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初夜②
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ベッドサイドのキャンドルライト以外に、灯る明かりはない。殿下の髪が暖かな黄金に染まっている。涼やかな青いはずの瞳も憂いを満ちた色に変えていて……突然問われた質問に、私はボロを出さないようにするだけで目一杯だった。
「殿下は、黒髪がお好きなのですか?」
「うん、すごい好き」
すごい好きって……。なんですか、その子供っぽい言い方は。可愛すぎる!
きゃあきゃあ騒ぐのはなんとか我慢。だけど代わりに変なことを聞いてしまう。
「殿下は、本当に殿下なんですか……?」
「え? どういうこと?」
「あの……もっと冷徹な方だと……」
まあ、私も噂でしか聞いたことがないのですが!
てか、そもそも愚問すぎるよね。本当に殿下なのかって。私が本当のスカーレット様じゃないのに。
やばいやばいやばい⁉ どうしよう、私が偽物だってバレちゃう⁉
私が目を白黒させていると、殿下が小さく笑う。
「こんな俺は嫌い?」
「あ、いえ……」
「それじゃあ分けさせて。仕事の時はちゃんとするから。……きみの前では子供の頃のようでいたいんだ」
その隙に、私はベッドに押し倒される。優しくのしかかってきた殿下は「ふう」と私の耳元で息を吐いた。
やだ、ぞくぞくする……子供の頃って……こんな色香を撒き散らす子供がいるの? いないよね? いてたまるもんですか⁉
「殿下……言ってることとやってることが違います……」
「もう殿下はやめてくれないかな。もう夫婦なんだから……どうか、名前で読んでほしい」
「……ふゅっ」
そのまま私の髪を撫でる手は、反対の耳をくすぐってくる。それがくすぐったくて変な声を出してしまうと、殿下はくすくすと笑い出した。
「ふふっ。何、今の声」
「あ、その……失礼しまし――」
「いいよ。今からもっと鳴いてもらうんだから」
「殿下は、黒髪がお好きなのですか?」
「うん、すごい好き」
すごい好きって……。なんですか、その子供っぽい言い方は。可愛すぎる!
きゃあきゃあ騒ぐのはなんとか我慢。だけど代わりに変なことを聞いてしまう。
「殿下は、本当に殿下なんですか……?」
「え? どういうこと?」
「あの……もっと冷徹な方だと……」
まあ、私も噂でしか聞いたことがないのですが!
てか、そもそも愚問すぎるよね。本当に殿下なのかって。私が本当のスカーレット様じゃないのに。
やばいやばいやばい⁉ どうしよう、私が偽物だってバレちゃう⁉
私が目を白黒させていると、殿下が小さく笑う。
「こんな俺は嫌い?」
「あ、いえ……」
「それじゃあ分けさせて。仕事の時はちゃんとするから。……きみの前では子供の頃のようでいたいんだ」
その隙に、私はベッドに押し倒される。優しくのしかかってきた殿下は「ふう」と私の耳元で息を吐いた。
やだ、ぞくぞくする……子供の頃って……こんな色香を撒き散らす子供がいるの? いないよね? いてたまるもんですか⁉
「殿下……言ってることとやってることが違います……」
「もう殿下はやめてくれないかな。もう夫婦なんだから……どうか、名前で読んでほしい」
「……ふゅっ」
そのまま私の髪を撫でる手は、反対の耳をくすぐってくる。それがくすぐったくて変な声を出してしまうと、殿下はくすくすと笑い出した。
「ふふっ。何、今の声」
「あ、その……失礼しまし――」
「いいよ。今からもっと鳴いてもらうんだから」
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