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しおりを挟む「私はもう、遥に夢中なんだよ」
「あ、ありがとう、ござ、いますぅう!」
いつものように道具責めの後、激しく腰を打ち付けながら、遠山は遥に話しかけていた。
「どうだ? 気持ちが悦いか? 私の遥」
「あぅう! いい、ですッ! すっごく、感じます!」
今度はバックからだ、と遥は体を裏返され、背後から犯された。
「んぁ! ヤぁ、あ。はぁ、あんッ!」
「耳を澄ますんだ。いやらしい音が、聞こえるだろう?」
遥は逆に、耳を塞ぎたかった。
あらゆる濡れた音に、肌を叩く遠山の音。
それに加えて、彼の荒い息遣いが耳元に寄ってきた。
「遥、このクラブ辞めなさい」
「え?」
「私が君を、買いあげよう。君の値段はいくらだ? 今度、オーナーに掛け合ってあげるから」
そ、それは!
「いけません。そ、それは、できません」
なぜ、と遠山は甘い声を吐く。
「君は私を、愛してるんだろう? 私も君を愛してる。そんな二人は、結ばれるべきだよ」
ぐッ、と遠山のペニスが遥を奥まで刺し貫いた。
「あぁああ!」
「ほぉら。君はもう、私から離れられないんだよ」
(イヤだ。助けて、誰か!)
そこに、落ち着いた声のアナウンスが響いた。
『お客様、商品のお買い上げは出来かねます』
了の声だった。
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