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3章 逃げる悪役令嬢はやらかし王子に捕まるか

3-7 外伝~主人公の物語は始まらない+ヒーローたちはバタフライエフェクトが起きない世界線の夢を見る~

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【主人公の物語は始まらない】


な、なんで?
なんで小説の始まりがいつまで経っても起きないの!?
なんでよぉぉぉ!?

私はミラベル・ベルゼル侯爵令嬢。え?名前に『ル』が多いって?自分でも思ってるわよ!因みに兄もリムルって名前だからね!

私は物心付いた頃、前世の記憶を思い出し、自分が昔読んだ逆ハーTL小説の主人公である事に気付いた。
題名は『侯爵令嬢ミラベルと4人の愛』だったはず。
物語は確か、王太子の婚約が破棄されるところから始まる。
あと数ヶ月で王太子が婚姻という時期に、関係が拗れて婚約破棄になる。
そこから、この私が王太子妃候補になり王妃のお茶会という選定会に受かるけど、同時に素敵な騎士や執事、厩番に出会い、悪役令嬢のナンシーの嫌がらせや、チャラ男に弄ばれた令嬢からの殺害未遂等色々あって、最終的に全員を自分の周りに侍らせる事に成功して愛と淫欲の日々に耽るというエンディングを迎えるはずなのに!
まずこの侯爵家に新しいジュノという厩番がやってこない。彼が腰を痛めた御者の代わりをして王宮のお茶会に向かうはずなのよ?
うちの御者は腰を痛めてはいるけど、代わりに今は中年の従者が慣れない馬遣いでやってくれているわ。
ジュノは何かの毒物混入事件に巻き込まれて、雇われていた貴族の家から退職してうちにたどり着くはずだけど、そんな話は聞いた事がない。
同時期に長年の片思い相手に振られ、ショックで執事の職を辞め求職中のコメットと王都の街でぶつかって出会うはずなのに、何時間歩き回っても姿も見ない。
二人とも小説ではサラッと過去の事を書かれていて、何処の貴族の家に勤めていたのかも分からない。探しようがない。
魅惑のチャラ男騎士は私が王子の婚約者になってから近衛に移る事になっていて、まだ登場しない。色んな場でチラッと顔は見るけど、話す機会もない。

いつまで経っても王子は婚約破棄もせずに、何故かこの間結婚披露宴のパーティーの日程が早まったという知らせがきた。何故?!

何が起こっているのか、ミラベルには分からなかった。
ジュノとの潮吹きプレイや、コメットの無表情の隠語言葉責め、騎士ゼストの超絶エロテク、王子のドS責めはいつになったら始まるの?!

あああ!!どうしたらいいのよ!

そうして、今日も無駄な足掻きをするミラベルなのであった。

-----

最近ソワソワ落ち着きを無くしていた妹のミラベルがもうどうしようもなく意味不明で怖い。

リムルは妹のミラベルの行動報告を受けて、自分の私室で頭を抱えていた。

月曜日 テノーム子爵令嬢のお茶会に参加。帰りがけに執事の名前を聞いたり、厩舎を案内してもらって厩番に後ろから抱き着いた後、顔を見て驚いて「あなた誰よ!!?」と激昂してからすぐ家に帰宅。
火曜日 王都の繁華街で8時間歩き回る。
水曜日 筋肉痛で動けなくなる。
木曜日 王妃様の花見の会に参加。王太子にベタベタ触る。帰りがけに王太子の婚約者のナンシーを睨みつける。王妃様がそれを見て何やらメモされていた。(これはリムル自身も現場を見ていた)
金曜日 第三騎士団の見学。黒髪の騎士に話しかけるが、適当にあしらわれる。
土曜日 王都のベーカリー前で眼鏡で執事服の男性に突進する。綺麗にかわされて変な顔で見られる。
日曜日 自室でブツブツ独り言を言う。侍女の話では「私は主人公ではないのか」「いつ始まるのか」「なんで婚約破棄しないのよ」「ジュノ~…コメット~!どこー!」などと訳の分からないことを呟いては掛布に包まりゴロゴロしていた。(侍女の報告による)

リムルは自分の婚約も決まり、あと数年後には結婚しようと考えていたが、こんな難ありの妹を抱えていては結婚相手に申し訳ない気持ちになる。
どうにかしてこの妹の気鬱病を治さなくてはと考えていた。




【ヒーロー達はバタフライエフェクトが起きない世界線の夢を見る】

≪ジュノ≫

ラウラに告白して振られたジュノは厩舎で落ち込んでいた。あまり気分の落差のないジュノが珍しく肩を落としているのに馬は気付いたのか鼻をすり寄せてくる。
馬に慰めれられてよしよしとお返しに耳をお手入れしてあげているとラウラが厩舎の出入り口に佇んでいた。
彼女はこの間食堂で自分を振った時よりも憔悴していて、ジュノは惚れた弱みで彼女の悩み事を聞いてしまった。
なんと、お嬢様は婚約破棄された上、騎士に弄ばれてその日に純潔を散らされていたと言うのだ。お嬢様はショックが重なり、寝込んでしまっていた。看病するラウラも心を病んでいた。
ラウラは泣きながら、思い悩むお嬢様を助けてあげたいと、ジュノにトリカブトの生えている場所を教えてくれないかと縋りついてきた。
彼女とお嬢様を憐れに思い、ジュノは悩んだ末その場所を教えてしまう。
婚約者が婚約破棄の手続きに屋敷にやってきた時にラウラが毒物を混入させる事件を起こしてしまって、芋蔓式にジュノも解雇されてしまった。
公爵家の厩番の叔父の伝手で紹介してもらったのはブルゼル侯爵屋敷の仕事だった。

侯爵家の門扉の外で緊張しながら守衛に話しかけようとしていた時、ジュノは門の向こうのとても綺麗な貴族令嬢がこちらを見て微笑んでいるのに気付いた。


変な夢を見たなぁと、夜中に目を覚まして目の前にあるチクチクと刺さるラウラの髪の毛を撫でながらジュノは思った。
お嬢様がそんなことになってたら、ラウラは正気でいられないだろうな。
隣で一糸まとわぬ姿で失神して寝ているラウラの股の間からは白濁が流れていた。
そのまま自分も寝てしまっていたらしいので、起こさないようそっと色んな汚れを拭ってあげて、ラウラにキスをする。裸体にガウンをかけて、さらに自分もラウラのベッドで一緒に横になり、掛け布もかける。
起こった事でもないのに、やけに鮮やかだった夢はラウラの寝息を聞いていると、段々と薄れて行った。


≪コメット≫

侍女のラウラが起こした事件で、ラウラは捕らえられ投獄された。関与したジュノも屋敷を去った。さらに不幸は続き、お嬢様がショックと自責の念から自傷行為を始めてしまい、屋敷は死んだようだった。
つい最近まで賑やかで活気のあったトーン子爵屋敷はお嬢様を看病する使用人と、それを憂う子爵の悲しみで常に葬式のようだ。
その中でも侍女のラウラの親友だったハウスメイドのアナは情緒不安定になりミスを連発した。
裏庭で泣くアナをずっと想っていたコメットは悩みを聞いていると、つい感情が高ぶりキスをしてしまった。
直ぐに振り落とされた掌を避けることはできなかった。
「こんな時に、何考えてるんですか!変ですよ!気持ち悪い!」
その言葉に長患いの恋は粉々に壊れた。

絶望しながら、王都で新しい職を探している時だった。
ベーカリーの店の前の角を曲がったところで、何かピンク色の物とぶつかった。
キャっと小さな悲鳴がして、コメットは驚いた。
高位貴族のご令嬢とぶつかった事に気付き、恭しく前職の癖のままの礼を取り、そっと彼女に手を貸した。
「まぁ、なんて優しいの…有難う」
そう言われ、コメットの悲しい気持ちは少し癒された。さらに無礼を謝るため、その令嬢の顔を見て…


「ねぇ、アナ。変な夢見ちゃった。ねぇ、慰めて?」
まるで本当はこうなっていたかの様な嫌な夢を見て、嫌な気分でコメットは目覚めた。
甘えた声でコメットは隣に寝ている愛しい妻にすり寄る。
「どうしたの?コメット。震えてるの?」
「うん」
アナが寝ぼけ眼でニコリと笑って、両腕を広げてコメットを小さな体で包んでくれた。
「アナ、大好きだよ…」

新婚夫婦は翌朝、諸事情で寝坊することとなった。



≪ジョージ王太子≫

王妃のお茶会の途中、ナンシーはついに我慢が出来なくなって、歩いてどこかに行ってしまった。
少し遅れてジョージが彼女を追うが、母に阻まれ、お茶会が終わった後にしか彼女に会えなかった。
お茶会の後、怒って母に詰め寄る私を見たナンシーはブルブルと震えだす。
その場でしゃがみ込んで泣くナンシーに気付いて、私が思わず手を差し出すと
「い…やぁ!嫌!怖い!もう嫌!!」
と腰が抜けたのかズルズルとそのまま後ろに逃げていく。
私の顔を化け物でも見る様な顔をして逃げるナンシーに、冷や水を浴びせられた様に血が引いてゆく。
彼女は顔を真っ赤にさせ、息苦しそうにヒューヒューともがいている。尋常ではない様子に、王妃も王太子も立ちすくんでしまっていた。
いつもなら王城の中では息を潜めてナンシーを見守っていた公爵家の侍女達が、王族達からナンシーを庇うが如く前に出てくる。
ナンシーを両脇から抱き押さえながら、「御前を辞する失礼をお許しくださいませ!」と力強く言い捨て、侍女達は苦しんで泣き崩れるナンシーを連れ去って行く。
リムルが小さく「コレは駄目かも知れませんねぇ」と呟いたのが耳に残った。

数日後、私と国王である父に、婚約破棄を請う公爵家の封蝋が押された公式文書が届く。
手紙を開ける手は震え、中身を読むと、私は目の前が暗くなり、その場で崩れ落ちたのだった。

数日後、沈んだ気分のままお気に入りの王城の庭園の東屋で執務をサボっていたとき、目を閉じる私に影が落ちた。
「ジョージお兄様ぁ?こんなところで何をなさってるの?」妹とは違う声に私は目を開けて、その人物の顔を見ようとして…


馬車の中でうたた寝をしていたジョージ王太子はふわふわの枕に頭を寄りかからせた状態で目を覚ました。
ふわふわの枕はナンシーのふわふわのカールさせた髪の毛と首筋でとても良い匂いがした。彼女の体の暖かさも感じる。
「あ、…ごめん、ナンシー重たくなかったかい?」
ジョージは慌てて姿勢を直しながら彼女の匂いを吸い込む。
そしてその髪を一房手に取ってキスをした。
「大丈夫ですわ、お疲れですの?」
優しい声音のナンシーが可愛い顔に心配を乗せて柔らかく微笑んでくれる。
「ああ、少し寝不足だったから…」目を擦りまだ残る眠気と戦おうとした。
ナンシーはスッと私から離れて、隣から人一人分開けた位の所まで移動してしまった。王家の馬車なので大人が6人乗っても悠々と寛げる広さがある。
一瞬また何か失態をしただろうかと不安になったが、ナンシーの顔には笑顔があった。彼女は可憐なドレスの膝部分をポンと叩いて、
「まだ侯爵様の屋敷まで時間がかかりますでしょう?どうぞ、膝をお貸しますわ。横になってらして?」と、笑った。

ここは天国かな?
先程までの夢見が悪かったので、よけい現実味が薄れている。
だけど確かに今、私とナンシーは仲良く馬車に乗っていて、彼女から笑顔を頂いた上に、膝枕のご褒美まで貰えるのである。
私は一度ナンシーに口付けてから、その柔らかい太ももを堪能した。
いよいよ1週間後結婚式だ。
次はその夢を見よう、そうだ、新婚初夜の夢お願いします、と目を閉じた。
ナンシーが私の頭を撫でてくれ、良い気分で睡眠に入る事ができた。
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