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学園生活+冒険者活動
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査定は終わったかな、とトイレを出て戻る。
「すみません。査定終わりました?」
ウカノが戻ってくると、その場の全員の視線が一斉に向けられる。
「……えっと、なにか問題でもありましたか??」
思ったより、解体の仕方が雑で買い取れないとかかなぁと思っていたら違った。
受付嬢が、ツカツカとウカノに歩み寄る。
「問題どころじゃないですよ!!
これ、レッドアークドラゴンですよ!!
スタンピードの兆候の一つです。
いま、ギルドマスター呼んで来るんで待っててください!!
動かないでくださいよ!?」
「わかりました」
受付嬢はウカノの返事を待つことなく、また建物の奥に行ってしまう。
しかしすぐに、今度は大柄な男を連れて戻ってきた。
彼がこのギルドのギルドマスターらしい。
「なるほど、たしかにレッドドラゴンの上級種だな。
で、これを持ち込んだのが、お前か」
ギルドマスターは、綺麗に並べられた解体されている素材と、ウカノを交互に見た。
「はい。
冒険者ギルドの方が高く買取ってくれるからって、農業ギルドで言われたんです」
「なるほど。
それで、このドラゴンはいつ、どこで討伐したんだ?」
「今日、南部で討伐しました。災害が立て続けに起きた所です」
ウカノは正直に答えた。
その答えに、他の冒険者達がざわつく。
「おいおい、いくらなんでも嘘だろ」
「南部って、馬車で何日かかると思ってんだ」
「いや、転移魔法を使えば行ってかえってくることはでききるぞ」
「でも、転移魔法なんて上級魔法使える魔法使いは限られてるだろ?
居るとしたら高ランクパーティになるぞ」
「あの小僧はそのパーティの見習いかなにかってことだろ」
派手に諸々勘違いされている。
転移魔法以外は、全てウカノが一人でやったことだ。
「頭と尻尾が無いのはなんでだ?
内臓も一部無くなってるな?
捨ててきたのか?」
ギルドマスターがさらに聞いてきた。
「え、そんな勿体無いことする訳ないじゃないですか!
炊き出しに使うから、置いてきたんですよ!
被災地は田んぼも畑も流されちゃったんで、食糧不足が深刻なんです。
だから、現地の人たちのために置いてきました。
今頃、その人たちの胃袋におさまってると思います」
ざわつきが消えて、シンと静まりかえる。
そして、戸惑いが広がっていく。
「え、炊き出し??」
「待って待って、ドラゴンって食えるの??」
「尻尾はわかるけどさぁ」
「わかる、脳ミソが美味いんだよなぁ。
新鮮なうちに醤油につけて食うのがいいんだ」
約一名、農民出身の冒険者らしき人間の発言が混ざっている。
しかし誰も気にしない。
その程度には戸惑いが大きかった。
ギルドマスターは頭痛でもするのか、頭を抑えている。
「わかった、とにかく南部には俺から連絡する。
それで他の仲間は?
出来れば転移魔法の使い手と話がしたいんだが」
(農業ギルドは転移魔法を組織的に使えるようにしてるんだけど。
知らないのか)
知られていないのなら、わざわざ説明するのは気が引ける。
なので、ここは相手の勘違いに乗ろうと考えた。
ところが、ウカノが嘘八百を並べ立てるよりも先に受付嬢が説明する。
「そ、それが、ギルドマスター。
彼の保護者兼仲間達には連絡が取れないらしくて」
そこから先は、ウカノが説明した。
勿論、嘘だらけの説明ではあるが。
ギルドマスターは、渋々ではあるが納得していた。
(さて、本当はスタンピードはもう起こらないんだけど。
……言わない方がいいか)
今日は、エリの勧めで冒険者ギルドのギルドカードを作りにきただけだ。
査定もついでだった。
つまり、今回以降ウカノは冒険者ギルドを利用する気が欠片も無いのだ。
あとは冒険者ギルド内で適当にやるだろう。
そうすると、残っているのは。
ウカノは、自分で解体した素材を見た。
(これの買取くらいか)
「それで、この素材は買い取ってくれるんですか?」
とりあえず、ウカノはせっついた。
結局、金貨三百枚になった。
新品の魔導農機具が一台買える金額だ。
かなりの大金である。
それを受け取って、ウカノはすぐに併設されている食堂へ向かった。
そろそろ空腹がいい感じなのだ。
その間にも他の者達の視線が突き刺さり続けていたが、ウカノは気にしなかった。
適当にガッツリメニューを注文し、空いてる席に座って食べ始める。
丼物だった。
一口食べて、ちょっと残念そうな顔になる。
そして、小さく一言。
「実家の米の方が美味い」
聞こえるとまずいので、本当に小さな呟きだった。
「すみません。査定終わりました?」
ウカノが戻ってくると、その場の全員の視線が一斉に向けられる。
「……えっと、なにか問題でもありましたか??」
思ったより、解体の仕方が雑で買い取れないとかかなぁと思っていたら違った。
受付嬢が、ツカツカとウカノに歩み寄る。
「問題どころじゃないですよ!!
これ、レッドアークドラゴンですよ!!
スタンピードの兆候の一つです。
いま、ギルドマスター呼んで来るんで待っててください!!
動かないでくださいよ!?」
「わかりました」
受付嬢はウカノの返事を待つことなく、また建物の奥に行ってしまう。
しかしすぐに、今度は大柄な男を連れて戻ってきた。
彼がこのギルドのギルドマスターらしい。
「なるほど、たしかにレッドドラゴンの上級種だな。
で、これを持ち込んだのが、お前か」
ギルドマスターは、綺麗に並べられた解体されている素材と、ウカノを交互に見た。
「はい。
冒険者ギルドの方が高く買取ってくれるからって、農業ギルドで言われたんです」
「なるほど。
それで、このドラゴンはいつ、どこで討伐したんだ?」
「今日、南部で討伐しました。災害が立て続けに起きた所です」
ウカノは正直に答えた。
その答えに、他の冒険者達がざわつく。
「おいおい、いくらなんでも嘘だろ」
「南部って、馬車で何日かかると思ってんだ」
「いや、転移魔法を使えば行ってかえってくることはでききるぞ」
「でも、転移魔法なんて上級魔法使える魔法使いは限られてるだろ?
居るとしたら高ランクパーティになるぞ」
「あの小僧はそのパーティの見習いかなにかってことだろ」
派手に諸々勘違いされている。
転移魔法以外は、全てウカノが一人でやったことだ。
「頭と尻尾が無いのはなんでだ?
内臓も一部無くなってるな?
捨ててきたのか?」
ギルドマスターがさらに聞いてきた。
「え、そんな勿体無いことする訳ないじゃないですか!
炊き出しに使うから、置いてきたんですよ!
被災地は田んぼも畑も流されちゃったんで、食糧不足が深刻なんです。
だから、現地の人たちのために置いてきました。
今頃、その人たちの胃袋におさまってると思います」
ざわつきが消えて、シンと静まりかえる。
そして、戸惑いが広がっていく。
「え、炊き出し??」
「待って待って、ドラゴンって食えるの??」
「尻尾はわかるけどさぁ」
「わかる、脳ミソが美味いんだよなぁ。
新鮮なうちに醤油につけて食うのがいいんだ」
約一名、農民出身の冒険者らしき人間の発言が混ざっている。
しかし誰も気にしない。
その程度には戸惑いが大きかった。
ギルドマスターは頭痛でもするのか、頭を抑えている。
「わかった、とにかく南部には俺から連絡する。
それで他の仲間は?
出来れば転移魔法の使い手と話がしたいんだが」
(農業ギルドは転移魔法を組織的に使えるようにしてるんだけど。
知らないのか)
知られていないのなら、わざわざ説明するのは気が引ける。
なので、ここは相手の勘違いに乗ろうと考えた。
ところが、ウカノが嘘八百を並べ立てるよりも先に受付嬢が説明する。
「そ、それが、ギルドマスター。
彼の保護者兼仲間達には連絡が取れないらしくて」
そこから先は、ウカノが説明した。
勿論、嘘だらけの説明ではあるが。
ギルドマスターは、渋々ではあるが納得していた。
(さて、本当はスタンピードはもう起こらないんだけど。
……言わない方がいいか)
今日は、エリの勧めで冒険者ギルドのギルドカードを作りにきただけだ。
査定もついでだった。
つまり、今回以降ウカノは冒険者ギルドを利用する気が欠片も無いのだ。
あとは冒険者ギルド内で適当にやるだろう。
そうすると、残っているのは。
ウカノは、自分で解体した素材を見た。
(これの買取くらいか)
「それで、この素材は買い取ってくれるんですか?」
とりあえず、ウカノはせっついた。
結局、金貨三百枚になった。
新品の魔導農機具が一台買える金額だ。
かなりの大金である。
それを受け取って、ウカノはすぐに併設されている食堂へ向かった。
そろそろ空腹がいい感じなのだ。
その間にも他の者達の視線が突き刺さり続けていたが、ウカノは気にしなかった。
適当にガッツリメニューを注文し、空いてる席に座って食べ始める。
丼物だった。
一口食べて、ちょっと残念そうな顔になる。
そして、小さく一言。
「実家の米の方が美味い」
聞こえるとまずいので、本当に小さな呟きだった。
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