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本編
No.191~邪神戦
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暫く待っているとユイとシフォンも来てギルドメンバーが全員揃った。
皆揃った所でメニューを開くと右上にでかでかと邪神復活までの時間が表示されている。
後10分で邪神が復活すると表示されている。
「皆、俺たちはこれから世界の命運を掛けた戦いを始める、邪神を倒す事が出来なければ俺たちのを世界すらも破壊されてしまう。
だから俺は皆に一言だけ言おう、絶対に勝とうと」
俺が皆にそう伝えると皆は大声で笑い始める。
「なに当たり前のこといってんの?」
「ええ、私達は負けませんよ」
「まだまだこのメンバーで遊び足りないしな」
「私もお兄ちゃんも皆さんと過ごしている時は凄くたのしいですだから絶対に守りきります」
「だから絶対に最後まで諦めんじゃねぇぞ、リーダー」
「おう、任せろ!絶対に倒してきてやるよ」
俺はそう笑って皆に言う。
「じゃあ皆、街は頼んだぞ、俺は少しヤヨイ達と話をして、邪神を倒しに行くからな」
俺はそう言って草原の方に飛んで行く。
(あの時見た映像とは違う、絶対に皆を殺させたりしないしこの世界も守って見せる!)
草原の中央でヤヨイ、修羅、フェニ、フェルを呼び出す。
「皆、今日は皆のことを頼んだぞ」
ヤヨイ達には今回、街の防衛に加わって貰い、ピンチになった人を助ける遊撃隊として行動してもらう。
「ええ、本当はマスターに付いていきたいですが足手まといにはなりたくないですし、皆様のサポート、しかと承りました」
「本来ならば我らが主の盾となるべきなのに、今程自分の力不足を感じた事はありません、ですが主が安心して戦える様、精一杯努めさせていただきます」
「主、私も頑張るから主も頑張って」
「主殿は心配せず邪神の討伐を専念してくだされ」
ヤヨイ、修羅、フェル、フェニが俺に一言ずつ声を掛けてくれた。
「おう、絶対に倒すから待っててくれ」
「「「「はい!」」」」
(もう良いんですか?)
「ああ、送ってくれ」
神の声が直接頭の中に聞こえたので返事をする。
邪神はマップで繋がって居ないため、神が直接俺を転移させる事になっている。
ので、皆と一言ずつ言葉を交わし終えた所で声を掛けてきたのだろう。
一瞬視界が光に包まれ、眩しさに目を閉じる。
そして転移した瞬間に感じる負の感情や魔力。
目を開くとソコには絶望が存在していた。
恐らくMNDのステータスが高くなければ発狂してしまいそうな生命がそこに居た。
巨大な肉塊から無数の触手を生やし、多くの目が俺の姿を捉える。
その時邪神は声にもならない声で叫ぶ。
その音は耳を通り過ぎ、直接脳に聞こえるかの様な叫びだった。
様々な負の感情が込められた音は俺の心を大きく揺さぶる。
それは以前謎の人物に映像を見せられた時に感じた物より凄まじく、その場に倒れてしまいそうになる。
が今ここで倒れるわけには行かない、俺は歯を食い縛り無理やり意識を覚醒させる。
長期戦は不利だと悟った俺は一気に攻める事にした。
現在の俺が撃てる攻撃にして最大火力の疑似ドラゴンブレスのチャージを開始する。
邪神も俺に向かって触手を伸ばして攻撃をしてくる。
俺は触手を無名で弾き時間を稼いでいついに疑似ブレスのチャージが完了した。
邪神は身動きを取ることが出来る様な体をしているので疑似ブレスを避ける事は出来ないだろう。
疑似ブレスは邪神のもとに一直線に飛んで行き、邪神の体を抉り飛ばす。
だが、邪神がその程度で死ぬなんて事は無く、直ぐに再生されてしまった。
それからは邪神の攻撃を避け、弾き、そして自分の攻撃を当てていく…がどんなに攻撃を当てても邪神は直ぐに再生するし怯んだりもしない。
この攻防が何回続いただろう。
相手の攻撃を食らったら一瞬で全損する可能性が有る中どれだけ攻撃しても変わらない敵、それは俺の精神を蝕んでいく。
邪神から放たれる負の感情は容赦なく俺に振り掛かり思考を乱してくる。
戦闘が始まってからどれくらい経ったのだろう、メニューを開いて時間を確認する事が出来ないのでどれくらい時間が経ったかが一切分からない。
30分かも知れないし1時間かも知れない、集中し続けたせいで思考はどんどん鈍っていっている、この戦闘がいつになったら終わるのか分からないという状況はもしかしたら勝てないかも知れないという考えを浮かばせる。
しかし、そんな状況も一瞬で崩れた。
最初の叫びから殆どと言っていいほど反応が無かった邪神が叫びだしたのだ。
だが、ゲームで有りがちな第2形態に変身する様な感じではなく苦しんでいる様に見える。
一体何故だ?と疑問を浮かべながらも邪神から注意は反らさない。
だが、頭の中に響いた言葉で何故邪神が苦しんでいるかが分かった。
『ユウヤさん、私は1つ黙っていた事があります。
邪神は負の感情の塊、負の感情がある限り邪神はどんなに攻撃しても再生します。
なので先日ユウヤさんに邪神の封印が解けると伝えた時に1つ細工をさせていただきました。
ユウヤさん、ユウヤさんのスキルポイントが無くなっていたのには気づいていましたよね?』
ああ、何故か分からないが無くなっていたな、俺は基本的にスキルポイントを使わないから特段困る事は無かったが
『先程ユウヤさんのスキルポイントを使用してユウヤさんと邪神の戦闘をネットでリアルタイムで公開しました。
ユウヤさんの戦いを見て応援する人の気持ちで邪神の再生能力を弱体化させています』
俺への応援で邪神の弱体化ってどうしてだ?
『邪神の再生能力は負の感情によって上昇します。
そこで私は邪神の再生能力を純粋に応援をするという正の感情で相殺させているという事です、今現在も応援している人は増えているのでもう再生能力はそこまで高くありません、一気に倒してしまいましょう』
そういう事だったのか。
「ならば一撃でふっ飛ばす!」
俺は龍神化を発動させて巨大な龍に変身する。
そして自分の全ての力をブレスに変換するためにチャージしていく。
ブレスのチャージを開始した時から邪神の攻撃が激化した。
触手による攻撃、無数に存在する目から放たれるビーム等、無数の攻撃が俺に向かって放たれる。
龍神化した影響で体が大きくなっている為、龍人の時のように回避しながらチャージが出来ない。
HPがどんどん削られているのを横目に見ながらもチャージをしていく。
そしてチャージが終了していない状態でHPゲージが0になる。
普通ならばここで死亡してリスポーンなりするのだろう。
だが俺は不死鳥の首飾りの効果によってHP、MPがその場で全快する。
そしてドラゴンブレスのチャージが完了する。
「ガァァァァ!」
最大チャージのドラゴンブレスは邪神に向かって飛んで行く…が邪神もビームをドラゴンブレスに当ててドラゴンブレスをどうにかしようとしてくる。
(っく!意外と強い!)
邪神のビームが思いの外強く、ドラゴンブレスと拮抗し始めた。
やっぱダメなのかと諦めかけたその時、皆の声が聞こえた気がした。
皆の顔が脳裏によぎる、すると先程まで諦めかけていた気持ちが消え、絶対に倒さなければという気持ちが沸き上がってくる。
気持ちの強さというのは存外凄いらしい。
拮抗していたドラゴンブレスが少しずつだが押し返し始める。
『『『『「ガァァァァ!(いっけぇぇ)!」』』』』
最後に残りの魔力を全て放出してドラゴンブレスにブーストを掛ける。
ドラゴンブレスは邪神を包み込み、邪神の姿が見えなくなる。
そして俺の龍神化は強制的に解除される。
集中していた時間が長かったからだろう、全力を出し尽くした影響か意識がどんどんと薄れていく…薄れ行く意識のなか邪神の居た所を確認すると、ソコには邪神は存在しなかった。
邪神との戦いを終えた俺は強制的にログアウトさせられ、現実世界で目を覚ました。
暫くボーッとしていた俺だがヘル達からメールが届いたので確認をする。
どうやら街の防衛には成功し、防衛後には俺の戦闘を見ていたらしい。
いきなり俺が倒れた後に消えていったから心配してメールを送ってきたらしい。
俺は再度ゲームにログインをして皆のもとに向かう。
ギルドハウスに着くと皆が待っていた。
その後は皆と邪神討伐完了パーティーを開いたり、神に直接お礼を言われたりした。
俺はこのゲームで皆と出会い、そして冒険をしてきた。
世界を救ったなんて実感はあまり無いけど、俺たちはこれからもこのゲームを続けて行く。
このゲームが続く限り。
ユグドラシルオンライン~完
【救世主】
邪神を単身で倒し、2つの世界に平和をもたらした者に与えられる称号。
皆揃った所でメニューを開くと右上にでかでかと邪神復活までの時間が表示されている。
後10分で邪神が復活すると表示されている。
「皆、俺たちはこれから世界の命運を掛けた戦いを始める、邪神を倒す事が出来なければ俺たちのを世界すらも破壊されてしまう。
だから俺は皆に一言だけ言おう、絶対に勝とうと」
俺が皆にそう伝えると皆は大声で笑い始める。
「なに当たり前のこといってんの?」
「ええ、私達は負けませんよ」
「まだまだこのメンバーで遊び足りないしな」
「私もお兄ちゃんも皆さんと過ごしている時は凄くたのしいですだから絶対に守りきります」
「だから絶対に最後まで諦めんじゃねぇぞ、リーダー」
「おう、任せろ!絶対に倒してきてやるよ」
俺はそう笑って皆に言う。
「じゃあ皆、街は頼んだぞ、俺は少しヤヨイ達と話をして、邪神を倒しに行くからな」
俺はそう言って草原の方に飛んで行く。
(あの時見た映像とは違う、絶対に皆を殺させたりしないしこの世界も守って見せる!)
草原の中央でヤヨイ、修羅、フェニ、フェルを呼び出す。
「皆、今日は皆のことを頼んだぞ」
ヤヨイ達には今回、街の防衛に加わって貰い、ピンチになった人を助ける遊撃隊として行動してもらう。
「ええ、本当はマスターに付いていきたいですが足手まといにはなりたくないですし、皆様のサポート、しかと承りました」
「本来ならば我らが主の盾となるべきなのに、今程自分の力不足を感じた事はありません、ですが主が安心して戦える様、精一杯努めさせていただきます」
「主、私も頑張るから主も頑張って」
「主殿は心配せず邪神の討伐を専念してくだされ」
ヤヨイ、修羅、フェル、フェニが俺に一言ずつ声を掛けてくれた。
「おう、絶対に倒すから待っててくれ」
「「「「はい!」」」」
(もう良いんですか?)
「ああ、送ってくれ」
神の声が直接頭の中に聞こえたので返事をする。
邪神はマップで繋がって居ないため、神が直接俺を転移させる事になっている。
ので、皆と一言ずつ言葉を交わし終えた所で声を掛けてきたのだろう。
一瞬視界が光に包まれ、眩しさに目を閉じる。
そして転移した瞬間に感じる負の感情や魔力。
目を開くとソコには絶望が存在していた。
恐らくMNDのステータスが高くなければ発狂してしまいそうな生命がそこに居た。
巨大な肉塊から無数の触手を生やし、多くの目が俺の姿を捉える。
その時邪神は声にもならない声で叫ぶ。
その音は耳を通り過ぎ、直接脳に聞こえるかの様な叫びだった。
様々な負の感情が込められた音は俺の心を大きく揺さぶる。
それは以前謎の人物に映像を見せられた時に感じた物より凄まじく、その場に倒れてしまいそうになる。
が今ここで倒れるわけには行かない、俺は歯を食い縛り無理やり意識を覚醒させる。
長期戦は不利だと悟った俺は一気に攻める事にした。
現在の俺が撃てる攻撃にして最大火力の疑似ドラゴンブレスのチャージを開始する。
邪神も俺に向かって触手を伸ばして攻撃をしてくる。
俺は触手を無名で弾き時間を稼いでいついに疑似ブレスのチャージが完了した。
邪神は身動きを取ることが出来る様な体をしているので疑似ブレスを避ける事は出来ないだろう。
疑似ブレスは邪神のもとに一直線に飛んで行き、邪神の体を抉り飛ばす。
だが、邪神がその程度で死ぬなんて事は無く、直ぐに再生されてしまった。
それからは邪神の攻撃を避け、弾き、そして自分の攻撃を当てていく…がどんなに攻撃を当てても邪神は直ぐに再生するし怯んだりもしない。
この攻防が何回続いただろう。
相手の攻撃を食らったら一瞬で全損する可能性が有る中どれだけ攻撃しても変わらない敵、それは俺の精神を蝕んでいく。
邪神から放たれる負の感情は容赦なく俺に振り掛かり思考を乱してくる。
戦闘が始まってからどれくらい経ったのだろう、メニューを開いて時間を確認する事が出来ないのでどれくらい時間が経ったかが一切分からない。
30分かも知れないし1時間かも知れない、集中し続けたせいで思考はどんどん鈍っていっている、この戦闘がいつになったら終わるのか分からないという状況はもしかしたら勝てないかも知れないという考えを浮かばせる。
しかし、そんな状況も一瞬で崩れた。
最初の叫びから殆どと言っていいほど反応が無かった邪神が叫びだしたのだ。
だが、ゲームで有りがちな第2形態に変身する様な感じではなく苦しんでいる様に見える。
一体何故だ?と疑問を浮かべながらも邪神から注意は反らさない。
だが、頭の中に響いた言葉で何故邪神が苦しんでいるかが分かった。
『ユウヤさん、私は1つ黙っていた事があります。
邪神は負の感情の塊、負の感情がある限り邪神はどんなに攻撃しても再生します。
なので先日ユウヤさんに邪神の封印が解けると伝えた時に1つ細工をさせていただきました。
ユウヤさん、ユウヤさんのスキルポイントが無くなっていたのには気づいていましたよね?』
ああ、何故か分からないが無くなっていたな、俺は基本的にスキルポイントを使わないから特段困る事は無かったが
『先程ユウヤさんのスキルポイントを使用してユウヤさんと邪神の戦闘をネットでリアルタイムで公開しました。
ユウヤさんの戦いを見て応援する人の気持ちで邪神の再生能力を弱体化させています』
俺への応援で邪神の弱体化ってどうしてだ?
『邪神の再生能力は負の感情によって上昇します。
そこで私は邪神の再生能力を純粋に応援をするという正の感情で相殺させているという事です、今現在も応援している人は増えているのでもう再生能力はそこまで高くありません、一気に倒してしまいましょう』
そういう事だったのか。
「ならば一撃でふっ飛ばす!」
俺は龍神化を発動させて巨大な龍に変身する。
そして自分の全ての力をブレスに変換するためにチャージしていく。
ブレスのチャージを開始した時から邪神の攻撃が激化した。
触手による攻撃、無数に存在する目から放たれるビーム等、無数の攻撃が俺に向かって放たれる。
龍神化した影響で体が大きくなっている為、龍人の時のように回避しながらチャージが出来ない。
HPがどんどん削られているのを横目に見ながらもチャージをしていく。
そしてチャージが終了していない状態でHPゲージが0になる。
普通ならばここで死亡してリスポーンなりするのだろう。
だが俺は不死鳥の首飾りの効果によってHP、MPがその場で全快する。
そしてドラゴンブレスのチャージが完了する。
「ガァァァァ!」
最大チャージのドラゴンブレスは邪神に向かって飛んで行く…が邪神もビームをドラゴンブレスに当ててドラゴンブレスをどうにかしようとしてくる。
(っく!意外と強い!)
邪神のビームが思いの外強く、ドラゴンブレスと拮抗し始めた。
やっぱダメなのかと諦めかけたその時、皆の声が聞こえた気がした。
皆の顔が脳裏によぎる、すると先程まで諦めかけていた気持ちが消え、絶対に倒さなければという気持ちが沸き上がってくる。
気持ちの強さというのは存外凄いらしい。
拮抗していたドラゴンブレスが少しずつだが押し返し始める。
『『『『「ガァァァァ!(いっけぇぇ)!」』』』』
最後に残りの魔力を全て放出してドラゴンブレスにブーストを掛ける。
ドラゴンブレスは邪神を包み込み、邪神の姿が見えなくなる。
そして俺の龍神化は強制的に解除される。
集中していた時間が長かったからだろう、全力を出し尽くした影響か意識がどんどんと薄れていく…薄れ行く意識のなか邪神の居た所を確認すると、ソコには邪神は存在しなかった。
邪神との戦いを終えた俺は強制的にログアウトさせられ、現実世界で目を覚ました。
暫くボーッとしていた俺だがヘル達からメールが届いたので確認をする。
どうやら街の防衛には成功し、防衛後には俺の戦闘を見ていたらしい。
いきなり俺が倒れた後に消えていったから心配してメールを送ってきたらしい。
俺は再度ゲームにログインをして皆のもとに向かう。
ギルドハウスに着くと皆が待っていた。
その後は皆と邪神討伐完了パーティーを開いたり、神に直接お礼を言われたりした。
俺はこのゲームで皆と出会い、そして冒険をしてきた。
世界を救ったなんて実感はあまり無いけど、俺たちはこれからもこのゲームを続けて行く。
このゲームが続く限り。
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