デュエット

大波小波

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1話 初デート

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「どうだった? コンサートは」
「すごかったです! 感動しました!」
 頬を染め、亜希ははしゃいでいる。
「配信で聴いたのと、全然迫力が違いました」
「事前に、聴いてみたのか」
「予習しました!」
「さすが、予備校生」
 啓も笑い、二人はメルセデスに乗り込んだ。
「夕食は、何がいい?」
「えっと……」
 亜希は、不思議に感じた。
 啓のことだから、予約を取っていると思っていたからだ。
 それでも、自分に任せられたのだから、と懸命に頭を働かせた。
 ナイフとフォークを使う料理は、マナーに自信がない。
 料亭で食べる和食は、作法が解らない。
「僕、お寿司が食べたいです」
「寿司か。いいね」
 寿司なら最悪、手で食べても大丈夫だろう。
 そんな考えから、亜希は行き先を決めた。

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