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「個人的に、とおっしゃいますと!?」
「私の、ハウスキーパーになってもらう」
「給与は、いかがなさるおつもりで!?」
「安心しろ。私のポケットマネーから出す」
 何とも物好きなことで、と副店長と人事部長は呆れ顔だ。
 当の真だけは、口の端を上げてご機嫌だった。
 久々に、面白い玩具が手に入るのだ。
 本採用にする3番か5番だかはもう二人に任せてしまって、履歴書片手に携帯を操作していた。

「もしもし、津川くん?」
『はい。先ほどは、ありがとうございました』
「結論から言おう。採用だよ」
『ホントですか!?』

 ただし、と真は続けた。

「ただし、私のハウスキーパーに採用だ。ボーイズ・バーのスタッフじゃない」
『それで結構です! ありがとうございます!』
「じゃあ、詳しい話がしたいから。1時間後に、『ミスズ』の前のカフェ・ソレイユに来てくれる?」
『はい!』

 これで、良し。
 鼻歌でも歌う気分で、真は応接室を後にした。

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