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恋するドーラ
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ホースウエストの北部、メイトリアール教会方面にかけて、山は、なだらかな稜線を見せた。そのなだらかさゆえ、そこを下山するとなると、相当な距離がある事から、普段は誰も使用しない。しかし雪の季節ともなれば、安全な巻き道として活用され、馬そりが一日に数回、サウスヒルに物資を運んだ。
その一つに数えられる、ホアキンの馬そりは今、シエラとドーラを家まで送っている最中。先程までちらついていた雪も止み、気づけば雪山から雲が剥ぎ取られて、前方にふもと町がはっきりくっきりよく見えた。
「好きな、人?」
シエラは大きな目をして、まばたきをくり返した。
「そう、好きな人。いる?」
ドーラは真っすぐ前を向いて、横目でシエラの事を見た。
「好きな、友達ってこと?」
プッと吹き出して、今度は馬そりの縁に腕を乗せて、
「本気で言ってる? わたしが言っているのは、恋人にしたい人」
ハッとして、シエラは前方に顔を向けた。木の枝から落ちた雪が、小麦粉のように顔に当たって、ぷわっぷわっとそれを払う。
「恋人にしたいだなんて、そんなの、いないわ」
「本当?」
相手を疑うように、顔をのぞき込んで来る。
「本当よ。考えた事もない」
ドーラは席に戻って、両足を伸ばして、左右にブーツを動かした。
「ルドヴィック・スピードって、知っている?」
「?」
思いがけない名前を聞いて、シエラは返事に困った。ドーラはモジモジと手袋をすり合わせて、
「彼って、素敵よね?」
「はあ?」
シエラの顔がしかめ面に変わった。
「あんなの、どこが素敵なの?」
ドーラは口許を隠して、くすくすと笑った。
「良かったぁ。わたしの思った通り。シエラって、変わっているから、本当に変わっているから、ほかの子と違うと思った。やっぱり当たった」
寒空に向かって、ホアキンがくしゃみをした。手綱を持って、鼻歌をうたって、少女たちの会話など一切興味がない様子。
「ねえシエラ。相談、乗ってくれる?」
「相談?」
「そう。相談。あのね、わたし、ルドヴィックに手紙を渡したいの。手紙を渡して、その手紙に返事が返って、それがきっかけでわたし、彼と手紙のやり取りができればいいなあって」
手のひらを合わせて、それを右の頬へ持って行って、うっとり。
「手紙のやり取りがしたいの?」
「そう。そうして、わたし彼の恋人になりたい」
「えーっ!」
その声にびっくりして、あわてて相手の口をふさぐ、ドーラ。ホアキンの背中を見て、しーっとシエラを黙らせた。それから小声で、
「でも彼って、すっごくモテるの。わたしの周りは、ルドヴィックに夢中な子ばっかり。だからわたし、今までこの事を誰にも相談できないでいたの。だってみんな、ライバルだわ。こっそり、しれっと、彼に手紙を送っているの、わたし見たわ。
だけど、手紙を送るだけでは、そんなのではダメ。彼はそんなの読みもしないわ。直接手渡ししなければダメなの。ちゃんと面と向かって、お話して、お願いをして、そして手紙を渡すの。そうすれば、わたしの手紙はきっと読んでもらえると思うわ。ねえシエラ、そう思わない?」
口をふさがれて、上目づかいのシエラ、こくこくと頷いて、少し前の事を思い出す。
〝あなた本当にとんでもないわ! ルドヴィック・スピードと言ったら、ラウスハットでもとっても有名な男性よ? ハンサムなあの顔を見たら、誰でも恋に落ちてしまうわ〟
サイラは興奮して、ルドヴィックのことを話していた。
シエラの口が自由になった。
「ルドヴィックって、そんなに人気があるの?」
「あるってもんじゃないわ。彼、ラスタルで働いているんだけど、そのお店、連日若い女性であふれているらしいわ。みんなルドヴィック目当てなんだって。それでも彼が勧めるから、お店にある麦なんてもう飛ぶように売れて、それが毎日来るものだから、商売は繁盛しているって話」
「そんなに」
「それでね、彼、まだ恋人という恋人はいないらしいのよ。ぜんぜん、女性に興味がないって感じなんだって」
馬そりが、麓の集落に近づいて、楽しく雪で遊ぶ子供たちの姿が見えた。
「彼って、ハンサム?」
「もちろん、シエラだって、見た事くらいあるでしょ?」
「まあ」
「素敵じゃない?」
調子に乗ったルドヴィック、シエラの黒ずんだ三つ編みの髪を手に取って、
〝おお、君の髪はまるでモップだね! 世界中をぐるりと掃きまわった美しき色よ!〟
半年前の、からかって来る彼の顔を思い出して、シエラ、ゆっくりと首を傾げて、
「どこが?」
ドーラはつまらなそうな顔をして、
「あなたって、ほんっと変わっているわ。誰が見たって、彼、カッコイイと思うわ。一時はソフィ・シンクレリアと恋のウワサが立った事もあった。二人で歩いている所、何度か目撃されていたから。それからのソフィって、同性から、必要以上に嫌われたらしいわ。でもわたし、それは違うと思っている。だってソフィは、いまはあんなだし、もしも彼と恋人だったら、会う頻度が少なすぎるし」
シエラにとって、ルドヴィックなんてどうでも良かった。それよりもソフィの名前を聞いて、それで、うんと彼女が恋しくなった。いまは先生になる途中らしい、ああ、ソフィの事を思った方が、よほど胸が高鳴ると、シエラは視線を下げた。
「シエラ、あなた彼と話せる? 平気?」
横から顔をのぞき込まれて、シエラはゆっくりと腕を組んだ。
「平気、じゃない。頭に来ているもの」
「頭?」
「そう。ルドヴィックって、わたしのことをからかったの。馬鹿にしたの。ゲラゲラ笑って」
かいつまんで、半年前の出来事をドーラへ話した。
「なにそれ、あなた、ルドヴィックと話をした事あるの!」
お尻一つ分、シエラの隣に移動するドーラ。
「話というか、いっぽう的な誹謗中傷ね。女性の髪をからかうなんて、サイテーだと思わない?」
ドーラは人差し指を立てて、空に向かって、
「ま、じゃ、シエラはルドヴィックと面識がある、って事ね。わー、これはラッキー。あなたと一緒なら、わたし、ルドヴィックとすんなり会話ができそう」
シエラはびっくりして、ドーラから身を引いた。
「えーっ! わたしもルドヴィックと会うの⁉」
「あたりまえじゃない、だって、シエラがいなかったらわたし、彼とは話せないわ。面識がないもの。ちゃんと紹介してもらわないと」
「そんなあ」
「ダメ? シエラ」
ドーラはひざに手を突いて、切ない上目づかいで、相手の同情をさそう。
「わ」
「わ?」
シエラは右斜め上に目を上げて、
「わかった、わかったわドーラ。何とかする、何とかするわ。だって、クラスメートの頼みだもの、ね」
シエラは内心、うれしくもあった。今までろくに口を利いてくれなかった、あの、おすましドーラが、やっと腹を割って話してくれた。それがありがたいことだと思った。だから、多少困難なお願いであっても、なんとか期待に応えようと努めた。
「本当? うれしい! 手紙の文面も、お願いね。なんたってわたし、そんなの今まで一度も書いた事ないもの」
「そ」
それはシエラだって書いた事がなかった。
その一つに数えられる、ホアキンの馬そりは今、シエラとドーラを家まで送っている最中。先程までちらついていた雪も止み、気づけば雪山から雲が剥ぎ取られて、前方にふもと町がはっきりくっきりよく見えた。
「好きな、人?」
シエラは大きな目をして、まばたきをくり返した。
「そう、好きな人。いる?」
ドーラは真っすぐ前を向いて、横目でシエラの事を見た。
「好きな、友達ってこと?」
プッと吹き出して、今度は馬そりの縁に腕を乗せて、
「本気で言ってる? わたしが言っているのは、恋人にしたい人」
ハッとして、シエラは前方に顔を向けた。木の枝から落ちた雪が、小麦粉のように顔に当たって、ぷわっぷわっとそれを払う。
「恋人にしたいだなんて、そんなの、いないわ」
「本当?」
相手を疑うように、顔をのぞき込んで来る。
「本当よ。考えた事もない」
ドーラは席に戻って、両足を伸ばして、左右にブーツを動かした。
「ルドヴィック・スピードって、知っている?」
「?」
思いがけない名前を聞いて、シエラは返事に困った。ドーラはモジモジと手袋をすり合わせて、
「彼って、素敵よね?」
「はあ?」
シエラの顔がしかめ面に変わった。
「あんなの、どこが素敵なの?」
ドーラは口許を隠して、くすくすと笑った。
「良かったぁ。わたしの思った通り。シエラって、変わっているから、本当に変わっているから、ほかの子と違うと思った。やっぱり当たった」
寒空に向かって、ホアキンがくしゃみをした。手綱を持って、鼻歌をうたって、少女たちの会話など一切興味がない様子。
「ねえシエラ。相談、乗ってくれる?」
「相談?」
「そう。相談。あのね、わたし、ルドヴィックに手紙を渡したいの。手紙を渡して、その手紙に返事が返って、それがきっかけでわたし、彼と手紙のやり取りができればいいなあって」
手のひらを合わせて、それを右の頬へ持って行って、うっとり。
「手紙のやり取りがしたいの?」
「そう。そうして、わたし彼の恋人になりたい」
「えーっ!」
その声にびっくりして、あわてて相手の口をふさぐ、ドーラ。ホアキンの背中を見て、しーっとシエラを黙らせた。それから小声で、
「でも彼って、すっごくモテるの。わたしの周りは、ルドヴィックに夢中な子ばっかり。だからわたし、今までこの事を誰にも相談できないでいたの。だってみんな、ライバルだわ。こっそり、しれっと、彼に手紙を送っているの、わたし見たわ。
だけど、手紙を送るだけでは、そんなのではダメ。彼はそんなの読みもしないわ。直接手渡ししなければダメなの。ちゃんと面と向かって、お話して、お願いをして、そして手紙を渡すの。そうすれば、わたしの手紙はきっと読んでもらえると思うわ。ねえシエラ、そう思わない?」
口をふさがれて、上目づかいのシエラ、こくこくと頷いて、少し前の事を思い出す。
〝あなた本当にとんでもないわ! ルドヴィック・スピードと言ったら、ラウスハットでもとっても有名な男性よ? ハンサムなあの顔を見たら、誰でも恋に落ちてしまうわ〟
サイラは興奮して、ルドヴィックのことを話していた。
シエラの口が自由になった。
「ルドヴィックって、そんなに人気があるの?」
「あるってもんじゃないわ。彼、ラスタルで働いているんだけど、そのお店、連日若い女性であふれているらしいわ。みんなルドヴィック目当てなんだって。それでも彼が勧めるから、お店にある麦なんてもう飛ぶように売れて、それが毎日来るものだから、商売は繁盛しているって話」
「そんなに」
「それでね、彼、まだ恋人という恋人はいないらしいのよ。ぜんぜん、女性に興味がないって感じなんだって」
馬そりが、麓の集落に近づいて、楽しく雪で遊ぶ子供たちの姿が見えた。
「彼って、ハンサム?」
「もちろん、シエラだって、見た事くらいあるでしょ?」
「まあ」
「素敵じゃない?」
調子に乗ったルドヴィック、シエラの黒ずんだ三つ編みの髪を手に取って、
〝おお、君の髪はまるでモップだね! 世界中をぐるりと掃きまわった美しき色よ!〟
半年前の、からかって来る彼の顔を思い出して、シエラ、ゆっくりと首を傾げて、
「どこが?」
ドーラはつまらなそうな顔をして、
「あなたって、ほんっと変わっているわ。誰が見たって、彼、カッコイイと思うわ。一時はソフィ・シンクレリアと恋のウワサが立った事もあった。二人で歩いている所、何度か目撃されていたから。それからのソフィって、同性から、必要以上に嫌われたらしいわ。でもわたし、それは違うと思っている。だってソフィは、いまはあんなだし、もしも彼と恋人だったら、会う頻度が少なすぎるし」
シエラにとって、ルドヴィックなんてどうでも良かった。それよりもソフィの名前を聞いて、それで、うんと彼女が恋しくなった。いまは先生になる途中らしい、ああ、ソフィの事を思った方が、よほど胸が高鳴ると、シエラは視線を下げた。
「シエラ、あなた彼と話せる? 平気?」
横から顔をのぞき込まれて、シエラはゆっくりと腕を組んだ。
「平気、じゃない。頭に来ているもの」
「頭?」
「そう。ルドヴィックって、わたしのことをからかったの。馬鹿にしたの。ゲラゲラ笑って」
かいつまんで、半年前の出来事をドーラへ話した。
「なにそれ、あなた、ルドヴィックと話をした事あるの!」
お尻一つ分、シエラの隣に移動するドーラ。
「話というか、いっぽう的な誹謗中傷ね。女性の髪をからかうなんて、サイテーだと思わない?」
ドーラは人差し指を立てて、空に向かって、
「ま、じゃ、シエラはルドヴィックと面識がある、って事ね。わー、これはラッキー。あなたと一緒なら、わたし、ルドヴィックとすんなり会話ができそう」
シエラはびっくりして、ドーラから身を引いた。
「えーっ! わたしもルドヴィックと会うの⁉」
「あたりまえじゃない、だって、シエラがいなかったらわたし、彼とは話せないわ。面識がないもの。ちゃんと紹介してもらわないと」
「そんなあ」
「ダメ? シエラ」
ドーラはひざに手を突いて、切ない上目づかいで、相手の同情をさそう。
「わ」
「わ?」
シエラは右斜め上に目を上げて、
「わかった、わかったわドーラ。何とかする、何とかするわ。だって、クラスメートの頼みだもの、ね」
シエラは内心、うれしくもあった。今までろくに口を利いてくれなかった、あの、おすましドーラが、やっと腹を割って話してくれた。それがありがたいことだと思った。だから、多少困難なお願いであっても、なんとか期待に応えようと努めた。
「本当? うれしい! 手紙の文面も、お願いね。なんたってわたし、そんなの今まで一度も書いた事ないもの」
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