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第16話 デイジー、ちょっと大人になる
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三日経ってもクロとデイジーは目を合わせようとしなかった。
ルーファスはさすがに気づまりになり「あの~、もしかしてケンカでもしたんですか?」と聞いた。
クロは「してねーよ」と言い、デイジーは「した」と言った。
どうやらだいぶこじれているようだ。
ルーファスは仕事終わりに一人ずつ話を聞くことにした。
「クロさん、なにがあったんですか?話を聞かせてください」
クロは後ろをむいてねそべり、しっぽを床にたんっとたたきつけて「めんどい」と言った。
「そこをなんとかお願いしますよ。はっきりいって、居づらいですよ」
クロはゴロンとルーファスの方に向き直って「てゆーか、普通に話しかけてるんじゃないよ」と言った。
クロはデイジーにしか見えなかったのが、つい最近ルーファスにはすこし見えることが判明したのだ。
「え?ダメですか?」
「ダメじゃねえけどよ」
「最近慣れて来たのかクロさんのことよく見えるし、よく聞こえるんですよ」
「え?マジ?」
「マジです。クロさんってすごいイケメンですね」
「おっ?そうか?」クロのしっぽが二度たんたんっと床を打った。
「はい。なでていいですか?」
「いやだよ」
「ちぇ。で、どうなんですか?なんでケンカしたんですか?」
「るせーな」
「てゆーか、クロさんってデイジーさんのなんなんですか?」
「あ~?」
「デイジーさんと最初どうやって出会ったんですか?」
「最初、どう出会ったか、ねえ…」
クロはぼんやりと思いを馳せた。
クロは記憶をたどってみても、気づいたらデイジーにくっついていた記憶しかなかった。
ただ最初のころはデイジーには気づかれていなかった。
なんならデイジーに気づかれたのは比較的最近のことだった。
100万回の生のうち、たった1万回。だから1パーセントしか気づかれて生きていなかった。
べつに孤独は感じなかった。
そういうものだと思っていた。
ただこの愚かで小さな生き物をずっと見ているだけだった。
あくびが出た。
退屈だった。
なにしろデイジーは本当に愚かで、いつも同じことを繰り返していた。
愚かなうえに下品な家族に愛されようと、自身をさらに下においては殺されていた。
本当に愚かだなと思った。
しかし、10万1回目の生の時からなにやら妙な努力をやりはじめた。
頭に皿をのせたり、拳を石壁にたたきつけたり、逆立ちしたり。
とうとう本格的に気が狂ったのかと思った。
まあ、それまでも十分狂ってはいたが。
だが、ちょっとだけ退屈しなくなった。
デイジーの心にわずかながら変化が訪れたのはまちがいないからだ。
99万1回目の時、ついにデイジーは愚かな努力を成就させて兄を殺した。
思わず快哉を叫んだものだ。
その直後のことだった。
デイジーに見つかったのは。
そこからは退屈しなかった。
デイジーは家族に復讐を果たし、ぐちゃぐちゃになり、女悪魔なんて呼ばれながらもがんばって生きていた。
はじめのころの他人の顔をうかがってばかりいる子供が、女悪魔まで来たのだ。
クロは心底良かったなと思った。
デイジーはアホだけど、頑張り屋さんだなと思った。アホだけど。
嫌いじゃない。
精霊ってこういうものなのか?いつの間にかクロはデイジーのことを愛しいと感じ始めていた。
他の精霊のこと知らないから、わからんけど。
「ねー、どうなんですか?」とルーファス。
「ん?ああ…」
クロは一瞬のトリップから目覚めた。目の前には美少女然とした美少年ルーファスがいる。
「…ルーファス、大師匠としてお前に言っておくことがある」
「え?なんですか?あらたまって」
「姿勢を正してよく聞け。オレも正すから」
クロは寝てたのをどっこいしょと座り直した。しっぽをたしーんたしーんとしてルーファスにも促す。
「え、あ、はい」
ルーファスはよくはわからないが三角座りになって背筋を伸ばした。
「いいか?心してよーく聞けよ」
「はい…」
「お前にデイジーはやらん」
「えっ!?」
「アイツはオレのもんだ。なんせずっーと一緒にいたからな。お前の知らんデイジーを隅から隅まで知っている!」
「は、はあ…」ルーファスは突然のマウントに面食らった。
「ん?そんなふうに戸惑い顔をしおって、たしかにお前は可愛いよ!」
「あ、ありがとうございます…?」
「けどな、アイツの好みは結局のところちょっとワルそうでチャラい感じの手のひらで転がしてくれそうな超絶イケメン、つまりオレさm」
「だらーーーー!!!!」
スパーン!デイジーの平手がクロの頭を叩いた。
「いってぇ!いきなりなにすんだ!?」
「ルーファス君にへんなこと吹きこんでたからでしょ!」
デイジーは怪しい動きをしていたルーファスとクロの会話をついつい理合を使って盗聴していたのだった。近い距離ならできる繊細な芸当だった。
「いーや!お前は絶対に昨日、オレに惚れてたね!」
「ば、バカじゃないの!?バカじゃないの!?」
デイジーとクロはもう組んでほぐれつの乱闘に発展した。デイジーがしっぽをひっぱれば、クロはデイジーの口に手をつっこんで頬をひっぱった。
「ふふふ、あははははは!」ルーファスが大笑いした。
「え?なに急に、こわいんだけど」とクロ。
「う、うん」とデイジー。
乱闘はとまった。
「あ、すいません。お二人とも結局仲いいなあと思いまして…。どうぞ続けてください」
うながされてやるものでもなし、デイジーとクロはお互いを見合った。
やがてクロがため息をついた。
「あー、デイジー」
「なによ」
「昨日はすまなかったな。酔っぱらってたっていうのもある。許してくれ」
「うわー、わりと最低な言い訳…」
「うるせーな」
「…ま、いいよ。今回は許してあげる」
「ほんとか?」クロのしっぽがうれしそうに高々と持ち上げられる。
「…ほんと」
「よしよし」
クロはデイジーの肩に飛び乗った。
「やっぱりここじゃないと落ち着かねえからな」
クロはずいぶんうれしそうだった。
「…重い」
デイジーの顔は赤かった。
昨日のクロが一瞬頭をよぎった。
あんなのに肩にのられてたり、一緒に寝てたり、舐められてたりしてたのかしら…。いいや、忘れよう。きっとドキドキしたのだってチャームの魔法でもかかっていたのよ…。
乙女は心の奥底に秘密をしまいこんだ。
「ふっふふっ~ん」
「よかったですねえ、クロさん」
知らぬのは愚かな男ばかりなり。
ルーファスはさすがに気づまりになり「あの~、もしかしてケンカでもしたんですか?」と聞いた。
クロは「してねーよ」と言い、デイジーは「した」と言った。
どうやらだいぶこじれているようだ。
ルーファスは仕事終わりに一人ずつ話を聞くことにした。
「クロさん、なにがあったんですか?話を聞かせてください」
クロは後ろをむいてねそべり、しっぽを床にたんっとたたきつけて「めんどい」と言った。
「そこをなんとかお願いしますよ。はっきりいって、居づらいですよ」
クロはゴロンとルーファスの方に向き直って「てゆーか、普通に話しかけてるんじゃないよ」と言った。
クロはデイジーにしか見えなかったのが、つい最近ルーファスにはすこし見えることが判明したのだ。
「え?ダメですか?」
「ダメじゃねえけどよ」
「最近慣れて来たのかクロさんのことよく見えるし、よく聞こえるんですよ」
「え?マジ?」
「マジです。クロさんってすごいイケメンですね」
「おっ?そうか?」クロのしっぽが二度たんたんっと床を打った。
「はい。なでていいですか?」
「いやだよ」
「ちぇ。で、どうなんですか?なんでケンカしたんですか?」
「るせーな」
「てゆーか、クロさんってデイジーさんのなんなんですか?」
「あ~?」
「デイジーさんと最初どうやって出会ったんですか?」
「最初、どう出会ったか、ねえ…」
クロはぼんやりと思いを馳せた。
クロは記憶をたどってみても、気づいたらデイジーにくっついていた記憶しかなかった。
ただ最初のころはデイジーには気づかれていなかった。
なんならデイジーに気づかれたのは比較的最近のことだった。
100万回の生のうち、たった1万回。だから1パーセントしか気づかれて生きていなかった。
べつに孤独は感じなかった。
そういうものだと思っていた。
ただこの愚かで小さな生き物をずっと見ているだけだった。
あくびが出た。
退屈だった。
なにしろデイジーは本当に愚かで、いつも同じことを繰り返していた。
愚かなうえに下品な家族に愛されようと、自身をさらに下においては殺されていた。
本当に愚かだなと思った。
しかし、10万1回目の生の時からなにやら妙な努力をやりはじめた。
頭に皿をのせたり、拳を石壁にたたきつけたり、逆立ちしたり。
とうとう本格的に気が狂ったのかと思った。
まあ、それまでも十分狂ってはいたが。
だが、ちょっとだけ退屈しなくなった。
デイジーの心にわずかながら変化が訪れたのはまちがいないからだ。
99万1回目の時、ついにデイジーは愚かな努力を成就させて兄を殺した。
思わず快哉を叫んだものだ。
その直後のことだった。
デイジーに見つかったのは。
そこからは退屈しなかった。
デイジーは家族に復讐を果たし、ぐちゃぐちゃになり、女悪魔なんて呼ばれながらもがんばって生きていた。
はじめのころの他人の顔をうかがってばかりいる子供が、女悪魔まで来たのだ。
クロは心底良かったなと思った。
デイジーはアホだけど、頑張り屋さんだなと思った。アホだけど。
嫌いじゃない。
精霊ってこういうものなのか?いつの間にかクロはデイジーのことを愛しいと感じ始めていた。
他の精霊のこと知らないから、わからんけど。
「ねー、どうなんですか?」とルーファス。
「ん?ああ…」
クロは一瞬のトリップから目覚めた。目の前には美少女然とした美少年ルーファスがいる。
「…ルーファス、大師匠としてお前に言っておくことがある」
「え?なんですか?あらたまって」
「姿勢を正してよく聞け。オレも正すから」
クロは寝てたのをどっこいしょと座り直した。しっぽをたしーんたしーんとしてルーファスにも促す。
「え、あ、はい」
ルーファスはよくはわからないが三角座りになって背筋を伸ばした。
「いいか?心してよーく聞けよ」
「はい…」
「お前にデイジーはやらん」
「えっ!?」
「アイツはオレのもんだ。なんせずっーと一緒にいたからな。お前の知らんデイジーを隅から隅まで知っている!」
「は、はあ…」ルーファスは突然のマウントに面食らった。
「ん?そんなふうに戸惑い顔をしおって、たしかにお前は可愛いよ!」
「あ、ありがとうございます…?」
「けどな、アイツの好みは結局のところちょっとワルそうでチャラい感じの手のひらで転がしてくれそうな超絶イケメン、つまりオレさm」
「だらーーーー!!!!」
スパーン!デイジーの平手がクロの頭を叩いた。
「いってぇ!いきなりなにすんだ!?」
「ルーファス君にへんなこと吹きこんでたからでしょ!」
デイジーは怪しい動きをしていたルーファスとクロの会話をついつい理合を使って盗聴していたのだった。近い距離ならできる繊細な芸当だった。
「いーや!お前は絶対に昨日、オレに惚れてたね!」
「ば、バカじゃないの!?バカじゃないの!?」
デイジーとクロはもう組んでほぐれつの乱闘に発展した。デイジーがしっぽをひっぱれば、クロはデイジーの口に手をつっこんで頬をひっぱった。
「ふふふ、あははははは!」ルーファスが大笑いした。
「え?なに急に、こわいんだけど」とクロ。
「う、うん」とデイジー。
乱闘はとまった。
「あ、すいません。お二人とも結局仲いいなあと思いまして…。どうぞ続けてください」
うながされてやるものでもなし、デイジーとクロはお互いを見合った。
やがてクロがため息をついた。
「あー、デイジー」
「なによ」
「昨日はすまなかったな。酔っぱらってたっていうのもある。許してくれ」
「うわー、わりと最低な言い訳…」
「うるせーな」
「…ま、いいよ。今回は許してあげる」
「ほんとか?」クロのしっぽがうれしそうに高々と持ち上げられる。
「…ほんと」
「よしよし」
クロはデイジーの肩に飛び乗った。
「やっぱりここじゃないと落ち着かねえからな」
クロはずいぶんうれしそうだった。
「…重い」
デイジーの顔は赤かった。
昨日のクロが一瞬頭をよぎった。
あんなのに肩にのられてたり、一緒に寝てたり、舐められてたりしてたのかしら…。いいや、忘れよう。きっとドキドキしたのだってチャームの魔法でもかかっていたのよ…。
乙女は心の奥底に秘密をしまいこんだ。
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