上 下
4 / 203
本編

No.0~プロローグ(加筆済み)

しおりを挟む
今年に販売が発表された【ユグドラシルオンライン】、少し前に作られたVR技術を改良し、視覚だけでなく五感すべてを体験出来るというゲームだ。

ゲームをする人なら誰しもが夢を見るゲームの販売が近くなった事もあり、俺を含め、ゲームをする人も、しない人も現在は話題は【ユグドラシルオンライン】の事ばかりになっていた。

正式に配信する前にちゃんとプレイ出来るか確認するためのβテストに当選して、【ユグドラシルオンライン】をプレイした人は皆、実際にその世界に居るという感動とそのゲームのクオリティーの高さに驚いて、当選して良かったと言っていると連日ニュースで聞いている。

そのニュースを見るたびに何で俺は当たらなかったんだと自分の運の無さを恨んだ。

既に全国のゲーム屋での予約は埋まっており、しかも初回生産版のVR機器とのセットは100台しか販売されず、計10000台販売されると言う第一陣の中でも初回生産版を買えた人はその嬉しさに狂喜乱舞したと言う。

ネット上ではユグドラシルオンラインの予約が取れたものが予約出来なかったんだ人に対して煽る様なコメントをして炎上したりもしているらしい。

まぁ俺も買えたときは凄く嬉しくてネトゲのチャットでβ版をしていた友人に話したら「その話もう3回目だよ」と言われてしまった。

だが、自分自身がゲームの中の世界で行動出来ると考えるとわくわくが止まらない。

【ユグドラシルオンライン】はファンタジーの世界を元にしたRPGで、Jobとスキルを使いながらその世界で生活や戦闘をするというゲームでスキルは既存のスキルもあるがゲーム内での行動次第で新たなスキルを作ることも出来るらしい、というのも一つの魅力だ。

ゲーム開始時には運が良ければ、自分専用のサポートキャラが付いて、最初に質問に答えてくれるし、その後もゲームを進め易くなるようにアドバイスをしてくれる。
家を買った時には家の中で掃除しながら待機するっていうメイドみたいなキャラや、動物系のアバターなんかも有るらしい。

βテスターはテストしたキャラの成長度合いでゲームを始めるときの特典が与えられる。

その為βテスターは新規のプレイヤーよりも少し有利な状況からゲームを進めることができるのだ。

俺も応募したんだけど当たらなかった…俺もβ版やりたかった

「そんでお前から見てβテストはどんな感じだった?」

俺は今、βテストをしていた友達とテレビ電話で会話をしながらネットゲームで通信している。

「本当に凄かったよ!実際にそこに居るように感じたし匂いや手触りも現実と変わらなかったよ!しかもβ特典で素材は残念だったけどお金とスキルはそのまんまらしいし、」

「マジで!それって戦闘系のスキル持ち越しなのか?」

(ユグドラシルオンラインでは戦闘系のスキルはスキルレベルでその武器の与ダメが変わるらしいから、戦闘スキルも持ち越し出来るならβテスターに有利過ぎるんじゃ無いか?)

と考えていると

「いや~さすがにそれはないよ、それだとβテスターが有利過ぎるしね」

と否定された、そうだったらβテスターが有利過ぎるし、そうなると新規のプレイヤーとの差が開きすぎるしな。

「だよな~βテスターじゃ無かったからスタートダッシュできなかったなんて事になったらガチでトップを目指すとしたら最悪だしな。

「それにしてもよくβテストに選ばれたよなぁ、あれって倍率2000倍以上はあるって聞いたけど」

「あはは、それは運が良かったとしか言い様がないよね、それに祐也だって限定100台の初回限定版のセットを買うなんてどんな手を使ったの?」

運が良いなんてもんじゃ無いと思うけどな。

だってβテストの募集人数はたったの100人。

倍率2000倍というと合計で20万人も募集して100しか当選しないという事だ。

その事を言うと逆に俺が初回限定版を取れた事を聞かれた。

「あーそれはほら、コネを少しな、ほら、翔がユグドラシルオンラインを作った会社の社長の息子だったらしくてさ、親父さんにアポとって貰って、ちょっとした提案をさせて貰ったんだよ」

翔とは前のネットゲームで知り合った仲間で、翔の父親がユグドラシルオンラインを開発した会社の社長だったのだ。

そこで、この前翔経由で翔のお父さんと合った時、いつも家の翔がユウヤさんユウヤさん、っていっつも言ってるんですよ、とか、其処で家の翔と仲良くしてくれているお礼に、と翔と俺の分の初回限定版のソフトと機器を確保してくれていたらしい。

タダで貰うのもあれだったので、俺の持っている資産の一部を出資させて貰える様に提案したって訳だな。

「へぇ~私は翔のお父さんが社長さんだったって事は聞いてたけど、ユグドラシルオンラインを開発した会社だったんだ!ビックリ!、でも翔って祐也の事を慕ってるから私が祐也と話してるとつっかかってくるんだよね、まぁ最初の頃と比べたら良くなったんだけど」

「まぁ翔もお前の事を嫌ってる訳では無いだろうしな、俺から見たらお前らすげぇ仲良さそうなんだけどな」

俺たち三人は同じネットゲームをしていた。

その時に、二人を誘ってギルドを作ったんだっけか?、その時に二人は知り合ったんだが、二人が話しているのを見てると本当に仲が良いと思う。

「それで翔のお父さんに提案って言ってたけど何て言ったの?」

まぁ別に隠す程の事じゃ無いので素直に答える。

「それは、いつも翔と仲良くして貰ってるから、って翔から俺がユグドラシルオンラインをやりたがってるって事を聞いたらしくてな、社長権限で初回限定版を確保してくれたらしいんだよな。
だから、タダで貰うのもあれだろ、だから翔のお父さんの会社に出資をする事を提案したんだ。
そりゃあ使わなければ良いけど、トラブルが有るかも知れないからってね」

「そうなんだ~私も初回限定版欲しかったな~あれって種族選択で上位種を選べる様になるんでしょ?」

「お前はβテストが出来たから良いじゃん、俺もやりたかったのに自慢をされたからな 、サービスが始まったら全力で楽しまないと」

βテスターはそのまんまユグドラシルオンラインのソフトとVR機器がプレゼントされるだけ良いだろう、確実にプレイできる訳だしな。

それにβテスト時の情報を持っているって事はスタートダッシュがやりやすいからな。

「それで、出資ってどの位払ったの?」

「それはほら、守秘義務って奴があるから言えないんだよ、んじゃそろそろ俺は飯にするから切るぞ」

「わかった!じゃあ次はユグドラシルオンラインでね!」
 
「おう!…さぁて販売まで後一週間!やれるだけの準備をしなきゃ!」

そうして、テレビ電話を切った俺はユグドラシルオンラインに集中出来る様にに仕事を処理していく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。 異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。 そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。 異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。 龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。 現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

嫌われ者の悪役令息に転生したのに、なぜか周りが放っておいてくれない

AteRa
ファンタジー
エロゲの太ったかませ役に転生した。 かませ役――クラウスには処刑される未来が待っている。 俺は死にたくないので、痩せて死亡フラグを回避する。 *書籍化に際してタイトルを変更いたしました!

動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!

海夏世もみじ
ファンタジー
 旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました  動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。  そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。  しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!  戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...