おなかが空いた！ ～寡黙で厳しいアルファ×笑顔が素敵なオメガ 山あり谷ありケンカップル！～

3

「でも僕は、今日イルカプールで澤さんを怒鳴りつけました。あれは、減点になるんじゃ……？」
「逆に、あれが決定的だった。私に本気で意見してくれる人は、少ないんだ」
「澤さん」
「いつも一緒に、笑い合いたい。そして時には、叱って欲しい」

　熱い言葉を贈られ、末緒は眩暈を覚えた。
（この先の人生で、こんなに僕を想ってくれる人はいない！）
　わずか23年しか生きていないのに、そんな風にときめいた。

「はい。結婚しましょう、澤さん」
「……ありがとう、末緒くん」
　末緒の嬉しい返事を噛みしめ、蒼真は改めてカクテルグラスを手にした。
「乾杯しよう」
「はい！」
　きらめく夜景が、温かなジャズの調べが。
　そして遠くで見守っていたウェイターとバーテンダーが、二人を祝福していた。