↓
由紀がそう叫んだ直後、果樹の間から黒いモヤが立ち昇るのを全員の目が捉えた。邪気だ。
邪気は旋回する杏香に近づくと急に速度を上げ、ものの数秒でその全身を包みこんだ。
そして直後、鈍感だと言われた景でも分かるほど爆発的に邪気が増大した。邪気の嵐でも巻き起こったのではないかと思うほどの大きさだ。
それと同時に杏香の身体に変化が起こる。身体の大きさが元の三倍ほどに膨らみ、全身に黒い紋様が浮かび上がった。
炎の揺らめくような紋様で、そこからは禍々しいオーラが漏れ出ていた。あれもやはり邪気なのだろう。
「な、何だあれ!?」
景の叫びに応えるように、巨大化した杏香は大きく翼をはためかせた。すると何かキラキラしたものが空に広がる。
無数のそれらは景たち目掛けて降り注いできた。
「……!全員俺のそばに来てくれ!」
景は飛んでくるものを見極めると、すぐにそう叫んだ。
しかし瑤姫以外は動かない。由紀も月子も病邪の変化に驚いたのか立ち尽くしており、由紀の祖父母はそもそも動ける状態にない。
「くそっ!」
景は由紀と月子を両脇に抱え、祖父母のところへ駆けた。瑤姫も急いでついてくる。
そしてすぐさま桂枝茯苓GUNを連射した。
(なんだあの羽根!ヤバい!)
降り注ぐキラキラしたものは無数の羽根だった。しかしただの羽根ではないと景は感じている。
邪気をまとっているし、何より半端ないプレッシャーを発している。
だから自分たちに当たりそうな羽根を片っ端から撃ち落としていった。
連射し、弾倉を換え、また連射する。
その間に景たちから外れて落ちた羽根が東屋を完全に破壊していた。跡形もないほど粉々だ。
そして地面に落ちた羽根によって周囲には土煙が舞っている。まるで小型砲弾の雨だった。
なんとか向かってくる全てを撃ち落とした景は、瑤姫に向って怒鳴るように尋ねた。
「な、何だよこのヤバいのは!?」
それに対して瑤姫も怒鳴るように答える。
「分かんないわよ!」
「神様だろうが!分かれ!」
「私達は全知全能タイプの神じゃないの!でもパワーアップしたところで依代になってる人間の症状や体質は変わらないわ!景の火力ならきっと倒せるからとにかく撃ちまくりなさい!」
(きっと倒せるとか適当なこと言ってくれる!)
景は心中で毒づきながらも、言われた通り桂枝茯苓GUNを撃ちまくった。実際にそれ以外できることがないのだからしょうがない。
まず十発、全弾を残らず頭部に撃ち込んでやった。
それからリロードしてさらに十発、今度は心臓と肝臓、両手両足、そしてまた頭部へと四発撃ち込む。
リロードも先ほどの羽根の処理で上達したようで、随分と手早く行えた。
その見事な手さばきでさらにリロードしたところで瑤姫に止められた。
「ストップ!ストップ!もういいわよ!またオーバーキルしてる!」
え?、と思い改めて病邪を見やると、すでに杏香の体は力を失って落下し始めていた。
全身から邪気と思しき黒いモヤが噴出し、そのサイズはみるみる小さくなっていく。
(……なんだ、意外とあっけなかったな)
そう思う景の耳が、かすかな声を拾い上げた。
「覚醒させた病邪をああまであっけなく倒すとは……駄女神のくせに、いい医聖を見つけてるじゃないか」
それは桂枝茯苓GUNで強化された知覚でなければ絶対に聞き取れない小さな、というよりも遠くで発せられた声だった。
そしてその声がした方向と邪気が立ち昇った場所の方向は完全に一致していた。
それを理解した景は早口で生薬をつぶやく。
「葛根、大棗、麻黄、甘草、桂皮、芍薬、生姜!……いでよ、魔剣 葛根刀!」
すぐさま武器を葛根刀に変えたのは、こちらの方がずっと速度が出るからだ。
そして瑤姫たちに声のことも告げずにいきなり走り出した。
説明している時間すら惜しい。絶対に逃がしてはならないと思った。
(不自然な邪気が発生してからの今のセリフ……病邪をわざと作り出してるやつがいる!)
景は探した。強化された身体能力をフルに使って探しまくった。
しかし何も見つからない。あれほど急いで来たにも関わらず、誰かがいた痕跡すら見つけられなかった。
仕方ないのでいったん瑤姫たちの所へ帰り、聞こえた声のことを話してから全員で探した。
しかし、それでも見つからない。
四人は暗くなるまで探し回ったが、結局何の手がかりも得られなかった。
そして帰り道、景は月子を後ろに乗せたバイクを走らせながら、今日あったことを思い返した。
(今日は色々ありすぎた。月子が遠出を成功させて、瑤姫と由紀ちゃんが仲良くなってて、果物狩りが楽しくて……病邪が発生して、新しい闘薬術が銃で、二人が医聖の因子を芽生えさせて……おまけに病邪異常発生の黒幕っぽいやつか)
頭がパンクしそうだ。軽いクラッチ操作すら億劫に感じる。
しかし思い返してみて、ふと気づくことがあった。
(あいつ、瑤姫のこと駄女神って呼んでたな)
駄女神。ポンコツな瑤姫にこの上なく似合う呼称だと思う。
「話してみたら意外と気が合ったりして……」
その小さなつぶやきはバイクのエンジン音にかき消され、すぐそばの月子にも届かなかった。
↓おまけ、月子のイラストです↓
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