11 / 20
第11話 デイジー、ぐちゃぐちゃになる
しおりを挟む
森のなかってウチの敷地かぁ~。
わたしはシャロワとベニマルについていってたの。
家から街までの道を行ったと思ったら、急に横の茂みのなかにどんどん入っていくのよね。
「ど、どこいくのー?」と聞いたら「こっちこっち!」と貴族のお嬢様のシャロワまで一際元気よく分け入っていくのよー。
「ええー」とぶー垂れているのはわたしだけで、案外ルーファスもどんどん進んでいくのよね。
まじか、子供すげぇと内心思ったわ。
服が汚れるとか足の裏の感触が妙に不安定なこととか虫がやたらといることとか気にならないみたい。すげえ。
「お師匠さま」
ちょっと遅れ気味だったわたしをルーファスが止まって待っていてくれたわ。
「ありがとう」
だけど、ルーファスはわたしが追い付いても前を向いて進もうとしなかったの。なにか言いたげに見つめてる。よく見ると手も前に出してる。
「よければ手を…はぐれちゃいますから」
「えっ!?あっ、うん!どーもね!」
しまったわ。勢いでつないでしまったの。
ルーファスが前に進む。わたしもそれに従って進む。
なんだか力の連動が気恥ずかしい。わたしの目には力の流れが見える。ルーファスの力の流れとわたしの流れは今ひとつにつながっていた。
熱い。手汗が気になる。
そんなことばかり気にしていたら「着いたよ!」とシャロワの元気な声が聞こえてきたわ。
わたしたちもまもなく着いた。手が離れた。
目的地は大きな木の麓だったわ。
木は縦にも大きいけど、横にも大きくて、大きな傘を周囲にひろげてた。
「クエ~」と怪音が聞こえてきたの。
「アレキサンダー!お待たせ!お医者さんを連れて来たぞ」とベニマルが言って、それに気安く触れたわ。
「こいつは…!」
ルーファスが目を見張るのも無理はないと思う。
アレキサンダーと呼ばれたシャロワとベニマルのペットはワイバーンと呼ばれる竜種だったわ。学者によっては竜と鳥の間くらいといったりするの。たしかに竜にしては小さいけど、いずれにしろ子供に扱えるものではないわ。
わたしは過去、コイツに乗ってる竜騎兵団に苦しめられたから詳しいのよ。特に竜騎兵団長の男には2000回は殺されたわ。ルーファスの次に自分を負かした男。まあ、同じくらいコイツには勝ったけど。
「いったいどこで拾って来たの?」
「ここだよ。ここにヒナの状態で落ちてたの」とシャロワが応える。ここらへんは二人の遊び場だったのね。
「へぇ…、それで二人で育ててたの?」
「はい。元気なやつですよ」
アレキサンダーはもう十分飛べるほど育っていたわ。なのに飛ぶ気配はなくて、二人のまわりをぴょんぴょん飛び跳ねてる。よく懐いているみたいだけど…。
「もしかしたら、自分が飛べることを知らないのかもしれないですね…」
ぼそりとルーファスが言ったわ。
「なるほど…」
自分をこの子供たちとおなじ生き物だと思っているのかもしれない。
ちょっと切ないなと思ったわ。
アレキサンダーの家族はどこに行ってしまったのだろう?
「…ま、いいか。じゃあ、ちょっと口見せてもらおうかな」
わたしが近づいていくと、アレキサンダーは一瞬固まってからバサバサやりだしたの。
「あれ?この子飛べるの?」
「え?飛べますけど」
「アレキサンダー!いまはダメ!」
シャロワとベニマルにどうどうとやられてアレキサンダーはようやく落ち着いたわ。
「…飛べんじゃん」
「飛べましたね。良かったです」
ルーファスはうっそりとうなずいた。
「なんだコイツは…」わたしの肩にのっているクロが呆れる。
案外ルーファスはいい加減なところもあるのかもしれない。
「おさえといてね」
わたしは気を取り直し、シャロワたちにアレキサンダーをおとなしくさせておくよう指示をしたわ。
いま気づいたのだけれど〈どうぶつの歯医者さん〉はここが一番たいへんなのかもしれない。
ルーファスの猫、ポーちゃんみたいにおとなしくしてくれるわけがないし。
だけど、アレキサンダーは見かけのトカゲっぽい鋭角で今にも刺してきそうな見かけとはちがって、シャロワたちになでられている限りおとなしかったわ。いい子なのね。
わたしは撫でられて首をもたげているアレキサンダーのあごに手を添えたわ。
あごのまわりに光球が一瞬うかんだ。
「…はい、終わり」
あっさりというわたしにシャロワとベニマルだけでなく、アレキサンダーも目をぱちくりさせた。
「もう終わりですか?」というベニマルにうなずくと、シャロワが無造作にアレキサンダーの口を開けたの。
「おぉ…!」思わず驚いちゃった。嚙まれたりするかもとかすこしも頭をよぎらない信頼感があるみたい。
実際、アレキサンダーは大人しくしてた。
ベニマルものぞき込んで、ふたりはうなずいたわ。
「治ってる!」
「すごい!」
感嘆するシャロワとベニマルに、ルーファスが「そうでしょう!すごいでしょう!」となぜか胸を張ってたわ。
「いや~、どういたしまして。それにしてもなんで歯が痛くなっちゃったの?硬いものでも食べたとか?」
聞くとベニマルがじろりとシャロワを見たの。
「アイスやお菓子をシャロワがこっそりあげてたんです」
「だって、欲しそうにするから!かわいそうじゃん!」
シャロワが必死に抗弁してたわ。
「あ~、あんまりあげないほうが良いんじゃん?体にも良くないかもだし。わからんけど」
「うん…次から気をつける」
「うん」
「動物用のアイスとか作れたら、繁盛するかも…?」ルーファスが腕を組んで悩んでた。
その時、突風がわたしたちを包んだわ。
しかも、どういうわけかこの突風は一瞬ではなかったの。まるで突然発生した竜巻にいきなり巻き込まれたみたい。
「キャー!」シャロワがベニマルに抱きつく。
おお、すげえ!とわたしは突風よりもシャロワの行動にびっくりしたわ。なんかこの二人、ついつい目で追っちゃうわね…。
「お師匠さま」
「ん?」
わたしはルーファスに肩を抱き寄せられ、覆いかぶさるように守られた。
心臓が一気に高鳴る。体に悪い。
「ふふっ」ルーファスが笑った。
「な、なに?」
「クロさんの毛並みってスベスベですね」
肩にのったままのクロの背中毛が顔に当たっているらしい。
「オレは高いぜ?」
「まちがいなく高級そうです」
「…あんたらなにげに仲いいよね」
風が突然止んだ。
なんだったのかとみんなで頭上を見たわ。
「ひっ!?」シャロワが悲鳴を自分の手でおさえたの。
クカカ、クカカカ
頭上の木に、アレキサンダーの三倍は大きいワイバーンが釣り下がってた。
こちらを見て笑ってる。
「変異種だ…」ルーファスがつぶやく。
「変異種って?」
「長く生きたり、特別だったりして人間以上の知恵をもっている個体のことです」
「へー」
長く生きているけど初めて聞いたわ。
変異種は足でつかんでいた木を離すと、近くに降り立ったの。
シャロワはベニマルの服をつかんでガタガタ震えてる。ベニマルも歯を食いしばり、微動だにしないことで必死に目の前の脅威に抗ってたわ。
変異種はクココ、ココと鳴いて、アレキサンダーに顔を近づけたの。
臭いをかいでいるようで、生温かい鼻息をわたしたちは体中に浴びることになった。ちょっと血生臭かったわ。治してやろうかしら?
「…もしかして親とかだったりするのかな?」
わたしが言うと、変異種はわたしを見たのよ。
変異種は、目を細めて、クコッ!と言ったわ。
「え…!アレキサンダーの親が迎えに来たってこと?」シャロワが半ばすがるように言ったの。
クココッ!と変異種はシャロワを見て鳴いたわ。
言葉がわかってるみたい。
「…そうか」ベニマルはアレキサンダーに触れたわ。「それじゃあ仕方ないかもな。お別れか…さみしいけど、元気でな」
だけど、当のアレキサンダーの体は硬直してた。瞬きひとつしないのよね。
アレキサンダーは怯えてた。
その瞬間、変異種はわたしたちを一飲みにできるほどの大口を開けて食べようとしてきたの。
わたしは理合を使った。
変異種の首が曲がり、だれもいない大地を大きく削り取ったわ。大穴ができてた。
変異種は口のなかの土を丸飲みして、構わずまた食べようと大口を開けたの。消化に悪くないのかしら?
逃げる間もない。
仕方がない、やるか、と思った刹那、ベニマルの魔法発動の起こりが見えたの。
今度はベニマルの魔法がみんなを救ったわ。
グガガ?
わたしたちのまわりに目には見えないシールドが展開されてた。砂埃でそれは半球状をしていることがわかったわ。
さらには、シャロワが袖口から杖を振り出し「ベニマル!」と言うと「うん!」とベニマルが返事して、シールドにシャロワの杖分の穴ができた。そこに正確にシャロワは杖を突きさしたの。
「いっけぇ!!!」
シャロワの杖先から、野太いイバラが何本もとぐろを巻いて出て来て、変異種の体に巻き付いた。
おお…!わたしは内心驚いたわ。
変異種の攻撃をさえぎるシールド能力といい、大木のような太さのイバラを何本も同時に出して操る能力といい、この年齢でこれほど強力に発現していることからも、シャロワたちは相当才能豊かな魔法使いだわ。
だけど…。
シールドはひび割れて、変異種の体に巻き付いたイバラはミチミチと引きちぎられそうになってる。
やれやれ、さすがにわたしの出番か…。
ルーファスに強いことがバレてしまうけど、まあ、仕方ない。そもそも隠してないし、なんとなくバレないほうがめんどくさくないだろうくらいにしか思ってない。
むしろお師匠さま度がアップしてしまうかもしれないな…。もしかして、チャンス?
チラリと後ろにいるルーファスを見た。
「え゛…!?」
ルーファスの体は発光してたわ。しかもキンキンキンキンと妙な音までするの。
これは…!見たことあるぞ、何度も…!
体が恐怖した。
過去、大人のルーファスが頭上から絶対零度魔法を放つ時、こういう状態になっていたわ。
「だめだ…!」
前にいるベニマルが限界を迎える。
シールドが変異種のアギトに負けて砕け散る。
その刹那、
〈ノール〉
とルーファスはつぶやいた。
とても冷たい風が吹き荒れた
とても目を開けていられなかった。
恐る恐る目を開けると、そこには変異種の立派な氷の彫刻ができていたわ。
口は大口を開けたまま、すべての活動を停止させてた。まるで時間すら凍らせてしまったかのように。
やっべぇ…!
コイツ、今でも全然強いじゃん…!
わたしは目を見開いてルーファスを凝視した。
ルーファスはそれに気づいて、なぜか「えへ」と照れ笑いしたわ。
こっわ!
美少女の皮かぶった氷の悪魔こっわ!
わたしは戦慄して身震いした。
「あ、お師匠さま、よければこれ…」とルーファスはわたしに自分のジャケットをかけてくれた。
「あ、ありがと…」別に寒いから身震いしたわけではないのだけれど、素直に受け取っておくわ。
「す、すげぇ…!」
「やばっ!」
ウボッ!
固まっていたベニマル、シャロワ、アレキサンダーの三人がようやく口々にルーファスに賛辞を向けたわ。
「ルーファスさんって一体何者なんですか!?」
「名のある名家のご令嬢なのかしら!?」
ウボボッ!?
「い、いや、あの…」
「その制服、〈ユグドラシル〉ですよね!?」
「ランカーじゃない!?そうに決まってるわ!」
ウボッウボッ!
「はーい、はい、やめやめ」
ルーファスが困っているので助けに入ったの。というか、アレキサンダーはなんなんだ。絶対にお前変異種だろ。
「こんなところにいたら風邪ひいちゃうよ。とりあえずウチに帰ろう。アレキサンダーも連れておいで。ウチの庭で飼ったらいいよ」
「え!?いいんですか?」とベニマル。
「ああ、いいよ。けど、ちゃんとエサやったり面倒見てね。わたしはしないから」
「うん!デイジーお姉ちゃんありがとう!」
「おっふ」
シャロワが最大級の笑顔とお姉ちゃん呼びのコンボで攻めてきた。
あざとい。しかしこれは、正直可愛い。
「ほらほら、足元気を付けて、シールドの外凍ってるから」
「すいません。まだ制御がむずかしくて」
ルーファスが謝る。
シールドの範囲の外は、一面銀世界に変わっていた。大地も木々もまるで冬が来たみたいに霜が降りていた。
「いいんだよ。そういえばお礼がまだだったね。助けてくれてありがとう。いずれコントロールできるようになるよ」
「はい!お師匠さま!」
わたしは確実に保証したわ。まあ、その魔法はぜひアイスクリーム関係に使ってもらうけど。遠いところに運ぶのにいいんじゃないかしら?
「あ、よければアレキサンダーに乗っていきます?」とベニマルが言う。
「え?乗れるの?」
「うん、子供四人くらいならいけると思う」シャロワが太鼓判を押す。
アレキサンダーもギャッ!と羽を大きく広げて返事したわ。
「じゃあ、お言葉に甘えようか」
わたしたちはぎゅうぎゅう詰めになってアレキサンダーの背中に乗ったの。
狭かったけど、つかの間の空中飛行を楽しんだわ。
ルーファスが凍らした範囲が空から見える。
遠ざかっていく。
「なかなか楽しいアドベンチャーだったな」ボソッとクロがささやいた。
「うん、子供も悪くないかも」わたしもささやき返したわ。
しかし、この日最大の事件は、このあとに起こったの。
シャロワとベニマルがアレキサンダーの寝床を家の前の大木に決めて帰り、アレキサンダーは新しい住処となる大木を念入りに調べてた。
わたしとクロとルーファスは家のなかでお茶を飲んでいた。
そこで意を決したように、ルーファスが言ったの。
「あの…クロさん、お願いがあります」
「あ?なんだ?」
「すこしだけでいいんで席を外していただけませんか?お師匠さまに折り入ってお話したいことがあるのです」
ずいぶん真剣な口調だったわ。
「しょうがねえなあ」
変に男気のあるクロはそういうと、わたしを残して別室に去っていった。
なんだろう?
あまり心当たりはなかった。
思い返してみるに、絶対零度魔法を使ってシャロワたちに褒められているときに困っていた。
なんとなく、そこらへんか?とわたしは予測したわ。
ルーファスは相変わらず魔法学校に行っていない。
なんとなく、魔法に関連する悩みがあるのではないか?
それでお師匠さまになにやら相談したいのではないか?
わたしは、よし!それなら!とクロに倣って男気をみせることにしたの。
「どうしたんだい?なんでも言ってみな?」
「…ほんとうですか?」
「ドンとこい!すべて受けて立つ!」
胸を張った。
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
ルーファスは接近してくると、覆いかぶさるようにして顔を近づけてきた。
「な゛っ…!?」
「…頭、なでてください」
「え?」
「ボク、今日結構がんばったじゃないですか?」
そういえば、朝からギルドに行って、さっきはでかいワイバーンからルーファスはみんなを救ったのだった。長い一日だっただろう。
加えて言えば、ルーファスはギルドに提出する書類を書き終えていた。ギルドの受付でマチルダに提出しているのを見たけど、ずいぶん分厚かったわ。昨夜はずいぶん遅くまでがんばったのかもしれない。
「ええと…、でも、ほら、さっきシャロワとかからえらく褒められてたじゃない?アレキサンダーにまで褒められてたし。わたしワイバーンに褒められてる人なんて初めて見たよ」
「お師匠さまに褒められたいんです」
「う゛…!」
わたしが真っ赤になってそれでもふんぎりがつかないでいると、ルーファスはため息をついたの。
「はぁ‥‥、お師匠さま、さっきすべて受けて立つって言ったのに…」
「あー!もうわかったよ!もう!ぐちゃぐちゃにしてやる!」
わたしは両手でルーファスの頭をつかんで、ぐちゃぐちゃになでた。指先にいっさい絡むことのないさらさらの金髪だったわ。
「ふふふ」
髪の毛がぐちゃぐちゃになって、ルーファスの目が片方隠れてる。紅色の唇からおさえきれない様子の笑い声が漏れ聞こえてくる。
美しかった。
妖艶だった。
わたしの心がもうぐちゃぐちゃだった。
わたしはシャロワとベニマルについていってたの。
家から街までの道を行ったと思ったら、急に横の茂みのなかにどんどん入っていくのよね。
「ど、どこいくのー?」と聞いたら「こっちこっち!」と貴族のお嬢様のシャロワまで一際元気よく分け入っていくのよー。
「ええー」とぶー垂れているのはわたしだけで、案外ルーファスもどんどん進んでいくのよね。
まじか、子供すげぇと内心思ったわ。
服が汚れるとか足の裏の感触が妙に不安定なこととか虫がやたらといることとか気にならないみたい。すげえ。
「お師匠さま」
ちょっと遅れ気味だったわたしをルーファスが止まって待っていてくれたわ。
「ありがとう」
だけど、ルーファスはわたしが追い付いても前を向いて進もうとしなかったの。なにか言いたげに見つめてる。よく見ると手も前に出してる。
「よければ手を…はぐれちゃいますから」
「えっ!?あっ、うん!どーもね!」
しまったわ。勢いでつないでしまったの。
ルーファスが前に進む。わたしもそれに従って進む。
なんだか力の連動が気恥ずかしい。わたしの目には力の流れが見える。ルーファスの力の流れとわたしの流れは今ひとつにつながっていた。
熱い。手汗が気になる。
そんなことばかり気にしていたら「着いたよ!」とシャロワの元気な声が聞こえてきたわ。
わたしたちもまもなく着いた。手が離れた。
目的地は大きな木の麓だったわ。
木は縦にも大きいけど、横にも大きくて、大きな傘を周囲にひろげてた。
「クエ~」と怪音が聞こえてきたの。
「アレキサンダー!お待たせ!お医者さんを連れて来たぞ」とベニマルが言って、それに気安く触れたわ。
「こいつは…!」
ルーファスが目を見張るのも無理はないと思う。
アレキサンダーと呼ばれたシャロワとベニマルのペットはワイバーンと呼ばれる竜種だったわ。学者によっては竜と鳥の間くらいといったりするの。たしかに竜にしては小さいけど、いずれにしろ子供に扱えるものではないわ。
わたしは過去、コイツに乗ってる竜騎兵団に苦しめられたから詳しいのよ。特に竜騎兵団長の男には2000回は殺されたわ。ルーファスの次に自分を負かした男。まあ、同じくらいコイツには勝ったけど。
「いったいどこで拾って来たの?」
「ここだよ。ここにヒナの状態で落ちてたの」とシャロワが応える。ここらへんは二人の遊び場だったのね。
「へぇ…、それで二人で育ててたの?」
「はい。元気なやつですよ」
アレキサンダーはもう十分飛べるほど育っていたわ。なのに飛ぶ気配はなくて、二人のまわりをぴょんぴょん飛び跳ねてる。よく懐いているみたいだけど…。
「もしかしたら、自分が飛べることを知らないのかもしれないですね…」
ぼそりとルーファスが言ったわ。
「なるほど…」
自分をこの子供たちとおなじ生き物だと思っているのかもしれない。
ちょっと切ないなと思ったわ。
アレキサンダーの家族はどこに行ってしまったのだろう?
「…ま、いいか。じゃあ、ちょっと口見せてもらおうかな」
わたしが近づいていくと、アレキサンダーは一瞬固まってからバサバサやりだしたの。
「あれ?この子飛べるの?」
「え?飛べますけど」
「アレキサンダー!いまはダメ!」
シャロワとベニマルにどうどうとやられてアレキサンダーはようやく落ち着いたわ。
「…飛べんじゃん」
「飛べましたね。良かったです」
ルーファスはうっそりとうなずいた。
「なんだコイツは…」わたしの肩にのっているクロが呆れる。
案外ルーファスはいい加減なところもあるのかもしれない。
「おさえといてね」
わたしは気を取り直し、シャロワたちにアレキサンダーをおとなしくさせておくよう指示をしたわ。
いま気づいたのだけれど〈どうぶつの歯医者さん〉はここが一番たいへんなのかもしれない。
ルーファスの猫、ポーちゃんみたいにおとなしくしてくれるわけがないし。
だけど、アレキサンダーは見かけのトカゲっぽい鋭角で今にも刺してきそうな見かけとはちがって、シャロワたちになでられている限りおとなしかったわ。いい子なのね。
わたしは撫でられて首をもたげているアレキサンダーのあごに手を添えたわ。
あごのまわりに光球が一瞬うかんだ。
「…はい、終わり」
あっさりというわたしにシャロワとベニマルだけでなく、アレキサンダーも目をぱちくりさせた。
「もう終わりですか?」というベニマルにうなずくと、シャロワが無造作にアレキサンダーの口を開けたの。
「おぉ…!」思わず驚いちゃった。嚙まれたりするかもとかすこしも頭をよぎらない信頼感があるみたい。
実際、アレキサンダーは大人しくしてた。
ベニマルものぞき込んで、ふたりはうなずいたわ。
「治ってる!」
「すごい!」
感嘆するシャロワとベニマルに、ルーファスが「そうでしょう!すごいでしょう!」となぜか胸を張ってたわ。
「いや~、どういたしまして。それにしてもなんで歯が痛くなっちゃったの?硬いものでも食べたとか?」
聞くとベニマルがじろりとシャロワを見たの。
「アイスやお菓子をシャロワがこっそりあげてたんです」
「だって、欲しそうにするから!かわいそうじゃん!」
シャロワが必死に抗弁してたわ。
「あ~、あんまりあげないほうが良いんじゃん?体にも良くないかもだし。わからんけど」
「うん…次から気をつける」
「うん」
「動物用のアイスとか作れたら、繁盛するかも…?」ルーファスが腕を組んで悩んでた。
その時、突風がわたしたちを包んだわ。
しかも、どういうわけかこの突風は一瞬ではなかったの。まるで突然発生した竜巻にいきなり巻き込まれたみたい。
「キャー!」シャロワがベニマルに抱きつく。
おお、すげえ!とわたしは突風よりもシャロワの行動にびっくりしたわ。なんかこの二人、ついつい目で追っちゃうわね…。
「お師匠さま」
「ん?」
わたしはルーファスに肩を抱き寄せられ、覆いかぶさるように守られた。
心臓が一気に高鳴る。体に悪い。
「ふふっ」ルーファスが笑った。
「な、なに?」
「クロさんの毛並みってスベスベですね」
肩にのったままのクロの背中毛が顔に当たっているらしい。
「オレは高いぜ?」
「まちがいなく高級そうです」
「…あんたらなにげに仲いいよね」
風が突然止んだ。
なんだったのかとみんなで頭上を見たわ。
「ひっ!?」シャロワが悲鳴を自分の手でおさえたの。
クカカ、クカカカ
頭上の木に、アレキサンダーの三倍は大きいワイバーンが釣り下がってた。
こちらを見て笑ってる。
「変異種だ…」ルーファスがつぶやく。
「変異種って?」
「長く生きたり、特別だったりして人間以上の知恵をもっている個体のことです」
「へー」
長く生きているけど初めて聞いたわ。
変異種は足でつかんでいた木を離すと、近くに降り立ったの。
シャロワはベニマルの服をつかんでガタガタ震えてる。ベニマルも歯を食いしばり、微動だにしないことで必死に目の前の脅威に抗ってたわ。
変異種はクココ、ココと鳴いて、アレキサンダーに顔を近づけたの。
臭いをかいでいるようで、生温かい鼻息をわたしたちは体中に浴びることになった。ちょっと血生臭かったわ。治してやろうかしら?
「…もしかして親とかだったりするのかな?」
わたしが言うと、変異種はわたしを見たのよ。
変異種は、目を細めて、クコッ!と言ったわ。
「え…!アレキサンダーの親が迎えに来たってこと?」シャロワが半ばすがるように言ったの。
クココッ!と変異種はシャロワを見て鳴いたわ。
言葉がわかってるみたい。
「…そうか」ベニマルはアレキサンダーに触れたわ。「それじゃあ仕方ないかもな。お別れか…さみしいけど、元気でな」
だけど、当のアレキサンダーの体は硬直してた。瞬きひとつしないのよね。
アレキサンダーは怯えてた。
その瞬間、変異種はわたしたちを一飲みにできるほどの大口を開けて食べようとしてきたの。
わたしは理合を使った。
変異種の首が曲がり、だれもいない大地を大きく削り取ったわ。大穴ができてた。
変異種は口のなかの土を丸飲みして、構わずまた食べようと大口を開けたの。消化に悪くないのかしら?
逃げる間もない。
仕方がない、やるか、と思った刹那、ベニマルの魔法発動の起こりが見えたの。
今度はベニマルの魔法がみんなを救ったわ。
グガガ?
わたしたちのまわりに目には見えないシールドが展開されてた。砂埃でそれは半球状をしていることがわかったわ。
さらには、シャロワが袖口から杖を振り出し「ベニマル!」と言うと「うん!」とベニマルが返事して、シールドにシャロワの杖分の穴ができた。そこに正確にシャロワは杖を突きさしたの。
「いっけぇ!!!」
シャロワの杖先から、野太いイバラが何本もとぐろを巻いて出て来て、変異種の体に巻き付いた。
おお…!わたしは内心驚いたわ。
変異種の攻撃をさえぎるシールド能力といい、大木のような太さのイバラを何本も同時に出して操る能力といい、この年齢でこれほど強力に発現していることからも、シャロワたちは相当才能豊かな魔法使いだわ。
だけど…。
シールドはひび割れて、変異種の体に巻き付いたイバラはミチミチと引きちぎられそうになってる。
やれやれ、さすがにわたしの出番か…。
ルーファスに強いことがバレてしまうけど、まあ、仕方ない。そもそも隠してないし、なんとなくバレないほうがめんどくさくないだろうくらいにしか思ってない。
むしろお師匠さま度がアップしてしまうかもしれないな…。もしかして、チャンス?
チラリと後ろにいるルーファスを見た。
「え゛…!?」
ルーファスの体は発光してたわ。しかもキンキンキンキンと妙な音までするの。
これは…!見たことあるぞ、何度も…!
体が恐怖した。
過去、大人のルーファスが頭上から絶対零度魔法を放つ時、こういう状態になっていたわ。
「だめだ…!」
前にいるベニマルが限界を迎える。
シールドが変異種のアギトに負けて砕け散る。
その刹那、
〈ノール〉
とルーファスはつぶやいた。
とても冷たい風が吹き荒れた
とても目を開けていられなかった。
恐る恐る目を開けると、そこには変異種の立派な氷の彫刻ができていたわ。
口は大口を開けたまま、すべての活動を停止させてた。まるで時間すら凍らせてしまったかのように。
やっべぇ…!
コイツ、今でも全然強いじゃん…!
わたしは目を見開いてルーファスを凝視した。
ルーファスはそれに気づいて、なぜか「えへ」と照れ笑いしたわ。
こっわ!
美少女の皮かぶった氷の悪魔こっわ!
わたしは戦慄して身震いした。
「あ、お師匠さま、よければこれ…」とルーファスはわたしに自分のジャケットをかけてくれた。
「あ、ありがと…」別に寒いから身震いしたわけではないのだけれど、素直に受け取っておくわ。
「す、すげぇ…!」
「やばっ!」
ウボッ!
固まっていたベニマル、シャロワ、アレキサンダーの三人がようやく口々にルーファスに賛辞を向けたわ。
「ルーファスさんって一体何者なんですか!?」
「名のある名家のご令嬢なのかしら!?」
ウボボッ!?
「い、いや、あの…」
「その制服、〈ユグドラシル〉ですよね!?」
「ランカーじゃない!?そうに決まってるわ!」
ウボッウボッ!
「はーい、はい、やめやめ」
ルーファスが困っているので助けに入ったの。というか、アレキサンダーはなんなんだ。絶対にお前変異種だろ。
「こんなところにいたら風邪ひいちゃうよ。とりあえずウチに帰ろう。アレキサンダーも連れておいで。ウチの庭で飼ったらいいよ」
「え!?いいんですか?」とベニマル。
「ああ、いいよ。けど、ちゃんとエサやったり面倒見てね。わたしはしないから」
「うん!デイジーお姉ちゃんありがとう!」
「おっふ」
シャロワが最大級の笑顔とお姉ちゃん呼びのコンボで攻めてきた。
あざとい。しかしこれは、正直可愛い。
「ほらほら、足元気を付けて、シールドの外凍ってるから」
「すいません。まだ制御がむずかしくて」
ルーファスが謝る。
シールドの範囲の外は、一面銀世界に変わっていた。大地も木々もまるで冬が来たみたいに霜が降りていた。
「いいんだよ。そういえばお礼がまだだったね。助けてくれてありがとう。いずれコントロールできるようになるよ」
「はい!お師匠さま!」
わたしは確実に保証したわ。まあ、その魔法はぜひアイスクリーム関係に使ってもらうけど。遠いところに運ぶのにいいんじゃないかしら?
「あ、よければアレキサンダーに乗っていきます?」とベニマルが言う。
「え?乗れるの?」
「うん、子供四人くらいならいけると思う」シャロワが太鼓判を押す。
アレキサンダーもギャッ!と羽を大きく広げて返事したわ。
「じゃあ、お言葉に甘えようか」
わたしたちはぎゅうぎゅう詰めになってアレキサンダーの背中に乗ったの。
狭かったけど、つかの間の空中飛行を楽しんだわ。
ルーファスが凍らした範囲が空から見える。
遠ざかっていく。
「なかなか楽しいアドベンチャーだったな」ボソッとクロがささやいた。
「うん、子供も悪くないかも」わたしもささやき返したわ。
しかし、この日最大の事件は、このあとに起こったの。
シャロワとベニマルがアレキサンダーの寝床を家の前の大木に決めて帰り、アレキサンダーは新しい住処となる大木を念入りに調べてた。
わたしとクロとルーファスは家のなかでお茶を飲んでいた。
そこで意を決したように、ルーファスが言ったの。
「あの…クロさん、お願いがあります」
「あ?なんだ?」
「すこしだけでいいんで席を外していただけませんか?お師匠さまに折り入ってお話したいことがあるのです」
ずいぶん真剣な口調だったわ。
「しょうがねえなあ」
変に男気のあるクロはそういうと、わたしを残して別室に去っていった。
なんだろう?
あまり心当たりはなかった。
思い返してみるに、絶対零度魔法を使ってシャロワたちに褒められているときに困っていた。
なんとなく、そこらへんか?とわたしは予測したわ。
ルーファスは相変わらず魔法学校に行っていない。
なんとなく、魔法に関連する悩みがあるのではないか?
それでお師匠さまになにやら相談したいのではないか?
わたしは、よし!それなら!とクロに倣って男気をみせることにしたの。
「どうしたんだい?なんでも言ってみな?」
「…ほんとうですか?」
「ドンとこい!すべて受けて立つ!」
胸を張った。
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
ルーファスは接近してくると、覆いかぶさるようにして顔を近づけてきた。
「な゛っ…!?」
「…頭、なでてください」
「え?」
「ボク、今日結構がんばったじゃないですか?」
そういえば、朝からギルドに行って、さっきはでかいワイバーンからルーファスはみんなを救ったのだった。長い一日だっただろう。
加えて言えば、ルーファスはギルドに提出する書類を書き終えていた。ギルドの受付でマチルダに提出しているのを見たけど、ずいぶん分厚かったわ。昨夜はずいぶん遅くまでがんばったのかもしれない。
「ええと…、でも、ほら、さっきシャロワとかからえらく褒められてたじゃない?アレキサンダーにまで褒められてたし。わたしワイバーンに褒められてる人なんて初めて見たよ」
「お師匠さまに褒められたいんです」
「う゛…!」
わたしが真っ赤になってそれでもふんぎりがつかないでいると、ルーファスはため息をついたの。
「はぁ‥‥、お師匠さま、さっきすべて受けて立つって言ったのに…」
「あー!もうわかったよ!もう!ぐちゃぐちゃにしてやる!」
わたしは両手でルーファスの頭をつかんで、ぐちゃぐちゃになでた。指先にいっさい絡むことのないさらさらの金髪だったわ。
「ふふふ」
髪の毛がぐちゃぐちゃになって、ルーファスの目が片方隠れてる。紅色の唇からおさえきれない様子の笑い声が漏れ聞こえてくる。
美しかった。
妖艶だった。
わたしの心がもうぐちゃぐちゃだった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移
龍央
ファンタジー
高校生紺野陸はある日の登校中、車に轢かれそうな女の子を助ける。
え?助けた女の子が神様?
しかもその神様に俺が助けられたの?
助かったのはいいけど、異世界に行く事になったって?
これが話に聞く異世界転移ってやつなの?
異世界生活……なんとか、なるのかなあ……?
なんとか異世界で生活してたら、今度は犬を助けたと思ったらドラゴン?
契約したらチート能力?
異世界で俺は何かをしたいとは思っていたけど、色々と盛り過ぎじゃないかな?
ちょっと待って、このドラゴン凄いモフモフじゃない?
平凡で何となく生きていたモフモフ好きな学生が異世界転移でドラゴンや神様とあれやこれやしていくお話し。
基本シリアス少な目、モフモフ成分有りで書いていこうと思います。
女性キャラが多いため、様々なご指摘があったので念のため、タグに【ハーレム?】を追加致しました。
9/18よりエルフの出るお話になりましたのでタグにエルフを追加致しました。
1話2800文字~3500文字以内で投稿させていただきます。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載させて頂いております。
魔物の装蹄師はモフモフに囲まれて暮らしたい ~捨てられた狼を育てたら最強のフェンリルに。それでも俺は甘やかします~
うみ
ファンタジー
馬の装蹄師だった俺は火災事故から馬を救おうとして、命を落とした。
錬金術屋の息子として異世界に転生した俺は、「装蹄師」のスキルを授かる。
スキルを使えば、いつでもどこでも装蹄を作ることができたのだが……使い勝手が悪くお金も稼げないため、冒険者になった。
冒険者となった俺は、カメレオンに似たペットリザードと共に実家へ素材を納品しつつ、夢への資金をためていた。
俺の夢とは街の郊外に牧場を作り、動物や人に懐くモンスターに囲まれて暮らすこと。
ついに資金が集まる目途が立ち意気揚々と街へ向かっていた時、金髪のテイマーに蹴飛ばされ罵られた狼に似たモンスター「ワイルドウルフ」と出会う。
居ても立ってもいられなくなった俺は、金髪のテイマーからワイルドウルフを守り彼を新たな相棒に加える。
爪の欠けていたワイルドウルフのために装蹄師スキルで爪を作ったところ……途端にワイルドウルフが覚醒したんだ!
一週間の修行をするだけで、Eランクのワイルドウルフは最強のフェンリルにまで成長していたのだった。
でも、どれだけ獣魔が強くなろうが俺の夢は変わらない。
そう、モフモフたちに囲まれて暮らす牧場を作るんだ!
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる