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「それで?他にはどんな問題が有るんだ?」

ヤヨイはさっきの説明が理由の大部分と言っていたからこの作戦にはまだ問題があると言うことになる。

「いえ、さっき説明した物以外の問題は大したものでは有りません…私達が教国の上層部を知らないとか、四大貴族が集まる時に会いに行かないと行けないとかですね」

まぁ教国の上層部は時期的に少し怪しいが一般人の観光客のフリをして聞けば良いし、四大貴族は一人一人に説明でもすれば良いからな。

さっきの問題に比べたら全然小さいし、解決することも出来るしな。

「そうか…やっぱり最初に言っていた問題は大きいよな」

流石にこっちが作戦通りに行動しても最終的には運任せになるのはキツイな。

ヤヨイが穴だらけって言いたくなるのも分かる。

だって今回の作戦は失敗した時に被害を受けるのは、俺たちじゃなく教国と公国に住む国民だからな。

「はい、予定通りに動いても、最終的に公国と教国がどう動くかは分からない…こんな物は作戦なんて呼べません…こんな作戦と呼べるものでは無い話をしてしまい、申し訳ありません」

ヤヨイはそう言って俺に向かって頭を下げる。

「ちょっと待ってくれ、話してくれって言ったのは俺だ、だから謝らなくてもいい…でも話してくれてありがとう、とても参考になったよ」

俺は慌ててヤヨイにそう伝える。

話してくれと頼んだのはこちらなのにヤヨイが俺に謝るのはおかしい。

「そう言っていただけるとありがたいです…それでは、私は他にいい案が無いかを考えますね」

「分かった、何か思いついたら言ってくれ、参考になるかもしれないからな」

「分かりました、」

ヤヨイはそう言って他の案が無いかを考え始める。

まぁヤヨイの言った作戦は大きな問題が有ったが、非常に参考になる話だった。

特に教国と公国のトップの気持ちを揺さぶって戦争を起こす気を無くさせるというのは参考になりそうだ。

戦争を起こそうとしているのは国の上層部の一部だ、だからこそ、その一部の気を変える事で戦争を未然に防ぐというのは俺には無かった発想だからな。

さて、ヤヨイも他の案が無いかを考えているみたいだし、俺もなにか良い方法が無いか考えるか。

俺はそう思い、何か今回の戦争を止めるに当たって何かいい意見が無いかを考えたのだが…やはり思いつかない。

まぁ全く思いつかないという訳では無いが、それは実行出来ないような物ばかりだ。

俺が実行出来ないと言った案、その中の一つを紹介しよう。

それは四大貴族を暗殺するというものだ。

今回の戦争、仕掛けているのは公国からだ。

だからこそ、公国のトップである四大貴族を暗殺すれば戦争を未然に防ぐ事が出来る。

だが、その後に起こることを考えたらこの案は実行することは出来ない。

確かに四大貴族を暗殺する事で教国との戦争は未然に防ぐ事が出来るかもしれない。

だが、四大貴族を暗殺するという事は必然的に公国のトップが一斉にこの世から居なくなるという事だ。

国の運営は四大貴族が行なっているため、四大貴族が居なくなってしまえば国の運営をする人がいなくなって公国は大混乱に陥ってしまうだろう。

まぁ簡単に言うと、四大貴族が居なくなった場合、公国の運営が立ち行かなくなる可能性があるから実行出来ないと言う訳だな。

現状俺の思いつく案は皆こんな感じのばかりだ。

さっきの案だってやろうと思えば出来ないことは無いが、その後の影響を考えたら実行する訳にはいかないだろう。

う~ん、このまま考えていても同じような案しか出ない気がする。

そう考えた俺はヤヨイに新しい案が出来たかを聞いて見ることにする。

「ヤヨイ、何か思いついたか?」

「…いえ、やはりコレといった感じの案は出てこないですね、思いついた案はどれもイマイチという感じです」

俺の声に反応したヤヨイは俺の質問にそう答えた。
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