召喚先は打ち切り漫画作品の世界！？ 異世界の終末を救うには役だたずかもしれないけど（完結）

召喚の書

３

　ヴェロムの物語が訳が分からなくなっても最期まで見届けようと思っていた。なんとなく彼の世界の終わりを予感したのだ。そう打ち切りを！　それは週刊少年チャンプの掟みたいなものだった。人気が低迷したら打ち切りということを。でも彼の活躍を願っていたのに中途半端に終わるのは嫌だった。でも、その時がやってきた。

　掲載順位がどんどん後ろになっていたので、扉絵を見る前に最後のページにある目次を見た。すると作者の「和田昌幸」の言葉が目に飛び込んだ！　別れのメッセージだった。そう危惧は実現したのだ・・・

　最終話となった十九話はこんな話だった。無理矢理参加した武闘大会であったが、なんやかんやで優勝決定戦までやってきた。前回の18話が大会がまるでダイジェストのようになっていたので予兆はあったが。

　優勝決定戦！　相手は冒険の邪魔をしてきた魔道士ギルド「シュバルツェスマーケンダー」配下のパーティーだった。優勝賞品として置かれていたのは探し求めていた「琥珀銀の槍」だ！　それにヴェロムは興奮を覚えていた！

　しかし、そのとき会場の上が暗雲に覆われ、その槍を奪いに来た奴が出現した。その奴はこういったのだ！

　「我が探し求めていたものだ！　これで、この不細工な世界を粛清できる」

　そいつが、打ち切りの使者のようだった！