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本編

No.61~クリスマスイベント5

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「ワシの名前はサンタ・クロース、子供達にはサンタさんと呼ばれておる。
職業はサンタクロースじゃ、仕事はクリスマスに子供達にプレゼントを配る事じゃ」

職業自体がサンタクロースなんだな、名前もそのまんまみたいだし、シュウもそう思ったのかサンタクロースに何故名前がサンタクロースなのか聞いていた。

「それはじゃな、ワシ一族は仕事、つまり子供にプレゼントを配る様になるとクロースの名前を継承することになっておるんじゃ、」

へぇ、一族ということは一人だけじゃなくて他にも居るんだな、サンタクロースが女っていうことは聞いたことがないから男しか仕事が出来ない、とかおじいさんとして伝わっているから年齢が一定以上の者しか出来ないとか有るのかな?という訳で聞いてみると

「我が一族は人々の幻想を元に神が作った一族。
一族といっても一人で子供にプレゼントを配りきる事が出来ないからワシが何人も居るだけだし、クロースの名前の継承とは新しく生まれた者にたいする事じゃな、」

成る程、他のサンタクロースがプレゼントを配れない所に子供が要る集落や国が出来たりするとサンタクロースが誕生する訳か。

「それで、何でサンタクロースは倒れていたんだ?」

「我々の仕事道具、子供の欲しい物を作り出す事の出来る袋を奪おうとした者に袋を奪われてしまった。
ワシの怪我はその時に抵抗した時に刺されてしまったんじゃ、頼む!少年、ワシの代わりに袋を取り返して来てはくれないか?」

するとクエストが発生した。
クエスト名は『魔法の袋を取り戻せ』クリア条件は魔法の袋を取り戻す、クリア報酬は???俺とシュウは話し合った結果このクエストを受けることにした。

「分かった、出来ることは手伝うぞ」

「そうか!ありがとう」

「では早速袋を奪った相手について教えて貰えますか?」

「おお!そうじゃな、ワシの袋を奪った相手はワシにソックリじゃった」

「「ソックリ?」」

「ああ、顔も服も色が違っただけで体型もワシと同じような感じじゃったぞ、」

「なあ、これって」

「ええ、多分ですけど、運営が言っていたイベントボスなんじゃ無いかと、まだイベントボスを見たというプレイヤーは居ませんし」

シュウが俺と同じ考えを口にする。
多分このクエストがイベントボスの発生のフラグになっているのでは無いかと。

「じゃあ早速探しに行くか」

「はい、では袋を取り返したらまた来ます」

「けっして無理はしない様にするんじゃぞ」

俺たちはサンタクロースに行くことを伝えその場から離れる。

「それじゃあ何処から調べる?」

俺がシュウに聞くと

「やっぱりサンタさんが襲われた場所に行ってみましょう」

「そうだな、じゃあ向かうか」

「はい!」

シュウの提案でサンタクロースが倒れていた場所に向かう事にした。
現場に向かう森を歩いて行くのだが、クエストを発生させたからなのか森が最初と違った風に感じる。

「何か不気味ですね、モンスターも一匹も居ないですし、なんだか薄暗い感じがします」

シュウがそう言った瞬間に後ろの方からバサバサと木の葉を鳴らして鳥が飛んで行った。 

「鳥が飛んだだけか、ってシュウ?」

シュウの方を見るとシュウは震えながら頭を抱えてうずくまっている。

(なんと、シュウが怖いものが苦手だったとは)

女の子と間違えそうなシュウが丸まっていると保護欲が湧いてくるな。

「ユ、ユウヤさ~ん」

シュウが涙目で俺に助けを求める。
俺は抱きしめたくなる欲を抑えてシュウを立たせる。

(こうして見ると本当に女の子にしか見えないよな)

シュウはまだ怖いのか俺のコートの裾を掴んで進む。
しばらく歩いているとやっとサンタクロースの倒れていた場所に着いた。

サンタクロースの倒れていた所を確認すると謎の袋が落ちていた。

「ユウヤさん!これって」

「ああ、魔法の袋で間違いないだろうが、多分それを取ったらボス戦になると思うから準備はしとけよ」

「はい!」

準備が終わってシュウが袋を拾う。

カタカタカタカタカタカタ

すると後ろから棒で棒を叩いた様な音がなり始める。
後ろを向くと骸骨が骨を撃ち鳴らしてこちらを見ていた。
暫くすると骸骨は音をたてて崩れた。

「シュウ、避けろ!」

骸骨が崩れた後、気配を感じたからシュウに避けるように注意する。

シュウは俺の言葉に反応して敵の攻撃を確認したが回避が遅れて吹き飛ばされて行った。

シュウを吹き飛ばした奴を見る。
サンタクロースの言った通りサンタクロースをそのまま黒くした感じのモンスターが立っていた。

「シュウ!大丈夫か!」

「はい!直ぐにそっちに向かいます!」

シュウの無事を確認して黒いサンタクロースの方を向く。
黒いサンタクロースの横にはHPバーが4本表示されていた。
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