66 / 208
18話(2) #
しおりを挟む
「それ、持っていくの?」如月の手にある、へし折った笹を見つめる。
「えぇ。風情があった方が良くないですか?」如月は余った折り紙を鞄に入れた。
「まぁ? 俺、準備できたよ」着替えを入れた鞄を肩から掛ける。
あ。如月の家、食べるもん何もないわ。買い物してから行かないと。如月に美味しい朝ごはん作れない。
「買い物行ってから、家行かない?」如月を誘う。
「良いですけど……」
「卯月、朝ごはん冷蔵庫に入れたから。食べる時は温めて。行ってきまぁす」卯月に軽く手を振る。
「ありがとーー。お幸せにぃ~~」卯月が手を振り返すのを確認し、家を出た。
この時間帯の買い物はドラッグストアになっちゃうな。なんだかんだ、21時を過ぎている。遅くまで営業しているドラッグストアへ入る。
冷凍食品から野菜、肉まであって、便利で助かる。ドラッグストアというより、スーパーだ。カゴを手に取り、朝食になりそうな食材を入れていく。
「私、ちょっとあっち見てきますね~~」如月はにこやかに、どこかへ向かう。
(何みるんだろう……)
手に取った野菜を一度売り場へ戻し、如月の後をつける。
あぁね、必要ですもんね! 前準備!
「なんですかぁ、睦月さん。見ないでくださいよ~~」如月は通路を移動し、ある場所で立ち止まる。
避妊具。あぁね! 要るもんね! でも何か悩んでいる様子。如月の隣に立ち、声を掛ける。
「どうしたの?」
「んーーやっぱネットで買おうかなって。なんか持っていくの恥ずかしいですし……」人目ですか……。
「もうストックないですし、今日はまた今度で……」はぁああぁあ?!
名の通ってるメーカーブランドの箱を手に取り、カゴに突っ込む。
「俺が買う!!!」いくら俺でも、このコーナーを男2人で見ることに周囲の目は気になる。如月の手を引き、場所を移動した。
「手、繋いだら余計変な目で見られるよ?」如月は伏し目がちで言う。
「別にいいでしょ、多様性なんだから」如月は手を離したがるが離さない。如月の手をきつく握る。
手を繋いだまま、会計へ向かう。如月を見ると、人前で手を繋ぐのは恥ずかしいのか、頬がほんのり赤くなっている。やっぱり、嫁だな。
店員が異質な目で見てくる。カゴに入ってる物も、入ってる物だしな。まぁ、どうでも良い。そんなこと、いちいち気にしていたら、恋人としてやっていけない。
「何か?」あまりにもジロジロ見てくるので、思わず口から言葉が出る。
「い、いえ。お支払い方法は……」
「IDで」なんか不快!! スマホで決済を終了させ、買ったものを袋に詰め店を出る。
「だから言ったじゃないですかぁ……」如月は握られた手に指を絡める。
「うるさい。それでもこうしていたいからいいの」
絡めてくれた指が嬉しくて、歩く足が早くなった。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
今日は一緒にお風呂に入ってくれなかった。お風呂から上がると、如月はリビングでミニサイズの七夕飾りを作っていた。
「手先が器用だね」感心しながら、折り紙で作られた小さな七夕飾りを見る。
「指先が器用じゃないと、気持ち良くなれないよ?」如月は手を止め、指先で睦月の頬に触れる。
「早くお風呂入れば?」頬に触れた如月の指先をぎゅっと掴み、口元に付ける。
「入りますって」如月は脱衣所へ向かった。
んーー。もう1回お風呂入っちゃう? もう、ずーーっと、ずーーっと我慢している。掴んだ指先を抱き寄せて、机に押し倒したかった。
我慢の限界だ。ベッドまで、待てない。入ろうかな。どうしようかな。既に足は脱衣所へ向かっている。
入っちゃう? 怒るかな? どうする? 入って『睦月さんとはもうシない!!』とかになったらヤダなぁ。うーん、うーーん。
とはいえ、上半身はもう脱いでしまった。ぇえ? どうするよ? ここまで来て、引き返すか? 如月の嫌がることはしたくないなぁ。と言いつつもう下半身も露わだ。入るしかあるまい。浴室のドアを開けた。
「ちょっ……さっきお風呂入ったでしょうが!! 何故入る!!」髪をひとつ縛りにして、湯船に浸かる如月が目に入る。後れ毛がえっちぃ。
「気づいたら裸に!!」少し掛け湯をして、湯船へ入る。如月の後ろに入ろうっと。
「そんな訳ないでしょ!!」如月は片手で目元を押さえた。
「まぁまぁ、何もしないから……多分」後ろからぎゅっと抱きしめる。自分が首筋に付けた跡が目につき、もっと付けたくなる。
「本当ですか?」訝しげな目で睦月をみつめる。
「………………」思わず黙る。
「なんで黙るんですか!! もう!!」如月は湯船のお湯を弾き、睦月に掛ける。
「やめて~~触るよ?」弾くお湯が止まる。お湯のかかった顔を手で拭く。
ちょっとぐらい、いっか。折角、俺が後ろに居るんだし? 横目で、如月を確認しつつ、抱きしめている手を移動させようとする。
「あ! 今絶対悪いこと考えてた! 上がります!!」あーーん。バレた。如月は湯船から立ち上がり、浴室を出た。
「待ってよ~~考えてないって~~」バスタオルを手に取る。
「嘘!! 絶対嘘!!」バスタオルで体を拭き、着替え始める。
もぉ~~、すぐバレちゃう。そんなに顔に出やすいのかな。気をつけないと。この後、どういう流れで誘えばいいんだ? タイミングを見失う。
如月は部屋着に着替え、ソファへ座った。とりあえず、隣に座り、様子を伺う。如月は口を開いた。
「アイス食べよ」ソファから立ち上がり、冷凍庫から棒付きアイスを取り出す。マジでタイミングを見失った。
「睦月さんも食べる~~?」
「いやぁ、如月がくれれば要らない」
「えぇ、あげないよ?」棒付きアイスを咥え、ソファに座る如月を見つめる。
はぁ。どうしよ。もう全てがえっちに見える。その咥え口!! なんで薄目でアイス食べるの? 誘ってるの? あぁ~~っ! 少しアイスが溶けてるところもえっち!
俺のも咥……っ。『…はぁ……睦月さんのも…美味しいです……っん(妄想)』ぁあぁあぁあ!! 見てるだけで、えっち過ぎて頭おかしくなる!! アイスを頂いて気分変えよう!!
ソファに手をつき、如月を囲う。溶けかけているアイスを舌で拭き取る。美味しい。如月の口から棒付きアイスを抜き取る。綺麗に棒だけが取れた。棒をコーヒーテーブルに置く。
「アイスちょうだい」
「ーーっ!!」
如月を囲ったまま、ソファに押し倒す。唇を重ね、舌を差し込む。舌でアイスの塊を自分の口内へ運ぶ。唇の端から溶けたアイスが垂れる。口の中にチョコレートの甘さが広がった。美味しい。
「……もう」如月の頬が赤い。可愛い。
「口の周りについちゃった」如月の口の端についたチョコをゆっくり舌先で拭き取る。甘。
「あっ、ちょ、舐めなくても……」如月は恥ずかしそうに目を瞑っている。
「如月、美味しかった」むらむらしてきた。
受けを脱したい。俺が隙だらけだからダメなのかも。隙を与えなければ脱却できる!! そして、最後は如月に挿れたい!!
「ん~~」まずはキスで封鎖しよう。
顔を傾け、唇を重ねる。顔を傾け直し、もう一度。何度も何度も繰り返す。手で如月のTシャツを捲る。
「ーーーーっ!!」キスしてるせいか何も言わない。いいぞ。
「あっ……」今回も手で口元を押さえている。外したい。
ちゅ。今度は胸元に唇を繰り返し付けていく。同時に親指と人差し指で胸の突起の周りを優しく触る。いきなりは触らない。焦らす。
「睦月さ……っあ」
柔らかい手加減で、時間をかけて触る。焦らす。そして焦らす。感じてきたね、如月。優しく、つまむ。焦らし続けてきたせいか、敏感になっている。如月の肩が震えた。
「……あっ……そんな……あっ…さわら……ないで…っん」薄目を開けて、こちらを見る姿は欲情しているように見える。
「え? やめて欲しそうには見えないけど?」
指先で弾く。口元で愛撫しながら、つまんだり、弾いたりして、色んな刺激を与え、立たせる。下も触ろう。テーパードパンツの中に手を入れる。
「あ……もう……んっ…その辺に…して…あ……」顔が赤い。瞼が閉じた。
目を瞑った後、この前、急に正気に戻ったからなぁ。それは防ぎたい。会話は必要だね。
「如月、こっちみて。俺の目、見て」
「……あっ見れな……ん……あっ……まだ続け…るの……?」眉と目尻が下がり、瞳が潤んでいる。かわいい。そそられる。
「挿れたいなぁ~~」
もう少し堪能してから後ろを触ろう。そして挿れよう!! 疎かになっていた胸元の手を動かし、突起を刺激する。また立った。下着の中にある手の動きは早める。
「それはだめ……あっ……睦月さ…それ以じょ…は……ん……あ……睦月さん……すとっぷ……あっ……だめ…出…はぁあっ……」ん?
手の中が生暖かい。まさか……。手を引き抜き、手のひらを確認する。べと。やり過ぎたぁあぁあぁあ!!!
「……今日……もう……できない……」如月は両手で顔を隠している。
「いやいやいや、出来るでしょ。いけるっしょ」てか出来ないと困るんですけど。
「……しばらくは無理……睦月さんって……下手……」如月は目線を逸らし、小さく呟く。
「はぁ?! 俺が下手?! ぇえっ?! オーガズム、イッたでしょ?!」如月の体を起こし、抱きつく。下手とかショック……。
「……ふ。アレがオーガズムとは言われたくないねぇ、睦月さんはまだまだだなぁ~~。自分のこと思い返してみたら?」如月は睦月の頬を親指と人差し指で押し、たこの口にさせる。む。やめて。
「ちがうの? わかんにゃいぃ」如月は、頬を掴んだまま、たこ口になっている睦月の唇に口付けした。
「知ってる? 睦月さん。男性はココだけでもイケるんですよ」如月は睦月の胸の突起を人差し指で押す。
「いや、イケないでしょ」睦月の目が濁る。俺への開発フラグ。
「とりあえず着替えてきます」如月は睦月を少し見つめ微笑む。仕事部屋へ服を取りに行った。
如月の顔、まだほんのり赤かった。気持ち良かったんでしょ、じゃあ良いじゃん。あ。良くないわ。如月にしろ、俺にしろ、まだ挿れてないし!!
てか下手って……。マジで傷つく。
脱衣所へ行き、手を洗う。とりあえず、1回休憩挟んで、2回戦だな。でもこれ、次は俺が 受けだよねーー。絶対。
気持ち良いのは好きだけどっ! 如月になら身体中攻められたいけどっ! けどけど~~俺も如月に挿れてみたいぃ~~。
まずは下手を脱却せねば!!
頑張れ、俺!! 負けるな、俺!!
ーー果たして、睦月が如月に挿れることが出来る日はくるのだろうか?!
睦月の戦いは続く。
「えぇ。風情があった方が良くないですか?」如月は余った折り紙を鞄に入れた。
「まぁ? 俺、準備できたよ」着替えを入れた鞄を肩から掛ける。
あ。如月の家、食べるもん何もないわ。買い物してから行かないと。如月に美味しい朝ごはん作れない。
「買い物行ってから、家行かない?」如月を誘う。
「良いですけど……」
「卯月、朝ごはん冷蔵庫に入れたから。食べる時は温めて。行ってきまぁす」卯月に軽く手を振る。
「ありがとーー。お幸せにぃ~~」卯月が手を振り返すのを確認し、家を出た。
この時間帯の買い物はドラッグストアになっちゃうな。なんだかんだ、21時を過ぎている。遅くまで営業しているドラッグストアへ入る。
冷凍食品から野菜、肉まであって、便利で助かる。ドラッグストアというより、スーパーだ。カゴを手に取り、朝食になりそうな食材を入れていく。
「私、ちょっとあっち見てきますね~~」如月はにこやかに、どこかへ向かう。
(何みるんだろう……)
手に取った野菜を一度売り場へ戻し、如月の後をつける。
あぁね、必要ですもんね! 前準備!
「なんですかぁ、睦月さん。見ないでくださいよ~~」如月は通路を移動し、ある場所で立ち止まる。
避妊具。あぁね! 要るもんね! でも何か悩んでいる様子。如月の隣に立ち、声を掛ける。
「どうしたの?」
「んーーやっぱネットで買おうかなって。なんか持っていくの恥ずかしいですし……」人目ですか……。
「もうストックないですし、今日はまた今度で……」はぁああぁあ?!
名の通ってるメーカーブランドの箱を手に取り、カゴに突っ込む。
「俺が買う!!!」いくら俺でも、このコーナーを男2人で見ることに周囲の目は気になる。如月の手を引き、場所を移動した。
「手、繋いだら余計変な目で見られるよ?」如月は伏し目がちで言う。
「別にいいでしょ、多様性なんだから」如月は手を離したがるが離さない。如月の手をきつく握る。
手を繋いだまま、会計へ向かう。如月を見ると、人前で手を繋ぐのは恥ずかしいのか、頬がほんのり赤くなっている。やっぱり、嫁だな。
店員が異質な目で見てくる。カゴに入ってる物も、入ってる物だしな。まぁ、どうでも良い。そんなこと、いちいち気にしていたら、恋人としてやっていけない。
「何か?」あまりにもジロジロ見てくるので、思わず口から言葉が出る。
「い、いえ。お支払い方法は……」
「IDで」なんか不快!! スマホで決済を終了させ、買ったものを袋に詰め店を出る。
「だから言ったじゃないですかぁ……」如月は握られた手に指を絡める。
「うるさい。それでもこうしていたいからいいの」
絡めてくれた指が嬉しくて、歩く足が早くなった。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
今日は一緒にお風呂に入ってくれなかった。お風呂から上がると、如月はリビングでミニサイズの七夕飾りを作っていた。
「手先が器用だね」感心しながら、折り紙で作られた小さな七夕飾りを見る。
「指先が器用じゃないと、気持ち良くなれないよ?」如月は手を止め、指先で睦月の頬に触れる。
「早くお風呂入れば?」頬に触れた如月の指先をぎゅっと掴み、口元に付ける。
「入りますって」如月は脱衣所へ向かった。
んーー。もう1回お風呂入っちゃう? もう、ずーーっと、ずーーっと我慢している。掴んだ指先を抱き寄せて、机に押し倒したかった。
我慢の限界だ。ベッドまで、待てない。入ろうかな。どうしようかな。既に足は脱衣所へ向かっている。
入っちゃう? 怒るかな? どうする? 入って『睦月さんとはもうシない!!』とかになったらヤダなぁ。うーん、うーーん。
とはいえ、上半身はもう脱いでしまった。ぇえ? どうするよ? ここまで来て、引き返すか? 如月の嫌がることはしたくないなぁ。と言いつつもう下半身も露わだ。入るしかあるまい。浴室のドアを開けた。
「ちょっ……さっきお風呂入ったでしょうが!! 何故入る!!」髪をひとつ縛りにして、湯船に浸かる如月が目に入る。後れ毛がえっちぃ。
「気づいたら裸に!!」少し掛け湯をして、湯船へ入る。如月の後ろに入ろうっと。
「そんな訳ないでしょ!!」如月は片手で目元を押さえた。
「まぁまぁ、何もしないから……多分」後ろからぎゅっと抱きしめる。自分が首筋に付けた跡が目につき、もっと付けたくなる。
「本当ですか?」訝しげな目で睦月をみつめる。
「………………」思わず黙る。
「なんで黙るんですか!! もう!!」如月は湯船のお湯を弾き、睦月に掛ける。
「やめて~~触るよ?」弾くお湯が止まる。お湯のかかった顔を手で拭く。
ちょっとぐらい、いっか。折角、俺が後ろに居るんだし? 横目で、如月を確認しつつ、抱きしめている手を移動させようとする。
「あ! 今絶対悪いこと考えてた! 上がります!!」あーーん。バレた。如月は湯船から立ち上がり、浴室を出た。
「待ってよ~~考えてないって~~」バスタオルを手に取る。
「嘘!! 絶対嘘!!」バスタオルで体を拭き、着替え始める。
もぉ~~、すぐバレちゃう。そんなに顔に出やすいのかな。気をつけないと。この後、どういう流れで誘えばいいんだ? タイミングを見失う。
如月は部屋着に着替え、ソファへ座った。とりあえず、隣に座り、様子を伺う。如月は口を開いた。
「アイス食べよ」ソファから立ち上がり、冷凍庫から棒付きアイスを取り出す。マジでタイミングを見失った。
「睦月さんも食べる~~?」
「いやぁ、如月がくれれば要らない」
「えぇ、あげないよ?」棒付きアイスを咥え、ソファに座る如月を見つめる。
はぁ。どうしよ。もう全てがえっちに見える。その咥え口!! なんで薄目でアイス食べるの? 誘ってるの? あぁ~~っ! 少しアイスが溶けてるところもえっち!
俺のも咥……っ。『…はぁ……睦月さんのも…美味しいです……っん(妄想)』ぁあぁあぁあ!! 見てるだけで、えっち過ぎて頭おかしくなる!! アイスを頂いて気分変えよう!!
ソファに手をつき、如月を囲う。溶けかけているアイスを舌で拭き取る。美味しい。如月の口から棒付きアイスを抜き取る。綺麗に棒だけが取れた。棒をコーヒーテーブルに置く。
「アイスちょうだい」
「ーーっ!!」
如月を囲ったまま、ソファに押し倒す。唇を重ね、舌を差し込む。舌でアイスの塊を自分の口内へ運ぶ。唇の端から溶けたアイスが垂れる。口の中にチョコレートの甘さが広がった。美味しい。
「……もう」如月の頬が赤い。可愛い。
「口の周りについちゃった」如月の口の端についたチョコをゆっくり舌先で拭き取る。甘。
「あっ、ちょ、舐めなくても……」如月は恥ずかしそうに目を瞑っている。
「如月、美味しかった」むらむらしてきた。
受けを脱したい。俺が隙だらけだからダメなのかも。隙を与えなければ脱却できる!! そして、最後は如月に挿れたい!!
「ん~~」まずはキスで封鎖しよう。
顔を傾け、唇を重ねる。顔を傾け直し、もう一度。何度も何度も繰り返す。手で如月のTシャツを捲る。
「ーーーーっ!!」キスしてるせいか何も言わない。いいぞ。
「あっ……」今回も手で口元を押さえている。外したい。
ちゅ。今度は胸元に唇を繰り返し付けていく。同時に親指と人差し指で胸の突起の周りを優しく触る。いきなりは触らない。焦らす。
「睦月さ……っあ」
柔らかい手加減で、時間をかけて触る。焦らす。そして焦らす。感じてきたね、如月。優しく、つまむ。焦らし続けてきたせいか、敏感になっている。如月の肩が震えた。
「……あっ……そんな……あっ…さわら……ないで…っん」薄目を開けて、こちらを見る姿は欲情しているように見える。
「え? やめて欲しそうには見えないけど?」
指先で弾く。口元で愛撫しながら、つまんだり、弾いたりして、色んな刺激を与え、立たせる。下も触ろう。テーパードパンツの中に手を入れる。
「あ……もう……んっ…その辺に…して…あ……」顔が赤い。瞼が閉じた。
目を瞑った後、この前、急に正気に戻ったからなぁ。それは防ぎたい。会話は必要だね。
「如月、こっちみて。俺の目、見て」
「……あっ見れな……ん……あっ……まだ続け…るの……?」眉と目尻が下がり、瞳が潤んでいる。かわいい。そそられる。
「挿れたいなぁ~~」
もう少し堪能してから後ろを触ろう。そして挿れよう!! 疎かになっていた胸元の手を動かし、突起を刺激する。また立った。下着の中にある手の動きは早める。
「それはだめ……あっ……睦月さ…それ以じょ…は……ん……あ……睦月さん……すとっぷ……あっ……だめ…出…はぁあっ……」ん?
手の中が生暖かい。まさか……。手を引き抜き、手のひらを確認する。べと。やり過ぎたぁあぁあぁあ!!!
「……今日……もう……できない……」如月は両手で顔を隠している。
「いやいやいや、出来るでしょ。いけるっしょ」てか出来ないと困るんですけど。
「……しばらくは無理……睦月さんって……下手……」如月は目線を逸らし、小さく呟く。
「はぁ?! 俺が下手?! ぇえっ?! オーガズム、イッたでしょ?!」如月の体を起こし、抱きつく。下手とかショック……。
「……ふ。アレがオーガズムとは言われたくないねぇ、睦月さんはまだまだだなぁ~~。自分のこと思い返してみたら?」如月は睦月の頬を親指と人差し指で押し、たこの口にさせる。む。やめて。
「ちがうの? わかんにゃいぃ」如月は、頬を掴んだまま、たこ口になっている睦月の唇に口付けした。
「知ってる? 睦月さん。男性はココだけでもイケるんですよ」如月は睦月の胸の突起を人差し指で押す。
「いや、イケないでしょ」睦月の目が濁る。俺への開発フラグ。
「とりあえず着替えてきます」如月は睦月を少し見つめ微笑む。仕事部屋へ服を取りに行った。
如月の顔、まだほんのり赤かった。気持ち良かったんでしょ、じゃあ良いじゃん。あ。良くないわ。如月にしろ、俺にしろ、まだ挿れてないし!!
てか下手って……。マジで傷つく。
脱衣所へ行き、手を洗う。とりあえず、1回休憩挟んで、2回戦だな。でもこれ、次は俺が 受けだよねーー。絶対。
気持ち良いのは好きだけどっ! 如月になら身体中攻められたいけどっ! けどけど~~俺も如月に挿れてみたいぃ~~。
まずは下手を脱却せねば!!
頑張れ、俺!! 負けるな、俺!!
ーー果たして、睦月が如月に挿れることが出来る日はくるのだろうか?!
睦月の戦いは続く。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
男だけど女性Vtuberを演じていたら現実で、メス堕ちしてしまったお話
ボッチなお地蔵さん
BL
中村るいは、今勢いがあるVTuber事務所が2期生を募集しているというツイートを見てすぐに応募をする。無事、合格して気分が上がっている最中に送られてきた自分が使うアバターのイラストを見ると女性のアバターだった。自分は男なのに…
結局、その女性アバターでVTuberを始めるのだが、女性VTuberを演じていたら現実でも影響が出始めて…!?
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
パパと息子はとっても仲良し♡♡♡ ~可愛がりすぎには要注意???
そらも
BL
何事もほどほどが一番というお話です♪(絶対違う)
とあるお家に暮らしている、ご近所でも美形親子と評判のとってもとっても仲の良いパパさんと息子くんの日常の一コマ♡
ガチガチの父(四十代)と息子(高校生)の近親相姦のえろ話となっておりますので、どうぞご注意してくださいませ。激甘ラブラブな親子です♡
※ R-18エロもので、♡(ハート)喘ぎ満載です。
※ 素敵な表紙は、pixiv小説用フリー素材にて、『やまなし』様からお借りしました。ありがとうございます!
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる