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3章 逃げる悪役令嬢はやらかし王子に捕まるか
3-6※R18未遂有
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王妃に二人で話し合う事を薦められ、王太子の執務室に連れてきたナンシーは、また少し身を縮こまらせて怖がっていた。やはりまだ私を怖がっている。
今度こそ、私はちゃんと紳士的にナンシーに接しなければ…
そう気合を入れていると、ナンシーは私の予想を裏切って来た。
執務室の来客用ソファに腰掛け、用意された紅茶を一口飲んだナンシーは、おもむろに口を開いた。
「先ほど…殿下とベルゼル侯爵令嬢が長い事お話されていたのは、嫌でしたわ。私」
ナンシーが!ナンシーが!焼餅を焼いてくれていたのか!
「あと、テーブルの下でしてきた悪戯も…嫌ですわ」
私は歓喜していた気持ちが一気に後悔へと落ちた。
ちゃんと言うんだ。謝るんだ。ナンシーに気持ちを伝えろ。
自分で自分を叱咤して拳を握り締めると、やっとかすれた声が出た。
「…ごめん」
ナンシーは驚いた顔をして、じっと黙ってこちらを見ていた。
有難う。話を聞いてくれるんだね。ちゃんと話をしよう。君の気持ちを知りたいんだ。そして私の君への気持ちを分かってもらいたいんだ。
「それと子供の頃…ドレスをビリビリに破いて…あと、えと、沢山泣かせたり、意地悪したりして、ごめんなさい…ずっと謝らないとと、思っていたんだけど…言えなくて…変な事ばっかりして」
-----
《ナンシー視点》
ナンシーはエヴァと王妃様に勇気を貰って、殿下に正直な気持ちを言う事に成功した。
そしたら、どうしたことだろう。彼が私にちゃんと話をしてくれるのだ。昔の自分の非まで認めて謝ってくれる。
いつもみたいに話を捻じ曲げて意地悪に持って行ったりしない。馬鹿にしたような薄ら笑いなんて浮かべていない真面目で真剣な顔をしている。
ナンシーはポロポロと涙を流した。
公爵令嬢として、貴族として、王太子の婚約者として、留学中から今日まで、人前で一度も泣いた事なんてなかった。今日エヴァに会って久しぶりに大泣きしてからはまるで素直な気持ちや涙がボロボロととめどなく溢れ出てくるではないか。
「うっ…殿下なんて、嫌いですっ…急に馬になれなんていうし、弟も虐めるし…ドレスはダメにするし、無理矢理婚約しちゃうし…うぅ…ぅ…帰ってきたら、ネチネチ!ネチネチ意地悪するし!バカ!!」
「ご…ごめん…」
「バカ!嫌い!」
とんでもなく不敬を働いているけども、一人間として、許せないこともあるのだ。そして女としても未来のパートナーとして素直に言わなくてはならないこともある。
執務室のソファに座って、怒って泣くナンシーの足元に跪いて、頭を落としてジョージが謝った。
「ごめんなさい」
ナンシーは言い過ぎたかなと少し思うけど、今までの怒りのせいでまだ許せなかった。
「ごめんよナンシー」
真摯な眼差しを向けてくるその容貌はとんでもなく美しい。背景にバラが見えるしキラキラした光が舞っている気もする。
くっ!見た目が良いからって、簡単には絆されなくてよ!今までの鬱憤があるんだからっ!
と、抵抗してみるものの、散々な事をされても彼を憎からず思っていることに気付いていないナンシーは王太子の様子にキュンと胸がときめいてしまう。
「次、嫌な事したら、もう帰ります!婚約破棄してもらいます!」
「うん」
「意地悪言うのもダメですからね!」
「うん」
「他の令嬢に話しかけられても、ちゃんと私に配慮してくださいね!」
「ナンシー?やっぱり焼餅焼いてくれたのかい?」
「当たり前です!私は貴方の婚約者でしょ?」
「うん…でも…」
「なんですか?」
なんだろう、やっぱり意地悪しますとでも言われるのだろうか?
「でも、あの、ナンシーを触りたくてしょうがないんだ。勝手に触ってしまう…ごめん」
ジョージの上目遣いにナンシーはまた胸がキュンとした。
「……う……ちょっと位ならいいですよ!でも…人前ではやめて下さい!」
「…うん。ごめん。じゃあ、今……今、ちょっと触ってもいい?」
潤んだ目で殿下に見つめられて、またナンシーはその顔に負けた。
「ぐっ!…い、…良いですよっ」
「キッ…き、き、き、き」
急に吃るジョージにナンシーは少し目を剥く。
「殿下っ落ち着いて」
「あ、あぁ…キ、キ、キ、キス、キスしてっも?」
雄々しい精悍さと美しさも兼ね備えている容姿なのに、話す言葉は子供みたいで、ナンシーはくすりと笑ってしまう。
「ええ、どうぞ」
勇気を出して良かった。殿下はちゃんと私を好きでいてくれたんだ。と、ほんわかした気持ちで少しドキドキしながらキスを待って目を瞑る…
ナンシーは若い男の性欲と性への探究心の強さを知りもしなかった。
肩を手で包まれ、ぐるりと横に反転されて体がソファに沈んだ。
「え?」
馬乗りになったジョージは上から見下ろして何故か、ウエストコートを脱いだ。
勲章と肩章の飾りがついているせいか少し金属の音がする。
ナンシーの頭の中で、緊急避難用の教会のベルがガランガランと鳴り響く。
「え?キスじゃっ…」
質問の途中でジョージの顔が迫り、柔らかな物を押し付けられた。
なぜソファに押し倒されたのかはわからなかったけど、ナンシーは唇を喰まれ、とろりと思考がピンク色に染まっていく。敏感な唇に柔らかいものでふわふわゆるゆると擦られて、頭が惚ける。
初めてするキスにナンシーは頭が沸騰しそうだった。
唇を味わい尽くす様にジョージの唇が挟み、撫でて、吸われて、ついに熱く湿ったものがナンシーの歯茎を撫で回してきた。
こ、これはベロ?舌よね?
語学と文化ばかりを学習していたナンシーは恋愛小説は読んでいたが、官能的な表現が無いものしか読んだ事がなく、キスの知識さえ持ち合わせていなかった。
でも、殿下がキスと言いながら舌で舐めてくる様子が愛犬のラシューみたいで、また微笑ましくて笑ってしまう。
その笑顔を見たジョージは『ナンシーが舌を使ったキスを喜んでいる=舌までならオッケー』と受け取った。
笑った歯の間から無理矢理舌を入れたジョージはナンシーの舌を探して、ペチャペチャと擽った。
少し苦しそうにするナンシーの口からジョージが離れると二人の間に粘液の糸が垂れる。
ナンシーはあまりの事に思考を停止させて、口の中を犯したジョージの口元を見ていた。医者以外に見せたことのない口の中を王太子に暴かれたのだ。いつもの意地悪する薄ら笑顔でなく、真剣な顔をしたジョージだ。男らしさを感じさせられるジョージの匂いに、ナンシーの下腹がズグリと疼く。
これが、殿下のキスなの?
こんなの見た事ないわ。お父様とお母様も唇同士を合わせて、軽く音を立てるくらいなのに?
「殿下、これが…キス?」
「初めてなのか?」
ジョージは常に留学中もナンシーの側に護衛と監視を置いてはいたが、他に想う人がいるのではないかと疑念が晴れた事がなかった。
「ええ、初めてです」
「あぁ、ナンシー。ナンシー…嬉しいよ。私が初めてを貰えるだなんて」
感極まったジョージはナンシーの頬に何度もチュッチュッとキスをした。
くすぐったくて、ナンシーはまた笑う。
その笑顔にやっとジョージはナンシーが彼からの普通の愛情を求めていた事を知った。
一人で悋気を起こして彼女を責めたり、好き勝手に身体を弄ったりと、自分本位だった事を恥ずかしく思ったと同時にナンシーの笑顔は自分をも幸せにしてくれることを思い知る。
単純な事だったんだ。ちゃんと彼女の話を聞いて、彼女を笑顔にすれば良い。
「ナンシー。好きだ。初めて会ったときから。ずっと」
するりと出た本音に、ジョージは自分でも驚いた。
「…嬉しいわ」
ナンシーは心が通じ合った嬉しさに頬を赤らめさせて、気持ちのまま笑顔を返した。
「ナンシー…あぁ、ナンシーっ」
こんな日が来るなんて思っていなかったナンシーは抱き着いてきた王太子の背中に腕を回して、ギュと力を込めた。
「私も、意地悪しない殿下が好きですよ」
「うん。もうしない。だから好きでいて」
「ふふ」
「もっとキスしていいだろうか?」
抱き着いた耳元でボソリと殿下が呟く。左耳から入ったその空気の振動はナンシーの理性を揺らがせた。成長したジョージの声は低くなり、甘く低い弦楽器の音に似ている。耳元で話されるとその刺激だけでナンシーの腰が変な感じがする。
「は…はい」
殿下に好きと言われて浮かれていたところに、そこに得も言われぬ「イケない事」をするような興奮まで加わっていく。
キスしていいかと言ったのに、口ではなく、ナンシーの耳朶に殿下の舌がはい回る。そこはとても擽ったい敏感な場所で、変な声が出てしまう場所なのだ。
いつの間にか殿下の手はナンシーの背中に回っていて、ソファの間に挟まれたドレスの留め具を器用にも外していた。
耳と首筋を口で愛撫されたナンシーは上半身を解放されていたことに気付かないほど乱されていて、なにがなんだか分からなくなっていた。じたばたと足を動かしモジモジさせてしまう。
「殿下っ?殿下!これはっキスなんですよね?」
「ああ、口で愛することがキスだよ」
「ふぁぁっ、くすぐった…ぃい…」
「嫌だったら言って?」
「嫌じゃないですっ…けどっ…ぁん!…え?」
驚いた。ドレスが脱がされ、ナンシーの胸が露出していて、それをジョージが大きな手で掴んでいたから。なんか胸の窮屈さが減ったと感じていたら…
「大きいな…私の手に余るなんて…なんて魅力的なんだ」
「やっ!…恥ずかしいです!!」
「嫌?嫌なの?」
ピンと色付いた先を指で弾かれて、ナンシーは手で顔を隠す。
嫌という答えは貰わなかったので、殿下は調子に乗ってしまう。
「あっ…なに?…っ!ダメなのっ」
先が温かい何かに包まれて、そこから鋭い刺激を与えられた。ナンシーが覆った手の隙間から確認すると、殿下が胸の先端をしゃぶっているではないか。
ビリビリするようなくすぐったさと、下腹に何かが伝わって行く。
恥も外聞もなくなってナンシーは太ももを開いてジタバタしてしまっていて、その隙をジョージに狙われた。
ドレスの裾から手を入れられて、最も秘する場所に到達されてしまった。
「ひゃぁ!?」
下着の上から指でいきなり花芯を捕らえられて、電気が走ったような刺激にナンシーは思わず大きな声が出た。淑女は絶対に出さないような、ベルゼル侯爵令嬢みたいな甘えたような媚びた響きに自分でも驚く。
「嫌ぁ、ダメ!」
「本当に嫌?なんで?」
しょんぼりした声がして、ナンシーが殿下を見ると残念な顔をしながらもナンシーの乳房を食べていた。
上目遣いをされると、ナンシーは弱いようだ。そんな角度から見られると男らしさが強調されて見入ってしまう。でも、駄目なのだ。だっていつもお腹を押されたり耳を虐められたりする時みたいに下着が濡れている感触がある。こんなことが知られたら、変だと思われるのではないだろうか。
「駄目です。汚いもの!」
「汚くない。お願い。ナンシー?」
と言いつつ、じゅるるっと胸の頂きを吸ってくるので、ナンシーは堪らない。くねくねと腰をくねらせて、足の間をモジモジさせていた。さっき一瞬触られてたところが熱くてジンジンしてしまっている。
「ちょ…ぉ、ちょっとだけにしてぇ」
下着の上からなら、濡れてしまっているのが分からないかも知れない。
「うん」
ナンシーは心をかき乱されていて、正常な判断が下せなくなっていた。
ペロっと捲られて簡単に下着の端から指が潜り込んで来て、ナンシーは「あぁ!」とまた声が出る。
ヌルヌルに濡れていたその場所に、殿下までもが「わぁ」と声を出した。その声が何故かすごく嬉しそうな響きを帯びている。
顔が熱くなって涙が出そうで、恥ずかしくて声も出せない。もうナンシーは両手で顔全体を隠してしまう。
見えないうちに殿下によってナンシーの両ひざが開かれてしまって、足を開いた無防備な格好でソファに寝転がっていることになる。とんでもない状態にナンシーは「ダメダメっ」と頭を振って弱く抵抗するけど、初恋を拗らせた興味津々の童貞にはもう聞くことはできなかった。
殿下が動く気配がすると次に熱いものが局部に当たって、初めての感覚にナンシーは甘い悲鳴しか出せなくなってしまった。
「ひっ!あん…ぅうぁ!」
隠した手の隙間から見てみると、殿下の頭がナンシーの脚の間にあるではないか。下着をずらすと簡単に口づけられるのか、真っすぐピンク色の王子の舌が伸びていた。考えられない場所に殿下のキスが落とされる。
「ダメ!殿下!ひぃ!ダメェ!やぁああぅ!!」
自分で触れたことのない性感だけを拾う部分を剥き出しに晒されて優しく舐られて、ナンシーは初めての感覚に涙を流しながら大きな声を出して達した。
ビクビクと痙攣する体に驚きながらも、意識がどこかに行ってしまう。遠くで「このバカエロ王子!」と罵る声が聞こえた気がする。
ナンシーの意識が返ってきたのは、それから3時間ほど経った来賓用の客間のベッドの上であった。
-----
コーエン公爵家の温室にて、エヴァ・トーン子爵令嬢とナンシーの二人だけのお茶会が開かれていた。
友達の少ない二人は手紙のやり取りから順調に友情を育み、あの花見の会から1カ月後、他にゲストを招待する事はなく、ガールズトークを楽しむべく親密な二人のお茶会を開いていた。
今日のエヴァの従者は侍女一人で、眼鏡をかけた侍女は行儀よく公爵家の侍女達と共に脇に控えていた。
公爵家のナンシーと子爵家のエヴァでは身分が違い過ぎるけども、留学で見識を広げたナンシーは身分をあまり気にしないのと、最初に恥ずかしい所を見られているので話し易くてエヴァとは親友になれたと思っている。
エヴァもまた、優しく思慮深い気質なのと(ほとんど引きこもりなので友達が少ない)気軽に屋敷に招待してくれるナンシーを良い友達だと感じてくれているようだ。
「驚いたわ。結婚式がこんなに早まるなんて…一体何があったのですか?」
丁度一週間前に、トーン子爵家にも王太子ジョージと公爵令嬢ナンシーの結婚披露宴のパーティの招待状が届いていた。約9カ月後だった予定が、2カ月後の日付で王都のドレスメーカーは悲鳴を上げているという話もよく耳にする。
エヴァが痛いところを突く質問を投げてきて、ナンシーの頬が朱くなる。
「そ、それがね…あの、仲直りというか、誤解が解けたというか…」
ナンシーは赤くなった顔をパタパタと扇で覚ます。
「もしかしてっ?」
エヴァは興味深々に前のめりになった。
「うん。仲良くさせてもらってる…から…その、ちょっと王子が早く結婚しようって…ふふっ」
あまり詳しいことは話せないので、恥ずかしさからナンシーは扇で口から下を隠していた。
二人の気持ちを確かめあった時、王子が暴走して、夫婦の契りの一歩手前まで肉体関係を持ってしまった事。それを側近に知られ、王妃に伝わり、王に伝わり、父にも伝わり、ジョージがものすごく叱られて、ナンシーが庇い、しょうがなく式を速めることになったという事はちょっと恥ずかしくて彼女にも言えない。
「まぁ…まぁ!まぁ!とても…とても喜ばしいことですわね!」
気のせいか最初は何故か残念そうにエヴァの声が落ちた様な気がするが、満面の笑顔で喜んでくれて、ナンシーはこんな風に一緒に喜んでくれる良い友達が出来て嬉しい気持ちになった。
それから、エヴァから王子がどんなふうにナンシーに愛を告白したのか質問攻めにあって困ったり、王妃様との関係性とか、留学先の国の面白い事など色々と楽しくお話しをしていた。
ナンシーは自分の事ばかりでなく、エヴァとあの騎士との関係もどうなっているのか知りたかったので、エヴァに話を切り出してみた。
「ねぇ、エヴァもあの黒髪の騎士様とはどうなったの?」
聞かれた瞬間にエヴァは苦いお茶を飲んだような顔をした。
「え?」
「あの騎士様はきっとエヴァの事を想っていらっしゃるでしょう?」
あの騎士の所作を思い出してナンシーはほうっと溜息をつく。
「ええ…?…ですから、ナンシー様。あの方は女性なら誰だって…」
慌てたようにエヴァは言い訳めいた事を言うが、
「私にはそうは見えなかったわ」
ナンシーは何故か自信があった。
「そうですか?」
「ええ。絶対!あの方はエヴァの事が好きよ!」
力説するナンシーにエヴァは少し驚いていたが、半信半疑な顔でお茶を啜っていた。
二人のお茶会はこんな話しをしながら、楽しく時間が過ぎていった。
お茶会の帰り、エヴァが一人で「また一人、妄想材料が減った…」とションボリしていたのは、ナンシーは知る由もなかった。
今度こそ、私はちゃんと紳士的にナンシーに接しなければ…
そう気合を入れていると、ナンシーは私の予想を裏切って来た。
執務室の来客用ソファに腰掛け、用意された紅茶を一口飲んだナンシーは、おもむろに口を開いた。
「先ほど…殿下とベルゼル侯爵令嬢が長い事お話されていたのは、嫌でしたわ。私」
ナンシーが!ナンシーが!焼餅を焼いてくれていたのか!
「あと、テーブルの下でしてきた悪戯も…嫌ですわ」
私は歓喜していた気持ちが一気に後悔へと落ちた。
ちゃんと言うんだ。謝るんだ。ナンシーに気持ちを伝えろ。
自分で自分を叱咤して拳を握り締めると、やっとかすれた声が出た。
「…ごめん」
ナンシーは驚いた顔をして、じっと黙ってこちらを見ていた。
有難う。話を聞いてくれるんだね。ちゃんと話をしよう。君の気持ちを知りたいんだ。そして私の君への気持ちを分かってもらいたいんだ。
「それと子供の頃…ドレスをビリビリに破いて…あと、えと、沢山泣かせたり、意地悪したりして、ごめんなさい…ずっと謝らないとと、思っていたんだけど…言えなくて…変な事ばっかりして」
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《ナンシー視点》
ナンシーはエヴァと王妃様に勇気を貰って、殿下に正直な気持ちを言う事に成功した。
そしたら、どうしたことだろう。彼が私にちゃんと話をしてくれるのだ。昔の自分の非まで認めて謝ってくれる。
いつもみたいに話を捻じ曲げて意地悪に持って行ったりしない。馬鹿にしたような薄ら笑いなんて浮かべていない真面目で真剣な顔をしている。
ナンシーはポロポロと涙を流した。
公爵令嬢として、貴族として、王太子の婚約者として、留学中から今日まで、人前で一度も泣いた事なんてなかった。今日エヴァに会って久しぶりに大泣きしてからはまるで素直な気持ちや涙がボロボロととめどなく溢れ出てくるではないか。
「うっ…殿下なんて、嫌いですっ…急に馬になれなんていうし、弟も虐めるし…ドレスはダメにするし、無理矢理婚約しちゃうし…うぅ…ぅ…帰ってきたら、ネチネチ!ネチネチ意地悪するし!バカ!!」
「ご…ごめん…」
「バカ!嫌い!」
とんでもなく不敬を働いているけども、一人間として、許せないこともあるのだ。そして女としても未来のパートナーとして素直に言わなくてはならないこともある。
執務室のソファに座って、怒って泣くナンシーの足元に跪いて、頭を落としてジョージが謝った。
「ごめんなさい」
ナンシーは言い過ぎたかなと少し思うけど、今までの怒りのせいでまだ許せなかった。
「ごめんよナンシー」
真摯な眼差しを向けてくるその容貌はとんでもなく美しい。背景にバラが見えるしキラキラした光が舞っている気もする。
くっ!見た目が良いからって、簡単には絆されなくてよ!今までの鬱憤があるんだからっ!
と、抵抗してみるものの、散々な事をされても彼を憎からず思っていることに気付いていないナンシーは王太子の様子にキュンと胸がときめいてしまう。
「次、嫌な事したら、もう帰ります!婚約破棄してもらいます!」
「うん」
「意地悪言うのもダメですからね!」
「うん」
「他の令嬢に話しかけられても、ちゃんと私に配慮してくださいね!」
「ナンシー?やっぱり焼餅焼いてくれたのかい?」
「当たり前です!私は貴方の婚約者でしょ?」
「うん…でも…」
「なんですか?」
なんだろう、やっぱり意地悪しますとでも言われるのだろうか?
「でも、あの、ナンシーを触りたくてしょうがないんだ。勝手に触ってしまう…ごめん」
ジョージの上目遣いにナンシーはまた胸がキュンとした。
「……う……ちょっと位ならいいですよ!でも…人前ではやめて下さい!」
「…うん。ごめん。じゃあ、今……今、ちょっと触ってもいい?」
潤んだ目で殿下に見つめられて、またナンシーはその顔に負けた。
「ぐっ!…い、…良いですよっ」
「キッ…き、き、き、き」
急に吃るジョージにナンシーは少し目を剥く。
「殿下っ落ち着いて」
「あ、あぁ…キ、キ、キ、キス、キスしてっも?」
雄々しい精悍さと美しさも兼ね備えている容姿なのに、話す言葉は子供みたいで、ナンシーはくすりと笑ってしまう。
「ええ、どうぞ」
勇気を出して良かった。殿下はちゃんと私を好きでいてくれたんだ。と、ほんわかした気持ちで少しドキドキしながらキスを待って目を瞑る…
ナンシーは若い男の性欲と性への探究心の強さを知りもしなかった。
肩を手で包まれ、ぐるりと横に反転されて体がソファに沈んだ。
「え?」
馬乗りになったジョージは上から見下ろして何故か、ウエストコートを脱いだ。
勲章と肩章の飾りがついているせいか少し金属の音がする。
ナンシーの頭の中で、緊急避難用の教会のベルがガランガランと鳴り響く。
「え?キスじゃっ…」
質問の途中でジョージの顔が迫り、柔らかな物を押し付けられた。
なぜソファに押し倒されたのかはわからなかったけど、ナンシーは唇を喰まれ、とろりと思考がピンク色に染まっていく。敏感な唇に柔らかいものでふわふわゆるゆると擦られて、頭が惚ける。
初めてするキスにナンシーは頭が沸騰しそうだった。
唇を味わい尽くす様にジョージの唇が挟み、撫でて、吸われて、ついに熱く湿ったものがナンシーの歯茎を撫で回してきた。
こ、これはベロ?舌よね?
語学と文化ばかりを学習していたナンシーは恋愛小説は読んでいたが、官能的な表現が無いものしか読んだ事がなく、キスの知識さえ持ち合わせていなかった。
でも、殿下がキスと言いながら舌で舐めてくる様子が愛犬のラシューみたいで、また微笑ましくて笑ってしまう。
その笑顔を見たジョージは『ナンシーが舌を使ったキスを喜んでいる=舌までならオッケー』と受け取った。
笑った歯の間から無理矢理舌を入れたジョージはナンシーの舌を探して、ペチャペチャと擽った。
少し苦しそうにするナンシーの口からジョージが離れると二人の間に粘液の糸が垂れる。
ナンシーはあまりの事に思考を停止させて、口の中を犯したジョージの口元を見ていた。医者以外に見せたことのない口の中を王太子に暴かれたのだ。いつもの意地悪する薄ら笑顔でなく、真剣な顔をしたジョージだ。男らしさを感じさせられるジョージの匂いに、ナンシーの下腹がズグリと疼く。
これが、殿下のキスなの?
こんなの見た事ないわ。お父様とお母様も唇同士を合わせて、軽く音を立てるくらいなのに?
「殿下、これが…キス?」
「初めてなのか?」
ジョージは常に留学中もナンシーの側に護衛と監視を置いてはいたが、他に想う人がいるのではないかと疑念が晴れた事がなかった。
「ええ、初めてです」
「あぁ、ナンシー。ナンシー…嬉しいよ。私が初めてを貰えるだなんて」
感極まったジョージはナンシーの頬に何度もチュッチュッとキスをした。
くすぐったくて、ナンシーはまた笑う。
その笑顔にやっとジョージはナンシーが彼からの普通の愛情を求めていた事を知った。
一人で悋気を起こして彼女を責めたり、好き勝手に身体を弄ったりと、自分本位だった事を恥ずかしく思ったと同時にナンシーの笑顔は自分をも幸せにしてくれることを思い知る。
単純な事だったんだ。ちゃんと彼女の話を聞いて、彼女を笑顔にすれば良い。
「ナンシー。好きだ。初めて会ったときから。ずっと」
するりと出た本音に、ジョージは自分でも驚いた。
「…嬉しいわ」
ナンシーは心が通じ合った嬉しさに頬を赤らめさせて、気持ちのまま笑顔を返した。
「ナンシー…あぁ、ナンシーっ」
こんな日が来るなんて思っていなかったナンシーは抱き着いてきた王太子の背中に腕を回して、ギュと力を込めた。
「私も、意地悪しない殿下が好きですよ」
「うん。もうしない。だから好きでいて」
「ふふ」
「もっとキスしていいだろうか?」
抱き着いた耳元でボソリと殿下が呟く。左耳から入ったその空気の振動はナンシーの理性を揺らがせた。成長したジョージの声は低くなり、甘く低い弦楽器の音に似ている。耳元で話されるとその刺激だけでナンシーの腰が変な感じがする。
「は…はい」
殿下に好きと言われて浮かれていたところに、そこに得も言われぬ「イケない事」をするような興奮まで加わっていく。
キスしていいかと言ったのに、口ではなく、ナンシーの耳朶に殿下の舌がはい回る。そこはとても擽ったい敏感な場所で、変な声が出てしまう場所なのだ。
いつの間にか殿下の手はナンシーの背中に回っていて、ソファの間に挟まれたドレスの留め具を器用にも外していた。
耳と首筋を口で愛撫されたナンシーは上半身を解放されていたことに気付かないほど乱されていて、なにがなんだか分からなくなっていた。じたばたと足を動かしモジモジさせてしまう。
「殿下っ?殿下!これはっキスなんですよね?」
「ああ、口で愛することがキスだよ」
「ふぁぁっ、くすぐった…ぃい…」
「嫌だったら言って?」
「嫌じゃないですっ…けどっ…ぁん!…え?」
驚いた。ドレスが脱がされ、ナンシーの胸が露出していて、それをジョージが大きな手で掴んでいたから。なんか胸の窮屈さが減ったと感じていたら…
「大きいな…私の手に余るなんて…なんて魅力的なんだ」
「やっ!…恥ずかしいです!!」
「嫌?嫌なの?」
ピンと色付いた先を指で弾かれて、ナンシーは手で顔を隠す。
嫌という答えは貰わなかったので、殿下は調子に乗ってしまう。
「あっ…なに?…っ!ダメなのっ」
先が温かい何かに包まれて、そこから鋭い刺激を与えられた。ナンシーが覆った手の隙間から確認すると、殿下が胸の先端をしゃぶっているではないか。
ビリビリするようなくすぐったさと、下腹に何かが伝わって行く。
恥も外聞もなくなってナンシーは太ももを開いてジタバタしてしまっていて、その隙をジョージに狙われた。
ドレスの裾から手を入れられて、最も秘する場所に到達されてしまった。
「ひゃぁ!?」
下着の上から指でいきなり花芯を捕らえられて、電気が走ったような刺激にナンシーは思わず大きな声が出た。淑女は絶対に出さないような、ベルゼル侯爵令嬢みたいな甘えたような媚びた響きに自分でも驚く。
「嫌ぁ、ダメ!」
「本当に嫌?なんで?」
しょんぼりした声がして、ナンシーが殿下を見ると残念な顔をしながらもナンシーの乳房を食べていた。
上目遣いをされると、ナンシーは弱いようだ。そんな角度から見られると男らしさが強調されて見入ってしまう。でも、駄目なのだ。だっていつもお腹を押されたり耳を虐められたりする時みたいに下着が濡れている感触がある。こんなことが知られたら、変だと思われるのではないだろうか。
「駄目です。汚いもの!」
「汚くない。お願い。ナンシー?」
と言いつつ、じゅるるっと胸の頂きを吸ってくるので、ナンシーは堪らない。くねくねと腰をくねらせて、足の間をモジモジさせていた。さっき一瞬触られてたところが熱くてジンジンしてしまっている。
「ちょ…ぉ、ちょっとだけにしてぇ」
下着の上からなら、濡れてしまっているのが分からないかも知れない。
「うん」
ナンシーは心をかき乱されていて、正常な判断が下せなくなっていた。
ペロっと捲られて簡単に下着の端から指が潜り込んで来て、ナンシーは「あぁ!」とまた声が出る。
ヌルヌルに濡れていたその場所に、殿下までもが「わぁ」と声を出した。その声が何故かすごく嬉しそうな響きを帯びている。
顔が熱くなって涙が出そうで、恥ずかしくて声も出せない。もうナンシーは両手で顔全体を隠してしまう。
見えないうちに殿下によってナンシーの両ひざが開かれてしまって、足を開いた無防備な格好でソファに寝転がっていることになる。とんでもない状態にナンシーは「ダメダメっ」と頭を振って弱く抵抗するけど、初恋を拗らせた興味津々の童貞にはもう聞くことはできなかった。
殿下が動く気配がすると次に熱いものが局部に当たって、初めての感覚にナンシーは甘い悲鳴しか出せなくなってしまった。
「ひっ!あん…ぅうぁ!」
隠した手の隙間から見てみると、殿下の頭がナンシーの脚の間にあるではないか。下着をずらすと簡単に口づけられるのか、真っすぐピンク色の王子の舌が伸びていた。考えられない場所に殿下のキスが落とされる。
「ダメ!殿下!ひぃ!ダメェ!やぁああぅ!!」
自分で触れたことのない性感だけを拾う部分を剥き出しに晒されて優しく舐られて、ナンシーは初めての感覚に涙を流しながら大きな声を出して達した。
ビクビクと痙攣する体に驚きながらも、意識がどこかに行ってしまう。遠くで「このバカエロ王子!」と罵る声が聞こえた気がする。
ナンシーの意識が返ってきたのは、それから3時間ほど経った来賓用の客間のベッドの上であった。
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コーエン公爵家の温室にて、エヴァ・トーン子爵令嬢とナンシーの二人だけのお茶会が開かれていた。
友達の少ない二人は手紙のやり取りから順調に友情を育み、あの花見の会から1カ月後、他にゲストを招待する事はなく、ガールズトークを楽しむべく親密な二人のお茶会を開いていた。
今日のエヴァの従者は侍女一人で、眼鏡をかけた侍女は行儀よく公爵家の侍女達と共に脇に控えていた。
公爵家のナンシーと子爵家のエヴァでは身分が違い過ぎるけども、留学で見識を広げたナンシーは身分をあまり気にしないのと、最初に恥ずかしい所を見られているので話し易くてエヴァとは親友になれたと思っている。
エヴァもまた、優しく思慮深い気質なのと(ほとんど引きこもりなので友達が少ない)気軽に屋敷に招待してくれるナンシーを良い友達だと感じてくれているようだ。
「驚いたわ。結婚式がこんなに早まるなんて…一体何があったのですか?」
丁度一週間前に、トーン子爵家にも王太子ジョージと公爵令嬢ナンシーの結婚披露宴のパーティの招待状が届いていた。約9カ月後だった予定が、2カ月後の日付で王都のドレスメーカーは悲鳴を上げているという話もよく耳にする。
エヴァが痛いところを突く質問を投げてきて、ナンシーの頬が朱くなる。
「そ、それがね…あの、仲直りというか、誤解が解けたというか…」
ナンシーは赤くなった顔をパタパタと扇で覚ます。
「もしかしてっ?」
エヴァは興味深々に前のめりになった。
「うん。仲良くさせてもらってる…から…その、ちょっと王子が早く結婚しようって…ふふっ」
あまり詳しいことは話せないので、恥ずかしさからナンシーは扇で口から下を隠していた。
二人の気持ちを確かめあった時、王子が暴走して、夫婦の契りの一歩手前まで肉体関係を持ってしまった事。それを側近に知られ、王妃に伝わり、王に伝わり、父にも伝わり、ジョージがものすごく叱られて、ナンシーが庇い、しょうがなく式を速めることになったという事はちょっと恥ずかしくて彼女にも言えない。
「まぁ…まぁ!まぁ!とても…とても喜ばしいことですわね!」
気のせいか最初は何故か残念そうにエヴァの声が落ちた様な気がするが、満面の笑顔で喜んでくれて、ナンシーはこんな風に一緒に喜んでくれる良い友達が出来て嬉しい気持ちになった。
それから、エヴァから王子がどんなふうにナンシーに愛を告白したのか質問攻めにあって困ったり、王妃様との関係性とか、留学先の国の面白い事など色々と楽しくお話しをしていた。
ナンシーは自分の事ばかりでなく、エヴァとあの騎士との関係もどうなっているのか知りたかったので、エヴァに話を切り出してみた。
「ねぇ、エヴァもあの黒髪の騎士様とはどうなったの?」
聞かれた瞬間にエヴァは苦いお茶を飲んだような顔をした。
「え?」
「あの騎士様はきっとエヴァの事を想っていらっしゃるでしょう?」
あの騎士の所作を思い出してナンシーはほうっと溜息をつく。
「ええ…?…ですから、ナンシー様。あの方は女性なら誰だって…」
慌てたようにエヴァは言い訳めいた事を言うが、
「私にはそうは見えなかったわ」
ナンシーは何故か自信があった。
「そうですか?」
「ええ。絶対!あの方はエヴァの事が好きよ!」
力説するナンシーにエヴァは少し驚いていたが、半信半疑な顔でお茶を啜っていた。
二人のお茶会はこんな話しをしながら、楽しく時間が過ぎていった。
お茶会の帰り、エヴァが一人で「また一人、妄想材料が減った…」とションボリしていたのは、ナンシーは知る由もなかった。
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