期限付きの恋なんて!

大波小波

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1話 夜に

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 海で素敵な思い出を作った要と宇実は、夕食を伯父と共に外で済ませてマンションへ帰った。
「ああ、楽しかった! 宇実の伯父さまは、愉快な人だねぇ」
「要さん、真珠は必ず渡すからね」
「ありがとう。じゃあ、宇実。バスタイムにしよう」
「ま、また一緒に入るの!?」
 二人でバスを使った方が時短になる、と言う要に、宇実はすぐに裸にされてしまった。
 恥じらい、前を隠す宇実と違って、要は素裸でも堂々と振舞っている。
 柔らかなスポンジを手に、楽し気に語り掛けてくる。
「宇実、背中を流してあげるよ」
「あ、僕が先に洗ってあげる」
「そうかい? じゃあ、頼もうかな」
 すぐに背中を見せる要の所作は、自然だ。
(きっとお屋敷では、使用人さんに洗ってもらってたんだろうな)
 そんなことを考えながら、宇実は広い要の背中に泡を立てた。
「はい、交代。今度は、私の番だ」
「うん」
 宇実は、全くの無防備に背中を預けた。
 恋人とはいえ、プラトニックラブと条件を付けたのだ。
 要が突然に、性的な振る舞いをするとは、これっぽっちも思ってはいなかった。

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