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第1章 異世界でレベリング

第9話 諦観と恐怖を乗り越えてLv99

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 でも、面白い人でもあるわ。」

 あー、クソッ。ロザリーのあの表情が頭から離れない。

「どうしたんじゃ、イロアス。魔力の流れが雑になっておる。」
「わりぃ、師匠。」

 ばあちゃんは、俺の雑念を鋭く見抜く。俺に背を向けていて、かつ、本を読んでいたはずなのだけれど。一体、身体はどういう造りなんだ?後ろに目があったり。

「ところで、ダンジョンは何層まで行ったんか?」

 魔力の流れを正常に戻していると、不意にばあちゃが尋ねてくる。
 てか、俺ってどこまで行ったっけ?たしか、霊魔とかいたのは98層だよな。
 あの不気味なやつ。

「多分、地下98層まで潜ったよ。」
「ほう、なら100層まで行けるな。今日行ってこい。」

 はっ?今何つった?

「口が悪い。」

 いや、声に出してねーだろ。前から思ってたけど、読心術かよ。怖いな。

「で、いきなりどうしたんだよ。ダンジョンに行けって。修行の邪魔だから行くなとか言ってなかった?」

 あからさまに矛盾しているのだが。

「いや、もう教えることが底を尽きた。あとは実戦あるのみ。」

 はぁ、そうですか。なんか裏の意図がある気がしてならないのだが、師匠がそう言うなら仕方ない。
 別にダンジョン攻略は嫌いじゃない。

「分かった。行ってくるよ。」
「ちょい待て。魔力石を出しな。」

 言われるままに、【アイテムボックス】から魔力石を取り出す。

「これも持っていけ。」

 ばあちゃんが魔力石に自身の魔力を流し込む。
 あと、なんか首飾りみたいなものも渡された。

「別に、俺の貯めた魔力入ってるけど、ありがたく貰っとくよ。あと、これって何?」
「お前さんがへし折った剣を加工した、お守り代わりに持っとけ。気をつけてな。」

 ばあちゃんは後ろ手でひらひらと手を振っていた。

「行ってきます。」

 ◇ ダンジョン地下98階層
 ダンジョンは入るとすぐ右側に転移陣があり、その中に入ると踏破したことのある最高階層まで飛ばす事が出来る。

「じゃあ、レベリングしますか。」

 もう習慣化してきた〈暗視〉の【スキル】を発動し、ダンジョン内を見渡す。
 ここの階層は
 ・霊魔Lv98…幽霊みたいなやつで、闇属性魔法を使ってくる。(俺よりも闇属性魔法は上手い)

 ・ヨギーアLv97…無属性なのかよく分からんけど、〈〇〇耐性〉系のスキルが習得出来ない、特殊攻撃をしてくる。たいていは、体調不良になったりするのだが、いきなり魔力が半分になったりと、この階層で一番恐ろしい。数が少ないのが唯一の救い。

 ・ポイズンスライムLv99…このダンジョンでの第一発見モンスターの最終進化形態。
 普通の毒・神経毒・麻痺毒・毒バインド・催眠毒など、全種の毒を使う、毒の神みたいなもの。
 毒攻撃はもうほぼ効かないが、何とこいつは剣で切り裂くと分裂する。
 なので、魔法で一気に焼き払うのが有効打だ。

 とかがメインモンスターとなっている。
 まぁ、ほとんどが霊魔なのだが・・・

「הקללה」

 気がつくとすぐに霊魔3体に囲まれていた。

「〈プラズマショック〉。」

 さすがにこの階層のモンスターには、この程度の魔法だと痺れさせることしか出来ないが、使い方次第で強くなる。

「〈シャイニング〉!」

 闇属性の対立属性である聖属性魔法は使えないので、それに近い光魔法を放つ。
 魔法によって作り出された、眩しい光が霊魔を襲う。

「מסנוור!」

 苦しそうな悲鳴が上がる。
 こいつらは暗くてジメジメしたこの常闇のダンジョンにいるので、乾燥や光に弱いことが多い。
 なので、とどめは。

「〈バーニングフレア〉。」

 多分、火属性魔法の中でも強い魔法を放つ。
 モンスターであれど有機物なので、焦げた臭いがダンジョン内に広がる。
 その臭いが、また新たなモンスターを呼び寄せる。

「ボス戦まで、まだ時間がかかりそうだな。」

 ◇
「はぁっー、はっ、っはぁ。」

 息が。

 過呼吸か?上手く息が吸えない。
 肺が、気管が、空気を欲している。

「Плохое здоровье!」

 クソッ。嬉しそうにヨギーアが笑っていやがる。
 だが、どうする?逡巡している余裕はない。

(〈ファイヤ〉!)

 呼吸困難がひどくなり、全身が痺れてきた中で、無詠唱魔法を放つ。

「Конечно!」

 ヨギーアが驚いたように飛びのいた途端に、あの魔法が解ける。

「かはっ、が、はぁっ、はぁっ、はぁーー。」

 空気が美味しい。カビ臭いこのダンジョン内で不覚にもそう思ってしまった。
 けど、確かに空気は重要だ。さっきみたいな状況に陥った時に魔法が上手く使えないのが、命取りになる。対処方法を考えないといけないな。

「さっきのおかえしだ。〈バーニングフレア〉!」

 消し炭を飛び越え、曲がった先には下への階段がある。

「やっと、99層。」

 このダンジョン攻略にリーチがかかり、地下100層ボスに王手となる。
 ダンジョンを見つけてはや7年。
 意外と時間かかるな、ダンジョン攻略。てか、時間過ぎるの早くね?もう、日本でいうなら小学6年生なんだけど。

「まぁ、まだ攻略は終わってねぇ。待ってろよ、100層ボス。」

 1歩1歩、階段を踏みしめて降りた。

 ◇
「広いなここ。」

 道幅も5mくらいになっているし、天井の高さも7m近くありそうだ。
 これほど広いとなると、今までのよりスケールの違うモンスターとか来そうだ。
 そんな事を考えていると・・・・

 ズドン。と地を穿つような、揺れが起こる。

「っとぉ。地震か?」

 ズドン!もう一度同じように地面が揺れる。
 いや。同じじゃない。

「さっきよりも近い。」

 ひやりと冷たい汗がつたう。
 これまでの経験が警鐘を鳴らしている。

 ズドン!!

 角から姿を現したのは、ゴーレムだった。
 図体のデカい、騎士の甲冑のようなゴーレムがこちらを見る。バイザー部分から、網目を通して見える目は、緑色に光っていた。
 手には長い三股の槍を持ち、全身どこも硬そうだ。てか、土くれに魔法が通用するのか?

「っつ・・・」

 大きすぎる。ボスオークより2回りくらいデカいぞ。
 だが、こんなデカブツに萎縮しているわけにはいかない。ここまで様々な苦痛を乗り越えてきたんだ。

「Düşməni tanı」

 俺を認識し、震動をたてながら身体ごとこっちを向く。

「Mən onu aradan qaldıram.」

 何か言うのと同時に、こっちに突進してくる。

「〈ウォール〉×2!」

 通路全体をふさぐ土壁を造り、後ろに下がる。
 しかし、

「Məhv」

 爆音が響き、一瞬にしてバリケードは破壊される。
 そして、また、標的を確認して突進してくる。

「〈バーニングフレア〉」 「〈プラズマショック〉」

 矢継ぎ早に魔法を連発するが、ゴーレムの表面で霧散する。
 魔法無効か?何か手はないのか?

(〈鑑定〉!)

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ゴーレム・デストロイヤー Lv∞
 ・ダンジョン99層にしかいないモンスター。
 ・ダンジョンび挑戦する者に試練を与え、最終ボスの護衛でもある。
 ・魔法無効、レベルは相手と同じになる。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「Od!」

 槍の先を俺に向けると、赤色のレーザービームが飛び出す。

「っあぶねー。」

 紙一重でかわしたが、服が焦げた。
 まさか、俺と同じくビームを開発したやつがいたなんて。良い趣味してるな。
 てか、槍は槍じゃないんかい。普通、槍は物理やろ。それなのに、レーザービームの砲身だなんて、卑怯じゃないか!

 Lv差は0、しかし、魔法無効なので、明らかにこっちが不利。対抗手段は、間接魔法と剣、そしてビームセイバー・・・・いや、ビームセイバーも魔法やん。

「よし、かかってこい。」

【アイテムボックス】からじいちゃんの剣、銘はファルシオンを取り出し、構える。

「〈ウォール〉×6」

 土壁を何重にも作り出して一旦隔てる。
 しかし、先は行き止まりだ。まぁ、その対応は考えているのだが、問題はあの硬い装甲をどうやって叩く?銃でも作れば良かった。いや、銃でも無理か?もっと貫通力のある・・・・

 ドゴンッ。数秒で壁は破壊される。
 しかし、その先に俺はいない。

「Bu, nədir?」

 ゴーレムの先に見えるのは、行き止まり。もちろん、右にも左にも曲がり角はない。
 袋のネズミだった俺がいきなり姿を消したのだ。たとえゴーレムだろうと困惑するはず。
 どんなプログラムで動いているのか知らんが。

「Məhv」

 構わずゴーレムは掘り続け、ダンジョンの地形を変化させていく。
 まぁ、穴を掘って壁の一部と化したんですけど。ちゃんと証拠隠滅するために、掘った時にでた土とか金属、岩石は全て【アイテムボックス】にしまったし、数分、十数分はもつだろう。

 はい、レールガンの3分クッキング~。パチパチパチ
『メイキングだろっ。』というツッコミは置いといて、材料を紹介します。
 ・鉄の延べ棒×20くらい
 ・磁石(正方形の)×25くらい
 ・魔導石×15くらい
 ・魔力石×1 (なるべく大きいの)
 ・かまど・・・今はない

 となります。

 準備 まぁ、今少し掘って、2m四方くらいの空間ができたので、まず、まな板に鉄を置きます。このとき、延べ棒を2つ重ねて置き、縦にそれを長くならべます。
 ちなみに、2本だけ取っておいて下さい。

 ① ちゃんと並べたら、鉄を熱します。温度は1500度以上を保って下さい。〈ファイヤ〉では火力が足りないので、〈バーニングフレア〉を持続発動するのが良いでしょう。

 ② 鉄に火が通り、赤く、柔らかくなってきたら、ハンマーで叩きます。厚さが均一の長細長い長方形になるようにして下さい。

 ③ 形が整ったら、水をかけて、冷やします。熱っ、めっちゃ熱い水蒸気が出るので注意して下さい。十分に冷えたら、事前に作っておいた〈テラスパーク〉が発動する魔導回路に魔力石を取り付けます。そして、魔導鋼を叩いて延ばして上手く鉄の板とくっつけます。

 ④ 残りの鉄2本を熱して、細い角棒を作ります。それを冷ましている間に、レールガンの持ち手を魔導石で造ります。あと、磁石をS極とN極が交互になるように鉄の板に張り付けます。

 ⑤ 魔導回路を中に入れて、魔力石が表面に出るように持ち手をはめ込み、鉄の板に接着します。その後、ビームセイバーで角棒を鉄の板の両端に溶接したら、あとはちょちょいのちょいで完成!

 工程は雑だったが、魔導回路は正確に造られているし、砲身も均一に広がり、きれいな水平を保てているので良しとしよう。
 ついでに、もう1個別の魔導回路も作っておいた。これもいつかは必要になるはずだ。それが近いのか、まだまだ大丈夫なのかは知らんが。

「さて、反撃の時間だ。」

 レールガンを片手に、隠れ家から出る。

 ◇
「おい、ポンコツ。」
「Kəşf」

 俺が挑発すると、後ろに振り返る。
 しかし、振り返った先には銃口がある。

「くらえっ!」

 レールガンの初発は意外とショボかった。
 カツンと乾いた音がして、弾丸が地に落ちる。狙ったゴーレムの胸部には、ヒビが入っていた。

「Nə!」

 ゴーレムが驚いた顔をするが、こっちは早く仕留めなければいけない。
 もっかい毬魔力を込めて、最大火力で放つか。
 全力で魔力石に魔力を送り、回路を起動させる。徐々に魔力は電気に変換され、砲身が電気を帯び、火花を散らす。

 そろそろか、砲身がもたないし。
 トリガーに指をかける。

「冥土の土産だ。」

 一気にトリガーを引くと、爆音が炸裂し、目に見えないスピードで弾丸が跳ぶ。
 発射時に目をつぶっちまったが、当たったか?

「Bu nədir?」

 ゴーレムの胸部には、大きな風穴が開いていた。どうやら、ちゃんと命中したようだ。まぁ、反動がデカすぎて、体勢が崩れて、腕が痺れたんですけど。

「g・・・」

 そんな事を考えていると、ゴーレムは崩れ伏した。
 あんなに穴が開いたのだから、力つきたのか?ゴーレムでも心臓部はやはり胸部なのか。
 しかし、あんなに強いし、苦戦したのにレベルアップしなかったな。やはり、厳しいなLv90帯は。
 けど、まだあのゴーレム・デストロイヤーは他にもいるはずだ。

「Hələ yox」

 なっ。まだ、生きていっ・・・

 背後で、音がした。
 一瞬で寒気が走る。

 振り返った先には、深紅の光。


「Od!」


 完全に振り返る前に、思いっきり身体をそらし、レーザーの射線上から心臓を外す。
 しかし、一瞬でできるのはその程度。レーザーをくらった

「っつ。」

 痛みよりも驚きの方が強かったため、叫びはしなかった。それよりも、あるはずのものがないことに、あっけにとられていた。
 傾きつつある、視界の中で・・・

「いっつ。」

 右足という、重大な支えを失ったため、バランスを保てず倒れる。右手を無いため、上手く受け身をとれずに、背中を強打する。そう言えば、柔道の授業はダルかったなぁ。って、何考えてんだ俺。
 俺が倒れ伏しているのに対して、ゴーレム・デストロイヤーはレールガンのダメージから復帰し、立ち上がる。
 、そう思ってしまった時には、恐怖が全身を縛り付けた。

 一撃のレーザービームで一気に形勢逆転してしまった。

「Bitdi.」

 ゴーレムは俺を見下ろす。頑強な鎧の合間から見える、目であるだろう無機質な水晶体には、怯えた俺の姿が映っていた。

 もう、助かる術はない。〈超回復〉している間にもう1発レーザービーム撃たれるし、レールガンの充填じゅうてんには時間がかかる。〈英雄の一撃〉の発動条件も満たしていない。

 もう、終わりだ。異世界来たって、所詮こんな人生だ。・・・・・・・

 諦めかけたその時……

 ん?何か光っている。
 諦観ていかんに満ちた視界の中で、1つの輝きが目の先にある。
 絶望の暗闇の中に差し込む、一条の光のように。

 これは、朝にばあちゃんが渡してきた・・・
 手を伸ばして掴んだのは、コインのような円形の形をした銀色の金属板だった。
 表面に、杖と魔方陣が描かれた大魔導師のエンブレム。裏面に、剣と盾が描かれた剣聖のエンブレム。
 それぞれのエンブレムが、じいちゃんとばあちゃんの言葉をよみがえらせる。

『1対1で闘う時は、相手だけでなく周りをよく観察するんじゃ。地の利を活かせるようにな。』
『魔法戦では、まずは相手との距離をとれ!そうしないと、何も始まらん!』

 じいちゃんの優しいアドバイスと、ばあちゃんの鋭い叱責しっせきがとぶ。

(やってやるよ!)

 手のひらを地面に付け、思いっきり魔力を込める。

「〈ウォール〉×10!」

 土壁を俺とゴーレムの間に造りだし、強制的に距離をとる。勢いに任せた〈ウォール〉は、ゴーレムを押しやって道をふさぐ。

「〈超回復〉。」

 毎度お馴染みの緑の光が包み込む。
 回復している途中に、反撃の準備もするため、レールガンへの魔力充填も忘れない。

「Məhv」

 だんだんと近づいてくる音に、もう恐怖は無かった。
 やられた分をやり返すだけだ。

「はぁっ。」

 火花を散らしているのも構わず、レールガンに魔力を込め、電圧と電力をプラスする。

「Məhv!」

 土壁がひび割れ、ゴーレムが姿を現す。
 向けられたレールガンに気付き、槍を構えようとするが、もう遅い。既にレールガンの充填は、定格電流をオーバーしている。

「O…
「3度目の正直、ふっとべーーー!」

 ドパンッという音と共に、金属弾がゴーレムの頭を撃ち砕く。
 硬そうな頭を軽々と貫通した弾丸は、はるか後ろのダンジョンの壁に埋まった。

「レベル98になりました。魔力量が490000に上昇し、ステータスポイントが10ポイント付与されました。また、【スキル】〈恐怖耐性〉を獲得しました。全状態異常耐性スキルを獲得したので、【スキル】を統合し、〈状態異常耐性〉を獲得しました。」

 毎回長いな、この通告表示。
 てか、このダンジョンで全状態異常耐性を獲得しちゃったよ。しかも、こいつ1体でレベルアップしたし。

「けど、メインは地下100層ボスだ。」

 道をふさいでいる、ゴーレム・デストロイヤーの残骸を【アイテムボックス】に収納し、先へと進む。この階層は長そうだ。

 ◇
「Qoru」

 この階層で3回目に出会ったのは、ゴーレム・ガーディアンだった。(2回目もゴーレム・デストロイヤー)
 こいつは硬い。ともかく、攻撃が効かない。攻撃はしてこないけど、道を塞いで邪魔してくるし、どかそうとしてもびくとも動かない。

 結論、こいつをどうにかして倒さなければ進めない。だって、モンスターだし。

 しかし、レールガンを撃ってもかすり傷。魔法は無効じゃないけど、相手が『Qoru』って言うとなんかATフィールドが展開されて、一切効かない。

 ATフィールドを破れそうなのは、ポ〇モ〇のかわら〇りだったんだけど・・そんな奴はいない。
 けど・・・・・打撃系の魔法ならあてがある。

「〈ランページ〉。」

 一応、バフをつけてから。

「〈インファント〉。」

 無属性の打撃性魔法を拳に付加し、殴りつける。
 しかし、俺はATフィールドを破壊することだけに考え過ぎていて、他のことは考えていなかった。

「いっったぁーーーーーーーーー!」
「Yaralanır----------!」

 俺とゴーレムの悲鳴が共鳴する。指が折れた。砕けた。
 右手の複雑および粉砕骨折を代償に、ATフィールドを破った。

「〈超回ふ・・・は、魔力足りない。」

 なら、今先にとどめをさそう。

「〈デッドボルテージ〉〈プロミネンス〉」

 高位魔法を連発すると、すぐにゴーレムの光が消える。

「Öl・・・」

 完全に倒したのを確認するために、【アイテムボックス】に収納する。(生きているものは、何故か入らない)

 ◇

「レベル99になりました。魔力量が495000に上昇し、ステータスポイントが10ポイント付与されました。」

 ゴーレム・デストロイヤーの残骸をしまい終わると、やっとレベル99になった表示が出てきた。
 やっと、レベル99だ。そして、ボスに挑めるレベルになった。目指すはボス部屋。

 おっと、回復を忘れていた。



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