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51話(3)クリスマス前夜にプレゼント?!中身はえっちなラブアイテム?!

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「お兄ちゃんたち風呂長い!!!」
「ごめーん」


 如月は風呂から出て着替えると、首筋を隠して足早に洋室へ行ってしまった。髪の毛長いんだから、見えないでしょ。卯月へ適当に謝り、如月の後を追う。


「何してるの~~?」
「タートルネックにしようかと思って……」


 うわ、完全に隠そうとしてる。後ろから近寄り、タートルネックを下に引っ張る。白い首に散りばめられた赤い斑点模様が目に入った。


「ちょっと!!!」
「隠すなよ」
「こんなについてたら隠しますって……」


 首筋なんか見たせいで、収まっていた性欲がまた少しずつ燃えてくる。結局、ちょっといちゃいちゃしただけで、何もシてない。果てしなく、むらむらする!!!


「な、なんですか……」
「えっちしたい」
「え? それよりも私、やりたいことがあります」
「…………」


 なんか話逸らされたんですけど。後ろから抱きつき、如月の顔を覗き込む。


「やりたいことって?」
「クリスマスの飾りつけです。クリスマスパーティーしますよね?」


 ニコッと笑う如月と目が合った。するけど。違うんだって。今はそういうんじゃなくて。でも笑っている如月の顔を見ると、自分の気持ちが中々言い出せなくて、抱きついている指先に力が入る。


「クリスマスパーティーする!! プレゼント買った!!」
「なんで言っちゃうんですか、今~~」
「なんとなく」
「クリスマスの準備デート、明日しませんか? 当日は貴方、仕事でしょ?」
「うん……」


 如月に手を引っ張られ、如月の脚の間に座る。リビングと離れ、暖房も効いていないせいか、少し肌寒い。如月が床に置かれたコートへ手を伸ばし、俺の膝の上にそっと掛けた。


「ありがとう」
「で、明日デートするの? しないの?」
「する!!!」
「ふふ。そう来ないと」


 顎が掴まれ、如月の方へ顔が向く。何度も重ねられる唇に吐息が溶けていく。ん~~、えっちしたい。頭がそればかりになる。


「そんなとろんとした目で私を見ないで。今日はシないよ?」
「なんでお預け?!」
「クリスマス近いから」
「そんな理由?!?!」


 俺の気持ちを煽るように、如月の手が腿に触れ、下腹を撫でる。ねっとりと撫でてくる手に鼓動が早くなる。そんな風に触るなら、もっと下を触って欲しい。


「ん……」
「クリスマスにいっぱい愛し合いたいですし。あとイイモノ買いました」
「イイモノ?」
「ふふっ見ますか?」


 嫌な予感しかしない。如月の目は「みる? みる?」と、子どもみたいにキラキラしている。言い方的に絶対マトモなモノじゃない!!!!


「一応確認する」
「持って来ますね~~」


 如月が立ち上がり、衣装ケースから小さな紙袋を持って来た。なんか想像してたものより遥かに小さい。手のひらぐらいしかない。なんだろう。


 俺の目の前にしゃがみ込み、紙袋が手のひらの上に乗せられた。


「開けていいの?」
「どうぞ」


 ガサ。


 てろーん。


「…………」


 黒いティーバック。これ、前もっこりするやつ。横、ゴムっていうかこの細さ、もう紐だし。ねぇ、これ、お尻に食い込むんじゃない?! 俺、この下着クリスマスにつけるの?!


 かぁあぁああぁ。


「な、な……なんだこれぇえぇええぇえ!!!!」
「ワンテンポ遅くないですか」
「お、俺これつけるの?!?!」
「うん」
「『うん』じゃねーし!!!」


 手で持っていた黒いティーバックを握りつぶす。いやいやいや!!! こんなの恥ずかし過ぎてつけれないし!!! しかもなんで下着!!! よく買ったね!!!(?)


「試着してみます?」
「はぁあぁあぁあ?!?!」
「せっかく開けたし」
「てか、これ家で洗うの?!?! ベランダに干すの?!?! 誰が畳むの?!?!」
「何を気にしているんですか~~」


 如月に立たされ、ズボンが脱がされていく。いや、ちょっと待って!!! 穿くの?!?! 今?!?! 試着するの?!?!


「まぁ、手洗いとか? 部屋干しすれば良いんじゃないですか」
「確かに……って違う違う違う!!!! 俺今から試着するの?!?!」
「え、しないんですか?」


 ボクサーパンツも下ろされ、如月の前で下半身が露わになる。もぉ!!! 穿けばいいんでしょ!!! 穿けば!!!! 下着も脱ぎ、黒いティーバックを穿く。


「うぅ~~っっ」
「中々えっちですね」


 尻に食い込む。幹のホールド感は悪くないけど、なんかやだ!!!! これムラムラして立ったらどうなるの?!?!


「もぉ脱いでいい?!?!」
「うん、お楽しみは取っておかないとね。洗濯機に入れておきます」
「入れないで!!! 俺が手洗いする!!! ってあっ…やっ…ん~~っ」
「試着してくれたから少しご褒美を与えないとね」


 急に後ろから抱きしめられ、下着の隙間から手が入ってきた。下腹を撫でる手は幹まではいかず、焦ったくて、身体が疼く。


「んっ…もっと……下……」
「だぁめ」
「んもぉ~~触ってくれないなら触らないでぇ~~」
「えぇ~~私は好きですよ。睦月さんのへその下からのVラインと腰骨」


 へ、へんたい!!! 両脚の付け根から腰のラインをゆっくり撫で回してくる。でも、下までは触ってはくれない。気持ちだけがどんどん、えっちになり、頬が染まる。


「もぉやめて……んっ……」
「この筋肉感と手入れされた感じが堪らないです」
「手入れとか言わないで!!! 恥ずかしいから!!! シないんでしょ?!?! もぉだめっ!!!」


 如月の方が綺麗に手入れしてるくせに!!!(?)これ以上撫でられたら、立つ!!! もう少しおっきくなってるけど!!! 如月の手首を掴み、下着から引っこ抜いた。


「ふふ。じゃあ、明日デート楽しみにしてますね」
「っ……んっ……」


 頭を押し付けられ、強引に唇が奪われた。たとえ無理矢理のキスでも嬉しくて、そのまま身を委ねる。如月を迎え入れようと口唇を薄く開く。


「はい、おしまい」
「え? ぇえ~~~~っ?!?!」
「強烈に眠くなってきたので、寝ます(※責められ疲労)」
「キスもお預けなの?! それはないんじゃない?!?!」
「おやすみなさい」


 スッと気配を消して、洋室から出ていく如月を呆然と見つめる。何それ!!!! まったく!!! 自己中なんだから!!!


 この格好では追いかけることもできず、ティーバックを脱ぐ。両手で持ち、改めて見つめる。てろーん。なんか若干、透けてるし。こんなの部屋にも干せない!!!


「ったくもぉ~~俺がなんでもやると思うなよ」


 下着とズボンを穿き、小さな紙袋に下着を戻す。他にも変なもん買ってないだろうな? 如月の衣装ケースに近づき、この下着を取り出した引き出しを開ける。


「…………」


 あ~~~~ん。(※ラブアイテムの数々)


 な、ん、だ、こ、れ、!!!!!! 使った形跡はない。つまり、俺用!!!(?)俺、一度捨てなかったっけ?!?! そうか!!! アレは如月の家にあった分を捨てただけか!!! ま、まさか佐野家この家にもあるなんて!!!


 ひとつ手に取ってみる。


 じゃら。


「足枷…………」


 これは未経験だな。思わず唾を飲む。なんかないかな。ごそごそ。あるものが目に留まる。


「……キープトレーニング……『敏感で早くイッちゃうアナタへ』か……」


 これ、借りよう!!! 効果あるかな?!?! 1個ぐらい減っていても分からないよね?!?!


「よし!!! クリスマスまでに鍛えちゃお!!!」


 ポケットにアダルトグッズを突っ込み、引き出しを閉めた。


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