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本編
No.178~回想、ユウvsヘル
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俺はヤヨイ達にその時の事を話しながら自分もその時の事を思い出していく。
そう、確かあの時は…
俺が結界の中に凹凸を作ったから銃弾…ってもダメージが無いようにゴム弾を使わせていたが、それがユウの後頭部に直撃したんだった。
漫画なんかではスコーンと擬音が書かれそうな感じで銃弾に当たったユウは前のめりに倒れる。
「ぷっ、アハハハハ!!」
シーンと静かになった空間を破ったのはヘルの笑い声だった。
「ちょ、お前笑いすぎだろ!」
ゴム弾なので大したダメージが無かったユウはすくりと立ち上がり未だ笑っているヘルに向かって叫ぶ。
「だって、だってスコーンてスコーンて、アハハハハ、ヤバいお腹いたい」
ツボに入ったのか笑いが止まらない様子のヘル…良く見ると目尻に涙が浮かんでいる。
そしてそのヘルの様子にイラッと来たのか発したユウはヘルの地雷を踏み抜いた。
「笑いすぎだろ…貧乳が」
その声は凄く小さく、その場に居た殆どの者は聞こえなかっただろう。
俺とヘルを除いて
「は?」
ヘルは自分の胸が同世代の女性より小さい事を気にしていたのだろう、あれだけ笑っていたヘルが貧乳と言われた瞬間にいきなり真顔に成る程に。
あの時のヘルはいま思い出しても怖いと思う。
「ユウヤ、あの結界の中に私が入れる様にしてよ」
「おい!ユウヤ止めろ!止めてくれ!」
「ハイ」
まぁ光の灯っていない瞳で言われたら従うしか無いだろう。
身の危険を感じて結界の中にヘルを入れさせないよう制止の声を掛けるがそれよりもヘルの方が怖い。
ヘルは普段は明るく過ごしていて本気で怒っている所を見たことが無かったのだがスゲー怖い、普段怒らない人が怒ると怖いって本当だったんだなって思ったよ。
すまないユウよ、お前は踏んではいけない場所に踏み込んでしまったのだ、おとなしく罰をうけろよ。
とその時は思ったね。
結界の中に入ったヘルは全身から怒りのオーラを出しながら一歩ずつユウに近づいていく。
「ちょ、落ち着け!」
ユウが声を掛けてもヘルは動きを止めない。
「クソ!やるしか無いのか」
ユウはそう言うと銃を替えてヘルに向かって撃ち始めた。
一度リスポーンさせようとしたのだろう。
だが、ヘルは自分に向かって飛んで来た弾丸をいつの間にか持っていた短剣で切り飛ばす。
「やべぇ!」
恐怖により軽いパニック状態になったユウはスキルを使用して完全にヘルを殺しに行く。
だがそのことごとくを全て切り伏せヘルは歩みを止めない。
結界内で響くその足音はユウに絶望を与え、恐怖心を煽る。
ユウは遂には先程失敗した乱反射を利用した技を使い始める。
しかし先程は失敗したのに今回は失敗する事もなく銃弾の数はユウの恐怖と共に増えていく…恐怖心によって集中力が増していったのだろう。
だが、集中力が増していたのはユウだけでは無かった。
その時のヘルは怒りによってユウをぶっ飛ばす事しか考えられなかった。
つまりスポーツでいうゾーンに入った様な感じになっていた。
前後左右無数の方向から跳んでくる銃弾を切り伏せ最小限の動きで捌き、避けていく。
はっきりいって本気モードのシュウより動きのキレが良かったからな。
最終的にはフフフと笑いながらユウに攻撃を当てるだけで毒状態になる短剣を使って少しずつダメージを与えていくというトラウマまったなしの状態になった所で可哀想に思った俺がユウを殺してリスポーンさせ、救出した。
もうまじでヤバかったからな、ユウが死んだって気づいたヘルが首だけをこっちに向けて「ユウヤ?…何してんの?」って言われたかんな。
そしてユウに土下座をさせて謝らせ、今後2度と女性の身体的特徴について言わない様に決め、その場は解決した。
その後、首に「私はギルドメンバーにセクハラをしました」という看板を付けられ、それを写真に取られたらしい。
後々その時の事を聞くとヘルは、今は気にしてないし、ユウに効果的な交渉カードになったよ、と本人は話していたが、俺は絶対にヘルは怒らせない様にしよう、と本気で考えた。
そう、確かあの時は…
俺が結界の中に凹凸を作ったから銃弾…ってもダメージが無いようにゴム弾を使わせていたが、それがユウの後頭部に直撃したんだった。
漫画なんかではスコーンと擬音が書かれそうな感じで銃弾に当たったユウは前のめりに倒れる。
「ぷっ、アハハハハ!!」
シーンと静かになった空間を破ったのはヘルの笑い声だった。
「ちょ、お前笑いすぎだろ!」
ゴム弾なので大したダメージが無かったユウはすくりと立ち上がり未だ笑っているヘルに向かって叫ぶ。
「だって、だってスコーンてスコーンて、アハハハハ、ヤバいお腹いたい」
ツボに入ったのか笑いが止まらない様子のヘル…良く見ると目尻に涙が浮かんでいる。
そしてそのヘルの様子にイラッと来たのか発したユウはヘルの地雷を踏み抜いた。
「笑いすぎだろ…貧乳が」
その声は凄く小さく、その場に居た殆どの者は聞こえなかっただろう。
俺とヘルを除いて
「は?」
ヘルは自分の胸が同世代の女性より小さい事を気にしていたのだろう、あれだけ笑っていたヘルが貧乳と言われた瞬間にいきなり真顔に成る程に。
あの時のヘルはいま思い出しても怖いと思う。
「ユウヤ、あの結界の中に私が入れる様にしてよ」
「おい!ユウヤ止めろ!止めてくれ!」
「ハイ」
まぁ光の灯っていない瞳で言われたら従うしか無いだろう。
身の危険を感じて結界の中にヘルを入れさせないよう制止の声を掛けるがそれよりもヘルの方が怖い。
ヘルは普段は明るく過ごしていて本気で怒っている所を見たことが無かったのだがスゲー怖い、普段怒らない人が怒ると怖いって本当だったんだなって思ったよ。
すまないユウよ、お前は踏んではいけない場所に踏み込んでしまったのだ、おとなしく罰をうけろよ。
とその時は思ったね。
結界の中に入ったヘルは全身から怒りのオーラを出しながら一歩ずつユウに近づいていく。
「ちょ、落ち着け!」
ユウが声を掛けてもヘルは動きを止めない。
「クソ!やるしか無いのか」
ユウはそう言うと銃を替えてヘルに向かって撃ち始めた。
一度リスポーンさせようとしたのだろう。
だが、ヘルは自分に向かって飛んで来た弾丸をいつの間にか持っていた短剣で切り飛ばす。
「やべぇ!」
恐怖により軽いパニック状態になったユウはスキルを使用して完全にヘルを殺しに行く。
だがそのことごとくを全て切り伏せヘルは歩みを止めない。
結界内で響くその足音はユウに絶望を与え、恐怖心を煽る。
ユウは遂には先程失敗した乱反射を利用した技を使い始める。
しかし先程は失敗したのに今回は失敗する事もなく銃弾の数はユウの恐怖と共に増えていく…恐怖心によって集中力が増していったのだろう。
だが、集中力が増していたのはユウだけでは無かった。
その時のヘルは怒りによってユウをぶっ飛ばす事しか考えられなかった。
つまりスポーツでいうゾーンに入った様な感じになっていた。
前後左右無数の方向から跳んでくる銃弾を切り伏せ最小限の動きで捌き、避けていく。
はっきりいって本気モードのシュウより動きのキレが良かったからな。
最終的にはフフフと笑いながらユウに攻撃を当てるだけで毒状態になる短剣を使って少しずつダメージを与えていくというトラウマまったなしの状態になった所で可哀想に思った俺がユウを殺してリスポーンさせ、救出した。
もうまじでヤバかったからな、ユウが死んだって気づいたヘルが首だけをこっちに向けて「ユウヤ?…何してんの?」って言われたかんな。
そしてユウに土下座をさせて謝らせ、今後2度と女性の身体的特徴について言わない様に決め、その場は解決した。
その後、首に「私はギルドメンバーにセクハラをしました」という看板を付けられ、それを写真に取られたらしい。
後々その時の事を聞くとヘルは、今は気にしてないし、ユウに効果的な交渉カードになったよ、と本人は話していたが、俺は絶対にヘルは怒らせない様にしよう、と本気で考えた。
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