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Ep01 序章
Ep01_05 オガミヤ02
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◆公園
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アリスを探して、秕は商店街まで来ていた。
浦上町はどちらかと言えば田舎に分類される。若者が立ち寄りそうな場所は限られているし、アリスの行動パターンも秕にはそれなりに予想出来た。
彼女が暮らしているアパートや商店街を探した後、近くの公園の桜の樹の下で、秕はアリスを発見した。
「見つけた!」
ポケットの中で、映画のチケットを持つ手が少し汗ばむ。幼なじみとはいえ、やはりこういうことは緊張するものだ。
「……なんだよ、しつこい」
秕の方を見ずに、アリスが言った。
「ええと、その……」
「私は忙しいんだ。用がないんなら」
「あの。実は……」
秕はやっとの事でポケットから映画のチケットを二枚とりだすと、震える手でアリスに差し出した。
「もしよかったら、あの、今度、映画でも……ど、どうかな……?」
「フン。ひとりで行けばいいだろ」
アリスはチケットに見向きもせず、秕に背を向ける。彼の計画はあっさり頓挫した。
殴られたり罵倒されたりするのにはなれている。だが今の彼女には妙なよそよそしさと冷たい無関心しか感じられない。秕は耐えきれない孤独感に襲われた。アリスが急に遠い存在になったように思えた。
「アリスちゃん……。なんで。どうしてそんなに僕をさけるのさ!!?」
「言っただろ。弱い奴は目障りだ。さっさと転校でもしてくれ」
「そんなんじゃわかんないよ。PMのパイロットは僕の小さいころからの夢だったし、約束でもあるんだ。そう簡単にあきらめるわけには……」
「私の命令が聞けないのか!!?」
アリスの表情から感情が消える。代わりに機械のように無慈悲な殺気が頭をもたげてくる。これ以上逆らえば、アリスを本気で怒らせてしまうかもしれない。しかし、珍しく秕は退かなかった。
「……だって。約束したんだ。君のお父さんにたのまれたんだよ。「アリスを頼む」って」
秕はそのときにもらった御守りをアリスに見せた。アリスの瞳から少し怒りが薄れた。
「……私より弱い奴に何を頼んだんだか」
「だから僕は24時間そばにいて君を守るんだ」
秕がこれほど頑固にアリスに反抗するのも珍しい。しかし、彼女には少しだけ理解できた。何の役にも立たない秕だが、「約束」を守ろうと必死なのだ。――実行できるかどうかはともかく。
アリスはうつむいて無言だった。
「そ、それであの。これなんだけど……」
秕はもう一度、映画のチケットをアリスに差し出した。しばらくチケットを見つめていたアリスだったが、やがてそれを奪い取ると、無造作に破り捨てた。
「――!!!!」
「冗談だろ。お前なんかが私と釣り合うと思ってんのか?」
容赦の無い捨て台詞を残して、アリスは踵をかえした。
「そ、そんな……。待ってよ……」
なおも追いすがる秕に平手打ちを食らわせ、彼女はそのまま街の雑踏に消えていった。
秕は声もなくただ、立ち尽くした。
夕日が遠い山の稜線にかかっている。たっぷり時間をかけてそれは山の影に隠れた。不思議と涙は出てこない。彼は一つ大きなため息を吐いた。
「……帰ろう」
--------------------------------------
◆夢
--------------------------------------
抜け殻となった秕が静かに帰ってきたのを菜乃は見つけた。兄のいつもと異なる様子に何かを察した妹は、からかうのをやめて、用件だけを伝えた。
「おじいちゃんが呼んでたよ」
自動操縦の無人機械のように、秕は祖父の元へ向かった。
「ふむ。アリス穣ちゃんの除霊については、よくやった。しかし、さきほどのような除霊は我等オガミヤの本分ではない。我等の使命はやはり、魔霊を調伏(退治)することにある。そのためには日々の修行がもっとも大切なのじゃ」
「わかってるよ。だからちゃんと修行はしてるさ。一応」
精神力強化のための、起請文や経文の書き取り、実戦用として、祝詞(呪文)の暗記、詠唱訓練。時々、山にこもらされたりもしている。修行だけはしている。しているが、秕は相変わらず霊を恐れているし、後を継ぐ気もなさそうだ。
やはり強制的に「やらされている」という感がぬぐえないのはしかたがない。本人のやる気がもう少しあれば、さらに伸びるはずではあるのだが。
「(陰陽道の術は、主に術者の精神力により生み出されるもの。なにかきっかけがあれば……)」
秕の祖父は、無意識に過去へと思いを馳せていた。
7年前。
幼い子供の悲鳴がいまでも老人の耳に焼きついている。秕は幼いころ、悪霊に襲われた事があったのだ。
その時、秕の祖父は大半の呪力を奪われ、秕自身も生死をさまよう大怪我を負わされた。極端に霊を怖がるようになった、それが原因である。
だが、その時その悪霊を除霊したのはほかならぬ秕本人だっだ。無意識のことで、彼も覚えてはいなかったが。
「(才能が無いわけではないんじゃがのう……)」
自室に戻った秕は、落ち込んではいたが、やるべきことを忘れてはいなかった。明日のPMのテストに備えて教科書をチェックする。その後、HMDを頭に装着し、端末にインストールされているシミュレーションに取り組む。
このシステムはゲームに似ているが、ゲームのように面白いものではない。特に秕のような素人には基礎トレーニングが最重要課題であり、必然的に、初歩の基本動作を何度も何度も繰り返し反復することになる。
その単調さは拷問にも似た過酷さで、彼の精神力を消耗させていった。眠い目をこすりつつ、シミュレーションは深夜の3時をまわるまで続けられた。
そして、限界を超えたのか、秕はHMDをつけたまま眠ってしまった
**********
秕は走っていた。「何者か」から逃れるために。だが、どれだけ走ってもどんなに隠れてもその「何者か」は彼の前に現れる。
誰でも見るような夢であったが、途中から少し様子が違って来た。いつの間にか三人で逃げている。自分とアリスとクロウ。幼いころの記憶がごちゃ混ぜに再生されているのだろうか。だがどこか違和感がある。三人とも今よりも年上に見えるようだ。
水の滴る音がする。
夢の中のはずなのに激しい耳鳴りに襲われる。やがて他の二人が消えた。辺りはいつの間にか深い霧に覆われた沼地になっている。
そしてついに、「何者か」が秕の身体を鷲掴みにした。そのまま、沼の、暗い水の中に引きずり込む。どんなにもがいても逃れる事は出来ない。
次いで、あの「声」が聞こえてくる。
「お前はなぜ生きている」
布団をはねのけて秕は飛び起きた。時々、どこからともなく聞こえるあの「声」。しかも少しずつ大きく、はっきりと聞こえてくるように思えた。
「なんなんだいったい……」
**********
翌朝、菜乃はいつもと同じように元気に兄を起こしに来た。
「おはよーっ。早くしないとチコクよーっ」
もたもたと秕が起き上がる。
「もう、どうしたの暗い顔して。そんなんじゃ、ホントにアリスさんに嫌われるよ」
「いいんだ。もう、僕の人生はお終いさ…」
「ふーん。結構あきらめいいんだ、お兄ちゃん。でも、それでいいんだよ。アリスさんにお兄ちゃんは釣り合わないんだから」
少しムッとする秕。
「そんなことないよ。アリスちゃんには、僕のような相手が必要なんだよ」
「だけど、フラれたんでしょ? あきらめたんでしょ?」
昨日とは違い、今日は菜乃は遠慮しない。
「あ、あきらめたなんて一言も言ってないよ。アリスちゃんは気難しいコなんだ。ちょっとした事ですぐ怒るけど、次の日にはコロっと忘れてたりするんだよ」
「へえ。よく分かるのね」
「そりゃ、幼なじみだからね。アリスちゃんの考える事は何となく分かるんだ」
「じゃあ、どうしてまだ落ち込んでるの?」
妹の指摘に、改めて考えこむ。
「…………。そうだ。どうせ、虫の居所が悪かっただけだよ。すぐに機嫌も直るはずさ!!」
自分を説得するように、秕は言った。
「よし、早速学校で仲直りだ!! アリスちゃん待っててね!!」
勢い良くベッドから降りて、秕は学校に行く準備を始めた。
何とか元気を取り戻したようにみえたが、菜乃にはわかった。秕は無理に明るく振る舞っているだけだと。しかし空元気も元気のうちである。暗くなっているより余程いい。
「ふう。世話の焼ける」
菜乃は笑ったが、少し力のない笑顔だった。
【続く】
◆公園
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アリスを探して、秕は商店街まで来ていた。
浦上町はどちらかと言えば田舎に分類される。若者が立ち寄りそうな場所は限られているし、アリスの行動パターンも秕にはそれなりに予想出来た。
彼女が暮らしているアパートや商店街を探した後、近くの公園の桜の樹の下で、秕はアリスを発見した。
「見つけた!」
ポケットの中で、映画のチケットを持つ手が少し汗ばむ。幼なじみとはいえ、やはりこういうことは緊張するものだ。
「……なんだよ、しつこい」
秕の方を見ずに、アリスが言った。
「ええと、その……」
「私は忙しいんだ。用がないんなら」
「あの。実は……」
秕はやっとの事でポケットから映画のチケットを二枚とりだすと、震える手でアリスに差し出した。
「もしよかったら、あの、今度、映画でも……ど、どうかな……?」
「フン。ひとりで行けばいいだろ」
アリスはチケットに見向きもせず、秕に背を向ける。彼の計画はあっさり頓挫した。
殴られたり罵倒されたりするのにはなれている。だが今の彼女には妙なよそよそしさと冷たい無関心しか感じられない。秕は耐えきれない孤独感に襲われた。アリスが急に遠い存在になったように思えた。
「アリスちゃん……。なんで。どうしてそんなに僕をさけるのさ!!?」
「言っただろ。弱い奴は目障りだ。さっさと転校でもしてくれ」
「そんなんじゃわかんないよ。PMのパイロットは僕の小さいころからの夢だったし、約束でもあるんだ。そう簡単にあきらめるわけには……」
「私の命令が聞けないのか!!?」
アリスの表情から感情が消える。代わりに機械のように無慈悲な殺気が頭をもたげてくる。これ以上逆らえば、アリスを本気で怒らせてしまうかもしれない。しかし、珍しく秕は退かなかった。
「……だって。約束したんだ。君のお父さんにたのまれたんだよ。「アリスを頼む」って」
秕はそのときにもらった御守りをアリスに見せた。アリスの瞳から少し怒りが薄れた。
「……私より弱い奴に何を頼んだんだか」
「だから僕は24時間そばにいて君を守るんだ」
秕がこれほど頑固にアリスに反抗するのも珍しい。しかし、彼女には少しだけ理解できた。何の役にも立たない秕だが、「約束」を守ろうと必死なのだ。――実行できるかどうかはともかく。
アリスはうつむいて無言だった。
「そ、それであの。これなんだけど……」
秕はもう一度、映画のチケットをアリスに差し出した。しばらくチケットを見つめていたアリスだったが、やがてそれを奪い取ると、無造作に破り捨てた。
「――!!!!」
「冗談だろ。お前なんかが私と釣り合うと思ってんのか?」
容赦の無い捨て台詞を残して、アリスは踵をかえした。
「そ、そんな……。待ってよ……」
なおも追いすがる秕に平手打ちを食らわせ、彼女はそのまま街の雑踏に消えていった。
秕は声もなくただ、立ち尽くした。
夕日が遠い山の稜線にかかっている。たっぷり時間をかけてそれは山の影に隠れた。不思議と涙は出てこない。彼は一つ大きなため息を吐いた。
「……帰ろう」
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◆夢
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抜け殻となった秕が静かに帰ってきたのを菜乃は見つけた。兄のいつもと異なる様子に何かを察した妹は、からかうのをやめて、用件だけを伝えた。
「おじいちゃんが呼んでたよ」
自動操縦の無人機械のように、秕は祖父の元へ向かった。
「ふむ。アリス穣ちゃんの除霊については、よくやった。しかし、さきほどのような除霊は我等オガミヤの本分ではない。我等の使命はやはり、魔霊を調伏(退治)することにある。そのためには日々の修行がもっとも大切なのじゃ」
「わかってるよ。だからちゃんと修行はしてるさ。一応」
精神力強化のための、起請文や経文の書き取り、実戦用として、祝詞(呪文)の暗記、詠唱訓練。時々、山にこもらされたりもしている。修行だけはしている。しているが、秕は相変わらず霊を恐れているし、後を継ぐ気もなさそうだ。
やはり強制的に「やらされている」という感がぬぐえないのはしかたがない。本人のやる気がもう少しあれば、さらに伸びるはずではあるのだが。
「(陰陽道の術は、主に術者の精神力により生み出されるもの。なにかきっかけがあれば……)」
秕の祖父は、無意識に過去へと思いを馳せていた。
7年前。
幼い子供の悲鳴がいまでも老人の耳に焼きついている。秕は幼いころ、悪霊に襲われた事があったのだ。
その時、秕の祖父は大半の呪力を奪われ、秕自身も生死をさまよう大怪我を負わされた。極端に霊を怖がるようになった、それが原因である。
だが、その時その悪霊を除霊したのはほかならぬ秕本人だっだ。無意識のことで、彼も覚えてはいなかったが。
「(才能が無いわけではないんじゃがのう……)」
自室に戻った秕は、落ち込んではいたが、やるべきことを忘れてはいなかった。明日のPMのテストに備えて教科書をチェックする。その後、HMDを頭に装着し、端末にインストールされているシミュレーションに取り組む。
このシステムはゲームに似ているが、ゲームのように面白いものではない。特に秕のような素人には基礎トレーニングが最重要課題であり、必然的に、初歩の基本動作を何度も何度も繰り返し反復することになる。
その単調さは拷問にも似た過酷さで、彼の精神力を消耗させていった。眠い目をこすりつつ、シミュレーションは深夜の3時をまわるまで続けられた。
そして、限界を超えたのか、秕はHMDをつけたまま眠ってしまった
**********
秕は走っていた。「何者か」から逃れるために。だが、どれだけ走ってもどんなに隠れてもその「何者か」は彼の前に現れる。
誰でも見るような夢であったが、途中から少し様子が違って来た。いつの間にか三人で逃げている。自分とアリスとクロウ。幼いころの記憶がごちゃ混ぜに再生されているのだろうか。だがどこか違和感がある。三人とも今よりも年上に見えるようだ。
水の滴る音がする。
夢の中のはずなのに激しい耳鳴りに襲われる。やがて他の二人が消えた。辺りはいつの間にか深い霧に覆われた沼地になっている。
そしてついに、「何者か」が秕の身体を鷲掴みにした。そのまま、沼の、暗い水の中に引きずり込む。どんなにもがいても逃れる事は出来ない。
次いで、あの「声」が聞こえてくる。
「お前はなぜ生きている」
布団をはねのけて秕は飛び起きた。時々、どこからともなく聞こえるあの「声」。しかも少しずつ大きく、はっきりと聞こえてくるように思えた。
「なんなんだいったい……」
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翌朝、菜乃はいつもと同じように元気に兄を起こしに来た。
「おはよーっ。早くしないとチコクよーっ」
もたもたと秕が起き上がる。
「もう、どうしたの暗い顔して。そんなんじゃ、ホントにアリスさんに嫌われるよ」
「いいんだ。もう、僕の人生はお終いさ…」
「ふーん。結構あきらめいいんだ、お兄ちゃん。でも、それでいいんだよ。アリスさんにお兄ちゃんは釣り合わないんだから」
少しムッとする秕。
「そんなことないよ。アリスちゃんには、僕のような相手が必要なんだよ」
「だけど、フラれたんでしょ? あきらめたんでしょ?」
昨日とは違い、今日は菜乃は遠慮しない。
「あ、あきらめたなんて一言も言ってないよ。アリスちゃんは気難しいコなんだ。ちょっとした事ですぐ怒るけど、次の日にはコロっと忘れてたりするんだよ」
「へえ。よく分かるのね」
「そりゃ、幼なじみだからね。アリスちゃんの考える事は何となく分かるんだ」
「じゃあ、どうしてまだ落ち込んでるの?」
妹の指摘に、改めて考えこむ。
「…………。そうだ。どうせ、虫の居所が悪かっただけだよ。すぐに機嫌も直るはずさ!!」
自分を説得するように、秕は言った。
「よし、早速学校で仲直りだ!! アリスちゃん待っててね!!」
勢い良くベッドから降りて、秕は学校に行く準備を始めた。
何とか元気を取り戻したようにみえたが、菜乃にはわかった。秕は無理に明るく振る舞っているだけだと。しかし空元気も元気のうちである。暗くなっているより余程いい。
「ふう。世話の焼ける」
菜乃は笑ったが、少し力のない笑顔だった。
【続く】
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