上 下
41 / 280

41

しおりを挟む
案内してくれたメイドさんにお礼を言って、メイドさんには仕事に戻ってもらった。

そして俺は執務室の扉をノックする。

「何の用だ?」

「ユウヤです、報告に来ました」

中から用件を聞く声が聞こえたので用件を言う。

すると中から入ってきてくれと声が掛かったので扉を開けて中に入る。

部屋の中には高そうな椅子に座っているバーナム男爵が居た。

「本日、ニック君の練習に付き合った訳ですが…」

俺が報告をしようとした所でくいぎみにバーナム男爵が言葉を放つ。

「ユウヤ殿、家のニックはどうでした?」

その姿は先程までは威厳のある貴族という感じとら一転代わり、別人なんじゃないかって位だ。

「はい、ニック君は魔力も他の人より圧倒的に多いですし、才能も有ります」

「そうですか!良かった…ゴホン…それでユウヤ殿はどれくらいの頻度でニックに魔法を教えることが出来ますかな」

転生特典も相まってニックの魔法の才能は本当に高い。

全属性の適正に加えて魔力量も多いから大抵の魔法使いには勝てるだろう。

「ええ、私としては毎週の月曜~水曜の3日でどうでしょう」

俺もダンジョンに潜ったりしたいからな。

ていうか日本の時の影響で月曜から水曜って言ったけど通じてるか?

「ええ、それで大丈夫だと思います」

良かった、通じているみたいだ。

ということでバーナム男爵の許可が得られた俺は毎週の月曜~水曜日の3日間ニックに魔法を教えることになった。

「では失礼します」

「ニックの事、よろしくお願いします」

バーナム男爵に挨拶をしてから俺はバーナム男爵家から出る。

バーナム男爵の家から出た俺は泊まっている宿に行き、食事を取る。

そして特にやる事も無いのでその日は食事を取った後に就寝した。

そしてゲーム時代に作った目覚まし時計の音によって起床する。

そしていつもの通りに魔法で顔を洗い、部屋から出る。

「おはようございます」

「はいよ!朝ごはんはどうするんだい?」

部屋から出て一階に行くとこの宿屋の女将さんが居たので挨拶をする。

「はい、頂きます」

俺は女将さんに返事をしてから近くにあるイスに座る。

「はいよ」

そう言ってテーブルの上に置かれた今日の朝食は出来立てなのか湯気が上がっている。

ご飯にスープ、そして肉という朝からガッツリとした物だが、この宿に泊まるのは冒険者が多い為、こういうガッツリした物を食べないと力が出ないというのが理由らしい。

冒険者はギルドで張り出されている依頼の他にダンジョンに潜ってモンスターを狩り、素材を売って生活する為、一日に消費するエネルギーの量が段違いなのだ。

「女将さん、今日って何曜日でしたっけ?」

昨日、バーナム男爵と話したおかげでこの世界に曜日が有ると分かったので今日は何曜日かを尋ねる。

「なに寝ぼけたこと言ってんだい、今日木曜日に決まってるだろ」

女将さんの話によると今日は木曜日らしい。

地球と文明が違うのに地球の曜日が通じるのはユグドラシルオンラインの時の名残の様な物だろう。

この世界は実際にゲーム時代とあまり変わってない様な物もたくさん有るらしいしな。

俺は出された朝食を食べ始める。

この朝食にはガッツリと肉が入っているが、肉は脂っこくなく朝から気持ち悪くなったり胃がもたれる様な心配は無い。

そして味の方もご飯が良く進む味でついつい箸が進んでしまう。

そしてスープには野菜がたっぷり入っていて、野菜本来の美味しさが生かされている。

この世界の食材は地球の様に品種改良なんかをしていないにも関わらず地球の食材より美味しい。

ユグドラシルオンラインでヤヨイが野菜や果物を育てていたが、ゲームでは魔力を野菜に与える事で野菜の品質が上がるというのが有ったからそれが関係しているのかもしれないな。

俺はそんな事を思いつつも朝食を食べ進める。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

殴り司教と幸運極振り盗賊ちゃんのダンジョン攻略~パリィで弾いてメイスで殴れ!~

にゃーにゃ
ファンタジー
過労死でゲーム風異世界にきた転生した男、アッシュ。迷宮都市の冒険者として、司教職につくも不遇職であると判明。転生してからしばらくの間、最強のパーティ、ダイアモンドナイツの一員として、未鑑定品の鑑定や、仲間の回復に貢献していた。 そんなある日リーダーから「もう鑑定は不要」と追放を宣言される。荷物持ちには経験値が入らない、つまり転生して1年経ったがLV1だ。理不尽だが世界がそういう仕組になっているので仕方がない。 「また馬小屋生活か」そんなことを思いつつ、冒険者酒場でやけ酒をかっくらっていると、同じようにパーティを追放された盗賊っ娘ちゃんが、半泣きになりながら、ミルクを飲んでいた。 そんな男が盗賊の女の子と出会い、迷宮最下層にたどり着き、世界を救う。そんな物語。

ユグドラシルオンライン

トワイライト
ファンタジー
2028年世界初のVRMMORPG【ユグドラシルオンライン】の販売が発表された。 祐也はβテストに応募したが当たらず早く販売されないかと、日々を過ごしていた。 そして遂に【ユグドラシルオンライン】の販売日を迎える 小説家になろうでも掲載しています。 新作死んだと思ったら異世界に!?も投稿しましたので是非読んでみて下さい。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

田舎の中古物件に移住したら、なぜか幼女が住んでいた~ダンジョンと座敷わらし憑きの民泊はいかがですか?~

k-ing ★書籍発売中
ファンタジー
 幸福が訪れると噂されるホテルで働いていた主人公は理不尽な理由で解雇された。  会社の寮に住んでいた彼はすぐに退居することになったが、児童養護施設で育った彼には帰る家がなかった。  彼はネットに記載してある田舎への移住をし、数年後には持ち家になるという広告を見かける。  少し怪しいと思っていたものの、癒しを求めていざ移住を決意する。  ただ、家の中に知らない幼女がいた。  すぐに近所の住人に聞くと、どうやら座敷わらしがいるらしい。  危ない存在でもないと思った彼は、しばらくはその家に住むことにした。  んっ……?  この座敷わらし……。  思ったよりも人懐っこいぞ?  なぜか座敷わらしと仲良くなる主人公。  気づいた頃にはたくさんの妖怪が集まってきた。  不思議な家と妖怪?達と繰り広げるほのぼのスローライフ。 ※なろう、カクヨムにも投稿

ブラック・スワン  ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~ 

ファンタジー
「詰んだ…」遠い眼をして呟いた4歳の夏、カイザーはここが乙女ゲーム『亡国のレガリアと王国の秘宝』の世界だと思い出す。ゲームの俺様攻略対象者と我儘悪役令嬢の兄として転生した『無能』なモブが、ブラコン&シスコンへと華麗なるジョブチェンジを遂げモブの壁を愛と努力でぶち破る!これは優雅な白鳥ならぬ黒鳥の皮を被った彼が、無自覚に周りを誑しこんだりしながら奮闘しつつ総愛され(慕われ)する物語。生まれ持った美貌と頭脳・身体能力に努力を重ね、財力・身分と全てを活かし悪役令嬢ルート阻止に励むカイザーだがある日謎の能力が覚醒して…?!更にはそのミステリアス超絶美形っぷりから隠しキャラ扱いされたり、様々な勘違いにも拍車がかかり…。鉄壁の微笑みの裏で心の中の独り言と突っ込みが炸裂する彼の日常。(一話は短め設定です)

鬼畜ゲーとして有名な世界に転生してしまったのだが~ゲームの知識を活かして、家族や悪役令嬢を守りたい!~

ガクーン
ファンタジー
 ある世界に転生した男が、前世やり込んでいたゲームの知識を使って自分が生き残るため、そして、家族や領地を守るために奮闘し、最終的には悪役令嬢の運命までも変える物語である。  アルスは貴族の子として誕生すると、幼少の内から才能を発揮し、10歳を超えた頃には周りから神童と呼ばれるまでになった。しかし、その裏にはある秘密が隠されており…… 「あれっ? もしかして……俺が転生したこの世界、グレシアスが舞台なんじゃね?」  アルスは転生者だったのだ。しかも、転生先は前世ハマっていたグレシアスと呼ばれるゲームの世界。加えてそのゲームは難易度が恐ろしいほど高い、鬼畜ゲームとして有名であった。また、更に追い打ちをかけるように…… 「ちょっと待って、もうすぐ王国全体で大規模な戦争が起こるじゃん!」  アルスが気づいた頃にはもう時既に遅し。グレシアスのイベントである、戦争イベントが近づいていたのだった。 「このままじゃいられない! イベントに備えて行動しないと!」  間近に迫った戦争イベントを乗り越えるため、そして家族や愛する者を守るために、前世で培ったゲームの知識を駆使し、アルスは誰もが成し得なかった偉業を達成することが出来るのか。  ゲームのモブとは言わせない。華麗な躍進劇をお見せしよう。  皆様、ぜひ作者と本作を応援してもらえると嬉しいです。  *カクヨム様やなろう様でも投稿しています。  投稿頻度は1日1話を目指して投稿を進めております。

吸血鬼学園の問題児~無敵の吸血鬼狩人は生まれ変わって吸血鬼となり何を思う~

R666
ファンタジー
吸血鬼側の最強皇女【グレーテ=ローゼンベルク】と人間側の無敵の狩人【シュバルツ=フォルトゥナート】が、お互いの種族の生存権を賭けた大戦が行われてから20XX年後……。その地にはかつての面影はなく、高度な文明都市が栄えていて”日本”という新たな国名が付けれていた。 大戦で生き残った吸血鬼と人間は停戦協定を結び、共に日本という国で歪な関係のまま過ごしていたが、ある日そこにかつての大戦で皇族の吸血鬼と相打ちとなり死んだはずのシュバルツが記憶と姿を保ったまま新たに日本に誕生したのだ。 だがそれには問題があり、シュバルツは人間ではなく吸血鬼として誕生日してしまったのだ。 元人間側のシュバルツは吸血鬼として吸血鬼を育成する機関、通称【私立吸血鬼第一高等学園】に入学が決定していて、そこで多くの個性豊かな吸血鬼達と出会い……そして元狩人のシュバルツは吸血鬼となり何を思うのか。

処理中です...