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遭遇編!
影人間(3)
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「あのう、すいません、少しお時間良いですか?」
俺は戸惑った声で呼び止めた。無理もない、相手は年上なのか年下なのか、またはヒューマンなのか? そういった外見上の情報が殆どわからないからだ。それに呼び止められた事による表情もわからないので不安だった。
「呼び止めたの君か?」
「はい・・・」
相手は中年すぎのやや渋い声をしていた。どちらかといえばアナウンサーみたいな綺麗なアクセントをしていた。
「実は・・・あなたが着ているのは全身タイツですよね? どうしてそういった・・・恰好をされているのですか?」
俺の頭には小学生の時に耳にした変態のエピソードが蘇っていた。直接見たわけではないが、真夏の早朝の夜明け前後の校庭で一糸まとわぬ格好で散歩する男がいたというものだ。まあそれが自由になって開放されるからというかもしれないけど、本当に変態だと思った。
だから、目の前にいるのも変態だと思ったけど、なにもかも隠しているのだから本当のところは何だろうかという事に気付いた。人と違う事をしていたら全て変態ではないんじゃないかと。だって何も見えないし分からないし!
「それはね、解放されるんだよ、日常の煩わしさから!」
その声はどこか清々しいという感情が籠っているように思った。
俺は戸惑った声で呼び止めた。無理もない、相手は年上なのか年下なのか、またはヒューマンなのか? そういった外見上の情報が殆どわからないからだ。それに呼び止められた事による表情もわからないので不安だった。
「呼び止めたの君か?」
「はい・・・」
相手は中年すぎのやや渋い声をしていた。どちらかといえばアナウンサーみたいな綺麗なアクセントをしていた。
「実は・・・あなたが着ているのは全身タイツですよね? どうしてそういった・・・恰好をされているのですか?」
俺の頭には小学生の時に耳にした変態のエピソードが蘇っていた。直接見たわけではないが、真夏の早朝の夜明け前後の校庭で一糸まとわぬ格好で散歩する男がいたというものだ。まあそれが自由になって開放されるからというかもしれないけど、本当に変態だと思った。
だから、目の前にいるのも変態だと思ったけど、なにもかも隠しているのだから本当のところは何だろうかという事に気付いた。人と違う事をしていたら全て変態ではないんじゃないかと。だって何も見えないし分からないし!
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