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危険な出会いと偽りのプロフィール
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婚活サイトは、夢と欲望が交差する場所だ。
私はそんな世界で生きている。表向きは、真剣に人生のパートナーを探す人々が集う健全な場。しかし、その裏側では、欲望に溺れた者たちが巧妙に偽りを織り交ぜ、真実を覆い隠している。
この仕事を始めた当初、私はその現実に驚かされた。無数のプロフィール、華やかな写真、甘い言葉の数々。しかし、その中に真実がどれだけあるのか……!? 私は次第に、その疑問を抱くようになった。
ある日、サイトに新たな登録者が現れた。彼女のプロフィールは完璧だった。美しい容姿、華麗な経歴、そして誰もが惹かれる魅力的なメッセージ。しかし、何かが引っかかる。これは、直感ではなく、これまで数々のケースを見てきた経験からくるものだ。
「何かがおかしい……」
その直感を無視することはできなかった。そして、それは私を想像もしなかった闇へと導いていく。
彼女の顔写真は、別人クラスに加工されていた。そして、後に年齢詐称も発覚することになる。さらに、独身かどうかを確認するため、独身証明書の提出が必要だ。この書類は、登録時に必ず提出してもらうものだ。
私は彼女に対して「独身証明書か戸籍謄本をお預かりします」と丁寧に伝えた。
すると彼女は突然、キレ気味に「それって必ず出さなければダメですか?」と聞いてきた。私は「はい、必須書類です」と答えながら、年齢詐称の可能性を疑った。
彼女は渋々、書類を提出した。
私は書類に目を通し、驚愕の事実に気づいた。年齢詐称はもちろん、想像を超える真実がそこにあったのだ。
「結婚していますね!」思わず強い口調で言った。
彼女は既婚者であることに反論することもなく、静かに認めた。
「どうして登録しようと考えたのですか? 登録時も活動費もかかりますよ」
すると、彼女の口からさらに驚くべき言葉が出てきた。
「主人がセックスをしてくれないから、離婚しようと思っています」
「はっ!?……」
私の仕事はセックスレス相談ではないが、この業界では、こういったケースが少なくない。対応には慣れているが、婚活業界にはプロフィール詐欺が多い。そして、ヤリモク(やりたい人、やらせたい人)も存在する。活動目的が本当に婚活かどうかは、いつも疑問だ。
この仕事に就く前は、婚活業界はもっとハッピーなイメージだと思っていた。しかし、現実は全く異なっていた。写真と実物があまりにも違う場合も多いし、女性の中には性欲が強すぎる人もいる。活動中の性行為は禁止されているにもかかわらず、性行為をして文句を言う人もいる。
「自分の性癖に合った人を紹介してほしいだけなの」と、彼女はまるで当たり前のことのように言った。
彼女の言葉に、私は一瞬、ためらった。婚活サイトは、真剣に相手を探す場所。そう信じていた私にとって、彼女の告白はショッキングだった。
「離婚してからもう一度来てください」と、私はなるべく冷静を装って言った。しかし、彼女は悪びれることもなく、唇を軽くなぞりながらこう言った。
「実は、別の婚活サイトにはもう登録して活動しているのよ」
その瞬間、心臓が一瞬止まったような気がした。既婚者が、複数の婚活サイトで活動している?!これは、想像を超える事実だった。彼女の完璧なプロフィールに隠された、この冷たい現実。
「ここでは登録できません」と、私は強い口調で言った。彼女の顔に一瞬、挑戦的な笑みが浮かんだように見えたが、すぐに何もなかったようにその場を後にした。
彼女が去った後も、私はその場に立ち尽くし、頭の中で彼女の言葉が何度も反芻された。既婚者であることを隠しながら、婚活サイトを渡り歩く。それは、まさに「恋愛ビジネスの闇」そのものだった。
彼女が部屋を出て行くときの後ろ姿、そのわずかに揺れる腰、香り立つ甘い匂い。まるでその揺れる腰が後ろから抱かれることを待っているかのように見えた。彼女のすべてが、何か危険なものを暗示しているように感じられた。
登録希望者のプロフィールはある程度の期間保存しておくことが多い。これは同一人物が偽名で再登録しようとする場合にも有効であり、また、他の婚活サイトで登録・活動している場合に、お世話している男性登録者が危険にさらされないための対策でもある。
性欲がまったくない女性も多いが、セックスレスが彼女をここまで動かすとは驚きだった。彼女にとって肉体で愛を感じること、あるいは求められることが心身を満たすのだろう。それは彼女にしかわからないことだ。
その夜、私は彼女のプロフィールを何度も見返し、彼女の言動を思い起こしながら考えを巡らせた。だが、すべてが謎めいている。彼女の裏に何が隠されているのか? すべてが完璧すぎて、そこに真実がないようにさえ思えた。
翌日、私のもとに1本の電話がかかってきた。登録希望の男性からだった。
彼はマッチングアプリに登録して活動していて、何人かの女性と会ったことがあるという。その中で、真剣に結婚相手を探しているが、出会った女性の中には結婚相手にふさわしいと感じる人がいなかったそうだ。
その会話の中で、彼は笑いながら「性欲がすごい女性がいた」と言った。その女性は少し年上で、会話中に唇を軽くなぞる癖があり、セクシーな印象を受けたという。
その瞬間、私は彼女のことを思い出した。セックスレスの女性ではないかと。
彼は続けて話し始めた。「何度か会って、毎回セックスしていました。でも、実はその女性、妹さんが病気で、手術が必要だと言っていました。」
私は彼女の目的が単なるセックスだけではないことに最初から気づいていたので、驚きはしなかった。しかし、彼の話を聞いてその思いが確信に変わった。
「手術代が足りないみたいで、どうしたらいいか悩んでいるようです」と彼は言った。
こういったケースでは、彼女が直接お金を要求しないことが多い。相手が「いくらなの?」と聞くのを待っているのだ。最終的には「自分からお金を出したんだから詐欺ではない」と言い訳をするための手段だ。
恋愛ビジネスには、こうした問題が多く含まれている。この業界は非常に特殊で、裏には多くの秘密が隠されている。闇の深さは、他のビジネスと比較しても群を抜いているかもしれない。
「お金を出すつもりですか?」と私は彼に尋ねた。初対面の私にこうした話を持ちかけるということは、彼自身もどうすればいいのかわからず、悩んでいる証拠だろう。
ふと、頭に疑問がよぎった。彼女に妹がいたかな?
私が見た彼女のプロフィールには、妹の存在は記載されていなかった。それが意味することは何だろう? 彼も何かを感じ取って私に相談してきたのだろうと思い、こうアドバイスした。
「どんな手術なのか、詳しく聞いてみてください。自分の知り合いに医療関係に詳しい人がいるから、手術代も病院によって違うし、そのあたりも確認してみるといいですよ。」
その言葉を伝えたとき、彼女がキレ気味に話を終えようとしたら、最悪の場合「無理やりやられたから警察に行く」と言い出すかもしれません、とも伝えた。すると、男性の表情が一瞬で凍りついた。
肉体関係と恋愛ビジネスが絡むこの世界には、危険が多いということだ。彼もこれからは慎重に行動するだろう。
ある日の昼、1本の電話が入った。
登録希望者の女性のようだが何かおかしい声のトーン。
どこかいやらしい声、何かを舐めるピチャピチャという音。
彼女の正体は一体何なのか? そして、彼女の真の目的とは?
私はそんな世界で生きている。表向きは、真剣に人生のパートナーを探す人々が集う健全な場。しかし、その裏側では、欲望に溺れた者たちが巧妙に偽りを織り交ぜ、真実を覆い隠している。
この仕事を始めた当初、私はその現実に驚かされた。無数のプロフィール、華やかな写真、甘い言葉の数々。しかし、その中に真実がどれだけあるのか……!? 私は次第に、その疑問を抱くようになった。
ある日、サイトに新たな登録者が現れた。彼女のプロフィールは完璧だった。美しい容姿、華麗な経歴、そして誰もが惹かれる魅力的なメッセージ。しかし、何かが引っかかる。これは、直感ではなく、これまで数々のケースを見てきた経験からくるものだ。
「何かがおかしい……」
その直感を無視することはできなかった。そして、それは私を想像もしなかった闇へと導いていく。
彼女の顔写真は、別人クラスに加工されていた。そして、後に年齢詐称も発覚することになる。さらに、独身かどうかを確認するため、独身証明書の提出が必要だ。この書類は、登録時に必ず提出してもらうものだ。
私は彼女に対して「独身証明書か戸籍謄本をお預かりします」と丁寧に伝えた。
すると彼女は突然、キレ気味に「それって必ず出さなければダメですか?」と聞いてきた。私は「はい、必須書類です」と答えながら、年齢詐称の可能性を疑った。
彼女は渋々、書類を提出した。
私は書類に目を通し、驚愕の事実に気づいた。年齢詐称はもちろん、想像を超える真実がそこにあったのだ。
「結婚していますね!」思わず強い口調で言った。
彼女は既婚者であることに反論することもなく、静かに認めた。
「どうして登録しようと考えたのですか? 登録時も活動費もかかりますよ」
すると、彼女の口からさらに驚くべき言葉が出てきた。
「主人がセックスをしてくれないから、離婚しようと思っています」
「はっ!?……」
私の仕事はセックスレス相談ではないが、この業界では、こういったケースが少なくない。対応には慣れているが、婚活業界にはプロフィール詐欺が多い。そして、ヤリモク(やりたい人、やらせたい人)も存在する。活動目的が本当に婚活かどうかは、いつも疑問だ。
この仕事に就く前は、婚活業界はもっとハッピーなイメージだと思っていた。しかし、現実は全く異なっていた。写真と実物があまりにも違う場合も多いし、女性の中には性欲が強すぎる人もいる。活動中の性行為は禁止されているにもかかわらず、性行為をして文句を言う人もいる。
「自分の性癖に合った人を紹介してほしいだけなの」と、彼女はまるで当たり前のことのように言った。
彼女の言葉に、私は一瞬、ためらった。婚活サイトは、真剣に相手を探す場所。そう信じていた私にとって、彼女の告白はショッキングだった。
「離婚してからもう一度来てください」と、私はなるべく冷静を装って言った。しかし、彼女は悪びれることもなく、唇を軽くなぞりながらこう言った。
「実は、別の婚活サイトにはもう登録して活動しているのよ」
その瞬間、心臓が一瞬止まったような気がした。既婚者が、複数の婚活サイトで活動している?!これは、想像を超える事実だった。彼女の完璧なプロフィールに隠された、この冷たい現実。
「ここでは登録できません」と、私は強い口調で言った。彼女の顔に一瞬、挑戦的な笑みが浮かんだように見えたが、すぐに何もなかったようにその場を後にした。
彼女が去った後も、私はその場に立ち尽くし、頭の中で彼女の言葉が何度も反芻された。既婚者であることを隠しながら、婚活サイトを渡り歩く。それは、まさに「恋愛ビジネスの闇」そのものだった。
彼女が部屋を出て行くときの後ろ姿、そのわずかに揺れる腰、香り立つ甘い匂い。まるでその揺れる腰が後ろから抱かれることを待っているかのように見えた。彼女のすべてが、何か危険なものを暗示しているように感じられた。
登録希望者のプロフィールはある程度の期間保存しておくことが多い。これは同一人物が偽名で再登録しようとする場合にも有効であり、また、他の婚活サイトで登録・活動している場合に、お世話している男性登録者が危険にさらされないための対策でもある。
性欲がまったくない女性も多いが、セックスレスが彼女をここまで動かすとは驚きだった。彼女にとって肉体で愛を感じること、あるいは求められることが心身を満たすのだろう。それは彼女にしかわからないことだ。
その夜、私は彼女のプロフィールを何度も見返し、彼女の言動を思い起こしながら考えを巡らせた。だが、すべてが謎めいている。彼女の裏に何が隠されているのか? すべてが完璧すぎて、そこに真実がないようにさえ思えた。
翌日、私のもとに1本の電話がかかってきた。登録希望の男性からだった。
彼はマッチングアプリに登録して活動していて、何人かの女性と会ったことがあるという。その中で、真剣に結婚相手を探しているが、出会った女性の中には結婚相手にふさわしいと感じる人がいなかったそうだ。
その会話の中で、彼は笑いながら「性欲がすごい女性がいた」と言った。その女性は少し年上で、会話中に唇を軽くなぞる癖があり、セクシーな印象を受けたという。
その瞬間、私は彼女のことを思い出した。セックスレスの女性ではないかと。
彼は続けて話し始めた。「何度か会って、毎回セックスしていました。でも、実はその女性、妹さんが病気で、手術が必要だと言っていました。」
私は彼女の目的が単なるセックスだけではないことに最初から気づいていたので、驚きはしなかった。しかし、彼の話を聞いてその思いが確信に変わった。
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こういったケースでは、彼女が直接お金を要求しないことが多い。相手が「いくらなの?」と聞くのを待っているのだ。最終的には「自分からお金を出したんだから詐欺ではない」と言い訳をするための手段だ。
恋愛ビジネスには、こうした問題が多く含まれている。この業界は非常に特殊で、裏には多くの秘密が隠されている。闇の深さは、他のビジネスと比較しても群を抜いているかもしれない。
「お金を出すつもりですか?」と私は彼に尋ねた。初対面の私にこうした話を持ちかけるということは、彼自身もどうすればいいのかわからず、悩んでいる証拠だろう。
ふと、頭に疑問がよぎった。彼女に妹がいたかな?
私が見た彼女のプロフィールには、妹の存在は記載されていなかった。それが意味することは何だろう? 彼も何かを感じ取って私に相談してきたのだろうと思い、こうアドバイスした。
「どんな手術なのか、詳しく聞いてみてください。自分の知り合いに医療関係に詳しい人がいるから、手術代も病院によって違うし、そのあたりも確認してみるといいですよ。」
その言葉を伝えたとき、彼女がキレ気味に話を終えようとしたら、最悪の場合「無理やりやられたから警察に行く」と言い出すかもしれません、とも伝えた。すると、男性の表情が一瞬で凍りついた。
肉体関係と恋愛ビジネスが絡むこの世界には、危険が多いということだ。彼もこれからは慎重に行動するだろう。
ある日の昼、1本の電話が入った。
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