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しおりを挟む「三回で飲む事に、何か意味があるの?」
「婚姻の契りを交わす意味を持ちます」
昴さまは、と語りながら、暁斗は杯を彼に持たせた。
昴の手を取り、酒を飲むよう促した。
「何のために生まれたのだろう、と昴さまはおっしゃいましたね」
「うん」
「昴さまは、私に会うために生まれてきた。それでは、いけませんか? 私は、昴さまに会うために生まれてきましたが」
「あ……」
昴は、こくりと頷くと、暁斗から受け取った杯を傾けた。
一回、二回、そして三回。
教えてもらったとおり、三度に分けて飲み干した。
ぎこちない笑顔の昴に、暁斗は目を細めて穏やかに、だがハッキリと宣言した。
「これで、私と昴さまは死ぬまで。いいえ、たとえ死んでも一緒です」
暁斗の言葉に、くらくらと酔った。
暁斗の酒に、ふらふらと酔った。
だが昴は、一番に言いたいことは、ちゃんと伝えた。
「僕より先に死んだら、許さないからね」
「はい」
(いつもの昴さまに、戻られたようだ)
暁斗は、それが途方も無く嬉しかった。
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