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本編

No.81~PVPイベント11

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俺の試合が終わって次は八回戦、対戦するはジン対アイリス。

ジンは前回の試合では跳弾を利用した攻撃の他、足元を狙って相手の行動範囲を狭める等の牽制もしていたな、案外PVPになれているプレイヤーと言っても良い。

と言っても射撃の正確さ、連射速度、リロード速度、反射速度、複数の弾丸の跳弾角度の計算、戦闘に於ける全てがユウに劣っている。

普段ユウと使用武器を銃だけに固定して戦っている俺にとったら負ける要素が見当たらないな。

アイリスは前回の試合は風属性の魔法による見えない攻撃を利用した奇襲を仕掛けて相手のHPを殆ど削った後に油断した相手を一本背負いをして武器を奪い取って勝利、だったか。

俺は前回の試合で魔力支配の影響かステータスが固定されていても魔力視は使える事が分かった。

物理攻撃しかしない職業とはいえMPが無いプレイヤーは居ない、小次郎と試合をしている時に小次郎の体から溢れている魔力が確認できた。

なのでアイリスがどんなに奇襲を狙ったとしても魔法が何処から撃たれるかが分かる俺が負ける筈が無いと。

その前に威力の低い風魔法にステータス固定でINTが低く、補正の掛かって無い魔法じゃ仮に全ての魔法に当たっても俺のHPが削りきれる事は無いし、魔法職相手に近接戦闘で負ける訳が無い。

まぁ結局の所、今回勝った方が俺と戦う訳だが、どちらが勝っても俺の勝ちは揺るがないという訳だ。

俺は今自分の試合が終わったという事で解説席に戻っている。

「ユウヤさん、お疲れ様です、先ほどの試合について一言をお願いします」

「はい、分かりました」

質問されたので感じた事を話す。

「先ほど戦ったプレイヤー、小次郎は戦った感じ対人戦闘…つまりPVPの経験が殆どありませんでした。
なのではっきり言うと余り苦戦する事もなく勝つことが出来ました。」

「成る程…対人戦の経験、ですか、」

「はい、彼自身からも普段はPVP等はしなく、モンスターとしか戦っていないと聞きました。
今行っている試合は選択した職業によって多少のステータスの違いは有りますが全体的なステータス量は同じになってる筈です。
そこで勝敗を決めるのはPVPの上手さ。
俺は彼の攻撃を全て紙一重で避けました、それは圧倒的な技量の差を表しています。
彼は相手との圧倒的な技量の差を認識した後、自分が強くなる為に行動した。
それは普通できる事では有りません。
…彼は強くなりますよ、絶対に」

「ユウヤさん、ありがとうございます、今後の小次郎さんの行動に注目、という訳ですね!」

陽菜はそう言ってから少し時間を開けてアナウンスを開始する。

「それでは八回戦、開始です!」

陽菜のアナウンスと共に八回戦が始まる。

始めにジンがアイリスに向かってクイックドロウを発動する。

アイリスは自分の回りに風のバリアを張って弾丸を受け流す。

風のバリアによって弾丸を全て受け流し、アイリスはそのままジンとの距離を詰める。

(成る程…銃使いは近接戦闘が苦手という特性を狙う訳か)

アイリスは現実で何か武道をやっているのだろう、前回の試合では見事な一本背負いを披露した。

それにユウもだったが銃使いや魔法職のプレイヤーは普段遠距離攻撃しかしないので近接戦が苦手というのがある。

ジンもまさか魔法職のアイリスが接近戦を仕掛けてくるとは思って無かったのか重い一撃をくらってしまった。

杖に魔法で風を纏わせて攻撃をする事で風魔法の威力の低さをカバーしている。

他にも工夫されていて、杖に纏っている風は杖の先端にハンマーの様になっており、その中心には風の刃が付けられている。

これにより杖の物理ダメージ+刺突、打撃属性の属性ダメージが追加させられるという訳だ。

それに武器に魔法を纏わせるという発想も良い。

魔法の維持以外にMPの消費が無く、攻撃力も申し分無い。
コスパ的にも有効だ。

予想外の衝撃に体勢を崩したジンは体勢を崩しつつも銃で反撃する。

だがその弾丸も風のバリアに阻まれ、アイリスに追撃を許してしまった。

結局試合はアイリスのMPが無くなる前にジンを押しきる形でアイリスの勝利で終わった。
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