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本編
No.83~PVPイベント13
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9回戦はユウが勝って次は10回戦、シュウ対オレガノというプレイヤーの試合だ。
オレガノというプレイヤーの情報は余り無い。
というのもオレガノが戦ったプレイヤー、クレソンというプレイヤーなのだ がこのクレソンというプレイヤーが何故か試合で手加減をしていたのだ。
その試合はあっけなく終わり、オレガノの実力を試合で確認する事は出来なかった。
唯一分かっているのはオレガノの使用武器が槍だという事だけ。
予選トーナメントを突破したからにはある程度の技量は有るはずだが、その実力は未知数。
俺としてはシュウが負けるとは思って居ないがこういう事前に実力が分からない相手というのは戦い難い。
前回シュウはレンとの真剣勝負で疲れている。
不死鳥の布団で出来るだけ回復させてるがそれでも完全には回復は出来ない。
「それでは第十回戦、シュウさん対オレガノさんの対決です、ユウヤさん、この試合に勝った方が準々決勝に進出が決まる訳ですが今回の試合をどう見ますか?」
「はい、シュウは前回の試合でレンと戦って精神的な疲労が回復しきっていない状況での試合になります。
対戦相手のオレガノというプレイヤーは前回の試合で実力を見ることは出来ませんでした。
なので今回の試合はシュウの疲労の回復具合と未だ実力が分かっていないオレガノの力量によって変わると思われます。
他にもオレガノの使用武器は槍です、シュウは基本的ギルドメンバー以外とPVPをしないので普段と違う距離感をどう対処するかも重要だと思われます」
「ユウヤさん、ありがとうございます。
実力が未知数のオレガノさんの動きに注目ですね!それでは十回戦…開始です!」
開始の合図と同時にシュウがオレガノに向かって走る。
(シュウの奴、速攻で決めに行ったな)
シュウの顔を見ると疲労が残っている。
それに伴って攻撃にも何時もの鋭さが少なくなっていた。
オレガノはシュウの攻撃を避けるだけで反撃も攻撃もしない。
シュウはレンとの試合での極度の集中による脳の酷使で疲労困憊。
試合を直ぐに終わらせたいから速攻でオレガノを仕留めに行く。
オレガノは逆に試合を長引かせる事でシュウの疲労が限界に達するのを待っているという所か。
そうする事で自分の実力を他のプレイヤーに見せる事なく次の試合にコマを進められるという訳か。
シュウの顔を見ても疲労がとれきれて居ないのは誰が見ても確実。
現在のシュウはいつもの攻撃の鋭さも無くなっていて攻撃を避けるのも容易い、足元を見ると若干ふらついている様にも見える。
オレガノはシュウの攻撃を避けてから後ろに下がるとシュウに話し掛ける。
「なぁ、お前、なんでそんなになってまで戦ってるんだ?」
「ユウヤさんと本気で戦いたいから、私はここで負ける訳にはいかないんです!」
そういうとシュウはオレガノに攻撃を再開する。
その攻撃は今さっきまでの攻撃とは違い、鋭い攻撃を繰り返す。
オレガノはさっきと同様に攻撃を避けようとするが避けきれずダメージを受けていく…がそれも長く続かずシュウの攻撃は止んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
(限界…か)
もう限界なのだろう、シュウの攻撃の手は止まり息も絶え絶えだ。
「おまえがアイツと本気で戦いたいというのは分かった。
だが、勝つのは俺だ。
そんなに戦いたかったならレンという奴にわざと負けて貰えば良いものを…そんなのだからこうやって負けるんだ」
「そんな事をして戦っても…私が納得出来る筈がありません」
シュウは息を整えて言う。
「そうか、じゃあ終わりだ」
そう言ってオレガノは立っているのもやっとのシュウの心臓に槍を突き立てる。
シュウのHPは消失し、十回戦はオレガノの勝利で終了した。
陽菜に頼んで試合終了後に転移する場所を俺の近くにして貰った。
俺はシュウを生産室に転移させて不死鳥の布団に寝かせる。
「ユウヤさん…わたし、負けちゃいました」
「ああ、」
「ユウヤさん、絶対に優勝して下さいね、決勝で戦えなかったのは残念ですけど、応援してますから!」
笑顔で俺に応援してると伝えるシュウ。
俺はこう答える事しか出来なかった。
「おう、絶対に優勝するから、見逃すんじゃねぇぞ」
「私がユウヤさんを見逃す訳無いじゃないですか」
俺がそう言うとシュウは笑いながら俺に言う。
「じゃあもうすぐ試合だから行くな」
「はい、頑張ってください」
俺は生産室を扉からでる。
扉の向こうからシュウの声を押し殺して泣いている声が聞こえる。
(シュウが悔しくない訳が無い、それなのに俺に頑張ってと言ったんだ絶対に優勝してやる)
俺は会場に向かう。
新たな決意を胸に抱いて。
オレガノというプレイヤーの情報は余り無い。
というのもオレガノが戦ったプレイヤー、クレソンというプレイヤーなのだ がこのクレソンというプレイヤーが何故か試合で手加減をしていたのだ。
その試合はあっけなく終わり、オレガノの実力を試合で確認する事は出来なかった。
唯一分かっているのはオレガノの使用武器が槍だという事だけ。
予選トーナメントを突破したからにはある程度の技量は有るはずだが、その実力は未知数。
俺としてはシュウが負けるとは思って居ないがこういう事前に実力が分からない相手というのは戦い難い。
前回シュウはレンとの真剣勝負で疲れている。
不死鳥の布団で出来るだけ回復させてるがそれでも完全には回復は出来ない。
「それでは第十回戦、シュウさん対オレガノさんの対決です、ユウヤさん、この試合に勝った方が準々決勝に進出が決まる訳ですが今回の試合をどう見ますか?」
「はい、シュウは前回の試合でレンと戦って精神的な疲労が回復しきっていない状況での試合になります。
対戦相手のオレガノというプレイヤーは前回の試合で実力を見ることは出来ませんでした。
なので今回の試合はシュウの疲労の回復具合と未だ実力が分かっていないオレガノの力量によって変わると思われます。
他にもオレガノの使用武器は槍です、シュウは基本的ギルドメンバー以外とPVPをしないので普段と違う距離感をどう対処するかも重要だと思われます」
「ユウヤさん、ありがとうございます。
実力が未知数のオレガノさんの動きに注目ですね!それでは十回戦…開始です!」
開始の合図と同時にシュウがオレガノに向かって走る。
(シュウの奴、速攻で決めに行ったな)
シュウの顔を見ると疲労が残っている。
それに伴って攻撃にも何時もの鋭さが少なくなっていた。
オレガノはシュウの攻撃を避けるだけで反撃も攻撃もしない。
シュウはレンとの試合での極度の集中による脳の酷使で疲労困憊。
試合を直ぐに終わらせたいから速攻でオレガノを仕留めに行く。
オレガノは逆に試合を長引かせる事でシュウの疲労が限界に達するのを待っているという所か。
そうする事で自分の実力を他のプレイヤーに見せる事なく次の試合にコマを進められるという訳か。
シュウの顔を見ても疲労がとれきれて居ないのは誰が見ても確実。
現在のシュウはいつもの攻撃の鋭さも無くなっていて攻撃を避けるのも容易い、足元を見ると若干ふらついている様にも見える。
オレガノはシュウの攻撃を避けてから後ろに下がるとシュウに話し掛ける。
「なぁ、お前、なんでそんなになってまで戦ってるんだ?」
「ユウヤさんと本気で戦いたいから、私はここで負ける訳にはいかないんです!」
そういうとシュウはオレガノに攻撃を再開する。
その攻撃は今さっきまでの攻撃とは違い、鋭い攻撃を繰り返す。
オレガノはさっきと同様に攻撃を避けようとするが避けきれずダメージを受けていく…がそれも長く続かずシュウの攻撃は止んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
(限界…か)
もう限界なのだろう、シュウの攻撃の手は止まり息も絶え絶えだ。
「おまえがアイツと本気で戦いたいというのは分かった。
だが、勝つのは俺だ。
そんなに戦いたかったならレンという奴にわざと負けて貰えば良いものを…そんなのだからこうやって負けるんだ」
「そんな事をして戦っても…私が納得出来る筈がありません」
シュウは息を整えて言う。
「そうか、じゃあ終わりだ」
そう言ってオレガノは立っているのもやっとのシュウの心臓に槍を突き立てる。
シュウのHPは消失し、十回戦はオレガノの勝利で終了した。
陽菜に頼んで試合終了後に転移する場所を俺の近くにして貰った。
俺はシュウを生産室に転移させて不死鳥の布団に寝かせる。
「ユウヤさん…わたし、負けちゃいました」
「ああ、」
「ユウヤさん、絶対に優勝して下さいね、決勝で戦えなかったのは残念ですけど、応援してますから!」
笑顔で俺に応援してると伝えるシュウ。
俺はこう答える事しか出来なかった。
「おう、絶対に優勝するから、見逃すんじゃねぇぞ」
「私がユウヤさんを見逃す訳無いじゃないですか」
俺がそう言うとシュウは笑いながら俺に言う。
「じゃあもうすぐ試合だから行くな」
「はい、頑張ってください」
俺は生産室を扉からでる。
扉の向こうからシュウの声を押し殺して泣いている声が聞こえる。
(シュウが悔しくない訳が無い、それなのに俺に頑張ってと言ったんだ絶対に優勝してやる)
俺は会場に向かう。
新たな決意を胸に抱いて。
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