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麻黄湯8

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 瑤姫の設定した通り、由紀は迷子になっていたところを景たちが保護したということにされた。

 そういうことにして由紀の家まで連れて行くと、祖父母は涙を流して喜んでくれた。

 そしてさらなる『原状回復』によって、刑務所の破壊はガス爆発ということになった。刑務所の施設を一部だけ直し、ガス管が破裂したということにしたのだ。

 ちなみに病邪の依代となっていた男は爆発に巻き込まれたという体で現場付近に寝かせておいた。

「何にもなかったことにはしないんだな。刑務所を完全に直して記憶操作すればできそうなもんだけど」
 
 尋ねる景に、瑤姫は首を横に振った。

「神術だって万能じゃないのよ。限界があるわ。特に今回はテレビに映っちゃったし、何もなかったことにはできないわね」

「つまり記憶操作する対象が多過ぎるってことか」

「それもあるし、ちょっと時間も経っちゃったしね。まぁ疑問を持った人がいても大丈夫。テレビ局の映像データとかネットのデータとかちゃんといじっておいたから。後から調べてもガス爆発だっていう結論しか出ないわ」

「……映像データと、ネットのデータ?デジタルデータもいじれるのか」

「当たり前でしょ。神様だって世の中に合わせてアップデートしてるんだから。っていうか、アナログデータに比べたらデジタルデータの改ざんなんて簡単なものよ」

 言われてみれば、確かにそんなことを聞いたことがある気がした。デジタルデータの方が改ざんは容易らしい。

 景が念のためSNSを確認してみると、テレビ中継中のガス爆発がちょっとした話題になっていた。ただそれも地方局のローカル番組だったせいか、思ったほどの騒ぎにはなっていない。

(……いや、アクセス数とかコメント数とか高評価数とか、そういうのをいじればレコメンドされにくくなるよな。あんまり話題になってないのはそういうことか)

 そう思い至り、意外にも情報社会に精通している瑤姫に驚いた。

 そして限界があるとは言っていたが、やはり神術とは凄まじいものだとあらためて思った。

「っていうかさ、何で隠すんだよ。病邪が危険なら大々的に公表して国に対応してもらった方がいいだろ」

 景はずっと抱えていた疑問を口にしてみた。どう考えても景が対応するようなものではないと思うのだ。

 しかし瑤姫は首を大きく横に振った。

「それは駄目よ。邪気や病邪のことが広く知られたら悪用する人間が出てくるわ」

「悪用?そんなことできるのか」

「できるのよ。そしてそれは最悪なことなの。なんといっても、病邪には私たち神々の使う神術が効かないんだから」

 景はこの回答を聞き、ようやく納得することができた。神々でも対応できない事態というのは確か恐ろしい気がする。

「なるほどな……でもそれならもうちょっと神様側でサポートしてくれよ。あんな神術があるくらいなんだし、もっと色々出来るんだろ?」

「天界の神々は地上に手を出し過ぎない決まりになってるのよ」

「神々が手を出し過ぎるとどうなるんだ?」

「世界のバランスが崩れて崩壊しちゃうわね」

 あまりにもあんまりな事情に、景は頬を引きつらせた。

「それは……ヤバいな」 

「ヤバいでしょ?だから私も能力をかなり制限された上で派遣されてるのよ。本当はもっとすっごいウルトラ女神なんだから」

 瑤姫はビシッと女神ポーズ(?)を取りながら自慢げにそう言ってきた。

 しかし景にとってはほとんどの時間を家でゴロゴロしている駄女神でしかない。

(っていうか、結局制限されたままなら出来ないのと同じだよな)

 景は『やればできる』=『できない』と認識している現実主義者だ。だから色々聞けた後でも駄女神の印象は大して変わらなかった。

 そんなことを話しながら家に帰ると、もう深夜になっていた。明日が土曜で講義が無いことだけが唯一の救いだ。

「はぁ……終わったぁ……」

 景はソファに寝転がり、風船が急激にしぼむように脱力した。土日はもうずっと寝ていたい。

「お疲れ様」

 しぼんだ風船と化した景に、瑤姫から労いの言葉がかけられた。

 それは景を気遣ってのことではあったのだろうが、続く言葉で一気に反発心が生まれることになる。

「今日はゆっくり休んで、また次の病邪に備えましょうね」

「……だから今回だけだって何回も言ってるだろうが」

 景は完全無欠の安全志向マンだ。色々な事情を聞いた後でもそれは変わらない。

 だからできるだけ低い声を出して苛立ちと拒絶を表現してみたのだが、瑤姫はむしろ可笑しそうに笑った。

「相変わらずのツンデレちゃんね。可愛い子」

 そう言って、また頬をつついてこようとする。景は乱暴にその手を払いのけた。

「やめろ。俺はツンデレじゃない」

「そんなこと言って、闘争心バリバリで戦ってたじゃない」

「それは……デレてるって言えるのか?」

「私にとっては可愛いデレよ。それに前回と今回で闘薬術のすごさは身をもって分かったでしょ?極めてみたくなったんじゃない?」

 景は少し言葉に詰まった。

 確かに闘薬術はすごかった。忍者顔負けの身軽さで屋根を飛び移り、スーパーヒーローのようなアクションで悪者を倒した。

 男子である景としてはそのことに興奮しないわけでもない。

 しかし、やはり命あっての物種だ。死と隣り合わせのヒーローと安全な一般人なら、安全な一般人の方が億万倍いいに決まっている。

「それに漢方の素晴らしさにも気づいたんじゃないかしら。由紀ちゃんを治した麻黄湯の効果、すごかったでしょ」

 瑤姫は自信満々にそう言ってきたが、景の漢方嫌いはそう簡単に治らない。

 不快げに鼻を鳴らした。

「ふん……インフルエンザなら抗ウイルス薬でいいじゃないか。そっちの方が効くだろ」

 対症療法しかなかった時代ならいざ知らず、今はウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬もあるのだ。

 しかし瑤姫はあっけらかんとした顔で反論してきた。

「何言ってんの。麻黄湯にだって抗ウイルス作用はあるわよ」

「……何だって?漢方に、抗ウイルス作用がある?」

 驚く景に、瑤姫はあきれた視線を落としてきた。

「どうして漢方に抗ウイルス作用があるのが意外なのよ。っていうか、何が景をそんな漢方嫌いにしてるわけ?」

「いや……まぁそれは今はいいだろ。でも本当に抗ウイルス作用があるのか?」

「事実として、抗ウイルス作用を肯定する論文が複数出てるのよ。しかもインフルエンザだけじゃなくて、RSウイルスでも確認されてるわ」

 RSウイルスというのはざっくり説明すると、よくいる風邪のウイルスだ。ほとんどの人が生涯のうちに一度は感染する。

 多くは軽い症状で終わるがまれに重症化して肺炎などを起こすこともある、要は風邪だ。

 それに効くということは、葛根湯と同じく風邪に良い漢方ということになる。

「そういえば葛根湯でも免疫力の向上が示唆されてるとか言ってたな」

「麻黄湯でもそうよ。構成生薬も結構かぶってるしね。でもさっきも言った通り、熱が高くて節々が痛むような風邪には麻黄湯の方が効くわね」

「この麻黄刀は見た目もゴツかったし、よりパワーのある薬って感じか」

 俺は分厚くて幅広の麻黄刀を思い出し、頭の中で葛根刀と並べた。葛根刀がスタンダードな日本刀なら、麻黄刀はマチェットや青龍刀に近いフォルムをしている。

「イメージとしてはそんなところね。闘薬術として使った感想はどうだった?」

「インフルエンザの病邪はよく斬れたよ。腕力も葛根刀の時より上がった感じがした。でも……」

「でも?」

「スピードは少し落ちた気がする」

 病邪との距離を詰めようとした時、そして倒してから由紀の元へ走った時にそう感じたのだ。普段よりはずっと速いが、葛根刀ほどではない。

 瑤姫は景の感想を受け、満足そうにうなずいた。

「よく気づいたわね。その通りよ。闘薬術はセットする処方によって効果が変わるの。葛根刀の場合はパワー、スピード、スタミナ……全ての身体能力がまんべんなく上がるわ。まさに葛根湯のような使い勝手の良さね」

 瑤姫は葛根湯がかなり幅広い風邪に効く、使い勝手の良い薬だと言っていた。闘薬術でもその通りの効果があるというわけだ。

「じゃあ、麻黄刀はパワー重視ってわけか」

「そういうこと。その分、葛根湯と比べるとスピードや器用さなんかは落ちるわね」

「器用さ?闘薬術で器用さも上がってたのか」

「そうよ。屋根の上をポンポン飛び回ってたじゃない」

 言われて初めて気づいたが、確かにただ筋力が上がったところであんな芸当はできないだろう。しかも瑤姫をお姫様抱っこした上で跳んでいたのだ。

(なんだかんだで、やっぱりすごい能力ではあるんだよな)

 感心する景に、瑤姫がふと思い出したように情報を付け加えてきた。

「抗ウイルス作用といえば、麻黄湯は抗ウイルス薬との比較臨床試験も行われてたわね。システマティックレビューの論文も出てるわよ」

 システマティックレビューというのは複数の研究結果を取りまとめた総説のことだ。

 色んなケースがあるので一概には言えないが、単一の論文よりは比較的信頼性が高いと言えるだろう。

 医療系の研究では論文同士で結果が違うというのはよくある話だ。そこをいくと、システマティックレビューはそういった矛盾も踏まえて結論を導き出せる。

「へぇ、どういう結論だったんだ?」

「例によって試験ごとに多少のブレはあるけど、ざっくり言えば麻黄湯と抗インフルエンザ薬で効果に大きな差は見られなかったわ。熱が下がるまでの期間なんかも概ね同じか、条件次第では麻黄湯の方が早いっていうデータもあったわね」

「……何?それってつまり、インフルエンザなら麻黄湯でも抗ウイルス薬でも大して変わらないってことか?」

「そういうことになるわね。もちろん薬の効きには個人差があるから、全員が全員そうなるとは言わないけど」

 それでも平均すれば大体同じ程度の効果があるということだ。

 景にとってこれはかなり意外なことだった。正直に言うと、麻黄湯の効果を侮っていた。

 しかし漢方嫌いの景は、つい反論したくなってしまう。

「で、でも……同じような効果なら味の好みが問題になりにくい抗ウイルス薬の方がいいと思うんだよ」

「そこは否定しないけど、薬価が段違いっていう麻黄湯のアドバンテージもあるわよ」

 瑤姫の指摘に、景は雷に打たれたような顔になった。思わず口が開きっぱなしになってしまう。

 そうだった。抗ウイルス薬は高いのだ。

 薬価というのは薬の価格のことで、保険薬は国が一定のルールに従って決めている。

 定期的に改定されるので景も具体的な金額までは覚えていないが、抗ウイルス薬と漢方を比べると圧倒的に漢方の方が安い。

「そうか……なら麻黄湯の方がいいな」

 この言葉に、瑤姫は驚いて目を丸くした。漢方嫌いの景が百八十度見解を翻したのだ。

「ど、どっちがいいかはケースバイケースだと思うけど……また急に意見を変えたわね」

「それだけ医療費が大切ってことだよ。薬局ってものが存在してるのも医療費を抑制するためだしな」

「……んん?どういうこと?」

 先ほどまでとは逆に、瑤姫が意外そうな顔をして問い返してきた。

「病院とは別に薬局があるのって、処方内容とか飲み合わせとかをチェックするためじゃないの?」

 現代日本では病院で直接薬を受け取らないことが多い。出された処方箋を元に薬局で薬が調剤され、渡される方が主流だ。

 この制度を医薬分業という。

 なぜ医薬分業になっているかというと、歴史的には神聖ローマ帝国で医師による毒殺を防ぐために両者を分けたというのが始まりだと言われている。確かに診察・投薬の両方を医師にやらせてしまえば毒殺も容易だろう。

 ただし現代ではその目的が処方内容の間違いや飲み合わせをチェックするため、などと公言されている。他にも医師が手持ちの在庫薬を気にせずに必要な薬を使えるから、という利点も挙げられる。

 そのどれも小さくはないことだし、実際に患者のプラスになるものではある。

 しかし社会という大きな視点に立った時、それらは建前とすら言えるのではないかと景は考えている。

「処方のチェックは大切だよ。だけど社会としてもっと大切なのは、医師と薬の儲けを引き離すことだ」

「薬の儲け?仕入れ値と薬価の差額ってことよね」

「そうだ。極端な言い方をすれば、医師ってのは売りたい商品を売りたいだけ売れる職業なんだよ。自分で診察して、自分で薬を出せるんだからな」

「それはまぁ……そうかもしれないわね。医師の処方に文句をつける患者は少数派でしょうし」

「だろう?ビタミンみたいな毒にも薬にもならないような薬って多いし、そんなのを大量に出せば薬の利鞘だけでも儲かる。そこまでいかなくても、『あってもなくてもいいけど一応出しとくか』程度の薬が出ることはずっと多くなるはずだ。そうなると患者は薬漬けになって、医療費は馬鹿高くなる」

 他にも『効果はほぼ同じだけど高い方の薬』、『出すための理屈が一応通る薬』も出されやすくなるだろう。病院の売上は上がるものの、医療費は増えるばかりだ。

 少子高齢化の時代を迎えた現代日本は医療費の上昇に頭を悩ましている。

 もちろん多くの人間が毎月保険料を納めているわけだが、それでは全く足りないのでかなりの額が税金から補填されている状況だ。

 かといって医療の質を安易に落とすわけにもいかない。医療の崩壊は即ち社会の崩壊と言っても過言ではないだろう。

 だからそれを抑えられることこそが医薬分業の真なる価値だと景は思うのだが、瑤姫の方は納得しきらない顔をした。

「そうは言うけど、医師って患者の健康を守るものでしょ?自分が儲けるためにそんなことするかしら?」

 景はその意見を鼻で笑った。女神相手ではあるが、ちゃんちゃらおかしい考えだと思った。

「ふん。まぁ百歩譲って、自分で医院を経営していない勤務医ならそうかもしれないな。でも開業医ってのは医師であると同時に経営者だ。特に自分の代から新しく開業した医師なんて、数千万の借金を抱えて会社を興したビジネスマンと同じなんだよ。人だって雇うわけだし、従業員の人生を背負うことになる。そんな人間がキレイ事ばかり言ってられると思うか?」

 瑤姫はそう言われ、確かにと思ったらしく眉をひそめた。女神でもこの辺りの想像力はちゃんとあるようだ。

 ちなみにこの点、勤務医だからといって大丈夫とも言い切れない。大きな病院では事務方に勤務医があれこれ言われ、それが診療に影響したなんて話はいくらでもあるものだ。

 そもそも病院経営も大変なので、事務方の意見を聞かない勤務医は組織人としてはかなり問題だ。ここはバランスが難しいところではあるが。

「だから国が制度やら保険点数やらを調節して、医師が自分の病院で薬を出しにくいように誘導してるんだよ。よく薬局で薬をもらった方が高くなるなんて話を聞くけどな、病院で出す場合の手数料をわざと下げてるから当たり前なんだよ。採算を取れなくして医薬分業を進めてるんだ」

「なるほど……国の視点、つまり長い目で見たら病院から直接薬を出した方が不適切な薬が増えて医療費は高くなるってわけね」

「そういうことだ」

「ちなみに薬の仕入れ値と売値を法律で同じにするっていうのは……」

「検討の余地はあるとは思うけど、制度としてはかなり難しいと思うぞ?それに流通の段階で市場原理が働かなくなった商品の値段がどうなるかなんて、考えるまでもないだろ」

 薬価が高くなれば結局のところ医療費は上がる。ここに市場原理が働かなくなるのがどれほど恐ろしいことか、経済学部ではない景でも容易に察せられる。

「……そうね」

 瑤姫はようやく納得したようで、大きくうなずいた。

「それにしても、よくそんなところまで考察してるわね。医師会とかにすごく気を使う話だと思うけど、大学で教わるの?大きな声では言えないでしょ?」

「ああ。俺の実家は漢方薬局なんだけど、それプラスで数件の調剤薬局も経営してるんだ。そこでバイトもしてるからこんな話もちらほら……」

「漢方薬局!?」

 目を丸くした瑤姫はいまだにソファで横になったままの景に詰め寄った。

 襟首を掴んてブルブルと揺らしながら問い詰めてくる。

「な、なんで実家が漢方薬局なのに漢方嫌いなのよ!?景はその稼ぎで育ててもらったんでしょ!?しかも反発してとかならともかく、あなた薬学部に進んでるじゃない!」

 瑤姫は全く理解不能というように小さく頭を振った。

 今後も闘薬術で戦ってもらわないといけない側としては無視できない話だろう。

 しかし景は理由を答えない。苦い顔をして瑤姫の手を払い除け、上体を起こした。

 そして瑤姫を押しのけながら立ち上がると、疲労のせいか軽い立ちくらみがして目を閉じた。

 数秒待ち、足元がしっかりしてから風呂場の方へ歩き始める。

「いいだろ、別に」

「でも」

「風呂入って寝る」

 景はそれ以上の会話をシャットアウトし、何を問われても返事をしなかった。そして宣言通り、風呂に入ってさっさと寝室へ向かう。

 そんなだったから、この日の景はいつもの一言を口にしなかった。

 『明日には出て行けよ』という寝る前の嫌味だ。

 そして寝室に入ってから、ふと瑤姫が由紀の頭を撫でてくれたことを思い出した。三人で手をつないでイチニのサンをしたことも。

 だから一言、

「お疲れさん」

とだけ小声でつぶやいてから、それをかき消すように寝室の扉を強く閉じた。
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