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1話 怖くないから
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『逃げ出さずにいてくれて、感謝する』
『前の子たちは、すぐにいなくなってしまったからね』
そんな誠の、寂しい響きの声。
そして、悲しい色の瞳。
瑞樹は、そこで理解した。
(以前に石丸さんが、嘆いていたっけ)
『初めてのアシスタントは、三ヶ月で辞めてしまいました。その次は、二ヶ月で』
そして、瑞樹の前のアシスタントは、一ヶ月で辞めてしまったのだ。
きっと誰もが、叶さんの夜のお相手を務めるのが嫌で、辞めて行ったんだ。
では、僕は?
「私の性欲処理に使われるのは、嫌か?」
「え、えっと。性欲処理、って言葉が、ちょっと……」
「なら、何と言えばいいのだろう」
「何でしょうか?」
ふふふ、と誠は笑った。
「面白いね、白川くんは」
ああ、その笑顔。
僕は、この叶さんの笑顔が大好き。
冷たい印象の人だけど、草刈りで命を落とす植物の悲しさを解ってくれる、あったかい心が大好き。
「大丈夫か? 君を抱いても」
「たぶん、大丈夫、です。大丈夫だと、思います」
好きな人になら、抱かれても平気。
そう、瑞樹は考えるようになっていた。
『前の子たちは、すぐにいなくなってしまったからね』
そんな誠の、寂しい響きの声。
そして、悲しい色の瞳。
瑞樹は、そこで理解した。
(以前に石丸さんが、嘆いていたっけ)
『初めてのアシスタントは、三ヶ月で辞めてしまいました。その次は、二ヶ月で』
そして、瑞樹の前のアシスタントは、一ヶ月で辞めてしまったのだ。
きっと誰もが、叶さんの夜のお相手を務めるのが嫌で、辞めて行ったんだ。
では、僕は?
「私の性欲処理に使われるのは、嫌か?」
「え、えっと。性欲処理、って言葉が、ちょっと……」
「なら、何と言えばいいのだろう」
「何でしょうか?」
ふふふ、と誠は笑った。
「面白いね、白川くんは」
ああ、その笑顔。
僕は、この叶さんの笑顔が大好き。
冷たい印象の人だけど、草刈りで命を落とす植物の悲しさを解ってくれる、あったかい心が大好き。
「大丈夫か? 君を抱いても」
「たぶん、大丈夫、です。大丈夫だと、思います」
好きな人になら、抱かれても平気。
そう、瑞樹は考えるようになっていた。
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