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黒い手紙
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ルイスは大空に向かって腰を下ろした。
ホースウエストのいただきに風が吹き付け、白いシャツやサラサラした髪が激しい動きを見せた。
賢そうなグレーの瞳は曲がりくねった道へと向けられた。そこには今にもシエラを乗せた馬車が見えそうだった。今日はシエラが旅立つ日というので、見えたとしても不思議はなかった。
グレーの瞳は、そのままラウスハットの美しい大地に向けられた。森があって、川があって、その上をガンの群れが飛んでいた。
「お前は冷たいやつだな!」
マークに小突かれた胸を押さえた。
みんなでシエラを見送ろう、こうマークから誘いを受けて、ルイスはそれを断ったのだ。
「あれだけシエラと一緒にいたのに、薄情にもほどがあるぞ」
エズメが二人の間に割って入る。
「やめなさいマーク、ルイスにはルイスの事情ってものがあるの。無理に誘ってはいけないわ」
分かったような口を利くエズメ、そのままちらりとルイスの顔をうかがう。
「事情って、なんだ」
マークは下くちびるを突き出す。
「事情と言ったら事情よ。ねえルイス、シエラの見送りなんて、行けるわけないよね」
エズメはやはり知ったような口を利いた。
ルイスは確かにシエラの見送りなど行けなかった。いけない事情は確かにあった。だがそれをなぜエズメが知っているのか不思議だった。
その前日、ルイスはいつもの通りサウスヒルの山道でシエラを待っていた。しかしその表情はいつもとは違い、暗く思いつめたものだった。シエラが現れると約束通り山の中腹にある山小屋へと向かった。
「懐かしい。ここは一年前、はじめてみんなに会った時に来た所だわ」
シエラは木のテーブルや丸太のイスを手で撫でて回る。
目の前には夕焼け空が広がっていて、眼下にイーストスレッグタウンの町の明かりが見えた。
「いよいよあさってだっけ? メイトリアール教会へ行くのは」
ルイスはぎこちなく笑って夕日から振り返る。
「ええそうよ。ガードナー先生の都合で、予定が少し早まったの。だからもうバッタバタ、お部屋の片づけだってまだ終わっていない。なんだかんだでこの一年、いろいろと物が増えたわ」
聞いておきながら、そのじつルイスは相手の話になど興味が無かった。もう一度夕空へ顔を戻して、
「ねえシエラ、あのね、今日はちゃんと聞いて欲しい事があるんだ。それでわざわざここへ来てもらった」
シエラの顔から笑みが消えた。
「まずはチャティの件だ。僕はね、彼女の申し出を断ったよ。僕には好きな人がいると、はっきりと相手にそう伝えた」
ルイスを見ると、ちょうど夕日と重なって、その姿かたちが光って見えた。
シエラは横を向いて、
「まあ、それは残念なこと。あれだけチャティは期待していたから、きっと悲しんでいる事でしょう」
遠くの空から機関車の汽笛が聞こえる。
「僕の好きな人、誰なのか興味ないの?」
「………………」
ルイスは少しさみしそうな声で、
「僕の好きな人は、君だよ、シエラ。僕ははじめて会った時から君の事が好きだった。君にはとてもふしぎな魅力がある。人の心を動かすふしぎな魅力が。ほかの少女たちにはない冒険心、勇気、ユーモア。きっとあの気むずかしいジェニファーさんも、その魅力に心を動かされた一人だと思うよ」
シエラは黙って座っていた。
「ねえシエラ、聞いてる? 僕たちはもう離れ離れになってしまうんだよ。君はメイトリアール教会へ、僕はドヴィー先生のもとへ。だから、これが僕らにとって気軽に会える最後になるんだ」
イーストスレッグタウンに霧がかかって、ガス灯の明かりが紫色に光って見える。
「ねえシエラ、僕たち、恋人になれないかな? 離れていても、手紙は出せるし、シエラという恋人がいるという事で、僕はこれから絵を学ぶ力にもなる。どれだけ励みになるかしれない。きっと僕ら、いい関係になれると思うんだ」
シエラは下を向いて表情を隠した。
「ねえルイス、幽霊さがしの騒動、覚えてる? みんなでボロボロの山小屋の中に入って、幽霊の正体をつきとめようとして、ジャニスのいたずらでみんな血相変えて逃げ出して、本当に楽しかったわ。その時のマークの驚いた顔といったら」
「シエラ!」
ルイスは勢いよく振り返った。
「話をそらさないで、僕の話をちゃんと聞いて」
顔を上げると、シエラはボロボロと涙を流していた。
「おお ルイス、やめてよ、そんなこと言うの。お願いだからもうやめて。あなたはわたしにとって本当に大切な友達よ? いつも楽しい話を聞かせてくれたじゃない、いつも優しくしてくれたじゃない。どうしてそんな、急に変わってしまうの? 今のままじゃ、ダメなの?」
ルイスの表情は厳しかった。
「それはつまり、僕たちは恋人にはなれないという事だね」
シエラの鼻をすする音が聞こえる。
「そうよ。私は、あなたと、友達だもの。これからお互い、別々な所へ行くけど、手紙だってちょうだいな、教会にも顔を出してちょうだいな、それでお互い、励みになるというものよ」
ルイスは強くこぶしを握って、大きく顔をそむける。
「ダメか。そうか」
二人の間に長い沈黙が訪れる。こういう沈黙を今まで経験した事がないシエラは、こんな時なんて言ったらいいのか分からなかった。
「これを、受け取って欲しい」
ルイスがポケットから封筒を取り出した。
「?」
「もしも僕の願いが叶わなかったら、君に渡そうと思っていた手紙だ。君がメイトリアール教会へ行って、少し落ち着いたら、読んで欲しい」
鼻をすすって、その封筒を受け取るシエラ。
「なに?」
「いいから、君がメイトリアール教会についたら、読めばいい」
ベレー帽をかぶり直し、夕空の中を左へ歩いて行くルイス。
「さようならシエラ、幸運を」
「ルイス!」
シエラは立ち上がってルイスを追いかけた。だがそれも一瞬のこと、その足はぴたりと止まり、ふらふらとまた元のイスの所へ戻って来た。シエラにはルイスを追いかける理由がなかった。
「ルイス」
もう一度イスに座って、シエラは小刻みに肩を震わせた。やけに涙が止まらなかった。
「しっかりしなさい、シエラ。あなたは何も間違った事はしていない。これは、仕方がないこと」
ひざの上にある封筒に、ぽたりぽたりとシエラの涙が落ちた。
そんな悲しい後ろ姿を、山小屋の陰から盗み見している人物がいた。
「やった! とうとうあの二人のしっぽをつかんだわ!」
エズメは興奮して顔を上気させた。
「まさかこんな大スクープに出会えるなんて、最後の最後でこのエズメ・テイラー、大手柄だわ!
やっぱりあの二人は怪しかったのよ! あたしに隠れてコソコソと、まったくいい気味だわ! きっと二人はケンカでもして、涙の別れになったのよ! 結局はすべてこの黒い手紙に書いてある通りになったわ」
そう言ってエズメは黒い手紙で口元を隠す。
その黒い手紙には、白いペンでこう綴られていた。
『闇が迫りし刻、ホースウエストの山小屋の前で、シエラ・クロウという子羊は大粒の涙をつき落とす。うふふふふ』
ホースウエストのいただきに風が吹き付け、白いシャツやサラサラした髪が激しい動きを見せた。
賢そうなグレーの瞳は曲がりくねった道へと向けられた。そこには今にもシエラを乗せた馬車が見えそうだった。今日はシエラが旅立つ日というので、見えたとしても不思議はなかった。
グレーの瞳は、そのままラウスハットの美しい大地に向けられた。森があって、川があって、その上をガンの群れが飛んでいた。
「お前は冷たいやつだな!」
マークに小突かれた胸を押さえた。
みんなでシエラを見送ろう、こうマークから誘いを受けて、ルイスはそれを断ったのだ。
「あれだけシエラと一緒にいたのに、薄情にもほどがあるぞ」
エズメが二人の間に割って入る。
「やめなさいマーク、ルイスにはルイスの事情ってものがあるの。無理に誘ってはいけないわ」
分かったような口を利くエズメ、そのままちらりとルイスの顔をうかがう。
「事情って、なんだ」
マークは下くちびるを突き出す。
「事情と言ったら事情よ。ねえルイス、シエラの見送りなんて、行けるわけないよね」
エズメはやはり知ったような口を利いた。
ルイスは確かにシエラの見送りなど行けなかった。いけない事情は確かにあった。だがそれをなぜエズメが知っているのか不思議だった。
その前日、ルイスはいつもの通りサウスヒルの山道でシエラを待っていた。しかしその表情はいつもとは違い、暗く思いつめたものだった。シエラが現れると約束通り山の中腹にある山小屋へと向かった。
「懐かしい。ここは一年前、はじめてみんなに会った時に来た所だわ」
シエラは木のテーブルや丸太のイスを手で撫でて回る。
目の前には夕焼け空が広がっていて、眼下にイーストスレッグタウンの町の明かりが見えた。
「いよいよあさってだっけ? メイトリアール教会へ行くのは」
ルイスはぎこちなく笑って夕日から振り返る。
「ええそうよ。ガードナー先生の都合で、予定が少し早まったの。だからもうバッタバタ、お部屋の片づけだってまだ終わっていない。なんだかんだでこの一年、いろいろと物が増えたわ」
聞いておきながら、そのじつルイスは相手の話になど興味が無かった。もう一度夕空へ顔を戻して、
「ねえシエラ、あのね、今日はちゃんと聞いて欲しい事があるんだ。それでわざわざここへ来てもらった」
シエラの顔から笑みが消えた。
「まずはチャティの件だ。僕はね、彼女の申し出を断ったよ。僕には好きな人がいると、はっきりと相手にそう伝えた」
ルイスを見ると、ちょうど夕日と重なって、その姿かたちが光って見えた。
シエラは横を向いて、
「まあ、それは残念なこと。あれだけチャティは期待していたから、きっと悲しんでいる事でしょう」
遠くの空から機関車の汽笛が聞こえる。
「僕の好きな人、誰なのか興味ないの?」
「………………」
ルイスは少しさみしそうな声で、
「僕の好きな人は、君だよ、シエラ。僕ははじめて会った時から君の事が好きだった。君にはとてもふしぎな魅力がある。人の心を動かすふしぎな魅力が。ほかの少女たちにはない冒険心、勇気、ユーモア。きっとあの気むずかしいジェニファーさんも、その魅力に心を動かされた一人だと思うよ」
シエラは黙って座っていた。
「ねえシエラ、聞いてる? 僕たちはもう離れ離れになってしまうんだよ。君はメイトリアール教会へ、僕はドヴィー先生のもとへ。だから、これが僕らにとって気軽に会える最後になるんだ」
イーストスレッグタウンに霧がかかって、ガス灯の明かりが紫色に光って見える。
「ねえシエラ、僕たち、恋人になれないかな? 離れていても、手紙は出せるし、シエラという恋人がいるという事で、僕はこれから絵を学ぶ力にもなる。どれだけ励みになるかしれない。きっと僕ら、いい関係になれると思うんだ」
シエラは下を向いて表情を隠した。
「ねえルイス、幽霊さがしの騒動、覚えてる? みんなでボロボロの山小屋の中に入って、幽霊の正体をつきとめようとして、ジャニスのいたずらでみんな血相変えて逃げ出して、本当に楽しかったわ。その時のマークの驚いた顔といったら」
「シエラ!」
ルイスは勢いよく振り返った。
「話をそらさないで、僕の話をちゃんと聞いて」
顔を上げると、シエラはボロボロと涙を流していた。
「おお ルイス、やめてよ、そんなこと言うの。お願いだからもうやめて。あなたはわたしにとって本当に大切な友達よ? いつも楽しい話を聞かせてくれたじゃない、いつも優しくしてくれたじゃない。どうしてそんな、急に変わってしまうの? 今のままじゃ、ダメなの?」
ルイスの表情は厳しかった。
「それはつまり、僕たちは恋人にはなれないという事だね」
シエラの鼻をすする音が聞こえる。
「そうよ。私は、あなたと、友達だもの。これからお互い、別々な所へ行くけど、手紙だってちょうだいな、教会にも顔を出してちょうだいな、それでお互い、励みになるというものよ」
ルイスは強くこぶしを握って、大きく顔をそむける。
「ダメか。そうか」
二人の間に長い沈黙が訪れる。こういう沈黙を今まで経験した事がないシエラは、こんな時なんて言ったらいいのか分からなかった。
「これを、受け取って欲しい」
ルイスがポケットから封筒を取り出した。
「?」
「もしも僕の願いが叶わなかったら、君に渡そうと思っていた手紙だ。君がメイトリアール教会へ行って、少し落ち着いたら、読んで欲しい」
鼻をすすって、その封筒を受け取るシエラ。
「なに?」
「いいから、君がメイトリアール教会についたら、読めばいい」
ベレー帽をかぶり直し、夕空の中を左へ歩いて行くルイス。
「さようならシエラ、幸運を」
「ルイス!」
シエラは立ち上がってルイスを追いかけた。だがそれも一瞬のこと、その足はぴたりと止まり、ふらふらとまた元のイスの所へ戻って来た。シエラにはルイスを追いかける理由がなかった。
「ルイス」
もう一度イスに座って、シエラは小刻みに肩を震わせた。やけに涙が止まらなかった。
「しっかりしなさい、シエラ。あなたは何も間違った事はしていない。これは、仕方がないこと」
ひざの上にある封筒に、ぽたりぽたりとシエラの涙が落ちた。
そんな悲しい後ろ姿を、山小屋の陰から盗み見している人物がいた。
「やった! とうとうあの二人のしっぽをつかんだわ!」
エズメは興奮して顔を上気させた。
「まさかこんな大スクープに出会えるなんて、最後の最後でこのエズメ・テイラー、大手柄だわ!
やっぱりあの二人は怪しかったのよ! あたしに隠れてコソコソと、まったくいい気味だわ! きっと二人はケンカでもして、涙の別れになったのよ! 結局はすべてこの黒い手紙に書いてある通りになったわ」
そう言ってエズメは黒い手紙で口元を隠す。
その黒い手紙には、白いペンでこう綴られていた。
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