上 下
19 / 280

19

しおりを挟む
修羅と話終えた後に俺は冒険者登録をしようとしたんだが…これがもう大変だった。

修羅が俺の事を主殿と言っている事がギルド内に居たものは聞いていた。

だから俺の事を何処かの偉い身分の人じゃないか?とか、ギルドマスターを従える程強いのか?とかが有ったのだろう。

周りに居た酒を飲んで騒いでいた冒険者達すらも静かになっている。

そして俺は冒険者登録をする為に最初に並んだ受付に並ぼうとしたのだが、ソコに並んでいた冒険者が道を開けたんだ。

流石に勘違いで道を開けてもらうのは申し訳ないので、その場でこういうことはしなくて良いと伝え、その場は一旦収まったのだが、順番を待って受付に着いた所からが問題だった。

俺は普通に冒険者登録をお願いすると言ったら受付嬢が怖がってしまったのだ。

最初の対応は特に悪くは無いと思うんだが、この世界だと貴族の不快をかったら殺される可能性もある世界だからな。

そこの所はギルドとして何か対応していると思うのだが、そういう時に率先して職員を守る筈の修羅が主と言っている俺の機嫌を損ねたら何をされるのか分からないというのも有るのだろう。

落ち着かせるのに少し時間がかかってしまった。

「それでは、冒険者登録をさせていただきます」

うん、動きがぎこちなくなっているな。

そして受付嬢はテーブルの下からとある紙を取り出す

「それではここに名前と年齢、使用武器を書いてください」

そういって渡された紙を見たのだが、俺はこの世界の文字を書くことが出来ない。

「すまないが代筆を頼めないだろうか?」

「は、はい、分かりました、それでは口頭でお伝え下さい」

代筆は他の冒険者が登録する時にも有るらしいので詰まる事もなく対応してくれた。

「名前はユウヤ、年齢は…18、使用武器は刀で頼む」

多分この姿は18~23位の時の姿と思う。

流石に30代とかでは無いと思う。

「はい、分かりました、これでユウヤさんの冒険者登録は終了しました、これがプレートです」

そう言って渡されたのは銅で作られたであろう小さいプレート。

だが、偽造が出来ない様に工夫されているな。

「ここにユウヤさんの魔力を込めてくれれば貴方以外の方がこのプレートを使用する事ができなくなり、このプレートで街の検問を通る事ができます」

プレート自体に魔力を記憶する能力が付いているので魔力を込めることで個人を特定する事が出来て本人確認が用意にできる。

しかも記憶している魔力以外の魔力が注がれた場合プレートから警報がなって教えてくれるという機能付きだ。

「それで冒険者についての説明は必要ですか?」

「ああ、頼む」

という事で受付嬢が冒険者について説明してくれたのだが、ゲーム時代の冒険者ギルドとは全然違ったシステムで驚いた。

ゲームでは世界自体が造られたものだったので、倒したモンスター等はプレイヤーの持つギルド証に登録され、Gが渡されたが、こっちでは討伐したモンスターの証明部位をギルドに提出、大型のモンスターの場合らその後にギルドから専用の職員がでて素材の回収をするらしい。

まぁここはゲーム時代の時との違いを考えたら分かる。

だが、ギルドランクの上昇方法が、ランク毎に一定のクエスト達成、又、Bランクになるためには実力だけではなく人格も重視されるというものだ。

これはゲーム時代にはなかったシステムだ。

ゲーム時代では一定の実力を持つモンスターの討伐が出来ればランクの上昇は認められた。

だが、その理由を聞けば納得出来た。

Bランク以上の冒険者は貴族に雇われる事もあるため、貴族に粗暴な態度を取らないという事が求められてくるらしい。

まぁ貴族なんてプライドが高くなってそうな相手に態度が悪い者を派遣したらどう文句を言われるのか分かったもんじゃないということだな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

殴り司教と幸運極振り盗賊ちゃんのダンジョン攻略~パリィで弾いてメイスで殴れ!~

にゃーにゃ
ファンタジー
過労死でゲーム風異世界にきた転生した男、アッシュ。迷宮都市の冒険者として、司教職につくも不遇職であると判明。転生してからしばらくの間、最強のパーティ、ダイアモンドナイツの一員として、未鑑定品の鑑定や、仲間の回復に貢献していた。 そんなある日リーダーから「もう鑑定は不要」と追放を宣言される。荷物持ちには経験値が入らない、つまり転生して1年経ったがLV1だ。理不尽だが世界がそういう仕組になっているので仕方がない。 「また馬小屋生活か」そんなことを思いつつ、冒険者酒場でやけ酒をかっくらっていると、同じようにパーティを追放された盗賊っ娘ちゃんが、半泣きになりながら、ミルクを飲んでいた。 そんな男が盗賊の女の子と出会い、迷宮最下層にたどり着き、世界を救う。そんな物語。

ユグドラシルオンライン

トワイライト
ファンタジー
2028年世界初のVRMMORPG【ユグドラシルオンライン】の販売が発表された。 祐也はβテストに応募したが当たらず早く販売されないかと、日々を過ごしていた。 そして遂に【ユグドラシルオンライン】の販売日を迎える 小説家になろうでも掲載しています。 新作死んだと思ったら異世界に!?も投稿しましたので是非読んでみて下さい。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

田舎の中古物件に移住したら、なぜか幼女が住んでいた~ダンジョンと座敷わらし憑きの民泊はいかがですか?~

k-ing ★書籍発売中
ファンタジー
 幸福が訪れると噂されるホテルで働いていた主人公は理不尽な理由で解雇された。  会社の寮に住んでいた彼はすぐに退居することになったが、児童養護施設で育った彼には帰る家がなかった。  彼はネットに記載してある田舎への移住をし、数年後には持ち家になるという広告を見かける。  少し怪しいと思っていたものの、癒しを求めていざ移住を決意する。  ただ、家の中に知らない幼女がいた。  すぐに近所の住人に聞くと、どうやら座敷わらしがいるらしい。  危ない存在でもないと思った彼は、しばらくはその家に住むことにした。  んっ……?  この座敷わらし……。  思ったよりも人懐っこいぞ?  なぜか座敷わらしと仲良くなる主人公。  気づいた頃にはたくさんの妖怪が集まってきた。  不思議な家と妖怪?達と繰り広げるほのぼのスローライフ。 ※なろう、カクヨムにも投稿

ブラック・スワン  ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~ 

ファンタジー
「詰んだ…」遠い眼をして呟いた4歳の夏、カイザーはここが乙女ゲーム『亡国のレガリアと王国の秘宝』の世界だと思い出す。ゲームの俺様攻略対象者と我儘悪役令嬢の兄として転生した『無能』なモブが、ブラコン&シスコンへと華麗なるジョブチェンジを遂げモブの壁を愛と努力でぶち破る!これは優雅な白鳥ならぬ黒鳥の皮を被った彼が、無自覚に周りを誑しこんだりしながら奮闘しつつ総愛され(慕われ)する物語。生まれ持った美貌と頭脳・身体能力に努力を重ね、財力・身分と全てを活かし悪役令嬢ルート阻止に励むカイザーだがある日謎の能力が覚醒して…?!更にはそのミステリアス超絶美形っぷりから隠しキャラ扱いされたり、様々な勘違いにも拍車がかかり…。鉄壁の微笑みの裏で心の中の独り言と突っ込みが炸裂する彼の日常。(一話は短め設定です)

鬼畜ゲーとして有名な世界に転生してしまったのだが~ゲームの知識を活かして、家族や悪役令嬢を守りたい!~

ガクーン
ファンタジー
 ある世界に転生した男が、前世やり込んでいたゲームの知識を使って自分が生き残るため、そして、家族や領地を守るために奮闘し、最終的には悪役令嬢の運命までも変える物語である。  アルスは貴族の子として誕生すると、幼少の内から才能を発揮し、10歳を超えた頃には周りから神童と呼ばれるまでになった。しかし、その裏にはある秘密が隠されており…… 「あれっ? もしかして……俺が転生したこの世界、グレシアスが舞台なんじゃね?」  アルスは転生者だったのだ。しかも、転生先は前世ハマっていたグレシアスと呼ばれるゲームの世界。加えてそのゲームは難易度が恐ろしいほど高い、鬼畜ゲームとして有名であった。また、更に追い打ちをかけるように…… 「ちょっと待って、もうすぐ王国全体で大規模な戦争が起こるじゃん!」  アルスが気づいた頃にはもう時既に遅し。グレシアスのイベントである、戦争イベントが近づいていたのだった。 「このままじゃいられない! イベントに備えて行動しないと!」  間近に迫った戦争イベントを乗り越えるため、そして家族や愛する者を守るために、前世で培ったゲームの知識を駆使し、アルスは誰もが成し得なかった偉業を達成することが出来るのか。  ゲームのモブとは言わせない。華麗な躍進劇をお見せしよう。  皆様、ぜひ作者と本作を応援してもらえると嬉しいです。  *カクヨム様やなろう様でも投稿しています。  投稿頻度は1日1話を目指して投稿を進めております。

吸血鬼学園の問題児~無敵の吸血鬼狩人は生まれ変わって吸血鬼となり何を思う~

R666
ファンタジー
吸血鬼側の最強皇女【グレーテ=ローゼンベルク】と人間側の無敵の狩人【シュバルツ=フォルトゥナート】が、お互いの種族の生存権を賭けた大戦が行われてから20XX年後……。その地にはかつての面影はなく、高度な文明都市が栄えていて”日本”という新たな国名が付けれていた。 大戦で生き残った吸血鬼と人間は停戦協定を結び、共に日本という国で歪な関係のまま過ごしていたが、ある日そこにかつての大戦で皇族の吸血鬼と相打ちとなり死んだはずのシュバルツが記憶と姿を保ったまま新たに日本に誕生したのだ。 だがそれには問題があり、シュバルツは人間ではなく吸血鬼として誕生日してしまったのだ。 元人間側のシュバルツは吸血鬼として吸血鬼を育成する機関、通称【私立吸血鬼第一高等学園】に入学が決定していて、そこで多くの個性豊かな吸血鬼達と出会い……そして元狩人のシュバルツは吸血鬼となり何を思うのか。

処理中です...