両片思いのI LOVE YOU

大波小波

文字の大きさ
上 下
129 / 146

3

しおりを挟む

「何だろ。また、父さんかな?」
 起き上がって見ると、発信は母・静子だ。
「母さん? 一体、どうして?」
 もしもし、と寿士が通話する間に、瑠衣は彼の身体を拭き清め始めた。
(寿士さんの、お母さんからだなんて。一体何だろ)
 ホテルで会った時は、控えめながらも芯のしっかりした女性に思われた。
(それに、すごく優しくて。美人だったな)
 社長夫人といえば、つんと澄ましたイメージを思い描いていた瑠衣だったが、それは良い方に裏切られた。
「解った。瑠衣にも、そう伝えるよ。それじゃ」
 寿士の電話が終わり、瑠衣はその顔を覗き込んだ。
「何だったの?」
「うん。婚約に至るまでにやっておくべき、今後のこと」
(何だろう。儀式みたいなのがあるのかな?)
 寿士は瑠衣の身体を拭いてあげながら、語り始めた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

君と運命になっていく

やらぎはら響
BL
母親から冷遇されている町田伊織(まちだいおり)は病気だから薬を欠かさず飲むことを厳命されていた。 ある日倒れて伊織はオメガであり今まで飲むように言われていたのは強い抑制剤だと教えられる。 体調を整えるためにも世界バース保護機関にアルファとのマッチングをするよう言われてしまった。 マッチング相手は外国人のリルトで、大きくて大人の男なのに何だか子犬のように可愛く見えてしまい絆されていく。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

僕の追憶と運命の人-【消えない思い】スピンオフ

樹木緑
BL
【消えない思い】スピンオフ ーオメガバース ーあの日の記憶がいつまでも僕を追いかけるー 消えない思いをまだ読んでおられない方は 、 続きではありませんが、消えない思いから読むことをお勧めします。 消えない思いで何時も番の居るΩに恋をしていた矢野浩二が 高校の後輩に初めての本気の恋をしてその恋に破れ、 それでもあきらめきれない中で、 自分の運命の番を探し求めるお話。 消えない思いに比べると、 更新はゆっくりになると思いますが、 またまた宜しくお願い致します。

この腕が届く距離・後日談

あさじなぎ@小説&漫画配信
BL
この腕が届く距離https://www.alphapolis.co.jp/novel/357150587/762676447 の後日談 アルファである夏目飛衣に囲い込まれたベータの俺は、飛衣が18歳になればこの関係はおわるだろうと考えていた だから、愛を囁かないでほしい。俺の決意が揺らぐから。 愛したいけど愛しちゃいけない。しょせんアルファとベータが結ばれるなんてないんだから ※ピクシブにものせています ※そんなに続かない

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

生徒会の日常…?

BL
生徒会副会長の浅野結衣。 自由すぎる生徒会メンバーとのお仕事の話! と思いきや、一人の転校生によりかき乱されていく…!? テンションとノリで書き始めたBLです。。 テンションとノリでお読みください。。

アルファ嫌いのヤンキーオメガ

キザキ ケイ
BL
にわか景気の商店街に建つペットショップで働く達真は、男性オメガだ。 オメガなのに美形でも小柄でもなく、金に染めた髪と尖った態度から不良だと敬遠されることが多い達真の首には、オメガであることを嫌でも知られてしまう白い首輪が嵌っている。 ある日、店にアルファの客がやってきた。 過去のトラウマからアルファが大嫌いな達真はぞんざいな態度で接客するが、そのアルファはあろうことか達真を「きれいだ」と称し、いきなりキスしてきて───!?

消えない思い

樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。 高校3年生 矢野浩二 α 高校3年生 佐々木裕也 α 高校1年生 赤城要 Ω 赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。 自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。 そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。 でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。 彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。 そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

処理中です...