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 カラオケやゲーム、お喋りに後片付けまで、青葉は見知らぬ友達たちと行動を共にした。
「じゃあ、またね」
「楽しかったよ、バイバイ」
「おじゃましました~」
 立つ鳥跡を濁さず。
 友達を名乗る、バード・レンタルのスタッフたちは、完璧に掃除まで終えて帰っていった。
 後に残ったのは、彼らがくれたプレゼントと青葉だった。
 ぽつんとソファに座る青葉に、芳樹はそっと近づいた。
「どうだった? 18歳の誕生日。楽しかった?」
「……一応」
 それでいい、と芳樹は青葉の肩を叩いた。
「18歳の誕生日なんて、まぁこんなもんだ。青葉、こういうの初めてだろ?」
「はい」
 高校には通わず、ずっと智貴の身の回りの世話をしていた青葉だ。
 同年代の友達は、いなかった。
「でも、レンタルの友達なんて。お金で友達を雇うなんて、おかしいです」
「かもしれない。でも青葉、その靴下をくれたのは誰か覚えてる?」
「祥大くんです」
「紅茶のクッキーは?」
「心愛さん」
 わずか3時間ほどの間に、青葉は友達全員の顔と名前を憶えていた。
「人とのつながりは、一期一会。青葉はそれをよく解ってる。彼らは確かに友達だったんだよ」
 ハッピーバースディ。
 芳樹は青葉にそう言うと、数枚の写真をテーブルに残していった。
 青葉が初めて見る自分の笑顔が、そこには写っていた。
「僕は……、こんな風に笑えるんだ」
 新しい何かをもたらされたのは、芳樹だけではなかった。


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