224 / 230
4
しおりを挟む隼人と比呂の前に、ぞろぞろと出てきた、人たち。
年齢、性別、体格も、バラエティに富んでいる。
「彼らは、スタジオ青原の主要メンバーだ。みんな、信頼できる素晴らしい仲間たちなんだ」
青原の紹介に、スタッフは口々に挨拶を始めた。
「桐生さん。共に映画を創れることを、光栄に思います」
「君が、比呂くんか。初めまして、よろしくね」
「青原はこだわりが強いが、付き合ってやってくれ」
「観た人の胸を打つ、良いものを撮りましょう!」
好意的な言葉に、隼人も比呂も嬉しくなった。
この人たちとなら、気持ちよく仕事ができる。
そんな予感を覚えていると、青原が突然に比呂の正体を彼らに明かした。
「比呂くんは、ネコのあやかしだ。これまで、猫神修行をしていた」
「ちょ、青原さん!?」
「青原さん! その話は、いけません!」
しかしスタッフたちは、まるで動じない。
うんうんとうなずきながら、青原の話を真面目に聞いているのだ。
「だが彼は、桐生さんを深く愛している。今の命を最後に、あやかしを辞めるそうだ」
大勢の視線を感じて、隼人も比呂も困ってしまった。
何と言って、ごまかしたらいいだろうか。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
旦那様と僕
三冬月マヨ
BL
旦那様と奉公人(の、つもり)の、のんびりとした話。
縁側で日向ぼっこしながらお茶を飲む感じで、のほほんとして頂けたら幸いです。
本編完結済。
『向日葵の庭で』は、残酷と云うか、覚悟が必要かな? と思いまして注意喚起の為『※』を付けています。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。
昼寝部
キャラ文芸
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。
※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる