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本編

No.168~ダンジョン解放前イベント42

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どうやらヘルはこの状況を利用してゴブリンの数を減らしているみたいだ。

後ろから近づいて声を出させないようにして一撃でゴブリンを殺している。

もともとヘルの暗殺技術は上手いが、殆どのゴブリンが俺たちやゴブリンジェネラルの方を集中して見ているという状況も合わさって余計に気づかれにくくなっている。

(あの調子なら大丈夫そうだな)

ヘルの今の状況も確認できた俺は地上に降り立つ。

どうやらシュウ達もじゃんけんが終わって誰が戦うのかが決まったみたいだな。

「頑張りますわ」

どうやら戦うのはシフォンに決まったらしい。

シフォンの使う武器は籠手、俺も籠手を装備しているが俺の方は防御用で刀を振ったりする時に邪魔にならない様に作っている。

対してシフォンの籠手は攻撃用に作っていて、殴った時の力が伝わりやすい様に作っていて、他にも武器として常時使うので戦闘中に壊れない様に耐久値は高く作っていて、並大抵の事じゃ壊れない様になっている。

シフォンの戦闘スタイルは相手の攻撃を避けるか籠手で受け流して相手の隙を作り、強烈な打撃を相手に与えるという物だ。

「ナンダキサマ、ヒトリデワレにタタカイヲイドモウトイウノカ、オロカシイナ」

グハハハハと笑い声をあげて喋るゴブリンジェネラルにシフォンは返す。

「愚かしい?何を言っているのでしょうか、貴方ごとき私一人で倒せると思ったから一人で戦うだけですのよ」

「キサマァ!ブッコロシテヤル!」

「おいおい、煽り耐性無さすぎだろ」

まぁこのゴブリンジェネラルが産まれたのは俺たちが転移してきた時だからな、一度も挑発された事が無かったらこんなもん…なのか?

まぁそれはおいといてあんな挑発で激昂状態になったゴブリンジェネラルにはシフォンに突撃していき手に持った太剣を振り下ろす。

だが、そんな大振りな攻撃にシフォンが当たるわけが無く、太剣はガキィン!と地面を砕いた。

そこにすかさず籠手に風属性を付与したシフォンの正拳突きを放つ。

風属性が付与された正拳突きはゴブリンジェネラルの鳩尾にヒットした瞬間に弾ける。

これで打撃と風属性による貫通ダメージがクリティカルで入った。

「グゥゥ、ナメルナァ!」

殴られた事で激昂状態が解けたゴブリンジェネラルは腕を振ってシフォンに攻撃をする。

それをシフォンは後ろに跳ぶことで回避する。

シフォンが後ろに跳んだ事でゴブリンジェネラルは地面に刺さった太剣を回収した。

シフォンはゴブリンジェネラルがもう油断もしていないし激昂もしていないので安易に飛び出す事が出来ない。

対してゴブリンジェネラルも大振りの攻撃をすれば回避されて逆に攻撃を食らうという事がさっきの事で分かっている。

両者共に動かず、膠着状態が続く。

先に動き出したのはシフォンだ。

ゴブリンジェネラルはシフォンを迎え受ける体制を整える為に太剣を横向きに構える。

シフォンは真っ直ぐゴブリンジェネラルの方に走っていき、それをゴブリンジェネラルは迎え撃つ。

シフォンはゴブリンジェネラルの切り上げを少し屈む事で回避して攻撃をするがゴブリンジェネラルも馬鹿では無い。

切り上げた太剣を遠くに飛ばないよう軽く投げて空いた手でシフォンに反撃を当てる。

横から当てられた攻撃をぶっ飛ぶ事で衝撃を逃がす。

派手に吹っ飛んで行ったが回りに石なんかは無いのでそこまでダメージは入っていない。

ゴロゴロと転がりながら衝撃を逃がしているシフォンに追撃を仕掛けるゴブリンジェネラル。

先程近くに落とした太剣をシフォンの方に投げて自分も駆けていく。

体制を立て直したシフォンに迫る太剣。

近づいてくる太剣に気づいたシフォンは右側に跳んで避けるが避けた先にはゴブリンジェネラルが待って居た。

シフォンはゴブリンジェネラルに蹴りあげられて上空に飛ばされた。
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