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しおりを挟む詩央は、悪夢の中にいた。
鬼面の入墨が、笑う。
あの遠田が、腕をつかんでベッドへ引きずり上げる。
「いや! もう、もう嫌です! 許してください!」
いびつなペニスが口元に突き出される。
後膣に、ねじ込まれる。
「いや! ヤだぁあ!」
「詩央さん、しっかりして!」
大丈夫。
大丈夫だから、落ち着いて。
詩央の手を、誰かが握ってくれる。
(誰? 北條さん……?)
ううん、違う。
小さな、華奢な手。
でも、なぜかひどく温かい、ぬくもり。
「うう……」
「もうすぐ真さん、お風呂から出てきますから。だから、頑張って」
詩央は、杏の手をしっかりとつかんだ。
華奢だが力強い、その手にすがった。
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