185 / 280
185
しおりを挟む
「避難所に空間魔法を掛けている魔法陣を発見したが、人の気配も姿も無かった…そして、人の姿が魔法陣の近くに無かったという事は避難所にいた人たちが生贄にされていないという事だ」
俺がそう言うとヤヨイはホッとした様に息をつく。
ヤヨイは犠牲になっている人が居なくて良かったと安心しているのだろう。
「あれ?それでは何でマスターは人の姿が無かったと言った時、暗い表情をしていたのですか?」
きた!
俺はヤヨイの言葉を聞いてそう考えた。
ここでヤヨイに言う言葉を間違えたら俺は確実にヤヨイに怒られる。
だから俺はヤヨイが納得できる様な理由を言わなくてはならない。
「ああ、その事か…いや、生贄になっている人が居なかったのは良かったんだよ、犠牲になっている人たちが居なかったって事だからな…だけど」
「だけど?」
「ヤヨイ、生贄になっている人達が居なかったと言う事は、避難所に空間魔法を掛けている魔法陣に生贄以外の方法で魔力を供給しているという事になるんだ」
「確かに可笑しいですね…さっきマスターが言っていた様にあの規模の魔法を発動させる為の魔力を魔石から得ることは出来ない、だからマスターは人を生贄に魔法を発動させていると考えたんですよね…ですが生贄になっている人が居なかった、という事はどうやってあの魔法を発動させ続けているのでしょうか?」
ヤヨイは小さい声でどうやったら生贄以外の方法であの規模の空間魔法を発動させられるかを考え始めた。
よし、コレでヤヨイの意識をそらす事が出来た、後は話を続けてヤヨイを騙そうとしていたと悟られない様にすれば良い。
「魔法陣に魔力を供給し、避難所に空間魔法を発動させ続けているもの…それは俺たちがこの国に来た目的の物だった」
「私たちがこの国に来た目的…まさか!?」
ヤヨイはそう聞いてすぐに思いついたのだろう、驚いた様に声を上げる。
「そう、あの避難所に空間魔法を掛け続けている魔法陣に魔力を供給している物…それは邪神の力だった」
俺は真剣な雰囲気を醸し出しつつヤヨイにそう伝える。
「邪神の力は厳重に封印されている筈…なのに…何で?」
ヤヨイは邪神の力が魔力の供給源として使われていると聞き、困惑している様だ。
まぁヤヨイの反応は正しい。
暴走すれば周囲に甚大な被害を与える邪神の力をエネルギーにして、魔法を発動させるなんて想像も出来ないだろうし、仮にやろうと思っても実現できる者は殆ど居ないからな。
「誰かが邪神の力のエネルギーに目を付けたんだろう、邪神本来の力の一部だとしてもあの力は膨大だ、それを利用できないかと考え、それを実際に実行した奴がこの国に居る」
「そんな!?間違えたらこの国が更地になる可能性だって有るんですよ!?」
「ヤヨイの言いたい事は分かる、一歩間違えたら邪神の力が周囲に放たれ、公国自体に危機が迫る、そんな物をエネルギーとして利用しようとしたんだからな…だが、公国は実際にそれ行って邪神の力からエネルギーを取り出す方法を見つけた」
ホント、邪神の力をエネルギーとして利用するって考えた奴は頭おかしいんじゃ無いかって思うけど、それを実現出来るだけの技術が有った。
これを実現した奴は正に天才って言うのだろう。
「確かに邪神の力は膨大で暴走したら危険だが、邪神の力からエネルギーを取り出す方法が見つかったのが問題なんじゃ無い」
邪神の力から得た物だと言っても、それは純粋なエネルギーだ、使う者の意思によって薬にも毒にもなる。
今回の事で本当に問題なのは…
「ヤヨイ、本当に問題なのはもうすぐこの国が戦争をするという事だ」
「戦争…ってまさか!?」
そう、この国はもうすぐ教国と戦争をする。
つまりは…邪神の力が戦争に使われる可能性が高いって事だ。
俺がそう言うとヤヨイはホッとした様に息をつく。
ヤヨイは犠牲になっている人が居なくて良かったと安心しているのだろう。
「あれ?それでは何でマスターは人の姿が無かったと言った時、暗い表情をしていたのですか?」
きた!
俺はヤヨイの言葉を聞いてそう考えた。
ここでヤヨイに言う言葉を間違えたら俺は確実にヤヨイに怒られる。
だから俺はヤヨイが納得できる様な理由を言わなくてはならない。
「ああ、その事か…いや、生贄になっている人が居なかったのは良かったんだよ、犠牲になっている人たちが居なかったって事だからな…だけど」
「だけど?」
「ヤヨイ、生贄になっている人達が居なかったと言う事は、避難所に空間魔法を掛けている魔法陣に生贄以外の方法で魔力を供給しているという事になるんだ」
「確かに可笑しいですね…さっきマスターが言っていた様にあの規模の魔法を発動させる為の魔力を魔石から得ることは出来ない、だからマスターは人を生贄に魔法を発動させていると考えたんですよね…ですが生贄になっている人が居なかった、という事はどうやってあの魔法を発動させ続けているのでしょうか?」
ヤヨイは小さい声でどうやったら生贄以外の方法であの規模の空間魔法を発動させられるかを考え始めた。
よし、コレでヤヨイの意識をそらす事が出来た、後は話を続けてヤヨイを騙そうとしていたと悟られない様にすれば良い。
「魔法陣に魔力を供給し、避難所に空間魔法を発動させ続けているもの…それは俺たちがこの国に来た目的の物だった」
「私たちがこの国に来た目的…まさか!?」
ヤヨイはそう聞いてすぐに思いついたのだろう、驚いた様に声を上げる。
「そう、あの避難所に空間魔法を掛け続けている魔法陣に魔力を供給している物…それは邪神の力だった」
俺は真剣な雰囲気を醸し出しつつヤヨイにそう伝える。
「邪神の力は厳重に封印されている筈…なのに…何で?」
ヤヨイは邪神の力が魔力の供給源として使われていると聞き、困惑している様だ。
まぁヤヨイの反応は正しい。
暴走すれば周囲に甚大な被害を与える邪神の力をエネルギーにして、魔法を発動させるなんて想像も出来ないだろうし、仮にやろうと思っても実現できる者は殆ど居ないからな。
「誰かが邪神の力のエネルギーに目を付けたんだろう、邪神本来の力の一部だとしてもあの力は膨大だ、それを利用できないかと考え、それを実際に実行した奴がこの国に居る」
「そんな!?間違えたらこの国が更地になる可能性だって有るんですよ!?」
「ヤヨイの言いたい事は分かる、一歩間違えたら邪神の力が周囲に放たれ、公国自体に危機が迫る、そんな物をエネルギーとして利用しようとしたんだからな…だが、公国は実際にそれ行って邪神の力からエネルギーを取り出す方法を見つけた」
ホント、邪神の力をエネルギーとして利用するって考えた奴は頭おかしいんじゃ無いかって思うけど、それを実現出来るだけの技術が有った。
これを実現した奴は正に天才って言うのだろう。
「確かに邪神の力は膨大で暴走したら危険だが、邪神の力からエネルギーを取り出す方法が見つかったのが問題なんじゃ無い」
邪神の力から得た物だと言っても、それは純粋なエネルギーだ、使う者の意思によって薬にも毒にもなる。
今回の事で本当に問題なのは…
「ヤヨイ、本当に問題なのはもうすぐこの国が戦争をするという事だ」
「戦争…ってまさか!?」
そう、この国はもうすぐ教国と戦争をする。
つまりは…邪神の力が戦争に使われる可能性が高いって事だ。
0
お気に入りに追加
373
あなたにおすすめの小説
転生したら倉庫キャラ♀でした。
ともQ
ファンタジー
最高に楽しいオフ会をしよう。
ゲーム内いつものギルドメンバーとの会話中、そんな僕の一言からオフ会の開催が決定された。
どうしても気になってしまうのは中の人、出会う相手は男性?女性? ドキドキしながら迎えたオフ会の当日、そのささやかな夢は未曾有の大天災、隕石の落下により地球が消滅したため無念にも中止となる。
死んで目を覚ますと、僕はMMORPG "オンリー・テイル" の世界に転生していた。
「なんでメインキャラじゃなくて倉庫キャラなの?!」
鍛え上げたキャラクターとは《性別すらも正反対》完全な初期状態からのスタート。
加えて、オンリー・テイルでは不人気と名高い《ユニーク職》、パーティーには完全不向き最凶最悪ジョブ《触術師》であった。
ギルドメンバーも転生していることを祈り、倉庫に貯めまくったレアアイテムとお金、最強ゲーム知識をフルバーストしこの世界を旅することを決意する。
道中、同じプレイヤーの猫耳魔法少女を仲間に入れて冒険ライフ、その旅路はのちに《英雄の軌跡》と称される。
今、オフ会のリベンジを果たすため "オンリー・テイル" の攻略が始まった。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
孤高のぼっち王女に見いだされた平民のオレだが……クーデレで理不尽すぎ!?
佐々木直也
ファンタジー
【素直になれないクール系美少女はいかが?】
主人公を意識しているくせにクールを決め込むも、照れすぎて赤面したり、嫉妬でツンツンしたり……そんなクーデレ美少女な王女様を愛でながら、ボケとツッコミを楽しむ軽快ラブコメです!
しかも彼女は、最強で天才で、だからこそ、王女様だというのに貴族からも疎まれている孤高のぼっち。
なので国王(父親)も彼女の扱いに困り果て、「ちょっと外の世界を見てきなさい」と言い出す始末。
すると王女様は「もはや王族追放ですね。お世話になりました」という感じでクール全開です。
そうして……
そんな王女様と、単なる平民に過ぎない主人公は出会ってしまい……
知り合ってすぐ酒場に繰り出したかと思えば、ジョッキ半分で王女様は酔い潰れ、宿屋で主人公が彼女を介抱していたら「見ず知らずの男に手籠めにされた!」と勝手に勘違い。
なんとかその誤解を正してみれば、王女様の巧みな話術で、どういうわけか主人公が謝罪するハメに。親切心で介抱していたはずなのに。
それでも王女様は、なぜか主人公と行動を共にし続けた結果……高級旅館で一晩明かすことに!?
などなど、ぼっち王女のクーデレに主人公は翻弄されまくり。
果たして主人公は、クーデレぼっち王女をデレデレにすることが出来るのか!?
ぜひご一読くださいませ。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる