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二年生になりました(笑)
裏話8
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そんなこんなで放課後。
俺はブランを連れて、売店にやってきた。
ここは筆記用具とかノートとか、他にも学生生活に必要なものが購入出来るようになっている。
「あ、あったあった」
俺は陳列された商品群の中からそれを手に取った。
「ほい、じゃあこれ買って」
ポイッとブランにそれを渡す。
渡されたものを見た瞬間、ブランの顔色が真っ赤に変わった。
「おまっ?!
意味わかってんのか?!?!」
同時に叫ばれた。
俺がブランに買ってもらおうと渡したもの。
つまりは、俺の欲しいもの。
靴下である。
三足くらいセットになってるやつだ。
「……意味?」
なんのこっちゃ。
「いや、何足か穴空いてたから、そろそろ新しいの買おうかなって思ってただけなんだけど。
なんか意味あるの??」
「っ、それは……っ」
ブランが耳まで真っ赤にして口ごもる。
「奢ってくれないのか?
あ、もしかして高かったか?」
他の店とかで買った方が安いもんなぁ。
五足で同じ値段だったりするし。
じゃあ、消しゴムにするか。
そっちもちょうど小さくなってたし。
「……買います」
小さくブランが言った。
なんで敬語なんだ、こいつ。
あとまだ顔赤いし。
て、あれ?
この匂い……。
教務室で同じ匂いがしたような??
んー???
それはそうと、ノームからの連絡が一切ない。
「…………」
逐一報告してくれとお願いしたわけじゃないし、なにかあれば言ってくるはずだ。
それが無い、ということは多分ディアナは大丈夫だろうと思う。
しかし、やっぱり気になる。
そんな時だった。
エルリーからSNS経由で、連絡が入った。
それによるとどうやら、ディアナは現在エルリーと一緒に図書室にいるらしい。
「……ノーム」
俺はノームを呼んでみた。
ノームは、すぐに現れた。
ちらり、とレジを確認する。
ちょうど、ブランも会計を終えたところだった。
ブランが、相変わらず顔を真っ赤にして、グイッと袋ごと靴下を渡してきた。
「ありがと」
俺はそれを受け取る。
すると、ブランが、
「ほ、ほほほ、ほんとに良いんだな?!」
なんか、どもりながら確認してきた。
「なにが?」
「なにがって」
それを見ていたノームが、なにか察したのか、
「お前、魔族から下着を貰ったのか?」
そう聞いてきた。
俺は返した。
「欲しいものないかって聞かれて、じゃあ靴下がほしいっていったら、買ってくれた。
靴下ボロボロだったしさ。
それが?」
「自分から言って、んで、その魔族の子からもらったのか」
ノームの顔が、だんだん面白そうにニマニマしだす。
「そうだけど、それが??」
俺の疑問には答えず、ノームはいまだ顔を真っ赤にしているブランを見た。
恥ずかしそうに、そっぽを向いている。
そんなブランに、ノームは手を伸ばし、頭をポンポンと撫でてやった。
「人間と魔族だと慣習が違う。
わかってると思うが、お前が考えているほどの意味は、こいつは考えていないぞ」
「わ、わかってるよ!!」
さっきから何なんだ、ほんと。
俺だけが意味がわからずいると、ノームが俺を見てきた。
そして、
「シルフィードから聞いたが、その手にしている便利な鉄の板で調べたらどうだ??」
なんて提案してきた。
携帯のことか。
言われて、俺は【魔族 靴下 贈り物 意味】で検索してみた。
情報が表示されるまでの短い間に、俺はノームへディアナのことを聞いてみた。
それによると、ノームは姿を消したまま、彼女と白衣の教師のやりとりを見ていたらしい。
そのやりとりの内容は、嫌がらせの聞き取り調査だったようだ。
なにをされたとかそういうの。
白衣の教師の態度は、嫌々やっているようにみえたらしい。
たぶんだけど、あの教師は平民、いや、庶民出身の生徒を見下しているのだろう。
けれど、仕事として聞き取りを押し付けられたとかなのだろう。
特にディアナが、なにか乱暴されたとかそう言ったことはなかったらしい。
で、その後、タイミングを見計らって生徒会長が直々に彼女を引取りに来たのだとか。
授業出なくていいのかな、生徒会長。
まぁ、そうしてディアナは生徒会が引取り、さらにその後。
同性の知り合いということで、エルリーに連絡が行き、彼女と一緒にいることになったらしい。
「なるほど」
ノームの説明を聞いてる間に、検索結果も表示された。
適当な記事をタップして内容を確認する。
「……へ??」
記事の内容は、魔族側のマナーについてだった。
あと、贈り物に込める意味合いとかが、ズラっと書かれている。
人間側だと、靴下を送る場合はあまりいい意味が無いらしいというのを初めて知った。
なんか、見下すとか踏み台にするとか、そんな意味になるらしい。
まぁ、貰う相手が欲しい場合は別だから気にしなくてもいいと書かれていた。
問題は、魔族側でそういったことをした場合の意味だ。
異性、同性、あるいは目上の人に対して、少々意味が違ってくるらしい。
幸い、というべきか、不幸に、と言うべきか。
今回のような、贈り物を送る相手から靴下を所望された場合の意味については、こんなものになるらしい。
【貴方を主と認め、一生仕えることを誓います】
まぁ、これは性別関係ない意味らしい。
ただ、これが、欲しいと言ったのがお付き合いしている異性だった場合。
【貴方と同じ道を歩きたい】(意訳)
まぁ、プロポーズの暗喩となるらしい。
ちなみに、同性の友人同士ではまず贈らないらしい。
もしも、同性の友人同士でこれを所望し、あるいは所望され、それを受けて相手に贈った場合の意味は、
「…………あ、あー、なるほど」
俺は、なんとも言えない気持ちになる。
ブランを見た、ブランはやはりそっぽを向いたままだ。
【この身も心も、貴方に捧げ、貴方と共に滅びることも厭わないことを誓います】
クソ重い意味が込められていた。
まぁ、この意味になったのにも、色々歴史があるらしい。
うん、人間と魔族だと感覚が違うから、うん。
魔族にとっては、一生仕えることよりも、滅びることにとても大事な意味があるらしい。
それこそ、結婚よりも重要な意味があるらしい。
「なんか、ごめん」
さすがに、アレなので謝った。
ブランは、
「ま、まぁ、正式な契約や誓約じゃないし、うん。
お前は、人間だし」
なんて言ってきた。
ノームが横でくっそ笑ってる。
大地の精霊の王様の威厳なんて欠片もない、そんな笑いだった。
あー、でも仕える云々で思い出した。
進路、考えないとなぁ。
いや、考えてはいるけど、さてどうするか。
主に、逃亡先とかそういうの。
俺はブランを連れて、売店にやってきた。
ここは筆記用具とかノートとか、他にも学生生活に必要なものが購入出来るようになっている。
「あ、あったあった」
俺は陳列された商品群の中からそれを手に取った。
「ほい、じゃあこれ買って」
ポイッとブランにそれを渡す。
渡されたものを見た瞬間、ブランの顔色が真っ赤に変わった。
「おまっ?!
意味わかってんのか?!?!」
同時に叫ばれた。
俺がブランに買ってもらおうと渡したもの。
つまりは、俺の欲しいもの。
靴下である。
三足くらいセットになってるやつだ。
「……意味?」
なんのこっちゃ。
「いや、何足か穴空いてたから、そろそろ新しいの買おうかなって思ってただけなんだけど。
なんか意味あるの??」
「っ、それは……っ」
ブランが耳まで真っ赤にして口ごもる。
「奢ってくれないのか?
あ、もしかして高かったか?」
他の店とかで買った方が安いもんなぁ。
五足で同じ値段だったりするし。
じゃあ、消しゴムにするか。
そっちもちょうど小さくなってたし。
「……買います」
小さくブランが言った。
なんで敬語なんだ、こいつ。
あとまだ顔赤いし。
て、あれ?
この匂い……。
教務室で同じ匂いがしたような??
んー???
それはそうと、ノームからの連絡が一切ない。
「…………」
逐一報告してくれとお願いしたわけじゃないし、なにかあれば言ってくるはずだ。
それが無い、ということは多分ディアナは大丈夫だろうと思う。
しかし、やっぱり気になる。
そんな時だった。
エルリーからSNS経由で、連絡が入った。
それによるとどうやら、ディアナは現在エルリーと一緒に図書室にいるらしい。
「……ノーム」
俺はノームを呼んでみた。
ノームは、すぐに現れた。
ちらり、とレジを確認する。
ちょうど、ブランも会計を終えたところだった。
ブランが、相変わらず顔を真っ赤にして、グイッと袋ごと靴下を渡してきた。
「ありがと」
俺はそれを受け取る。
すると、ブランが、
「ほ、ほほほ、ほんとに良いんだな?!」
なんか、どもりながら確認してきた。
「なにが?」
「なにがって」
それを見ていたノームが、なにか察したのか、
「お前、魔族から下着を貰ったのか?」
そう聞いてきた。
俺は返した。
「欲しいものないかって聞かれて、じゃあ靴下がほしいっていったら、買ってくれた。
靴下ボロボロだったしさ。
それが?」
「自分から言って、んで、その魔族の子からもらったのか」
ノームの顔が、だんだん面白そうにニマニマしだす。
「そうだけど、それが??」
俺の疑問には答えず、ノームはいまだ顔を真っ赤にしているブランを見た。
恥ずかしそうに、そっぽを向いている。
そんなブランに、ノームは手を伸ばし、頭をポンポンと撫でてやった。
「人間と魔族だと慣習が違う。
わかってると思うが、お前が考えているほどの意味は、こいつは考えていないぞ」
「わ、わかってるよ!!」
さっきから何なんだ、ほんと。
俺だけが意味がわからずいると、ノームが俺を見てきた。
そして、
「シルフィードから聞いたが、その手にしている便利な鉄の板で調べたらどうだ??」
なんて提案してきた。
携帯のことか。
言われて、俺は【魔族 靴下 贈り物 意味】で検索してみた。
情報が表示されるまでの短い間に、俺はノームへディアナのことを聞いてみた。
それによると、ノームは姿を消したまま、彼女と白衣の教師のやりとりを見ていたらしい。
そのやりとりの内容は、嫌がらせの聞き取り調査だったようだ。
なにをされたとかそういうの。
白衣の教師の態度は、嫌々やっているようにみえたらしい。
たぶんだけど、あの教師は平民、いや、庶民出身の生徒を見下しているのだろう。
けれど、仕事として聞き取りを押し付けられたとかなのだろう。
特にディアナが、なにか乱暴されたとかそう言ったことはなかったらしい。
で、その後、タイミングを見計らって生徒会長が直々に彼女を引取りに来たのだとか。
授業出なくていいのかな、生徒会長。
まぁ、そうしてディアナは生徒会が引取り、さらにその後。
同性の知り合いということで、エルリーに連絡が行き、彼女と一緒にいることになったらしい。
「なるほど」
ノームの説明を聞いてる間に、検索結果も表示された。
適当な記事をタップして内容を確認する。
「……へ??」
記事の内容は、魔族側のマナーについてだった。
あと、贈り物に込める意味合いとかが、ズラっと書かれている。
人間側だと、靴下を送る場合はあまりいい意味が無いらしいというのを初めて知った。
なんか、見下すとか踏み台にするとか、そんな意味になるらしい。
まぁ、貰う相手が欲しい場合は別だから気にしなくてもいいと書かれていた。
問題は、魔族側でそういったことをした場合の意味だ。
異性、同性、あるいは目上の人に対して、少々意味が違ってくるらしい。
幸い、というべきか、不幸に、と言うべきか。
今回のような、贈り物を送る相手から靴下を所望された場合の意味については、こんなものになるらしい。
【貴方を主と認め、一生仕えることを誓います】
まぁ、これは性別関係ない意味らしい。
ただ、これが、欲しいと言ったのがお付き合いしている異性だった場合。
【貴方と同じ道を歩きたい】(意訳)
まぁ、プロポーズの暗喩となるらしい。
ちなみに、同性の友人同士ではまず贈らないらしい。
もしも、同性の友人同士でこれを所望し、あるいは所望され、それを受けて相手に贈った場合の意味は、
「…………あ、あー、なるほど」
俺は、なんとも言えない気持ちになる。
ブランを見た、ブランはやはりそっぽを向いたままだ。
【この身も心も、貴方に捧げ、貴方と共に滅びることも厭わないことを誓います】
クソ重い意味が込められていた。
まぁ、この意味になったのにも、色々歴史があるらしい。
うん、人間と魔族だと感覚が違うから、うん。
魔族にとっては、一生仕えることよりも、滅びることにとても大事な意味があるらしい。
それこそ、結婚よりも重要な意味があるらしい。
「なんか、ごめん」
さすがに、アレなので謝った。
ブランは、
「ま、まぁ、正式な契約や誓約じゃないし、うん。
お前は、人間だし」
なんて言ってきた。
ノームが横でくっそ笑ってる。
大地の精霊の王様の威厳なんて欠片もない、そんな笑いだった。
あー、でも仕える云々で思い出した。
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