期限付きの恋なんて!

大波小波

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「97、98、99、100!」
 100まで数え終わり、要はにっこり微笑んだ。
 これでいい。
 そして、バスから上がって、夕食を済ませて……。
 だが、今日の宇実はいつもと違っていた。
「101、102、103、104……」
「宇実?」
 熱いまなざしで要を捕え、100以上を唱えている。
「……どうしたの、宇実」
「要さん。僕、要さんに無理させてるよね? 我慢、させてるよね?」
「宇実。それは」
「あの、ね。最近、よく思うんだ……」
「何を?」
 要の視線も、熱を帯び始めている。
 宇実は心の中で、これから打ち明けようとしている言葉を練習した。
(キスくらいなら、いいかな、なんて思ったりしてる……)
 ああ、でも。
(キスしちゃったら、きっと……)
 そう思う間にも、要の顔が距離を縮めて来ている。
 宇実の頬に、手のひらを添えて。
「君の思うことって、こういうこと、かな……?」
 要の唇が、宇実のそれにゆっくりと近づく。
(宇実、いいよね。キスくらいなら、許してくれるだろう?)
 しかし、あと少しのところで、宇実は要から大きく離れた。

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