歌え!シエラ・クロウ

くぼう無学

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シエラの旅

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 トンネルを抜けると、そこは、光の中だった。汽車の窓がぜんぶ光った。まぶしくて、目が開けられなくて、それでもだんだん、そのまぶしさに慣れて来ると、そこにはヨルム高原が広がっていた。
 乗客にどよめきが起こった。
 大きなリゾートホテルから、はたまた、小さな宿泊レストランまで、この土地ならではの三角の屋根が、切り立った山脈に連なって見えた。
 長い汽車の旅において、ここヨルム高原の美しい景色は、一つの見どころになっていた。
 そんな中、下を向き、じっとしている紳士がいた。バレンタイン・ウッドだ。彼は仕事柄移動が多く、この汽車の旅も毎回のこと、正直 窓の景色にも飽き飽きしていた。ざわめく乗客をよそに、彼は、大きなあくびを見せ、ガサガサと新聞をひらいた。そして優雅に右手を上げて、胸ポケットからチョコレートを取り出した。目の前に座った子供がそれを見ていた。
「ん? なんだ小僧」
 新聞を脇に折って、チョコレートを前へ出す。
「コレが欲しいのか?」
 ゴクンと生唾を飲み込む音。
「ほら」
 チョコレートが上下すると、それにつられて子供も上下。
「あの、えーと、いらないわ。いらないの。本当はね、喉から手が出るほど 欲しいのだけど、わたしお断りする事にしたの。だってね、気品ある女性って、そうやすやすと人から物をもらわないでしょう?」
 奇異の目が子供をとらえた。
「お前、女か」
 ちょっと驚いた顔をして、チョコを口に入れるバレンタイン。
「まあ失礼しちゃう。それは女性に対して絶対に言ってはいけない言葉だわ。つまりその言葉は、乙女心を傷つけるの」
 ゆっくりと帽子を脱いで、三つ編みの髪を肩に落とす。
「でもそれも、無理もない話ね。だってわたし、今はこの格好だもの。長旅で、顔は汚れて、服はボロボロ、髪の毛だって、ほらこんなに黒ずんだ色になっちゃった。実を言うとわたし、男の子に間違われたのって、これで十二回目」
 うっすらと笑う、少女。
「だいぶ間違われたな」
「そうなの。ここまで間違われたら、いっそ最後まで間違われていた方がましだと思うの。おじさんそう思わない? だってその方がわたし、男の子に変装しきった気分になれると思うの。それも十二回も成功したことになる。変装の名人だわ」
 その後のバレンタインは、子供になど興味を示さず、再び新聞をひらいた。そしてしばらくして、どういった流れかで、少女が『メイトリアール教会』という名を口にした。
「なに?」
 新聞から顔が上がった。
「だからおじさん、メイトリアール教会って、聞いたことあって?」
 少女はひざの上に手をついて、ぐいっと顔を前に出した。
「あるも何も、名前だけは有名だからな。しかしなんでお前みたいなのがアレを口にする」
 少女の顔が ぱあっと笑顔になった。
「わたしこれからその教会へ行って聖歌隊に入れてもらうの。世界で一番有名な聖歌隊、おじさんその聖歌隊のこともご存じ?」
 ヒクヒクと、彼のまゆ毛が動いた。
「馬鹿を言うな。あんなの、さびれた田舎の聖歌隊だ。歴史は深く、それこそ昔は世界でも屈指の聖歌隊と騒がれていたが、今となっては、へっぽこ合唱団だ」
「ふーん、そうなの。おじさん やけに聖歌隊に詳しいのね。もしかして音楽家か何か?」
 肩を上下させて、快活に笑うバレンタイン。
「お嬢ちゃん、これからメイトリアール教会へ行って、聖歌隊の誰でもいい、誰かをつかまえて ロタオールのバレンタイン・ウッド様を知っているかと尋ねるといい。きっとこのおじさんが、どれだけ偉大な人か分かるだろう」
 汽車は、ブレーキをかけて、減速した。汽車の脚台から、ふしゅーと白煙が出て、車輪に火花が散った。乗客たちは立ち上がって、たくさんの荷物を手に動き回る。それから間もなくして、汽車は、ラスタルという駅に到着する。
「降りまーす、降りまーす」
 下車する乗客や、乗って来る乗客、その人の波にのまれ、もみくちゃにされながら、少女はやっとの思いでホームに降りた。そして走り去る汽車を見送って、「ふう」とひと息ついた頃、もう、バレンタインの姿はどこにもなかった。
「ああ、ついにここまで来たわ! メイトリアール教会まであと少し、もう少し! がんばろー!」
 顔に泥をつけ、これ以上ないくらい笑顔を見せる少女。その目は青く、キラキラと輝いて、希望に満ちていた。
「よいしょ」とバックを肩にかけ、とぼとぼと一人改札へと向かう。
その改札では 今、一通りキップを切り終え、その場から立ち去ろうとした駅員が、偶然 最後の乗客を見つけ、また改札に戻って、何か言いたげに腕を組んだ所だった。
「おいおいお前さん」
 少女は自分の顔を指さした。
「そう、そこのお前さんだ。まあなんてひでえ格好だ。こりゃどっからどう見ても家なき子だ。ちゃんと切符ってのを持って来たんだろうな?」
 少女は鼻先をツンと上げて、
「あらずいぶん失礼な事を言う駅員さんね。あなたどこに目をつけているの? これでもわたし、女性よ? それはレディーにかける言葉ではないわ」
「いっちょまえな口を利くじゃないか。いいから早く切符を出しな。最近ではあまっちょめでもキセルをやりやがる」
 駅員は大きな手のひらを見せて、くいくいと指先を動かした。
「切符なら、ここにちゃんとあるわ。よく見てちょうだい」
 差し出された切符の、その先っぽをつまんで、駅員、
「まったく泥だらけにしやがって」とさらにポケットからルーペを取り出して、
「ん、ん、これは駅で買ったものだな? 盗んだものじゃないな?」
 少女は腰に手を当てて、さも呆れた様子を見せた。
「おじさんたら、あなたはつくづく失礼な人ね。いいわ。疑うなら存分にお疑いなさい。わたしは小さい事でいちいち腹を立てない事にしているの。それって ほら、素敵な事でしょう? だってその方が、いちいち腹を立てる人よりも、気品があるわ」
 少女から目を離さないように、横顔で切符を回収する駅員。
「ふん、まあいいだろう。むやみに疑って悪かったな。
 ところでお嬢さん、見かけない顔だ。ここへは初めてだろう? どうだ、当たりか。そうか当たったか。いやなに、そう驚くなかれ、なんたってこのわしは、ラスタル駅に勤めて三○年、ラスタルに向かえばトーマスに会うと言われるほどの有名人だ。この駅で降りる客の顔なら、今まで何万回とおがんで来たから、見慣れない顔は一目で分かるんだ。お嬢さん、労働者しかいないような、こんなへんぴな駅に、いったい何の用があって来なすった?」
「ああそうだわ、おじさん、トーマスおじさん、どうか教えてくださいな!」
 と太った相手のお腹にすがって、
「『メイトリアール教会』って、おじさんご存じ? そこへはどうやって行ったらいいの?」
 それを聞いたトーマス、時計の針みたいにトガった髭を、クイッとひねって、
「メイトリアール教会だって? お嬢さん、あんなへんぴな所へ行って、どうする気だい?」
「あら見て分からない? わたしこれから世界一有名な聖歌隊に入れてもらうの」
 少女は誇らしげに胸を張った。その姿を見たトーマスは、すぐに笑った。
「まあ! 何がおかしいの! こっちは真剣にお話ししているのに!」
「お嬢さん、ヒヒヒヒヒ。まあ一ぺん、自分の姿を鏡で見てみるといい。あの格式高いメイトリアール教会に、こんな格好をした娘が入って行ったら、教会という奴はびっくりして、お前さんをぺっと吐き出すぜ きっと」
 少女は両手を広げ、自分の身なりを見下ろした。泥がこびり付いて、黄ばんだ所もあって、ちょっと引っ張っただけでもビリビリに服が破けそうだった。
「そうね、確かにこの格好は、ひどいわね。わたしそんなこと気にしていなかった。だって、それは過酷な旅だったんだもの。木の上で寝たり、川を泳いで渡ったり、ひどい時にはどしゃ降りの中をずっと歩いていたわ。ねえ、これを着ていては、メイトリアール教会には入られないの?」
「そうさな。貴族のお屋敷じゃないんだ、入って入れない事もないが、聖歌隊に入隊できるよう頼み込むんだろう? だったら先ずは身なりをキチンとしたらどうかな。うんそうだ、近くのホテルで、ひとっ風呂浴びて来た方がいい。あと、そのボロボロの服だ。服は、いや待てよ、相手はシスターだ。その方がかえって相手の哀れみをかえるかもしれない。
 ところでお嬢さん、聖歌隊に入りたいって言うくらいだから、歌の方は、そりゃあ絶品なんだろうね?」
 少女は斜め上の方を見た。
「絶品?
 絶品って、
 あらそんな、
 わたし絶品だなんてそんなものではないわ。わたしの歌はね、どうもね、聞いた人に言わせると、聞けたものではないらしいの。つまりわたしの歌は、ひどく下手クソだそうなの」
 これを聞いたトーマス、近くの柱につかまって、ガハハガハハと笑った。
「お嬢さん、わしはお嬢さんの事が気に入ったよ! なんだって? 歌がひどく下手クソだって? それなのにあの、天使が歌うといわれたメイトリアール教会の聖歌隊に入ろうだって? この世もまんざら捨てたもんじゃない、なんたってこんなユニークな子供がひょっこり汽車から降りて来るんだからねえ!」
 トーマスの笑い顔を見上げている内に、だんだん自分が笑いものにされている事に気が付いて来て、少女の顔もだんだん赤くなって来た。
「わたしには、うすうすとしか分からないけど、ひどいわ! どうしてそんなに笑うの! わたしはただ笑われるために、遠くから旅をして来たのではないわ!」
「これは失礼、失礼失礼。どうか気を悪くしないでくれ。ここで毎日汽車を待っていると、なかなか愉快な事がなくてね。だから久しぶりに愉快な事が起きて、大いに笑ってしまったのさ。
 そうだ、名前はなんと言うんだ? わしはここの駅長、トーマス・マクレーンだ」
 握手を求められて、その手を見た瞬間、少女はコロッと笑顔になった。
「わたしはシエラ、シエラ・クロウよ!
 ああ、あなたはわたしがここに来て初めてお知り合いになれた人よ? わたしこう見えてもおしとやかで育ちが良いの。あら、自分からそんなこと言ってはならなかったわ。でも本当にそうよ。どうして育ちが良いと、本当の事を言ってはならないのかしら。わたしは言いたくて言いたくて、ウズウズしてくるわ! だって………」
 とそこまで言った所で、シエラのお腹から「グーぅ」と素敵な音が出た。その音の大きい事といったら、外で寝ていた野良犬が、ちょっと顔を持ち上げたほどだった。
「……………」
 トーマスは驚いて目を丸くした。
「あ、あの、何か聞こえなすって?」
 まっ赤になったシエラが、ちらりと相手を見上げた時、トーマスはもう笑いがこらえきれなくなっていた。
「だあっーはっはっはあ! 聞こえなすってときたもんだ!」
「ああもうイヤだわ! どうして心はおしとやかで育ちが良いのに、お腹の虫だけはこうも我慢がきかないの?」
 トーマスは愉快に髭をつねって、
「まあ気に病む事はない。人間、腹が減ればぐうと来るもんよ。シエラにはまず食い物だな。よし、ここを出て真っ直ぐ行った所に、ドルニク亭という小さい飯屋がある。みてくれは悪いが、安くてたんまり食える大衆食堂だ。そこで腹ごしらえをしたら、今度はメイトリアール教会までの馬車を頼むといい。いい店主だから、すぐに馬車を用意してくれる」
「メイトリアール教会まで? まあトーマスさん、あなたはなんて良い人なんでしょう! 失礼な人だなんて言って、悪かったわ」
 そう言ってバッグを手に、さっそく背中を見せるシエラ。ところがそのバッグを見た途端、トーマスの顔色が変わった。
「ああ、そのバッグ、気をつける事だ。何しろそのバッグ、ここラスタルではとても盗まれやすいと評判なんだ。昨日ひったくりにあったバッグも、確かそんなバッグだったな。しかも盗られた奴は無銭飲食と間違われて」
 バッグをポンと手で叩き、敬礼のポーズを見せるシエラ。
「ご心配ありがとう。大丈夫だわ。このバッグにはわたしの全てが詰まっているの。わたし死んだってこのバッグは離さないから」
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